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 何れ来たる、黎明を待って。 〆/26


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7: 匿名さん [×]
2025-07-15 12:33:02

早速の詳細プロフィールのご提出、誠にありがとうございます…!とても楽しみにしておりましたので、お恥ずかしながら思わず食い気味で拝読してしまいました。内容に不備などは一切ございません。固い決意と覚悟に裏打ちされた強さ、そしてその奥に秘められた優しさを兼ね備えた、本当に素敵な騎士様だと感じました。ご一緒に物語を紡げることを、今から心より楽しみにしております……!

また、当Cにつきましてもご確認いただき、加えて嬉しいお言葉まで頂戴し、恐縮ながらとても励みになっております…!

設定に関しまして、承知いたしました。それでは「しばらくの間は男性だと思っている」という前提で進行させていただきますね。

もし主様の方で、開始場面についてご希望がございましたらぜひお聞かせください。私の方で思い浮かんだ案としましては、皇女の直属護衛騎士の選定に際し、集められた数十名の近衛騎士の中から当Cがノアさんを選び出す───というシーンがございますが、主様の中で具体的な展開案やご希望があれば、そちらを優先して構いません!

8: 匿名さん [×]
2025-07-15 16:50:21

そのように言っていただけますと嬉しい限りでございます…!こちらこそ、素敵な皇女様と物語を紡いでいけることをとても嬉しく思っております!

開始場面についてなのですが、私の方でも殆ど同じ展開を考えておりました…!ですので、直属護衛に選ばれるに相応しい肩書きなどがあればいいのではないかと思っておりまして…ハーヴェイ侯爵家自体に騎士の輩出や辺境伯としての過去などがあるため、ハーヴェイ侯爵家が皇帝派の貴族であるといった要素などが絡んでいると展開に説得力が出るのではないかとは考えております…!

9: 匿名さん [×]
2025-07-15 19:45:48

ご確認ありがとうございます。それでは、出会いの場面からよろしくお願いいたします!

設定につきましても、詳細にお伝えいただきありがとうございます。ハーヴェイ侯爵家のこれまでの功績や、騎士の輩出・貢献などを考慮し選抜されたという流れで進めさせていただきますね。

特に問題がなければ、次のコメントにて、大広間に集められた騎士たちの中から当Cがノアさんを選び抜く場面を描写させていただきます。


10: 匿名さん [×]
2025-07-15 20:48:57

こちらこそ、改めましてよろしくお願いいたします!

いえいえ、寧ろ突発的に設定を押し込んでしまったようで申し訳ないです…!こちらからは問題点等ございませんので、ご負担をおかけしますが、先レスをお願いいたします…!

11: セシリア=ルクレール [×]
2025-07-16 08:20:46

(王宮東棟、謁見の間。この日、皇女セシリア=ルクレールの身辺警護を担当する騎士を選定するため、数十名に及ぶ選りすぐりの騎士たちが集められていた。名門の出身者、謹功を重ねた者、戦場で名を上げた者たち。新たに近衛騎士として皇女付きとなることは既に決まっていたが、その中から常に傍に置くただ一人を選び抜くことが、この場の目的だった。前任はセシリアの父である現国王の時代からその任を務めていた騎士だったが、老齢により体が思うように動かず、任を退いた。数日前、召集された騎士たちの家柄や功績をまとめた資料がセシリアの手に渡っていたが、彼女は一切目を通していなかった。自分の側近として置く者は自分の目で見て決めたい。優秀な者のみが集められていることはもう決まりきっている、そこから先はこれまでの功績や家柄では無く、自分の目で信じるに足りると確信出来る者を選びたい───その場において"情報"は寧ろノイズになり得る。セシリアは静かに騎士達の列の間を縫うように歩みを進めて行く。その眼差しは冷静だった。肩肘張った忠誠も、飾り立てた礼儀も、セシリアにとっては“演技”に過ぎない。誰一人として自分を"人"としては見ていない───そう思いかけたその時、ふと一人の騎士の姿が目に止まった。列の中ほど、目立たない黒衣に身を包んだ騎士。恐らく年齢はセシリアと同じか若干上くらいだろうか、選りすぐりの騎士達の中では若い方に入るだろう。周りと比較するとやや小柄なその騎士の立ち姿は美しく、視線は伏せられ、所作には一部の隙も無く、そして揺るぎない強い"覚悟"が滲み出ている。他の誰とも違う空気を纏った彼の前でセシリアは歩みを止めて)

そこのあなた。お名前を教えて頂いても?

(/いえいえ、寧ろ助かりました!導入部分でしたので状況説明も多く少し長々と書いてしまいましたが、お好みの長さで返して頂いて問題御座いません!何かご相談等々ございましたらいつでも背後をお呼びください。それでは、よろしくお願いいたします!/蹴可)

12: ノア・ハーヴェイ [×]
2025-07-16 13:52:06

──はい、皇女殿下。ノア・ハーヴェイと申します。

(滅多に訪れることのない謁見の間にて、共に帝国を守護する同僚であり友である騎士の皆は酷く緊張している様子であった。今日、そしてこの場で、皇女殿下の側近となるかどうかが決まるのだから、何故かと問われればそれもそのはずと答えるしかないだろう。この一瞬の時間が今後の人生に輝かしい栄光をもたらすかもしれないのだ。騎士として、そして一人の人間として、この日を待ち侘びていた者もいるに違いない。それに、相手はあの第一皇女殿下だ。誰が呼んだか、暁の薔薇。若くして広大な帝国を治める能力に、決して傲慢でなく堅実かつ誠実な人柄。主君として忠誠を誓う相手として、この方以上に相応しい人物などそうそういないだろう──だが、だからと言って今更何かを取り繕う必要はない。そもそも騎士となるということは帝国に身を捧げるということなのだから、この場所で側近になれなかったからといって落ち込むこともない。変わらず、全力で騎士の役目を果たすだけなのだから。これまで忠実に任をこなしてきた、後はなるようにしかならない───そう考えていたのだが、まさか自分が声をかけられるとは。もしかすると、侯爵家の両親や使用人にいい知らせを送ることができるかもしれない。周囲の騎士達が首でなく目だけを動かして視線を送ってくる中で、伏せていた視線を少しだけ上げると、低く、しかし明瞭な発音で皇女からの問いに答えて)

13: セシリア=ルクレール [×]
2025-07-16 22:33:24

(伏せられていた瞳が静かに上がった瞬間、若葉と瑠璃が混じり合うように視線が合う。揺らぎも虚飾も無い、真っすぐなその眼差しにほんの一瞬だけ息を忘れた。そこに信念に対する偽りは一切存在しない。深い言葉を交わさずとも分かる、直感は徐々に確信へと変わって行く───この方だ。"ハーヴェイ"の家名は当然耳に届いていた。辺境を守る国防の柱。かつては辺境伯として帝国の最前線を任され、今では侯爵に列せられた名門中の名門。王家に仕える騎士を多数輩出してきた由緒正しい家系だ。家柄や勲功が無意味だとは決して思わない。どれほどの鍛錬を積み、どれほど多くの任務を乗り越え、どれほどの責任と重圧を抱いて彼らがこの場に至ったか、それらを軽んじる積りは一切無かった。だが、今この時───目の前の相手を選ぶにあたって家名はさして重要では無かった。───"ノア"。静かに、刻み込むように心の中でその名前を反芻する。この者の本質は、家名ではなく、その名の奥に宿る覚悟だと、そう感じていた。頼るためではない、寄りかかるためでもない。自らが掲げる志を遂げるために、信頼できる唯一を傍に置きたい。敬礼の姿勢を崩さないまま片膝をつく相手の前に静かに両膝をついた。背後では従者たちが驚き慌てふためく。皇女が膝をつくなど、あってはならない事態だと誰もが思っただろう。だが、当の本人には迷いは一切なく、視線の高さを揃え、真っすぐにその眼を見つめた。───ざわめきがすっと消える。空気が凪ぐように静まり返る中、ゆっくりと落ち着いた声音で言葉を紡ぎ)
ハーヴェイ卿。私の傍に立つ者として、あなたを選びます。
この国をより良いものにするために。我が国の民の全てが遍く幸福を享受できるように。
あなたのその力を、私に貸して頂けませんか。


14: ノア・ハーヴェイ [×]
2025-07-17 12:37:03

(催し事の警備に任命された時などに遠くから見ることは度々あったが、このように近くで彼女を見ることはなかった。暁の薔薇と言う異名は立ち振る舞いから名付けられたものだと思っていたが、こうも容姿が整っていると、それだけではないのではという気すらしてしまう。特に、あの瑠璃色の瞳は──まるで、夜明けに見える空のようで、見つめ続けていると吸い込まれてしまいそうだ。それでいて気品に満ちており、下の者たちを慈しむ心まである。理想の主君と呼んでも良いだろう。このまま誓いの儀のようなものに入るのかと思っていたのだが───目の前の彼女は、自身の前で両膝をついたのだ。それも、一つの躊躇いもなく。周囲の従者の反応も当然のことだろう、下手をすれば皇族としての威厳に関わる行為であることには違いないのだから。だが、それを此方から指摘することはできない。──騎士の身分で皇女に物申すことは不敬である、というわけではない。一介の騎士に自ら目線を合わせる行為、そして紡がれる言葉。その言葉からは国を想い、民を想う偽りのない本心を感じられる。今の彼女は皇族として話しているのではない、一人の人間として自身を見つめてくれているのだ。だとすると、此方から姿勢を変えることはできない。今この場で姿勢を変えるということは、対等な立場で対話をしてくれた彼女を突き放すのと同じことだ。ならば、こちらからできることはたった一つ。偽りのない言葉で、忠誠を誓うこと。一呼吸置いてから話し出したその言葉は、それだけを聞けばまるで定型分のように思えるほど形式的で───しかし、何よりも強い意志を持って話していて)

光栄に存じます、皇女殿下。
初めて剣を手に取った瞬間から、この剣を、そしてこの身を帝国に……殿下に捧げる覚悟はできております。
──ノア・ハーヴェイ。殿下の御命令とあらば、どのような任であろうと、謹んでお受けいたします。

15: セシリア=ルクレール [×]
2025-07-17 22:36:52

ありがとうございます、ハーヴェイ卿。
あなたのその覚悟に、私自身が試される気持ちです。
この国には、未だ多くの困難があります。
正しさが嘲笑され、誠実さが脆さと見做されるような時代がこれから訪れるかもしれません。
…だからこそ、あなたのような人が必要です。

(彼の返答が終わったとき、謁見の間に張り詰めた静寂が落ちた。まるで時間そのものがほんの一瞬、息を止めたように。それはただの忠誠の台詞──形式として幾度となく交わされてきたはずの言葉でありながら、そこに滲む研ぎ澄ました剣のような凛とした誠実さと、騎士としての矜持は、聞く者の心に確かに届くものだった。その響きは決して華やかではない。だが、余計な装飾を排した一言一言が、かえって深く心に沁みる。ゆっくりと、まるでその言葉の重さを丁寧に受け取るように静かに頷く。彼の前に膝をついたあの瞬間、彼は明確な動揺を見せなかった。皇女が自分の前に身を屈めるという異例ともいえる振舞いに対しても、瞬時に自分の意図を汲み取り、正面から真っ直ぐに受けるその眼差し。あれは皇女としてではなく、未来を託す人間としての自分を見てくれている──確かに、そう感じた瞬間だった。──この人なら。背負うものの重さを理解し、決して見失わず、それでも前に進める人。静かに立ち上がると、背後に控えていた儀式の進行役へ目配せをする。進行役が前に進み出て、清められた儀礼剣が二人の間に運ばれた。淡く差し込む陽光がその刃に反射して、硬質な煌めきを放つ。新たに鍛えられたその鋼の刃は、未だ誰の血も知らず、曇りもない。それは"始まり"を象徴するにふさわしい白銀の光を宿していた。その剣の柄を両手で取り、掌に重みを受け止める。軽すぎず、重すぎず──まるで、これから二人が背負っていくものの象徴のように。そして、剣を捧げ持つようにして目の前の騎士の前へと差し出し)

これは、私からあなたに託す剣です。
この剣があなたの誇りとなり、あなたの信じるものを守るために振るわれることを、私は願います。

16: ノア・ハーヴェイ [×]
2025-07-18 13:06:22

(彼女から儀礼剣を差し出された時、これまでの人生が肯定されたように感じた。生まれてからすぐに亡くなった兄の代わりとして、家門と兄の名を背負って今まで生きてきた。全てが完璧だったとは言えないが、最善を尽くしてきた日々であったと思っている───差し出された儀礼剣を此方も両手で支えるように受け取ると、そのまま剣を顔の前に掲げる。初めて手にしたその剣は、侯爵家にいたころから使い続けていた訓練用の剣よりも手に馴染んでおり。その心地よい感覚と共に、剣が鏡像のように自身の顔を映し出したとき、自身が“フレヤ”でなくなった日のことを思い出した。今の自分は“ノア”であり、フレヤのことを知る人はここには誰もいない。それでも、己が誇ることのできる騎士を目指して生きてきた結果、この瞬間を迎えることができた。この国には未だに多くの困難がある、彼女の言葉はまさにその通りだった。広大な土地に、それに付随した潤沢な資源と大勢の人員。故に距離の離れた領地によっては文化的差異による摩擦が生まれることもあるし、対外的にも、帝国の存在は国家間の紛争が起こらないよう均衡を保つ役割を果たしている中で、その価値の大きさから狙われやすい国家でもある。今はまだその均衡が崩れてはいないため、比較的平和に日常を送ることができているが、民すらも武器を手にとるような乱世が訪れないと断言することは誰にもできない。──だからこそ、彼女のような人間が上に立つべきなのだ。彼女の言葉は、民からの信頼を得るための一時的な甘言などではない。彼女は本心から民と向き合うことのできる人だ。剣を下げ、再び皇女へと片膝をつく──自身の信じるもの。これまで、それは騎士道精神そのものであった。しかしこの瞬間、信じるものは一つではなくなったのだ。そして剣先を地面に立てるようにして視線を伏せると、誓いの言葉を口にするかのように一つ一つの言葉を口にしていき)

謹んで拝領いたします。騎士として、これほどの光栄に浴する日は他にございません。
願わくば、殿下をお守りするため……殿下のためにこの剣を振るうことをお許しください。

17: セシリア=ルクレール [×]
2025-07-18 22:36:25

(その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が静かに熱を帯びたような気がした。重く、そして真っ直ぐに響く誓い。言葉の一つ一つが、単なる儀礼ではなく、彼自身の選んだ“在り方”そのものだと、はっきりと伝わってくる。ハーヴェイの名に恥じぬ振る舞い。彼の姿はまさに騎士の鑑であり、だがそれだけでは語り尽くせない“何か”を宿していた。だからこそ、数多の騎士の中から、自分はこの人を選んだのだ──直感ではなく、確信として。彼が剣を受け取った時、その刃に反射する微かな陽光が、まるで未来を照らす道標のように思えた。皇女として──いや、この国を率いる者として、彼に託したこの剣がただの象徴ではなく、本当の意味で“力”として彼の手で振るわれることになるなら、それは何より心強いことだった。彼は“命じられたから”剣を振るうのではない。自らの意思で剣を取る者だ。そういう者こそが、真に信頼を置くに値するのだと、あらためて思った。形式ではなく、本心で。彼のような騎士に、自分の傍に立ってもらえるという事実に、深い感謝と誇りを感じる。だからこそ、慎重に、だが確かな言葉で返さなければならない。これは契約ではない。主と騎士としての形式だけでなく──帝国の未来を共に背負う者同士の、約束なのだから。だからこそ、その想いに返す言葉は、慎重に、そして確かに。ゆっくりと、もう一歩だけ彼に近づき、不動の威厳と静かな誠意を込めて、言葉を紡ぎ)

その剣に宿る誇りと、あなたの矜持が、決して曇ることのなきよう。
ノア・ハーヴェイ。汝を、帝国皇女セシリア=ルクレール直属の騎士としてここに任じます。

(宣言が響き終わると、謁見の間には、もう一度深く張り詰めた静寂が訪れた。だが先程のそれとは違う。今度は、確かに一つの“選定”が終わったという空気が、部屋全体に静かに、けれど強く満ちていた。徐に向きを変えると、裾が床を払う音が、歩き出した足音に重なる。広間の空気に流れるものは、儀式を終えたことへの余韻と、これから始まる"何か"への微かな緊張。その中で、静かに背後の彼に言葉を投げかけ)

──ハーヴェイ卿、ご同行を。

18: ノア・ハーヴェイ [×]
2025-07-19 13:48:53

承知致しました、お伴させていただきます。

(皇女の宣言が終わった後の謁見の間は、彼女が護衛の騎士を選ぶときの緊張感とはまた別の静けさに包まれていた。今この瞬間から、自分は皇女専属の騎士となったのだ。たった今行われた宣言を聞いて、自分が彼女に敬意を表して付き従うことを示したように、彼女もまた、そんな自身の姿を尊重してくれているのだと確かに感じた。まだ齢22歳という若さで、民を統べる者の持つべき資質というものを理解しているのではないかと───ならば、こちらもそれに応えねばならない。一瞬、それでも長い静寂の中で初めて聞こえた、彼女が自身に背を向けたときのその裾が床を払う音ですら、これから何かが起こるという合図のように思えた。同行を命じられると、素早く彼女から贈られた剣を腰に差げて立ち上がり、片腕を胸の前に移動させて彼女に向けて敬礼をする。───これから先、おそらく自身の命が尽きるまで仕えることになる人物。その姿を目に焼き付けながら、端的に命に従うことを言葉に表すと、そのまま彼女と数歩後ろの距離を保ったまま歩き出し)

19: セシリア=ルクレール [×]
2025-07-19 21:22:47

(謁見の間を後にし、二人の足音だけが静かな廊下に響く。紅と金を基調とした絨毯がまっすぐに延び、壁には歴代皇族の肖像画が厳かに並んでいた。昼の陽が大窓から差し込み、磨かれた大理石の床にやわらかな光と影を落としている。その歩みは、急くことも遅れることもなく、ただ静かに、しかし確かな意志をもって前へと進む。背筋は伸び、足取りに揺らぎはなかった。これから対峙するものを恐れることなく受け入れる──そんな覚悟をその後ろ姿に滲ませていた。その数歩後ろを影のように歩く彼は、就任したばかりの騎士とは思えぬ落ち着きに満ちていて、足音ひとつすら整っている。やがて、廊下の先にある重厚な扉の前で歩みを止めた。その向こうは、帝国の要──皇室評議会に連なる要人たちが集う部屋だ。これから自ら選び抜いた直属の騎士を紹介することになる。扉の向こうからは、既に微かな声が漏れていた。重役たちの低くくぐもった会話。そこに漂うのは、長く権力の座に在った者たち特有の重圧と傲慢。老練で、保守的で、そして時に排他的な彼らの目に、この騎士はどう映るのだろう。若すぎる。小柄だ。威圧感に欠ける。──おそらく最初に交わされる言葉は、そうした印象に基づいた懐疑だろう。だが、それは彼の本質を何一つ知らぬ者の浅薄な先入観に過ぎない。小さく、気持ちを整えるようにひとつ息を吐く。迷いは無い。扉を開く前に一度背後へと向き直ると声を掛け)

この先の部屋には、帝国の中枢を担う方々が控えております。最初は……あなたに厳しい目を向ける者もいるかもしれません。
けれど、私はあなたを信じております。どうか、胸を張ってお進みください。

20: ノア・ハーヴェイ [×]
2025-07-20 20:35:28

(いかにも王宮らしい高級感のある絨毯の上を少し歩いた先に見えるのは、歴代皇族の肖像画であった。これまでの帝国を支え、そして繁栄させてきた偉大なる人物たちであり、この中にはハーヴェイ侯爵家の人間が護衛騎士となった人物もいる。帝国の歴史は皇族の歴史であり、皇族の歴史はハーヴェイの歴史でもある。つまるところ、皇女専属の騎士となった今、自分は確かにこの帝国の歴史の一頁の内にあり、これからの自分の選択は様々な物に影響を与えてしまうのだ。そうして前を歩く皇女の後ろ姿を見ただけで、この状況でも全く気を抜いていない様子が伺える。先ほどの声掛けといい、選抜以外にもこれから大切な用事があるのだと察して、こちらも気を抜かないように改めて背筋を伸ばし。歴代皇族の姿を視線の端に捉えながら長い廊下を歩いていると、先ほどから前を歩んでいた彼女の足音がぴたりと止んだ。正面にはいかにもという雰囲気を醸し出している重厚な扉があり、その奥からは自分よりも一回りか二回りは年齢を重ねているであろう人々の声が僅かに聞こえてくる。その瞬間、彼女がこれほどまでの覚悟を持ってこの場所まで自分を連れてきた理由が理解できた。そして、それと同時に目の前の皇女から声を掛けられ。前任の護衛騎士のことは、同じ騎士としてよく知っている。老いを理由に退いた彼ではあったが、現在の皇帝陛下が病床に伏す前から護衛の任を完全に遂行した実力者だ。恐らく、扉の先の人物たちは自身が皇族の護衛にあたる騎士として相応しい資質を持ち合わせているのか、あの手この手で多方面から問い詰めるつもりなのだろう。───だが、自分は他でもない皇女殿下から「信じている」という声をかけられたのだ。帝国に身を捧げる者としてこれ以上の名誉はないだろうと、左腕を胸の前に上げ、先ほどと同じように敬礼をする。自分はこれまで国防の柱となり、そして帝国にその生涯を捧げた“ハーヴェイ”の名を背負った騎士だ。───信じていると言われたからには、期待された通りの結果を出さねばならない。だからこそ、今感じている心の内をそのまま言葉にして)

お心遣い、恐れ入ります。──疑念も、嘲りも、想定のうちです。
何を言われようとも、この剣を置く理由にはなりません。
それに、我らが帝国の重鎮たる方々に出会えるなど、光栄という他ありませんので。

21: セシリア=ルクレール [×]
2025-07-21 15:20:44

……頼もしいお言葉です、ハーヴェイ卿。
どのような声があろうとも、私があなたを選んだという事実は、決して揺るぎません。
この先、あなたの剣が何を守るのか……どうか、その証を、今ここからお示しくださいませ。

(彼の凛とした言葉を受けたその瞬間、呼応するように睫毛がわずかに揺れた。迷いなき眼差しと、剣への揺るぎなき覚悟。たった数語の中に滲むその意思の強さは、まるで陽光を受けた白刃のように静かで、だが鋭い光を宿していた。視線を逸らさぬまま、一拍の間を置いて小さく頷く。その口元にわずかに浮かんだのは、形にならぬほどの微笑──信頼と誇りの滲む、ほんの一瞬の揺らぎ。そして、ゆっくりと正面の扉に向き直る。紅と金を織り込んだ絨毯の端にその足元が揃い、裾が軽やかに揺れた。右手を持ち上げる動作は穏やかで、だがそこに躊躇はない。廊下に控えていた扉番がその合図を受け取り、無言のまま、両開きの扉へと歩み出る。低く軋む音とともに開かれた重厚な扉の奥には、格式を感じさせる威圧感が立ち込めていた。昼光を取り込む高窓、深紅と漆黒を基調とした内装、そして半円に並ぶ卓の向こうには、帝国の意志を動かす重鎮たちの姿があった。軍務官、宰相、議会を束ねる評議員、いずれもが一国の命運を担う者たちだ。その大半が目を向けたのは、中央を進む者の背ではなく、すぐ背後に従うその騎士の姿だった。若い、線が細い。表情に剣のような鋭さはあるが、威圧感に欠ける──そういった視線が、言葉にせずとも明らかに突き刺さる。見定めるような、そんな視線だ。だが、その空気を感じて尚も何も見ていないように、しかし全てを知っている者の静けさでその空間を真っ直ぐに歩いた。そして、長卓の中央に設けられた主賓の席、その手前で静かに足を止める。一度、深く息を吸い込み、背筋を伸ばすと背後の彼を片手で示すようにし)

──ご列席の皆様。ご紹介いたします。
こちらが、私の新たな側近としてお迎えする者、ノア・ハーヴェイ卿です。
この剣に身を預け、共に歩むに足ると、私が信じた騎士でございます。

22: ノア・ハーヴェイ [×]
2025-07-22 09:26:31

(扉の先に広がる景色は、然程意外なものでもなかった。調度品の質は最高級のもので、その色合いは帝国の中枢に在る物として相応しい威圧感を与えてくる。だが、それを抜きにしてもこの空間は重苦しい雰囲気を纏っている───それもそうだろう、ここには帝国の核たる人間たちが集まっているのだから。進行方向を真っ直ぐに見つめながら歩いていたために誰とも目は合っていないが、それでも彼らの視線が自分に集中していることくらいはすぐに分かる。視線の理由もやはり予想通り───皇女の選んだ騎士が本当に相応しいのか評価するものだろう。先ほどから自身の肌に刺さるような視線を受けていることから考えれば、少なくとも外見はお気に召さなかったようだが。しかし、だからと言って慌てる必要はない。先ほど彼女が言った通り、誰がどのような言いがかりをつけようとも、皇女が自身を選んだと言う事実はもはや変わりようがない。これまで自身が騎士として歩んできた道のりがあってこその現在であり、彼女はそれを認めて自身を信頼してくれた人間なのだ。彼女のために剣を抜くこともなく、鞘の中で風化させるなどということは決してあってはならない──そのためには、厳しい視線を向けてくるこの人物たちに、自身が皇女の護衛にあたるに相応しい騎士であると認めさせる必要がある。彼女が自身を紹介してくれた後に素早く敬礼の姿勢をとると、視線を伏せたまま彼女の紹介に続けて話し始める。その迷いなく堂々とした姿勢でありながら礼儀を失わず、自身を選んでくれた皇女、そしてここに並ぶ重鎮たちへの敬意も忘れない言葉選びをしていて)

──ノア・ハーヴェイ、拝命仕りました。
このたびは、皇女殿下の信任を賜り、栄え多き任にあたること、騎士としてこの上なき光栄に存じます。
未だ至らぬ身ではございますが、身命を賭して殿下にお仕えし、
御前の御方々の信をも得られるよう、誠心をもって務めて参ります。
以後、何卒ご指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

23: セシリア=ルクレール [×]
2025-07-22 22:01:25

(場内に一瞬、音が消えたかのような静寂が広がった。床に敷かれた絨毯が足音を吸い、天窓から差し込む光さえも、その緊張を和らげるには至らない。まるで、その言葉の真意を測ろうとするような、重く澱んだ空気。緊張が限界まで張りつめたその瞬間、誰かの咳払いが静かに空気を破り、それを合図にするかのように半円の席からひとりの老人が立ち上がる。軍務官の筆頭──シリルス将軍。齢七十を超えるその老将は、鋼を思わせる白髪と揺るぎない双眸を持ち、帝国の戦歴をその身に刻んできた生き証人だった。ゆっくりとした動作で立ち上がり歩み出ると、無駄の無い動作で円卓の外縁をまわり、二人の正面へと進み出る。その眼差しは、まるで百戦錬磨の兵が新たな剣の質を見極めるような、冷たく静かな圧を孕んでいた。咳払いすら許されぬ沈黙のなか、ただ空気だけが重く膨張し、会議室の天井が低くなったような錯覚すら覚える。その重みを断ち切るように、静かに言葉が発せられ)

……立派な口上だ、ハーヴェイ卿。だが、剣を掲げる者の責は、言葉では果たせぬ。
皇女殿下の御身は、もはや一個人にあらず。王命と民意、帝国そのものを背負って立つ方。若き騎士の才気や忠誠の誓いだけで、果たしてその御身を託すに足るのか──それを見極めるのが、我らの役目である。
そなたの父祖の名は、帝国史に燦然と記されておる。それゆえにこそ、名を借りるだけの者を我らは最も忌む。

──ひとつ、試させてもらおう。我が副官との立ち合いに応じよ。明朝、近衛の訓練場にて。逃げるも、立つも、そなた次第だ。
……それが、我らの問いに対する“返答”となろう。

24: ノア・ハーヴェイ [×]
2025-07-23 02:04:54

(ほんの一瞬の静寂を切り裂いたのは、同じ剣を取る者であれば、知らない人間などいないと言えるほどの歴戦の猛者であった。自身の前へ立った彼がどれほどの死線を潜り抜けてきたのかは、彼の両眼を見れば明らかなことだ。まるで今この瞬間、自身と彼の両者の手に剣が握られているのではないかと思ってしまうほどの重圧。重石が乗せられたのではないかと言うほどに、身体中がビリビリと痺れるような感覚──彼の発言は正論そのものだ。自分は彼らの前で剣を振るったことなどない、彼らから見ればぽっと出の若造も良いところなのだから、そのような人間に帝国を背負った皇女の護衛が務まるのかと懐疑心を抱く理由はよくわかる。───しかし、それを恐れることはなかった。この場に立つ前から、腕を証明するために剣を振るえと言われることを予想していたからだ。寧ろ、将軍直々に相手をしてくれると言うわけではないことが少し残念に思えるほど、今の自分には精神的な余裕があった。流石にそれを口に出すのは無礼がすぎるため、その機会は何れ自分の手で作り出すことにしよう、そう心の内で呟き。何にせよ、ここで相手からこのような機会を与えてもらえたことは実に有り難かった。一介の騎士が自分から“腕を見せる機会が欲しい”と言うのは余りにも高慢で、彼らへの配慮に欠けている。だがこれは将軍からの提案だ、寧ろ断る方が無礼であることは明白。そうと決まれば、敬礼を一切崩すことなく、まずはシリルス将軍は敬意を表する言葉から語り始める。──続いて発した言葉は、表面だけ見ればありふれた“はい、喜んで”というような、淡々とした教科書通りの返答。しかし、その眼差しは先ほどから見せていた誠実なものから一変し、まるで別人かのように闘争心を滲ませた、妙なぎらつきを持ったものになっており)

──ご高配、痛み入ります。シリルス将軍。
帝国に連なる者として、またその剣を預かる者として、そのお言葉、確かに受け止めました。

……ならば、明朝。御前にて私のすべてを示しましょう。
剣は飾りではなく、志を映すものにございます。逃げも隠れもいたしません。その立ち合いこそ、私の忠義、そして家名を賭けた“返答”とさせていただきましょう。

25: セシリア=ルクレール [×]
2025-07-23 18:58:00

(再び場内に沈黙が戻る。だがそれは、先ほどまでの探るような沈黙ではなかった。張りつめた緊張の中にも、わずかに熱を帯びた空気──たった今この場で確かに立ち上がった“若き挑戦者”の気配を、誰もが感じ取っていた。──ごくわずか、将軍の口元が動いた。それは笑みというにはあまりにわずかで、だが否定ではなく、静かな肯定の色を孕んでいる。眼差しの奥に宿る光もまた、鋼のような鋭さをほんの一瞬だけ和らげるように瞬いた。誰にも聞こえぬほどの足音で将軍はゆるやかに背を向け、円卓へと戻っていく。背筋には、幾多の戦を越えてきた者だけが纏う、風のような静けさと、時代を支えてきた重みがあった。その動きに連動するように、場内の緊張がわずかに緩む。幾人かの重鎮が姿勢を崩し、硬さをほどく。沈黙の水面に波紋が広がるその刹那──白と水色を基調としたドレスの衣擦れが、ほとんど聞こえぬほどの音を立てた。絨毯に沈むその一歩には、退くのではなく、空間を律するための“引き”がある。正面を向いたまま、緩やかに主賓の席を離れると、背を見せることなく半円を囲む重鎮たちへと視線を巡らせる。金細工の留め具が陽光を受けて淡く光り、裾が風に舞うように揺れる。あくまで丁寧に──けれど、明確な意志を秘めて、重鎮たちへと深く礼を送り)

ご列席の皆様、本日はご多忙のなかお時間を賜り、ありがとうございました。
──彼は、血筋のみならず、その志と剣においても、帝国の未来を支えるに足る者であると、私は確信しております。
皆様の懸念もまた、私にとって貴重な導きにございます。引き続き、厳しくもあたたかいご助言を賜れましたら幸いです。
……どうか、彼の剣の行く先を、その目で見極めていただければと存じます。

26: ノア・ハーヴェイ [×]
2025-07-25 00:31:54

(自身の発言の後、将軍だけでない周囲の人物たちの空気も変化したことを肌で感じた。それは入室した際の重く閉ざされた気配ではなく、少なくとも悪印象を持たれたわけではないと言うことはわかる。将軍が円卓に戻っていく際の背中は、ただ頼もしいと言えるようなものではなかった。老齢でありながら未だ皇室の剣である彼の背は、ただ周囲の人物を威圧するだけではない確かな強かさを宿していた。何れは自分も、彼のような人間にならなければならない。ハーヴェイという名のために、そして何より──皇女の隣に立つ人物として、誰が見ても文句の一つすら出てこないような人間となるために。今の自分はそうではない、だからこのような状況になったのだ。まずは第一歩、明日の試合で自身の価値を示す必要がある。数人は姿勢を崩して僅かに気を緩めているようだが、自身は先ほどから敬礼の姿勢を崩さずに微動だにせず。そしてまた沈黙が広がるかと思った矢先、皇女によって再び静寂が切り裂かれる。それはまるで歴戦の戦士が剣を取ったかのような威厳にもよく似ており、彼女の品格がその所作に表れていた。決して弱さを見せることはなく、一つ違えば挑発にもなりそうな言葉を全くの嫌味もなく、純粋な敬意として表することができている。彼女の言葉に続き、自身も言葉を紡いでいく。最初に自身を信じてくれた皇女へ。そして次に、この場に並ぶ帝国を支える俊英達へ。最後に、明日の副官との立ち合いへ覚悟を示す言葉を放つ。それらの言葉に派手さはなく、裏に込められた意味もない。ただ真っ直ぐに、今この場で自身が抱いている信念だけを話していて)

……皇女殿下からの信頼に応えられるよう、全力を尽くすと誓います。
皆様も御耳を傾けていただき、感謝申し上げます。初めに申し上げた通り、私も未だ至らぬ身でございます。ですが、皆様からの信頼も得られますよう、これからも邁進して行く所存にございます。

──まずは明朝、剣で語らせていただきます。

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