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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
121:
宮村 湊 [×]
2025-11-03 20:56:37
!…ありがとうございます、俺はどちらでも大丈夫なので、そしたら一応三週間後の水曜日で決定して、来月の第二火曜日を予備候補日にしておきましょう。もし都合が悪くなったらいつでも言ってくださいね、また日程を調整したら良いですから。
(返事を待つ時間は実際はほんの一分ほどだったのだろうが、永遠に感じるほど長く思われた。相手を困らせてしまっている気がして、やっぱり今のは無しで、と取り下げようと唇を開こうとしたその瞬間、返ってきた返事に思わず僅かに瞳を見開く。今の一瞬の内に、相当頭の中で予定を調整してくれていたのだろう。無理をさせてしまったのではないかという不安は過ったものの、それでも自分との時間を作ろうとしてくれた彼に対してこれ以上不安そうな素振りを見せるのは却って良くない気がして、謝罪の代わりに心から礼を告げた。そもそも本当は会社で働いているわけではない自分の方は幾らでも時間の融通を利かせることが出来たので、相手に負担をかけないようにそう付け加えると、漸く安心したように少しだけ頬を緩める。忙しい中彼が時間を空けてくれると言うのであれば、折角ならば彼が仕事のことを忘れて癒されるような、そんな時間にしたい。いつに無く真剣に計画を練らなければと心の奥底で決意を固めつつ、ガトーショコラの最後の一口を口に運び、ブラックコーヒーで口の中に広がった甘味をきっちりと締めた)
ご馳走様でした。コーヒー、すっごく美味しかったです。
122:
常葉 悠 [×]
2025-11-05 02:05:48
そうですね。ありがとうございます。日程変更しなくて良いように、頑張りますね……!
(自分の答えを聞いた途端に、彼の表情から不安が消えたのを見て一安心する。今度から考え込む前に一言差し挟むことにしよう。三週間後の水曜日。この日を良い日として迎えられるように、明日からの仕事は今まで以上にハードなスケジュールで、しかも効率的に熟さなければならない。今以上に疲労も溜まるし、食事や家事も疎かになるだろう。だが、そんなものは彼と同じ時間を共有することの喜びの前では塵も同じだった。今までの仕事は何のやり甲斐も、感動もなく、ただ単に自分に与えられた職責を全うしていた無味乾燥なものだった。だが今は違う。彼と一緒の時間を過ごすために乗り越えるべき壁に変わったのだ。壁はどんなことをしてでも乗り越える必要がある。例え自分のライフワークバランスが崩壊しようとも、彼と一緒に居れればそれで良い。自分の仕事に色が付いたのだ。具体的な計画は恐らく彼がやってくれるだろうが、不安は一切ない。彼と一緒ならばどんな場所でも構わない。もはや、自分は彼がいなくては生きられなくなっているのかもしれない)
お粗末さまでした。ふふ……君の作ったクッキーも美味しかったですよ。ありがとうございました。さて、帰りはどうしますか。タクシー、呼びますか?
("ご馳走様"彼の言葉が耳に入ると、胸がきゅうとした。コーヒーを飲み終わったら、もうここに彼がいる理由は無い。彼にも仕事があるだろうし、ここら辺で帰してあげるのが良いだろう。胸の中に広がる寂しさを押し殺して、口角を上げて彼にクッキーのお礼を述べる。と、ここで気になったことがある。来る時は自分とタクシーに乗ってきたから良いが、帰りはどうするのか。生憎自分は車を持っていない。彼の住まいは分からないが、駅まで歩いたとしても15分程度は掛かる。帰りまで想定して招くべきだったと後悔しながら、タクシーを呼ぶことを提案してみる)
123:
宮村 湊 [×]
2025-11-05 08:19:19
お口に合って本当に良かったです。あ、気候も悪くないので散歩がてら歩いて帰りますよ。またここに来れるように、道も覚えておきたいですし。あ、洗い物は任せてください。それだけやって帰ります。
(帰りの手段について深く考えてはいなかったものの、タクシーに乗っていた分数から推測するに、駅まではそう遠く離れていないのだろう。また彼の家を訪れることを信じて疑っていない様子でそう付け加えて朗らかな笑みを向けると、軽く腕まくりをしてテーブルの上の空になった食器を全てキッチンへと運ぶ。シンクに置かれていたドリッパーと共に2人分の食器を丁寧に、しかしながら手馴れた様子で手際よく洗うと、水切りにそれを綺麗に並べて濡れた手をタオルで拭いた。そうしていよいよ帰宅の時間が近づくと、今まで一切感じたことの無い、後ろ髪を引かれるようなモヤモヤとした感情に襲われて、それが"寂しさ"だと気づくまでには少々時間を要した。とは言え、それを口にしてこれ以上彼を困らせるわけにはいかない。部屋の端に置いていたバッグを手に取って彼の方へと視線を遣ると、静かに唇を結び、軽くその端を上げて微笑みを形づくる)
それじゃあ、俺はこれで。今日はすごく楽しかったです。…3週間後にまた会えるのを楽しみにしていますね!
(ひらりと軽く右手を振り、瞳を細める。離れ難く思う寂しさを、次の約束がほんの少しだけ補ってくれるような気がして、最後にそう付け加えた)
124:
常葉 悠 [×]
2025-11-06 23:48:41
(折角提案したタクシーだったが、彼は徒歩で帰るという。洗い物をしてくれている彼を見ながらぼうっと考える。徒歩15分。今の自分にとっては翌日が怖くなる数字だ。これが若さか。たった10歳違うだけで、こうも意識が変わるものか。10年前はバイタリティに溢れ、全能感が全身を覆っていた。終電まで酒を飲んでも、8時には出社し、問題なく仕事を熟すことができていた。当時はこの若さが永続するものだとばかり思っていたが、10年経っただけで消えた感がある。そして不意に彼の若さを目の当たりにすると、一つ疑問が生じる。彼は自分に好意を抱いてくれていて、そして自分も彼のことを好いている。だが自分と彼は釣り合うのだろうか。10歳の差は、こと色恋においてはかなり大きい。自分が20歳だった時、彼は小学生だったことになる。あまりに大きな年齢差を、彼は気にしないのだろうか)
……ええ。3週間後にまた。私も楽しみにしています。また何かあったら連絡してください。じゃあおやすみなさい。
(やや慣れないが手を振り返しながら、玄関で彼を見送る。扉が閉まり、完全に一人になると深く息を吐く。初めて人を家にあげ、コーヒーを振舞った。しかも相手は心から一緒にいたいと思える人。緊張したが充実した時間だった。だが一度考えてしまった不安事は瞬く間に思考を支配する。自分と彼の年齢差に彼は何も思っていないのだろうか。そもそも彼は本当に自分が好きなのか。自分の思い込みではないのか。理由も不明だから、特に恐れを抱いてしまう。3週間後の外出の時に、それとなく詮索してみようか。そんなことを考えながら、明日から効率的なハードワークをするため、出社の準備をする)
125:
宮村 湊 [×]
2025-11-07 00:40:37
……はい、計画は順調です。かなり警戒心が強いタイプのようなので、未だ情報を得られる段階にはありませんが、今日は家に招かれたので徐々に打ち解けてはいます。怪しまれないよう、今回の標的に関してはゆっくりと時間をかけて距離を縮めるプランで進める方針です。……また連絡します。
(帰り道、静かな路地を歩きながら報告の連絡を入れる頃には、その表情は再び能面のような無機質さへと様変わりしていた。嘘の報告をする経験はほぼ無かったが、この組織で得た演技力は組織に対して牙を剥く時でさえも変わらず、定例の報告をする声色に感情のひとつ滲まないようにすることは容易なことだった。これで暫くは時間稼ぎができるだろう。通話ボタンを押して電話を切りスマートフォンをポケットへと戻すと、到着した自室の部屋の鍵を片手で開き中へと体を滑り込ませた。仕事の方は、自分が上手く組織を欺けば良い。暫くはゆっくり任務を進めているという体で押し切って、それすらも難しくなってきた場合は、彼や彼の会社にインパクトの少ない情報を横流しにすることで時間を稼ぐつもりだ。今の自分にとっての大事は3週間後の彼との約束、ただ1点だった。バッグを部屋の隅に置いてすぐにシャワーを浴びつつ、先程の幸福な時間を思い出すと、無機質な表情が徐々に緩み人間らしさを取り戻していくのを感じる。誰かとの勝負に夢中になったのも、共に食卓を囲んで笑いあったのも、自分の作ったものを受け入れてもらったのも、自分のためにとコーヒーを淹れてもらったのも、その一つ一つが全て初めてのことで、自分を真人間に戻してくれるような錯覚にすら襲われた。彼以外のことに対しては依然冷淡な自分はきっと真人間になどなれないのだろうが、彼と居る時だけはそれを忘れられる気がする。シャワーの湯の温度だけではなく心の奥底の方から湧き上がるような温かさに頬を弛めつつ、脱衣所に戻るとタオルで水気を拭き取って清潔なパジャマに着替え、礼の連絡を彼に送ってからその日はすぐに眠りに就いた。翌日からは、3週間後に向けて様々な準備を行うことになった。彼の好きだというスイーツの店の調査、あまり遠すぎず日帰りで行くことが出来るような癒しスポット。所謂デートプランと書かれたページを参考にしながら、その言葉にややむず痒さを覚える。同時進行で菓子作りの腕を上げることにも余念は無い。マカロンをリクエストされた日からマカロンの猛特訓を繰り返しているせいで、日々の食事がマカロンだらけになっていたものの、練習の甲斐もあってか最初のうちはひび割れが入ったり表面に気泡が入ってしまったりして見栄えが宜しくなかったものが、いつの間にか店頭に並べられると自負できるほどの完成度まで変化していた。そんな日々を重ねている内に気付けば予定の前日まで時は進んでおり、彼の仕事の忙しさに懸念を抱きつつ翌日の待ち合わせ場所について連絡を送ることにした)
お疲れ様です。明日ですが、電車で40分ほどの距離にある駅まで出かけようと思っています。集合はいつもの駅でも良いですか?ご都合は大丈夫だったでしょうか…?……と。
126:
常葉 悠 [×]
2025-11-08 20:51:54
(彼と外出の約束を取り付けた翌日から、会社も自分も変わった。非効率で非生産的な会議をやめさせ、会議は絶対的に必要事項のみを議論することにした。従来の会議には役員たちの結束を強めるための雑談の時間も設けていたが、それを廃止し、会議の時間も縮小させることにした。この時点で役員たちは露骨に不満そうな態度を見せていたが、最も反対されたのは自分の労働時間だった。朝の4時から出社し、スケジュールの確認や決裁を求められている案件資料の読み込み、工場の視察や外部イベントへの出席、会食を済ませ、また会社に戻ってきて書類の読み込みを行い、日付が変わってから帰宅する。時には会社に泊まり込むこともある。自分が動けば、当然秘書も行動を共にする訳で、秘書のライフワークバランスを考えていないスケジュールだと非難された。だがおかげで稟議の決裁は従来よりも早く進み、会社としては多くの物事が動き出すようになった。少ない睡眠時間と過剰な労働。それが寿命を縮めていることや、他社員にまで皺寄せがいっていることは重々承知だが、全ては彼と充実した時間を過ごすためだった。あの甘美な時間を過ごせるのであれば、自分の身体を酷使することなど屁でもない。そんな過労死ラインギリギリを飛行しているかのようなスケジュールを続け、気が付けば外出前日になっていた。決裁も会議も万事乗り越え、早めに帰宅してコーヒーを飲んでいると彼から連絡が来ていた。仕事に忙殺され、すっかり連絡を取るのを忘れていたことを申し訳なく思いつつも、すぐに返信する)
仕事の方は順調に進みましたので、明日は無事に行くことができます。集合もいつもの駅で大丈夫です。……もっと明るい文面の方がいいか……?
(文面の明暗について5分程悩んだが、結局上記の文章を送信する。その後は集合時間などの事項を共有して、明日の外出への連絡を終える。連絡を終えると、遠足前日の小学生のように胸を踊らせながら、食事や入浴を済ませていそいそとベッドに潜り込む。日頃の疲労からか目を閉じてすぐに意識が無くなった。そして外出当日、集合時間の3時間前に起床すると、これまたいそいそと私服を選び、朝食を取り、家を出る。あまり早く行って待っていても彼に気を遣わせてしまうだろうから、いつもよりゆっくりと駅まで歩く。完全な休日で彼と会うのは初めてのことだから些か緊張する。特に自分は私服がシンプルだから、ネクタイで個性を出せるスーツ姿と比べると、没個性に思われてしまうのではないだろうか。こんなことなら白いTシャツにデニムではなく、もっと流行りの服を新調するべきだっただろうか。そんなことを考えながら歩みを進め、待ち合わせの時間の5分前に駅に到着する)
127:
宮村 湊 [×]
2025-11-08 22:35:42
(約束の当日。普段はラフな格好を意図的に選択する自分だったが、今日ばかりは服装選びに随分と難儀した。いつもの服装だと、最初に彼に会った時のように学生に間違えられることも多かったが、今日は歳上の彼と並んで歩くことを考慮して、少し大人っぽい服装をチョイスする。深めのチャコールグレーの開襟シャツはリヨセル地で少し光沢がある。オフホワイトのスラックスに裾をタックインして、黒の細いベルトでウエストを軽く絞った。胸元には細いシルバーのチェーンネックレスを忍ばせて、いつもは抜け感を出すためにしっかりとしたセットはしない髪も、今日は少しだけワックスをつけてふんわりと遊ばせた。普段よりは少し気合の入ったファッションで、しかし余り気取っては居ない絶妙なラインを目指した───つもりだ。全身鏡の前で入念にチェックをすること15分。今日という今日こそは彼よりも先に集合場所で待機しようと考えて、20分前から待ち合わせ場所で待機していた。その間もどこか気持ちは落ち着かず、今日のために計画したプランを何度も何度も読み返していたため、時間はあっという間に過ぎていく。約束の時間の5分前になって現れた彼の姿を発見し、スマートフォンをポケットにしまうと、小走りで彼の傍まで駆け寄り、笑顔で声を掛けた)
悠さん、こんにちは。お忙しいのに、今日はありがとうございます。私服、ラフなんですね。いつもスーツ姿を見ていたのでちょっと新鮮です。今日はレアな悠さんですね。
(彼の私服は普段の彼の姿から想像がつかないラフなもので、その自然体な姿に思わず頬が緩むのを感じる。休日に彼を独占しているという事実も、少しずつ気を許して貰っている事実も、どちらも喜ばしいことだ。何なら寝ぐせもそのままに会いに来てくれるくらい気を許して貰えたら良いのに、等と内心考えながら瞳を細めると、ゆっくりと駅構内から改札、そしてホームへと歩みを進め始めた)
少し遠出になってしまってすみません。折角なら静かでゆっくり出来る場所が良いかな、と思って。都心からちょっとだけ外れたところに水族館があって、抜群の癒しスポットって話題なんですよ。今日はそこに行こうと思っています。
128:
常葉 悠 [×]
2025-11-09 13:33:37
こんにちは。ふふ……新鮮でレアなのはお互い様ですよ。君のそういうファッション、初めて見ました。なんだか、綺麗ですね。
(彼と会話をしていると自然と口角が上がる。事前に思っていた不安も、彼の"新鮮"という一言と彼の私服に目を奪われたことで、すっかり消えてしまった。頭から足に至るまで、全てが洒落ていてフィクションの世界の住人かと錯覚してしまう。自分は一言で"綺麗"と形容したが、本当はそんな言葉では言い表せない程、エモーショナルな感情を彼のファッションに抱いていた)
水族館、ですか。いいですね……そういう所へ行くのは10年ぶりくらいですから楽しみです……!
(ホームに向かいながら彼の話を聞く。そして久しぶりに水族館なんて単語を聞くと、年甲斐もなくテンションが上がってきた。学生時代にほんの一瞬だけ付き合っていた恋人と行った唯一のデートスポットが水族館だった。彼が連れて行ってくれる所とは別の場所だろうが、学生時代の苦い記憶が一瞬、脳を過ぎる。今となっては取るに足らない思い出だが、当時はとても苦労したことを覚えている。そんな記憶がありながらテンションが上がったのは、偏に彼と一緒だからという理由があるからだろう。件の水族館は癒しスポットになっているとのことだが、彼と一緒ならばどんな場所も、自分にとっては癒しになるに違いない。ホームで暫く待っていると電車が滑り込んで来たので、他の乗客に続いて乗車する。電車が動き出すとゆるゆると首を動かして、隣の彼に話し掛ける)
色々計画してもらってありがとうございました。いやぁ……楽しみですね。今日行く水族館は行ったことあるんですか?
129:
宮村 湊 [×]
2025-11-09 16:56:23
……ありがとう、ございます。そんな風に言って貰えたら、一生懸命選んだ甲斐があったかも。
(昔から容姿を褒められることは多い方だった上に、今、彼は服装を褒めてくれたのだと頭では理解していたものの、何故だかそれが無性に嬉しく、そして同時にむず痒くてはにかんだような笑顔を浮かべて冗談交じりに言葉を返す。褒め言葉は珍しくもなかったのに、こんな気持ちになるのは初めてだ。思わず頬がゆるゆるになってしまいそうになるのを堪えつつホームへと上がると彼に続き電車へと乗り込んで、横並びに連続して空いている2つの席を見つけ、そこに腰掛けた)
いえ、俺の方から誘ったので当然ですよ。俺はこの水族館は初めてで……あ、でもしっかり調べてきました!
(顔にかかって視界を妨げる横毛を鬱陶しく感じて耳に掛けると、緩く首を横に振りつつ、相手の顔をちらっと窺い見る。無理やり誘ってしまっただろうかという不安が一瞬で吹き飛ぶほど、彼の表情は今まで見たどの時よりも明るく見えて、安堵したように小さく息を吐く。思い返せば、彼の家に上がった日から今日に至るまで、いついかなる時も彼のことが思考の中心にあった。同時進行で進めている他の案件の対象と出会っている時ですら考えているのは彼のことばかり。今まで生活の中心だった任務のことすら気付けば自分の中では隅の方へと追いやられていた。最早、彼の居ない生活は考えられない。そんなことを考えながら彼の横顔を見詰めて瞳を細める。漸く出逢えた、素の自分をさらけ出せる貴重な人。きっと後にも先にも彼が唯一だ。そんな重い感情を隠すように穏やかな微笑みへと表情を変化させ会話をつづけていれば、40分という移動時間すらあっという間に過ぎ去っていた)
あ、もう次の駅ですね。悠さんと居ると時間があっという間に過ぎますね…少し勿体ないくらい。駅からは歩いてすぐみたいですよ。
130:
常葉 悠 [×]
2025-11-09 22:42:29
(横毛が視界を妨げ邪魔なのか、それを振り払おうとする仕草すら愛おしく思う。その仕草を見て微笑みながら、彼の話に耳を傾ける。彼の一挙手一投足が自分の心を掻き乱す。かつて自分が、これ程までに他人に心を乱されたことはなかった。今までは自分に好意を持っているとして近付いてくる人間たちは、全員敵で警戒するべき相手という認識だった。自分と繋がることで何かしらの利益を得ようとする敵。そういう人間たちが見ているのは自分がもたらす利益で、自分という個人ではない。そういう人間の卑しさにうんざりしていた。だから色恋の気配を感じると、すぐに上辺だけの対応をしてきた。仮面を被って相手の好意をやり過ごしてきた。だが彼と出会ってからは違う。彼は純粋に自分のことを好いてくれているのだ。そこに何の打算も計算もない。自分から利益を引き出そうとして近付いてきているのではない。ようやく出会えた、素の自分をさらけ出せる貴重な子。きっと後にも先にも彼が唯一だろう)
そう言ってくれると嬉しいですが、ふふ、でも自分より10も離れている男と話すのは、苦労しません?
(彼と話しをしていると、既に次の駅で到着というところまで来ていたことに気付く。彼の言う通り、勿体ないくらいに早く過ぎてしまう。次の駅のアナウンスを聞きながら、ふと思っていたことを聞いてみる。本当はもっと佳境になってから聞くべきなのかもしれないが、我慢できずに聞いてしまった。別に彼の好意を疑っている訳ではない。だが10歳も年上の自分としては、年下の彼にどう思われているかが不安なのだ。彼のことだから正直なところを聞かせてくれるだろう。返事を待ちながら、電車が目的の駅に着いたため、席を立つ)
131:
宮村 湊 [×]
2025-11-10 12:39:06
え?ああ…いえ、話しづらいと思ったことは全く無くって。歳下の俺が言うのは烏滸がましいのかもしれないんですけど、良い意味で歳の差を感じないと言うか。今、言われて10歳差があったことを思い出したくらいですよ。
(駅を降りてからの水族館への道順を頭の中で描いていると、投げ掛けられた不意の問いかけに思わず目を丸くして相手を見詰めてしまう。釣られるように立ち上がり電車からホームへと降り立ち改札へと向かう道すがら、自分の考えを纏めて口にした。言葉に嘘偽りなく、自分の方は彼との歳の差を気にしたことがなかったが、彼は自分との歳の差を気にしているのだろうか。仕事の時はどれだけ年齢差があろうと相手を落とすことが任務であったし、どんな年齢の相手だとしても上手く取り入って距離を詰める能力には長けている自負があったので全く気にしたことが無かったが、世間一般的に見れば10歳差というのは大きいのかもしれない。それだけで彼の恋愛対象から外れてしまう、ということもあるのだろうか。途端に今まで感じたことの無いような不安と焦燥を感じ始め、改札を抜けると彼の隣を付かず離れずの距離で歩きながらちらりとその表情を窺うように見詰めた)
悠さんは…俺と、話しづらかったりします?10歳歳下の男って…………
132:
常葉 悠 [×]
2025-11-10 23:14:28
歳の差を感じない……なるほど。それは安心しました。はは、そうですか。歳の差を感じませんか。
(彼の言葉を一言一言噛み締めるように頷きながら繰り返す。一瞬彼が目を丸くしたことからも、この発言は偽らざる本音だということは明白だった。心から安心した。返事を聞くまで緊張で固まっていた足取りが、この上なく軽く感じられる。このままなら水族館まで、まるで鳥のように飛んでいけるような軽さだった。これから観に行くのは飛ぶ鳥とは真逆の、泳いでいる魚なのだが。と、軽やかな足取りで彼の歩調に合わせて歩いていたが、ふと彼から此方を窺うような視線が伸びているのを察知した。何か言いたいことがあるのかと彼の方を見ると、目が合った。そして不安げな声色での質問を受けて、しまったと思った。自分は無邪気に質問をしたが、それは彼にとっては余計な不安を抱かせる愚問だったことに漸く気付く。自分の発言で彼がどう思うのかについて、もっと考えを巡らせるべきだった。普段から他人に余計な詮索をされない為に、表情と発言には最大限気を付けており、プライベートでも気を付けていると思い込んでいた。だが彼の前ではそんな事をしなくても良いという甘えが、彼に無用な不安を抱かせることになってしまった。彼の疑問に対して、首を横に振りながら、慌てて言葉を告げる)
話し辛いと思ったことなんて、全くありませんよ! 10歳歳下の子とプライベートで話す機会なんて滅多にないので良い刺激にもなりますし。それに君となら、どんな話も楽しくできると思っています。
133:
宮村 湊 [×]
2025-11-11 08:31:17
…!…良かった。
(すぐに返された力強い言葉には嘘も偽りも無く、少なくとも年齢での足切りは無いようで、安堵したように柔らかな笑みを浮かべると短く息を落とした。そして、同時に彼の質問の意図に思い至る。自らの返答に対して酷く安堵したような様子を見せていた彼の姿が今の自分に重なり、彼もまた自分と同様の心配をしていた可能性が導出された。あまりに己に都合の良い解釈だろうか。それでも、その根拠も無い可能性に対してそうであれば良いと願ってしまわずには居られないほど、今の自分は彼に対して純粋に想いを寄せていた。駅から歩いてすぐというホームページの表示には嘘偽りは無く、程なくして水族館に行き着くと、平日ということもあってかごった返してはおらず、親子連れをメインに若いカップルや老夫婦の姿もちらほら見える程度だった。この分であれば中も混雑しているということはなく、比較的落ち着いてゆったり見て回れるだろう。予めホームページを読み込んで中の展示物についてしっかり押さえていたものの、念の為手近にあったパンフレットを手に取りぱらぱらと捲りながら内容に目を通す。後ろ表紙に記載されているイルカショーのタイムテーブルを見付けると、そっと隣の彼に距離を寄せて指で指し示して見せた)
イルカのショーがこの水族館の目玉みたいで……後で一緒に見に行きましょうね!
134:
常葉 悠 [×]
2025-11-12 22:27:15
イルカショーですか。楽しそうですね。絶対行きましょう!
(無用な心配を抱かせてしまうアクシデントはあったが、彼は自分の言葉で安心してくれたようだった。その様子を見て自分も安堵する。言葉は時として強力な武器になる。一つの失言で関係が壊れることはよくあることだ。折角築いた彼との関係は壊したくない。今後は発言にも気を付けなければと、身を引き締める。水族館は自分が思っていたよりも人が少なく、ゆったりとした時間を過ごせそうだった。彼の持っているパンフレットを隣から覗きながら、イルカショーの案内をまじまじと見つめる。普段からこういう場所に縁がなく、またイルカショー自体初めてなので、一体何をするのか想像できない。が、きっと面白いものが観られるのだろうと期待に胸を膨らませる。タイムテーブルを見ると、開催まで時間があるようだ。中の展示を見ながら時間を潰すことになるだろう。受付で料金を支払い、中へと足を踏み入れる。中は仄暗く、海の中を思わせる色をしていた。だが何より目を引いたのは大きな水槽だった。水槽の中には様々な魚が遊泳しており、本当に海の中にいるような感覚に陥りそうなくらい臨場感があった。自分の記憶の中の水族館とは大分異なるので、少々戸惑いを覚える。自分の記憶が曖昧なのか、この水族館が特異なのか。いずれにしても、10年振りに入場した水族館に、目を奪われてしまった)
湊くん……! ここはすごい場所ですね! 見たこともない魚がいっぱい泳いでいますよ!
135:
宮村 湊 [×]
2025-11-13 08:19:19
……ふ、あはは!ですね、ここの水槽は国内最大級だって書いてありました。迫力ありますよね~。
(相手に続き水族館の中へと足を踏み入れると、一際目を引くのが継ぎ目のない巨大なアクリルガラスを用いた大きな水槽、なるほどこれは人類の叡智の結晶だな、と感嘆しながらそれを眺めていると、隣から上がった無邪気な声に思わず瞳を丸めてそちらへ視線を滑らせるように移動させる。瞳を輝かせ純粋に水槽に目を奪われているその横顔があまりにも綺麗で、一瞬言葉を失った。すぐに込み上げてくる笑いをそのまま隠すことなく零すと、同意するように言葉を返しながら柔らかく目尻を下げる。彼と出会った日からいつもこうだ。彼の感情表現があまりにも真っ直ぐなので、気付けばつい自分もそれに引っ張られている。彼もまた、仕事から離れ肩の力が抜けている様子で、無理に時間を取って貰った自覚がある身としてはその様子に深い安堵を覚えた。漸く笑いが収まり小さく息を吐くと、巨大水槽の前まで歩みを進めて、自分の背丈の数倍ほどあるそれを見上げた。中には大小様々な魚が自由にゆったりと泳いでおり、その様子はただ眺めているだけで人間に癒しを齎す。他の誰かと水族館に来る時はほぼタスクとしてこなしている節があったので、まじまじと中を眺めるのは初めてで、中でも一際目を引く大きなジンベエザメを指さして、つい子供のようにはしゃいだ声を上げた)
見て、悠さん、あのサメすっごく大きい!あんなに大きくて強そうなのに周りの小魚を食べたりはしないんですね。凄いなあ……。
136:
常葉 悠 [×]
2025-11-13 23:04:22
(国内最大級という彼の言葉に得心がいく。やはりここは自分が想像するよりも、遥かに凄い水族館だったのだ。水槽の中を優雅に泳ぐ魚たちは、まるで各々の存在を見て見ぬふりをしているかのように他の魚に干渉せず、群れで泳いでいる。その中でいくつか単独で泳いでいる魚もいる。今までであれば、その単独で泳いでいる魚を、自分と重ねていたことだろう。だが今は、二匹で並んでゆっくりと泳いでいる魚に自分を重ねていた。忙しなく群れで泳いでいる魚達の傍を、二匹の魚は我関せずといった様子で遊泳している。周囲を気にすることなく、相手と時間を共有している。まさに今の自分と彼を象徴する光景だろう)
おお、ジンベエザメですね!実物は初めて見ましたが、大きいですね……!何かの本で読みましたが、ジンベエザメはプランクトンが主食のようですね。海水ごとプランクトンを飲み込み、海水だけをエラから排出して口の中に残ったプランクトンを食べているそうですよ。
(他の魚に目を奪われていたので、彼のはしゃぎ声で初めてジンベエザメの存在に気が付く。本や動画でしか見たことがなかったが、間近で実物を見ると、その巨体に目を見開く。咄嗟に本で読んだ雑学を披露してみたが、すぐに後悔する。こういった所で自分の知識をアピールしてしまうのは、営業の癖が抜けていない証拠だった。すぐに反省して、黙ってジンベエザメを眺める。きっと閉館までこの水槽の前にいても飽きないが、折角来たのだから、彼ともっと色々見て回らなければ損だろう。キョロキョロを辺りを見回すと、深海魚コーナーの案内看板を発見し、隣の彼に声を掛ける)
湊くん、あっちで深海魚の展示をしているみたいですよ。行ってみませんか?
137:
宮村 湊 [×]
2025-11-14 19:52:50
器用…………。
(声を上げてから自分があまりに子供地味た言葉を紡いでいたことに気づき羞恥心を感じていたものの、彼の説明を聞いている内に羞恥心は薄れ、純粋に感心したようにポツリと声を漏らす。しかし、途中まで少年のように瞳を輝かせて嬉々として説明をしていた彼の言葉が突然止まってしまったことに気づき不思議そうに視線をそちらへと移すと、その表情がやや曇っていることに気づいた。それを見て柔らかく瞳を細めると微笑みを浮かべながら唇を開く)
博識なんですね、悠さん。
(自分の前ではもっと彼らしいありのままの姿でいて欲しいと願ってしまうのは、やや出過ぎた願いだろうか。彼が見せるふとした時の力が抜けた笑顔が、はしゃぐ声が、その全てが自分は好きなのだから。口をついて出てしまいそうになるのを堪え、相手に促されるまま次のコーナーへと口の代わりに足を動かしていく)
良いですね、深海魚。俺、結構好きなんですよ。冷たくて暗い海の底でも生きてる魚が居るんだなって。すごい生命力ですよね。
(どんな環境に身を置いてもそこに適応して生き延びていく。光も差さない海の底で生きる深海魚を見ていると、親近感を感じるのか心が安らぐのを感じる。訪れた深海魚のコーナーの隅の方でじっと止まって動かない深海魚をぼんやりと眺めながら口元をゆるめた。忙しなく動く他の魚とは違い、深海魚の動きはゆっくりなので、釣られるように歩みもやや遅くなる。人も疎らなため、一つ一つの水槽をじっくりと観察しつつ、ふとひとつの小さな水槽の前で歩みを止めた)
あ、クリオネ。…へえ、こんなに小さくて可愛いのに水深600mのところで暮らしている子もいるんだ。なんだか、ちょっと意外ですね。
138:
常葉 悠 [×]
2025-11-16 00:48:50
("博識なんですね"なんて褒められると、照れから首を無言で横に振ったが悪い気はしなかった。自分としてはまずいと思っていたが、彼の表情や声の調子からして、それ程気にしている風ではないことが分かると安堵する。そしてふと気付く。自分は彼の前だと何かと不安になり過ぎている。自分の言動の一つ一つが彼を不快にさせないかと思い過ぎている。実際のところはきっと彼は寛大なはずなのに。あまりに度が過ぎた用心は自分も他人も傷付ける。そろそろ勇気を出す時かもしれない。そんなことを思いながら深海魚のコーナーへ足を進める)
不思議な生き物ですよねぇ……暗い世界で生きるというのはどういう気分なんでしょうね。
(彼の言葉に返事をしながら、まじまじと奇抜な見た目の深海魚達を見つめる。彼がこんなにも珍妙で奇怪な生態や姿をしている魚が好きだというのは些か意外に思ったが、ぼうっと見ていると分かる気がする。暫く深海魚コーナーを楽しんでいたが、ふと彼が何かに惹かれるように歩みを止めたので、視線を向ける。視線の先にはクリオネがいた。天使ともいわれる深海魚。実際泳いでいる姿は実に可愛らしい。クリオネに関してもいくつか聞きかじりの知識を持っていたので、試しに披露してみようか)
可愛いですねぇ。クリオネは流氷の天使と呼ばれているみたいですが、食事をする時は頭が割れて触手が出てくるので、その姿は"悪魔"と呼ばれていますね。ふふ……可愛いところは君に似ているなんて思いましたが、君は"悪魔"とは程遠い善人ですからね、クリオネと一緒にするのは失礼ですね。
139:
宮村 湊 [×]
2025-11-16 11:45:51
……あははっ、天使だなんて、買い被りすぎですよ。でも、ありがとうございます。
(先程のフォローは少しでも彼の肩の力を抜くことに成功したのか、再び知識を披露してくれるその様子を眺めて嬉しそうに瞳を細めて耳を傾けていたものの、自分の本質を突くようなクリオネの説明に、一瞬固まってしまった。"天使の皮を被った悪魔"。自分の所業が露見した相手に、かつてそう罵られたことがある。そもそも騙される方が悪いと思っていたのでその時は何も思わなかったが───もし、彼にそう罵られたら?考えるだけでズキン、と胸が痛む。自分を善人だと信じて疑わない様子の彼を見ていると、騙してはいない筈なのに騙してしまっているような心持ちになった。それでも純粋に褒めようとしてくれている彼まで不安な気持ちにはさせたくなくて、はにかんだような笑顔を浮べて人さし指で軽く頬を掻いてみせる。自分の本質は善人とは程遠い薄汚れた悪魔のようなものだとしても、少なくとも彼の前でだけは善人でありたい。彼の傷付く顔だけはどうしても見たくなかった。再びクリオネへと視線を移すと、相変わらず愛らしい容姿をしてふわふわと海中を漂っている。そっと視線を逸らすと、気持ちを切り替えるように歩き出し、道中様々な展示を眺めながら、気づいたら一度屋外のエリアへと出ていた)
悠さん、ちょうどいい時間なのでお昼にしますか?ご飯食べてからイルカショーに行ったら時間的にもちょうど良さそうですよ。
140:
常葉 悠 [×]
2025-11-16 23:18:42
(買い被りだなんて謙遜をする直前、彼の表情が凝固したのが目に入った。いきなり自分が披露した雑学の内容が気になったのか、それとも何か別の理由があったのか──詮索したい気持ちが頭を擡げてきたが、すぐにそれを振り払う。その部分は触れてはいけない気がした。理由を知れば意外と大したことの無いものかもしれない。だが彼が固まった理由を知っていけない。そこに踏み込むと良くないことが起きる。人生の経験値というよりかは、社会性を持つ人間としての本能がそう警告している気がした。だから彼の言葉に笑みを返して、思考に蓋をした)
ああ、もうお昼ですね。良い時間ですし、食事にしましょうか。
(彼からの食事の提案を受けて、身に付けていた腕時計に視線を落とす。時刻はランチに丁度良い時間を指していた。先程まではまだ10:00程度だったはずだが、時間の流れがかつてないほど早く感じられる。普段の激務よりも余程時間が短く感じられるというのは、一体どんな意地悪なのだろうか。彼の提案を諾うと、少し先のレストランに向かう。水族館本館の人混みを考えると、レストランの方も混雑しているとは考えづらい。そう見当を付けて向かったレストランは、予想通りの混み具合だった。それなりに客はいるが、平日のランチタイムにしては少ないといえる。入店すると難なくテーブル席に案内され、メニュー表に視線を遣るが、自分は優柔不断だ。先に彼にメニューを決めて貰った方がいいだろうと、メニュー表を彼の前に置いて告げる)
私は優柔不断ですから、湊くん先にどうぞ。
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