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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
■:
館の魔女 [×]
2023-10-17 21:30:43
─────────────
住込みで働く館の使用人を募集しています。
募集人数は1名のみ。
境遇や容姿、年齢は問いません。
履歴書要らず、御用の方は直接、魔女へ話し掛けて下さい。
早い者勝ちなので、興味のある方はお早めに。
──────── 館に住む魔女 ─
1:
館の魔女 [×]
2023-10-17 21:44:43
……あら、風が随分冷たくなっているわ。
駄目ね、たまには外へ出なくては。
( 日が登ったとはいえ、肌寒い風が肌を掠めていけばぶるっと身震いをして、白く上品なワンピースの上からストールを羽織り直した。160cmの生垣に届かない程の身長に、狐色の真っ直ぐな長髪を揺らしながら玄関から伸びる小道を進んでいく。
進む最中は生垣に優しく触れていたが、敷地の端まで来ると生垣もなくなり、触れる対象が無くなった途端にぴたりと歩みも止まる。
何かを探すように左手を前方へ動かすが、澄んだ青い瞳は空を見つめたまま。暫くすると、探していたらしい郵便受けを見つけ、ほっと中を確認する。
とある森の奥には盲目の魔女がいると一部の民間では噂になつているようだが、どうやら、この屋敷に住む此の少女こそ、盲目の魔女らしかった。)
そういえば、使用人募集の案内書…うまく街へ張り出せてたかしら…。
2:
鎧の男 [×]
2023-10-18 01:06:25
がしゃり、がしゃりと凡そ森の中という静かな環境には似つかわしくない金属音を立てながら、一方向へ向かう男が一人。その人間は190cm程の長躯に加え、それに見合う大柄な体格を有していた。また、文字通り全身を甲冑で固めており、顔を含め一片も肌の露出がない徹底ぶりである。まるで戦に赴く騎士の様な出立ちに見えるが、本人も目立つと理解しているのかフードの付いた濃茶色の外套を羽織る事で誤魔化しているらしかった。しかし厄介事に即座に対応する為か、鞘に仕舞われたロングソードだけは外套の上からベルトを通して腰に下げられていた。
(案内書によれば、この周辺にあるようだ)
男は訳あって次の仕事を探していた。良い仕事先が見つかる事を祈りつつ街を彷徨っていたが、この度案内書を発見し、ここで働こうと決心して現在に至る。書を片手に森の中を歩き続け、目的地の屋敷へと辿り着き──そして、郵便受けとその前に立つ長髪の女性を見つけた。
男はその女性に向けて、胸に片手を当て一礼した後に話し始めた。
「突然の来訪、失礼致します。街にあった案内書を確認し、使用人として働くべく馳せ参じた次第であります。我が主人となるのは貴女でお間違えないでしょうか?」
3:
館の魔女 [×]
2023-10-18 08:26:15
郵便受けに入っていたのは2枚の封筒。手で感触を確かめながら家の中へ戻ろうかと踵を返そうとした時、ふと聞こえてくる金属音…いや、足音に気が付けば、其方の方へと顔を向け耳を済ませる。近付いてくるその足音は自身の前で立ち止まり、その様子に数歩後ずさるが、続けて聞こえてくる話し声にゆっくりと合わない視線を動かした。
「 あらあら、案内書を見て来てくださったのね!嬉しいわ。
……えぇ、私が依頼人よ。
立ち話もなんですから、家の中へどうぞ。」
聞いたところによると使用人の案内を読んで来てくれたらしく、それを聞いて嬉しそうに笑顔を向け、此方も一礼を。
上記を述べながら再度踵を返すと、またも生垣に手を添えながら玄関への道を辿っていく。
見る限り古いながらも大きく立派な屋敷だが、実際に住んでいるのはこの少女1人らしく、大きな扉を開けても聞こえてくるのは静寂のみ。しかし、所々空気に漂うように小さな煌めきが見えるのは、果たして視界が霞んでいるだけなのだろうか。
室内に入ると、さも慣れているように迷いなく歩みを進め始め「こちらへどうぞ」と客間へと案内していく。
客間へ入るや否や、くるりと背後へ向き直り、両手を相手がいるであろう方向へ伸ばせば、穏やかな表情のまま言葉をかけた。
「 いきなりごめんなさいね。ちょっと手を拝借しても宜しいかしら? 」
4:
鎧の男 [×]
2023-10-18 15:37:24
「承知致しました。ではご厚意に甘えて」
音を立てて威圧感を与えぬように、大きな歩幅で追い越さぬように、忍び足かつ小さな歩幅で人一人分の間を開けて歩き始めた。
歩く道中、男は生垣に触れながら歩く女性と、先程自分と会った時の反応を重ねながら思案していた。
(私と会った時の視線の動き、常に何かに触れながら歩く動作……もしや……いいや、よそう。あれこれと勘繰るのは良いとは言えない)
戒めるように首を左右に振り、後を追った。
屋敷は古いながらもしっかりとした造りで、男は声には出さずとも感嘆した。時折錯覚かも知れないが煌めきのようなものが見え、少々の神秘さも感じていた。
客間へ案内され、話しかけられた声に従って籠手を外そうとしたが、躊躇った。どうやら男には失礼だと理解していても簡単には外せない相応の理由があるらしかった。
「申し訳ありません、私は個人的な理由で鎧を外す事ができないのです。ですので、鎧越しでも宜しければ」
そう言って、同じように両手を前に差し出した。
5:
館の魔女 [×]
2023-10-18 22:15:25
「 大丈夫、気にしなくていいのよ。
…声も少し曇って聞こえるのは、鎧を被っているという事かしら?随分上の方から聞こえると思っていたの、身長も高い立派な殿方なのね。」
相手の言葉を聞けば、ふふ、と優しく笑って差し出された両手を探り出しそっと自らの手を添えた。冷たい感触に鎧の姿を想像すれば、特徴的だった足音にも納得しつつ、この手が伸びている方向や声のする方から推測して顔を見あげる。
大きな手や逞しい腕から相手の身長や体格をも推測し、今どのような姿でそこに立っているのかを自分なりに理解する。
初対面の方と握手をして交流を交わすように、自分にとってはこれがコミュニケーションの1つなのだ。
また、これほど体格に恵まれた方ならば様々な仕事を手伝って貰えそうだと考えながら、嬉しそうにもう一度笑いかける。
暫くして満足したのか、要望に応えてくれた事に関して丁寧に礼を述べると、テーブルを挟み向かい合わせで並んでいるソファの片割れへとゆっくり腰を下ろした。
「改めまして、 私はビオラと申します。
既に気付かれたかと思いますが、盲目のしがない魔女ですわ。」
6:
鎧の男 [×]
2023-10-19 00:32:04
「寛大な御心に感謝の意を。ええ、兜を被っております故、少々声が聞き取りにくいやも知れません。どうかお許しを」
そう答えながら、自分の手に添えられた優しい感触を鎧越しに確かめ、その小さな手や自分に向けられた笑顔を見つめる。自らの大きな身体と比べれば、華奢だ。元よりぞんざんに扱うつもりなど欠片も無いが、もし触れる機会があれば細心の注意を払わねばなるまい、特に鎧を身に付けているのだから。
やがて、ソファに腰掛けた主人となる女性が自己紹介を終えると、男は僅かに片目を細めた。予期していたとは言え、直接盲目である事実を伝えられると辛いものがある。これからは自分が主人を支えなければならないと心中で強く決心し、右手を胸に当て、左手を立てた片膝の上に置く様にして跪いた。
「申し遅れました、我が名はブローディ。貴女様の目となり、手となり、足となり、盾となる者。所用とあらば、何なりとお申し付け下さい」
7:
ビオラ [×]
2023-10-19 07:50:10
「 ブローディさん…とても、優しい方なのね。
でも、あまり気を遣わないでね。どうか腰を上げて、そこにお座りになって。」
相手からの自己紹介を聞き終えると、尚も優しい笑顔を向け、感銘したように胸にそっと手を当てた。強い忠誠心を持ち合わせているらしい彼は、きっと良い人に違いはない。しかし、聞こえてくる所作の音から推測し、恐らく膝を着いているのであろう相手にソファを促す。相手は甲冑を身につけている為、微かな金属音でどの程度身動きしているのかが分かりやすいようだ。
そして、1つ咳払いをすると「そうそう」と思い出したように言葉を続け、彼へ質問を。
「ブローディさんの身近に魔女や魔法使いは居たかしら?
魔女って、その数も多くはないし、色々誤解されている部分があるから、まずは私の事を知ってもらわなければいけないわ。」
魔女や魔法使いなど魔法族と言われる種族は少なからず存在はするものの、決して多くはない。1部を除き見た目だけでは普通の人間とほぼ変わらず、魔法族という事を隠しで生きている者も多いはずだ。
ありとあらゆる力を秘めていると噂される魔法族は、崇拝や憎悪、どちらの対象にもなり得るし、今でこそ受け入れてくれる人も増えているが、魔法族として生活するには幾つもの困難がある。
8:
ブローディ [×]
2023-10-19 18:11:33
「しかし……いえ、承知致しました」
使用人である自分が主人と同じ立場になるわけには、と留まろうとしたが、この場では指示に従わぬ方が不敬であると考え直した。立って一礼してから、外套を脱ぎ、剣を外して膝の上に置くようにしてソファに腰掛けた。
主人の咳払いと質問を聞き届け、少し頭を捻ってから答えた。
「私はかつて騎士でしたので、その職務柄怪我をすることが多々ありました。重い傷を治す為、魔法を扱う者の世話になった事が何度かあります。その者とは何度か話す仲でしたが、今は疎遠になってしまいました。後は……敵として魔法使いと戦った事が、一度だけ」
自然と剣の鞘を握る力が強くなる。その敵対した魔法使いには苦い記憶があった。ネガティブな話題の為、伝えるのを躊躇ったが、結局伝える事にした。隠し事はすべきではないという考えのもとに。
9:
ビオラ [×]
2023-10-19 18:58:14
「 そうだったのね…。まさに貴方が出会った者たちのように、他者を癒す為に魔法を使う者もいれば、その逆も存在するわ。」
かつて治癒魔法で助けて貰い、更には敵対したこともある上、今度は仕事上の主が魔法族とは、彼もまた難儀な出会いをしているらしい。静かに話を聞いては、深くは探らずただただ彼の心中を察するように頷いた。
「 しかし、魔法はあくまで精霊が居なくては使えないの。
つまり“魔法を使う”のが魔法族なのではなく“精霊の声を聞き、その力を借りる者”が魔法族なの。
精霊にも良い者がいれば悪い者もいるから、悪い精霊と悪い魔法族が手を組めば、攻撃的な魔法使いになり得るわ。
…あと、魔力が強い者ほど、精霊の声には耳を貸さず無理やり力を使う者もいるの。罪の数ほど瞳が燃えるように赤く変化するからすぐに分かると言われているわ。瞳が赤いのは、あまり良い魔法族ではない証ね。」
落ち着いた声音で魔法に関する知識を説明していると、ふと、空間に漂う煌めき達がふわりふわりと周囲に集まってきた。悪戯しているかのように自身の周りをぐるぐる回る様子もあれば、彼の近くまで寄っていっては様子を伺うように頭上で恐る恐る漂っている様子もある。
この煌めき達こそ、今口にした精霊たちのようだ。
10:
ブローディ [×]
2023-10-19 20:11:43
「なるほど。直接力を行使する者ではなく、あくまで精霊と繋がる事ができる者が魔法使いであると。またひとつ、知識を得る事ができました。感謝致します」
魔法については“超常の力”程度の認識しかなかった為、主人の安心する声で理解しやすく説明されるのは、落ち着くと同時に世界が広がった感覚がして心嬉しい。元より本を読んだり人から話を聞くことが好きな性分である。こうして未知を既知とする感覚を味わうことができたのは僥倖であった。
(そして、悪しき者ほど瞳が赤く染まる……私が戦った相手も、たしか真っ赤な瞳をしていた。反対に、我が主人は澄んだ青い瞳をしている。きっと清く正しく生きてきた証拠であるに違いない)
主人の素晴らしさを胸中で讃えていると、この屋敷を歩いている時にも見た煌めきが集まっているのをしっかりと確認した。本当に錯覚ではなかったようだ。少々驚きながらも、自分の頭上へ近付いた煌めきへと手を伸ばした。
11:
ビオラ [×]
2023-10-19 21:03:04
「あ…なんだか知った口を聞いてしまって恥ずかしいわ。
私もまだまだ勉強不足な部分はたくさんあるの。幼少期から目が見えないものだから、きっと、私の中の知識と現実には多少なりともズレがあると思うわ。」
此方がひけらかした知識に対しても素直に感謝の意を伝えてくれる相手に対して、なんだか申し訳なさも相まって恥ずかしそうに、また、時には誤った知識があるかもしれないと危惧しつつ、口元へと手を添えて弁解を。
そして、ふふ、と続けて優しく笑うと精霊達の話し声でも聞こえたのか「貴方に興味津々みたいね」と何やら此方も小さく手を伸ばした。
「 通常はあまり人の目には見えないものだけれど、私がずっと屋敷に籠っているものだから、精霊たちも集まっているみたいなの…。精霊魔力の密度が濃いと見えやすくなるって聞いた事はあるのだけど、貴方にも見えてるのかしら?」
12:
ブローディ [×]
2023-10-19 23:51:20
「いえ、私はそもそも何の知識も持ち合わせていない身。こうしてお話をしていただけるだけでも喜ばしい限りです」
例え誤った知識があったとて、知らないということと知っているということには天と地ほどの差があるから、やはり主人が素晴らしい事に違いは無いと思うと同時に、幼い頃からずっと暗闇に閉ざされていたのかと心を痛めた。
「私にも煌めきのようなものが見えます。貴女の周囲を回ったり、私の頭上を漂ったりしております。やはり彼らこそ精霊なのでしょうか?」
普通は見えないはずのものが見えるほどに集まっているのは、この空間の居心地の良さか、はたまた主人の人徳であるのか。おそらく両方だろう。
13:
ビオラ [×]
2023-10-22 16:58:34
「 えぇ、そうよ。彼等は人懐っこいの。
勿論、そうでない者もいるけれど、この屋敷に集まるのは大体好奇心が旺盛な子達ね。」
相手の言葉には、なんだか嬉しそうに頷きながら返答し、たまに悪戯もされるのよ、と笑いながら言った。そして、再度何かに耳を傾けると、「あら、本当だわ。私ったら飲み物も出さずに 」と肩を竦める。
静かに背筋を伸ばし目の前のテーブルへ両手を触れると、両目を閉じて深く息を吸う。すると、その直後テーブルが瞬く間に光り輝き、上品な紅茶の香りが漂い始める。光が鎮まると、そこにはティーポットにティーカップ2つ、砂糖やミルクも添えられていた。
ゆっくりと目を開けて、自身の目の前にあるカップを手探りで探し出せば、魔法が上手くいったことに安堵しつつ笑顔を向けた。
「 手作りに及ばないけれど、私が好きな紅茶なの。
…あ、紅茶、お嫌いだったら遠慮なく仰ってね。」
14:
ブローディ [×]
2023-10-23 13:26:30
「成る程……彼等にも我々と親しみやすい者もいる、ということですね」
精霊とは超常の力を行使する存在、という認識と解釈であったために、その精神性も高尚で厳格であると感じていたが、少なくともここにいる精霊達は主人と親しげに会話できる程度には話しやすい性格であるようだ。とはいえ、依然として高位の存在である事には変わりない。礼節を欠いてはならぬと周囲を飛ぶ煌めきに向けて一礼した。
主人がテーブルに手を当てている姿を見つめていると、突如テーブルが光輝き、次の瞬間にはティーセットが紅茶の香りと共に出現していた。これも魔法によるものなのか、と驚きで片目を見張った。
主人の笑顔と共にかけられた、“紅茶が嫌いならば”という言葉に、とんでもない、と否定する。
「紅茶は私も嗜むほどには好いておりました。それを頂ける上に、貴女様が好む紅茶であるとは、誠に身に余る光栄でございます」
15:
ビオラ [×]
2023-10-23 22:40:51
「 それは良かったわ。これからゆっくりでいいから、他にも好きな物も嫌いな物も、色々教えて頂戴ね。」
精霊について理解を示したような彼の言葉に肯定するように頷くと、続けて相手も紅茶を嗜んでいたと聞いて嬉しそうに言葉を返す。そして、他にも好き嫌いがあればなんでも言って欲しいと付け加えると、優しい手つきでティーカップを口元へ。
落ち着いているように見えて、久しい来賓に胸を高鳴らせていない訳もなく、紅茶の香りに包まれてやっとのこと深呼吸する。
こんなにも心優しい方が屋敷で働いてくれるなんて、本当は言い表せないくらい嬉しいのだが、幼稚にはしゃぐなんてみっともないし、また 嫌われでもしたら今度こそ立ち直れないかもしれない。
せめて淑女らしくしっかり振る舞わねば、と紅茶をもう一口口に運ぶと、「 飲み終わったら、屋敷の中をご案内しましょうか。ブローディさんのお部屋も案内しますわ。」と微笑みかける。
16:
ブローディ [×]
2023-10-24 18:20:43
「ええ、貴女様であれば、いつでも私の身の上をお教え致します。それでは僭越ながら、頂戴させて頂きます」
主人の言葉に快く肯定で返すと、ティーカップを手に取った。面頬を手で押し上げて作った隙間にティーカップを入れ、そっと一口飲んだ。紅茶の上品な香りと良い味とが口内に広がる。素晴らしい紅茶だ、続けてもう一口、もう一口と飲んでしまいそうになるが、そのような下品な真似はできないと名残惜しくも一旦口を離した。
「とても良い紅茶です。このような美味な紅茶を頂けることに、今一度感謝の意を」
また小さく一礼し、主人の紅茶を飲む姿を眺めながら自分も口を付ける。途中、主人から屋敷の中と自分の部屋の案内の話を聞き、なんと、と驚いたように返事を返した。
「貴女様直々の案内に加え、私の部屋まであるとは、その寛大な御心、痛み入ります」
17:
ビオラ [×]
2023-10-24 18:48:53
彼がカップを手に取り紅茶を嗜む様子を僅かな音で感じ取りながら、気に入ってくれたようで良かったと安堵しつつ、嬉しそうに微笑みを向けた。
そして、部屋の話をした後に聞こえた驚きと遠慮混じりの声音を聞けば、再度クスリと笑って「大袈裟よ」と返す。
「 最初にも言ったけれど、あまり気を遣わないで。
私は貴族でもなければ、ただのしがない魔女なのよ。貴方に少しお仕事をお願いするだけなんだから、あまり崇めないで頂戴?
それに、この屋敷、部屋だけはたくさん余っているから、必要なら他の部屋も使って下さいな。」
かつて騎士だったと言っていた彼は、その時もきっと誰かに仕えていたのだろうか。その言葉遣いや想像しうる所作からも洗礼されたものを感じるが、もし、彼が気を悪くしないならばもっと楽に接してくれても良いのだと伝えておく。それに、余ってある部屋にも頭を悩ませていたところだし、使ってもらえれば本望だ。
ゆっくりと紅茶の最後の1口を飲み干すと、いいことを思いついた、と言わんばかりに表情を軽やかにし、「 私のことはビオラって呼んでね。」とにっこりとした笑顔で言う。
18:
ブローディ [×]
2023-10-24 20:51:51
「いえ、しかし……」
今まで騎士として生きてきた経験から、主人に対して“気を遣わないこと”という行為にはやはり抵抗があった。騎士にとって主人とは忠義を果たすべき相手であり、主人には誠実であると同時にその品位を貶めるような事はあってはならない。故に騎士として主人に忠実であらねばならないという考えのもと、誠実な姿であるように心掛けていたつもりだったが、それがプレッシャーになっていたのかもしれない。
しかしやはり騎士として……と考え、何度かしかし、ですが、と唸っていたが、主人の笑顔とその言葉がダメ押しになった。最後の一口を飲み終えると、小さく咳払いしてから覚悟を決めたように話した。
「……承知しました、ビオラ様」
19:
ビオラ [×]
2023-10-24 21:15:31
「 さて、それでは、そろそろ行きましょうか。」
暫く唸っていた相手も観念したのか、名を呼ばれると嬉しそうに頷いて笑顔を見せて。ああ言ってしまったことで逆に気を遣わせてしまうだろうか とも考えたが、できるだけ彼にもリラックスして過ごして欲しい、と思っているらしい。
そして、彼も紅茶を飲み終わっただろうかと察すると、上記の言葉を呟いて腰をあげるのと同時に、右手の人差し指でくるりと円を描くような動作を行う。すると再度テーブルが輝きだし、先程までそこにあったティーセットが跡形もなく消え去ってしまった。
「 此方よ 」と客間を出て先程通った大広間に出ると、中央から上階に伸びている階段の手すりを捉える。どうやら相手の部屋から案内するつもりのようで、軽快な足取りで階段を登っていくのだが、ちょうど中心程の高さに差し掛かった時、頬を掠めて行った精霊に気を取られ、階段を踏み外してしまう。
20:
ブローディ [×]
2023-10-24 23:00:27
おそらく魔法によるものだろう、飲み終えた後のティーセットが消える姿を見やりながら、魔法というものはいつ見ても驚いてしまうほど優れている、と感じながら主人の後に着いていった。
階段の中程に差し掛かった所で、目の前で主人が階段を踏み外した。危ないと感じたのも束の間、即座に真後ろに付き、落下せぬようにその肩を両手で支えた。いざとなれば自分が下敷きにと考え、そうなるように背後に回ったが、その心配をする必要はなかったようだ。充分主人を支える事が出来た。騎士だった頃と比べれば身体能力は劣っているが、かといって力が全て失われた訳ではない上に、身に付いた経験や反射は据え置きである。それが目の前の危機を救う一助となった。
「お怪我はありませんか?」
距離が近いので、ちょうど主人を見下ろす形となった。兜の覗き穴から、翡翠色の右目が身を案じるような目付きで主人の姿を見つめていた。
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