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 可愛いの魔法 (〆)/2650


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2598: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-14 12:45:42



──…っ!さ、再来世はお人形になる…。
( アイドル衣装にも可愛らしいものが多いけれど、それとはまた違う装飾感に落ち着かず気恥ずかしげに逸らした視線は、左右どちらにも黄色い声か野次馬があれば結局静かな前方へとやがて落ち着かせる。〝可愛い〟を追求する彼に髪を整えてもらっては、当然いつものようにその言葉を期待した瞳を向けてしまうけれど、掛けられた言葉は強い破壊力を持ち、頬の血色感が更に増してはぎゅっと胸前で拳を作りながら、二人の距離感で聞こえるくらいの振り絞ったような声量で伝えて。〝再来世〟としたのは、彼がそのことを覚えているかは分からないけれど来世は一緒にカフェで働くのに取っておいてあるからで。甲斐甲斐しくお人形の髪を梳く姿にインスピレーションを得た写真部員は、それが薄らがないうちにと『人形作家が初めて作った、思い入れある人形イメージで撮りましょう!!こちらへ…!』といそいそ撮影スペースに案内したなら、芸術写真を撮れそうで興奮した部員が指示出すポーズに従って写真に収められていくだろうか )




2599: 逆巻 傑 [×]
2024-11-14 21:45:17



再来世まで俺と一緒にいるつもりすか。
( その言い回しに何か聞き覚えがあると思えば、以前実家に招いた際に起こったカフェで共に働く云々の話か、とすぐに思い当たる。称揚に対する喜びの表現なのだろうが、突飛な話の中でもきちんと順番を守っているのが少し可笑しくて、さらに分かりやすく嬉しがる様子が微笑ましくて、目元を緩めると険のない呆れ口調で宣言への言葉を返し。しかし両者間でそんなやりとりが行われているとは知る由もない撮影担当はお構いなしに自分の世界を展開し、思い描いた画を実際にカメラに収めるべく被写体を舞台へと急き立て、先程と同様に指示を飛ばし始めて。アンティークドールに扮した少女単体の写真になるだろうと油断していた己にもしっかりと役割が与えられ、ブレザーを脱いだシャツ姿にサスペンダーを装着するという簡易的な着替えが済んだなら、向かい合って彼女の手を取ったり、背後から両手を肩に置いて二人で鏡に向かったりと、人形作家と少女人形の一幕が切り取られてゆき。ようやく監督の気が済んだ時分にはあと1、2回の変身が精々の残り時間となっていて、相手へ密談のように呟いた疑念も、言い出すにはもう遅いもので )
…ずっと思ってたんすけど、なんか俺らのだけ方向性違うすよね。




2600: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-15 01:04:36



( ふと見せる柔らかな眼差しと瞳の奥にある優しさをずっとずっと向けられていたいものだけれど、作家と人形を題材に写真を撮られているうちに、どんなに恋心を抱き愛情を溢れさせていたとしても人形では自分から触れることができないと気付かされ、再来世は動く人形になることにこっそりとシフトチェンジして。2回目の撮影を終えて次が最後になるだろう衣装決め。今更の疑念に「た、確かに…」と小さな衝撃マークを浮かべつつも、なんだかんだで楽しくて、すぐにへらりと緩く笑みを浮かべ。それから言い出したのは〆を飾る衣装で、ハンガーに掛けられたずらりと並ぶ衣装に目を通してから彼へと視線を移すと、〝最後の文化祭〟を切り札に小首を傾げながら提案し )
時間的に多分次がラストですけど、衣装、傑さんに決めてほしいなあ、なんて……。折角だし、最後の文化祭だし…。




2601: 逆巻 傑 [×]
2024-11-15 02:35:25



……え。…便利すぎるな、そのカード…。
( 衣装を撫でた眼差しがそのまま此方までスライドしてくると、不意の指名に洩れるのは面食らった細い声。入場の際にも使われた魔法の言葉は今も効力を失うことなく、加えて制限時間も迫ってきているとなれば押し問答をしている余裕もないので、無駄な抵抗はやめて素直に並ぶハンガーの前に立つ。とはいえ急なことで即断即決ともいかず、真剣な顔でカラフルな衣服と睨み合っては、ひとまず選択肢を減らすべく「チャイナ服…と、ドレスも駄目だな。フルメイクしたくなる」と消去法で派手なものを省いてゆき。修道服は髪と肌が隠れて勿体無いだとか、赤ずきんは狼役になるであろう自分が耳と尻尾をつけるのは嫌だとか、次々にNGを出した果て、目についたものの中から最終的に手元に残ったのは〝メイド服〟〝軍服〟〝大正浪漫(袴)〟の3つ。件の女子部員の影響か、全ての撮影風景を無意識に思い浮かべたなら、決め手となったのは〝笑ってほしい〟という至極単純な願望で )
──…じゃあ、メイド服で。

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(/ イベ案まとめ確認させていただきました!相変わらず長くてさぞ大変だっただろうなと…、いつもありがとうございます。ぽんぽん投げすぎて自分でも忘れかけているところがあったので、本当に助かりました。と同時に先の展開へのわくわくも蘇りました*
ついでに文化祭の方ですが、撮影を終えた後は「好きな食べ物って結局何だったの?」のくだりを回収して別れ、そのままミスコンの流れで相違ないでしょうか…? )




2602: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-15 22:23:48



メイドさん、…かわいい!
( わあい、と小さく歓喜の声を上げ両手の指を胸の前で組んでは、何の衣装を選択するのか気にしてじっと彼の様子を見守っていれば。さすが美容を追求する職業といったところか、追求が止まらなくなるものを敢えて消去してぶつぶつと真剣に呟く姿に、そんなところも好き、とほんわりシャボン玉の如くハートマークを浮かべる。やがて選ばれたのはメイド服で、そのものはド定番ながらなんとなく彼は選ばないイメージだったゆえに意外そうにぱちりと双眸を瞬きつつも、彼が選んだものだから当然断る理由もなくシンプルながらも可愛さに割り振られたメイド服に焦点を当てては、着ることに抵抗はなく衣装を腕に抱えて着替えスペースに入っては大人しくそれに着替えていく。膝上丈の黒地のワンピースに白エプロンを合わせ、フリルカチューシャを頭に装着した姿で着替えスペースから出てくると、また可愛い可愛いだなんて歓声を浴びてははにかんだ笑みを浮かべつつ、執事に寄せたか主人に寄せることとなったかは分からないけれど彼の姿を探すはずで )

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( / いえいえ、こちらこそご確認と、いつも素晴らしいご提案を挙げていただいて感謝の念に耐えません…!私も纏めながら、これからのわくわくときゅんきゅんに胸を踊らせていました。楽しみが本当に尽きませんね*
わ、好きな食べ物のくだりをすっかり失念しておりました…ありがとうございます。流れにつきまして相違ございませんので、引き続きよろしくお願いします…! / 蹴り可◎  )




2603: 逆巻 傑 [×]
2024-11-16 01:40:43



( 鈍い反応は喫驚のせいか、衣装に視線を転じた彼女は特別難色を示すわけでもなくメイド服を受け取って、時を移さず更衣スペースへ。再び見送った背に自分も早く着替えなければと対のセットとして用意されていた執事服に手を伸ばすけれど、メイドは執事に笑いかけるものだろうかという些細な違和感と、その組み合わせではインスピレーションが刺激されないのかカメラを持った担当部員が心なしつまらなそうな顔を向けてくることから、結局一つ隣を選んでカーテンの奥へと駆け込み。しかし急げども金と赤の装飾が施された白基調の軍服に軍帽、手袋、外套までを律儀に全て身に付けて撮影スペースに戻るのは相手より一足遅れたタイミングとなり、姿を現してすぐに己を探す少女と目が合えば、まさしくたった今帰宅した主人のごとく待たせたかもしれない時間を詫びて )
…、遅くなりました。




2604: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-16 21:41:03



( どうやらまだ着替えから彼は戻ってきてないようで、そわ、とどんな衣装に着替えるのだろうと気にしていると、やがて着替えスペースから姿を現したのは白い軍服に身を包んだ──そう、ご主人様で。偶然にも今しがた帰宅したような台詞と、凛とした見目麗しい姿に目が合ったまま逸らせず、ぽわんと頬を色付かせながらつい数秒見惚れてしまって。先程まで廊下から覗き込んでいた自身の野次馬は気が付けば男女入れ替わるように彼への黄色い声となり、わあっと湧く小さな歓声たちに漸くはっと現実に戻っては、きらきらと煌めかせた黒目がちな瞳を彼へと向けて。今すぐ自身のスマホに写真を収めてしまいたいくらいだけれど生憎スマホは脱いだ制服のポケットの中、せめてこの瞳に彼の姿を存分に収めておこうと真っ直ぐに見つめながら、両手の指を胸の前で組みながら賞賛の声を上げ )
──…っ、か、かっこいいです…っ!




2605: 逆巻 傑 [×]
2024-11-17 01:43:55



……ん…、どうも…。
( 相手の返事より先に耳に届いたのは廊下からの声で、ちらりと見遣った彼女らの眼差しが自身を捉えていると知れば、大人が高校生の前でコスプレを披露しているという事実に薄らと頬を色付ける。そしてそれは対面の少女にしても同じことで、私服を褒められたのなら素直に受け止められるその言葉も今は居た堪れなさに拍車をかけ、素っ気ない礼を紡ぎつつ視線は遂に足元へと落ちて。しかし取り乱した様子を見せたのはその時まで、黒い靴先から順に上へ上へと衣装を辿ると、顔の位置で改めて目が合う頃にはすっかり意識は真正面のメイド姿に移り、「いいすね、可愛い。ひなちゃんが着るとより一層」と服飾とモデルの双方のポテンシャルを認め。王道は王道たらしめる安定した万人の評価と根強い人気あってのもの、仕上がりについては心配していなかったけれど、裏を返せば被りやすいとも言えるだろうか。やる気を出したらしい撮影部員の誘導で配置につく最中、ふと衣装を選んだ際の反応が蘇っては、仕事か何かで以前にも着たことがあったのだろうかと雑談程度に尋ねて )
…そういえば。もう着たことあったすか、そういうの。




2606: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-18 21:07:19



えへへへ…ありがとうございます。
( 凛とした佇まいが薄く頬を色付かせて少々崩れるも〝照れてる、かわいい〟と胸のときめきを強くするばかりで、しかしそれは外野も同じなようで『ギャップ良くない?』『わかる』との声が耳に届けば、はっと危険を察知する。わたしの傑さんなのに…と湧き上がる小さなジェラシーでメイド服の裾をきゅと握るけれど、次いで彼から自身だけに向けられた称賛の言葉で、じんわり頬に多幸感滲ませて嬉しそうにまなじりを下げて笑い。撮影部員の誘導で彼の隣に並びつつ、彼の軍服姿をこの目に焼き付けようと瞳を向けるも眩くてずっとは見てられずにちらちらと見ていれば、話題を振られてどきりとしながらも答えて。メイド服ではないけれどふと思い出したのはバレンタインの時のこと、クールビューティー担当のさや姉が新衣装に変わってすぐの頃は恥ずかしくてそわそわとしていたことが蘇ると、ふふ、と表情和らげて )
メイド服自体は初めてです!あ、でも前の……バレンタイン曲のリリースの時、しばらくふわふわひらひらのパティシエっぽい衣装でした。さや姉照れてて可愛かったなあ。




2607: 逆巻 傑 [×]
2024-11-18 22:42:24



あぁ、あれか…クールビューティー担当はそのへん大変すね。
( メイド服が既出でないことに仄かな安堵を覚えた後、話題に上った〝バレンタインのパティシエ衣装〟を思い浮かべれば、想起されるのは無論バレンタイン当日のこと。確かに多量のフリルがあしらわれていたなと今度は記憶の中の少女を視線で辿っては、他のメンバーの衣装は曲のジャケットを目にしただけなのでよく分からないが、普段のイメージと異なる可愛らし過ぎるテイストに青色担当の彼女が戸惑ったのも頷けて。「ひなちゃんは──」衆人環視の中にいるのも半ば忘れ、単純な興味に尚も会話を続けようとした声と、撮影担当の指示が発されたのはほぼ同時。一度そちらを振り返って給仕者が主人を出迎える場面をカメラレンズの前に作り上げると、言い掛かった以上返事が保留になっても先に伝えておくべきかと、唇だけを動かして質問を投げ掛け )
…ひなちゃんは、何担当なんすか?




2608: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-19 02:00:05



──…わたしは、
( 何か言い掛けた彼の声と撮影担当の声が重なっては紡がれるはずだったその言葉の先が気になるけれど、彼が撮影担当の指示に従い動き始めたため自分もそれに倣って従っていると。改めて紡ぎ直された言葉に、ちらりと視線を上げて一瞬何か考える素振りを見せてはポーズの指示を受け、それに従いスカートの裾を軽く摘まみながら腰を少し落としたカーテシー風のお辞儀をして数秒、シャッター音が聞こえた後に顔を上げて姿勢を戻しては、無事に帰宅した主人に対する柔らかな安堵の笑みを広げ「ご主人様の担当です」と自身の役割を全うし。けれど自分で言っておいて羞恥心がじんわり込み上げてきては、胸の前で両手の拳をきゅと握りながら本来の与えられている担当を明らかにすると八重歯を覗かせはにかんでは、もちろんその間もシャッターは切られ続け )
なんて……、えへへ、愛嬌担当ってことになってます!




2609: 逆巻 傑 [×]
2024-11-19 03:36:12



…奇遇すね。俺も普段はご主人様の担当なんすよ。
( アイドルとしての彼女に意識が向いていたせいで、返答の意図を悟ったのは相手が気恥ずかしそうに本当の役割を告げてから。実際にそんな担当があるのだろうかと呆けていた矢先のことに、一気に理解が追いついて「──…は、」と掠れた声を洩らすと、以降は音のない息だけで短く笑って。そうして図らずも滅多に写真に収められることのない自然な笑顔が保存されてゆく中、ヘアメイクと顧客の契約関係を主従契約に準えて同ポジションを張ったのは、自身の指定したメイド役を全うしてくれた少女への礼儀でもあり、それを戯れと受け取った結果でもあり。続けて数ポーズ取って恙なく撮影が終わった後、インスタントカメラから物体としても転送データとしても写真を受け取っては、教室を出たところで丁度ミスコンとミスターコンの出場者へ準備を始めるよう促すアナウンスが校内に流れて「いよいよか」と呟き )
じゃあ…次は、しっかり愛嬌担当やってきてください。




2610: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-19 15:59:24



…傑さん、執事もすっごく似合いそう…。
( 契約上の主従関係といえば確かにそうなのだけれど、この場合の彼からの〝ご主人様〟呼びは破壊力があり、はわ、ときめきの吐息を漏らしながらふわふわと妄想の扉開き…始めたところで、撮影が終わる。着替え終えたのちに現物でもデータでも写真を受け取り、滅多に形として残ることのない彼の柔らかな表情が手元にくると、嬉しそうに見えない尻尾を振りながら煌めく瞳で写真を眺めつつ教室を出たなら、アナウンスにはっと顔を上げ。激励の言葉には「もちろんです!じゃあ行ってきますね!」無邪気な笑みを浮かべながら、ぴしっと額の横に敬礼ポーズを添えると準備に向かうべく踵を返し、たったったと廊下を駆けていくけれど2、3メートルほど行ったところで「あっ」と小さく声を漏らしては、髪靡かせながら踵を返し再び彼の方へと駆け戻ると、彼が背を向けていたなら服の裾をくいと軽く引きつつ、仲良しクイズの答えについて小首を傾げて問い掛けるだろうか )
──…そういえば、結局好きな食べ物って何だったんですか?




2611: 逆巻 傑 [×]
2024-11-19 18:45:41



( せっかく訪れるなら少し見て回ろうかと早めの到着を少女と約束したものの、今日の本来の目的はこれから行われるミス・コンテスト。さすがにステージ慣れしているからか緊張した気配もない相手に、此方も特に危ぶむことなく浅い頷きを返して送り出すと、軽快に駆けだした足はほんの4歩程で進むのを止め、忘れ物でもしたかのように舞い戻ってきて。去りかけた彼女が引き返してくる状況への既視感から密かに身構えたのは一時だけ、その口から保留にしていたクイズの回答についての問い掛けが為されては、自身もすっかり忘れていたために気の抜けた「あぁ…」を零し。それから特別な意味合いを持たせまいとして逆に神妙になってしまった口調で、ひとことぽつりと答えて )
……ハンバーグ。




2612: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-19 21:57:39



へえ、ハンバーグ、──…それ、って…。
( 好きなものも苦手なものも、〝特にない〟を一貫していたのにそれを揺らがせたものは一体何なのだろうと興味津々な瞳を真っ直ぐに向けていれば。ぽつり呟かれた単語に、また彼のことを一つ知れた嬉しさで笑むけれど、はた、とほんの数瞬だけ固まっては、ばちりと瞬いた瞳には一筋の流れ星のような煌めきが走る。二人でお花見した日、ひょんなトラブルをきっかけに彼の実家で出来立てを作った料理もハンバーグだった──まさかね、でも、そうだったら嬉しい。「わあ、偶然……わたしの、得意料理だ」視線を逸らし薄くはにかみながら仄かな期待と自惚れを誤魔化すように、緩く巻いた横髪を口元に持ってきて表情を微かに隠し。いつか好きな食べ物が、〝わたしが作ったハンバーグ〟だと言ってもらえるように頑張ろう。新たな決意を胸に瞳を合わせると、横顔から離した手をぐっと握りながら伝えては改めてミスコンに向けて準備しに廊下を駆けていき )
傑さんっ、ミスコンしっかり見ててくださいね。わたしもステージから傑さんのこと、見つけてみせますからっ!




2613: 逆巻 傑 [×]
2024-11-20 00:13:52



……すね。
( それがきっかけ──と言うより、それ自体が〝好きな食べ物〟だと伝えるか否か迷って、結局紡いだのは控えめで曖昧な肯定。料理番組のオファーは未だ来ていないのだろうかと時折考える程には今も思い出す味だが、母親でも彼女でもない間柄の少女に頼むことでもなく、ただただあの時の胸の内を反芻するばかりで。互いに言い淀むような沈黙が流れて少し、気持ちに一区切りついたような表情で顔を上げた相手が意気込めば、もういつもの空気で「…ん、今日はひなちゃん見に来てるから」と応え、今度こそ人混みに消えるまで緩やかにカールした黒髪を目送する。さて自分は催し物が始まるまでの時間どこかで暇を潰すかと、往来で立ち止まっているわけにもいかないのでとりあえず振り返るも、予定はそこに立ち塞がっていた数人の男子生徒達により一秒足らずで崩されることとなって。〝永瀬ひな季親衛隊〟だと名乗る彼らにホワイトデーの日からずっと見ていただとかお前は一体何者だとか詰問され、遅れて登場した親衛隊長は知り合いで、隊員の一人にクラス企画の腕相撲勝負を仕掛けられて余裕の敗北を喫し、もう彼女に近付くなという警告に職務上それは不可能だという旨を懇々と説き。やがて集団が最前列を確保せねばとミスコンの会場に移動するのに続いて体育館に足を踏み入れたなら、余計な疲労を僅かでも回復しようと後方の壁に腕組みで凭れ掛かり、相馬青年から延々届く『ごめんなさい』『でも俺も隊員の手前隊長として逆巻さんを敵にしないといけなくて』という謝罪と言い訳のメッセージを放置したまま両眼をそっと閉じて )




2614: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-20 22:15:26



かわいいっ…これライブでもやりたいね!
( 自身が去った後に一悶着が起きていることなど露知らず、控室代わりの更衣室でクレープ売りを終えたねねぽん協力のもとでミスコン出場に向けた準備をどんどん進めていく。事前に彼から協力を得て教わったメイクはほとんど自身で済ませ、涙袋にはきらきらとしたグリッターを、両頬のチーク上部は淡いピンクの小さなリボンをつけま接着剤で付けたりラインストーンを乗せたりして、淡く儚く可愛らしい雰囲気を仕立て上げ。それぞれのメンバーカラーのリボンにしたならより可愛いだろうと、ミスコン用のメイクにうきうきと花を咲かせて。衣装は例年に倣って周りはコスプレ風が多く、自身もまた他者からの推薦とねねぽんの見立てのもと、キューピッドをイメージしたひらりふわりとした膝上の白色チュールワンピースを着て、ワイヤーでぴよんと天使の輪を繋げたカチューシャを頭に装着し、背中には天使の羽。それからこの時期それだけでは寒いと、ねねぽんから借りたふわふわボア素材の白色ケープを身に纏いおもちゃの弓矢を手に持ったなら準備は完了。『これは優勝間違いなしだわ』と、メンバーの着飾る姿にねねぽんが鼻高々に笑っては、いよいよミス・ミスターコンの幕が上がろうか。──賑やかしく始まり会場である体育館のステージ上、上手側で出番の待機をしつつ幕の隙間からこっそりと見物客の入りを確認してみては、案外に人が、それも前方に集まっているのが窺えるけれどその人混みの中に彼の姿は見当たらない。館内はステージにスポットライトが当たっているせいで、尚更観客側のところは見えづらいのだけれど。まだ来てないのかな、なんて体育館全体に視線を巡らせていれば、後方の壁際で複数人の小さな人だかりを見つけるけれどその中心にいたのは紛れもなく彼で、いったいどういう状況なのか「えっ…!?」と小さく驚いた声を漏らしながら幕をきゅっと握り僅かに身を乗り出して )




2615: 逆巻 傑 [×]
2024-11-20 23:45:10



( 視界からの情報をシャットアウトして省エネルギーを図る最中、鼓膜を叩いたのは「寝てる?」「寝てる?」と互いに囁き合う少女達の声で。緩慢に開いた眼に映った生徒らしき3人組は、此方に意識があることを認めるとぱっと笑みを広げ、「お兄さん暇なんですか?」と人懐っこく話し掛けてくる。待機は暇と言うべきか言わざるべきか、返答に困ってステージの方を見遣った時、体育館内の照明が落ち、場に漂いだすイベント開始の気配。「もうそろそろ始まるみたいだけど」何もせずにいることに退屈して対話を求めてきたのならこれで用は無くなるだろうと前方への視線誘導を促すも、彼女達はさして関心を持っていないのか「この後あたし達と一緒に回りませんか?」と歯牙にも掛けず尚も自身へ眼差しを注いで。「いや…お構いなく」「えっ、あたしめっちゃ映えるフォトスポット知ってますよ!」「はあ……」と微妙に噛み合わない会話を繰り広げつつ、なぜ女子高生とはこうも押しが強いのだろうかと天を仰げば、己にそう思わせる代表たる出場者の姿を探してスポットライトの下に焦点を合わせようか )




2616: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-21 22:14:22



──…あ、はい!
( このミス・ミスターコンの時間に体育館にいる女子生徒は、出場する女友達の応援か男子生徒目当てでほとんど間違いないだろう。そこに見た目の良い年上男性がいたなら当然、積極的な女の子なら声を掛けるに決まっている。女の子に囲まれている彼の表情は窺い知れないし当然なんの話をしているのかも分からないけれど、再びジェラシーが湧き上がるのを感じるのは確かで。『よかったらインスタとか交換しましょーよ!』なんて一方的な会話を遠くから見守っていれば、いつの間にかミス候補の4人目の出番が終わろうとし、最後の5人目である自身の出番が始まろうとしていては係員から声が掛かり幕から離れ。『それではミス候補、ラストはエントリーNo.5の永瀬ひな季さんです。お願いします!』司会が自身を呼ぶ声に、ぱ、と顔を上げては〝傑さんはわたしを見に来てくれたんだもん〟と確かな事実を胸に、明るく軽やかに幕の上手から飛び出すと「こんにちはーっ!文化祭盛り上がってますかーっ?」と中央に設置されたアピール用のマイクスタンドに声を届かせながら駆け寄って。ステージ中央へ立てば「今日はみんなに幸せを運びにきたよ!受け取ってね!」と煌めく笑顔で告げては、手提げカゴに入れたひとくちバームクーヘンを羽や髪を靡かせつつステージの端から端へと移動しながら、手を伸ばす人たちに向かって愛嬌を振りまきながら満遍なくお菓子もばら撒いていく。『かわいいー!』『似合ってる!』『俺の心も射抜いてくれー!』なんて声援たちが飛ぶ中、肝心の弓矢は飛ばして目にでも当たったら大変なこともあり、前方や後方へ翳すふりだけ。やがてカゴの中のお菓子がなくなりステージ中央へ戻っては、館内後方にいる彼に視線を留め目があったなら、〝〟後ろのみんなにも〟とは言うけれど見つめるのは彼だけ。届きますように、と唇に両手の指先を添えたあとにめいっぱい両手を広げて特大な投げキスを送ってみせて。前方からの『こっちにもやってー!』なんて声に笑顔で手を振りながら、自身の出番を終えると候補者が並ぶ端へと肩を並べて )
後ろのみんなにも、あとで幸せ届きますように!永瀬ひな季でした~!




2617: 逆巻 傑 [×]
2024-11-22 02:23:43



( 司会の紹介と共にステージへキューピッドが現れると、会場はたちまち現役アイドルの独壇場。浮かれた祭りの空気感も相俟ってライブさながらの盛り上がりを見せる観客席には惜しげなくお菓子と笑顔が降り注ぎ、トレードマークの弓矢を構えて見せるファンサービスも抜かりなく。堂々たる振る舞いに愛嬌担当だけあるなと感心しつつ、記録と後方観覧者への配慮のため撮られている動画がリアルタイムで映し出される大画面で助言したメイクの方も確認しては、ふとその瞳が意識的に動いたのを見て視線を本人へと戻し。目が合った、と直感した刹那、桃色に潤む唇から飛ばされるのは特大の投げキス。しきりに自身の気を引こうとしていた女子生徒達でさえ「やば!ちゅーもらっちゃった!」と沸かせてしまうプロの実力にも驚嘆するけれど、同時に「ちょっと笑ってる?」「なんか嬉しそう…」と彼女らに囁かれてしまうほど個人宛のハートマークを率直に〝可愛い〟と受け容れた己にも当惑して。それに比べればコンテストの優勝者がエントリーNo.5に決まることは意外でも何でもなく、どこか誇らしげな訳知り顔で拍手を送ったなら、この後は忙しくなることだろうしメッセージだけ残しておいて一度退散しようかとスマホを取り出す。『見てた、おめでとう』という簡素な祝辞がトーク画面に追加され、注意は再び前方。マイクを渡された少女がコメントを始めるも、合間に近くから「やっぱ可愛いよな、永瀬」という声が聞こえてくるから、ついそちらへ聞き耳を立ててしまい、マイクに乗った言葉は半分も聞けただろうかという具合で。内容から察するに同級生らしい男子生徒達は、今年で最後だから後夜祭で告白するだとか、お前は結構仲良いから行けるだとか、文化祭マジックがあるだとか、もし振られたら自分も一か八かで告白するだとか、人目も憚らない宣言を交わし、内輪のノリを大いに楽しんでいるらしく。──普段なら気にも留めない他愛のない光景。なのに、彼の告白に〝いつものあの表情〟で頬を赤らめる姿が過って胸裏に苦い思いが広がったのを自覚してしまっては、生まれた疑念を振り払うことはもう不可能で。ミスターコンに切り替わるタイミングでこちらも最後のチャンスとばかりにsnsで繋がることを提案してくる3人組に「しない」とだけ余裕なく答え、「冷た~」「塩~」という落胆の声を背に体育館を出て、縋るように追撃してきた永瀬ひな季親衛隊長からのメッセージに『大丈夫だからしっかり仕事してください。特に今日』と返す。それから暫くの逍遥を経て辿り着いたのは人気のない新聞部の部室前で、昇降口前に貼られていたものと同じ手製の号外がそこでもミスコンとミスターコンの優勝者を伝えていれば、笑みを湛える恋の神の写真にどうしたものかと深い深い溜め息を吐いて )




2618: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-22 21:40:57



( 「みんなのおかげです」だとか「逆に幸せをもらっちゃって、最後の文化祭すっごく良い思い出になりました!」だとか、嬉しそうにまなじりを下げながら優勝者のコメントを残し、天使の輪付きカチューシャに代わって頭上にミニティアラを輝かせてミスコンが閉幕する。下手側へと退場しそのまま更衣室で着替えてから彼の元へ行こうと思っていたけれど、更衣室の前は早くも人だかり──そう、〝ミス・ミスターコン優勝者からその日のうちにキスをされると祝福を受ける〟という、この高校にいつしかから伝わるジンクスのせい。優勝者からキスを受けたという名誉のため、祝福にあやかり好きな人に告白するためなどなど様々な理由で男女問わず生徒が集まっていて、このままでは更衣室に入れそうになくどうしよう…と口元に手を添えながら廊下曲がり角から見つめていれば、ふいに背後から腕を引かれる。振り向けば「─…ねねぽん!」『いま更衣室に行ったらあそこから動けなくなるからダメっ』しい、と人差し指を口に当て静かにするように訴えかけるねねぽんがそこにいて、『ねね、さっき逆巻さんが体育館から出てくの見たの。ミスコン終わったし、もしかしたら帰っちゃうんじゃない…?』心配そうに眉尻を垂らす彼女に、はっと双眸を開いては「わたし、探してくる…!ねねぽんこれ預かってて、」と弓矢や空の手提げカゴを彼女に預けては、更衣室とは違う方向へと駆け出して。あまり人に捕まらないようにできるだけ人目を避けて、こっそりと、彼の姿を探していく。スマホは生憎制服のポケットの中で彼と連絡を取る術は今はなく、がむしゃらに探していると、廊下の先でばったりと出逢ったのは親衛隊を後方に引き連れた隊長である同級生の相馬くん。しっかりばっちり視線がぶつかり、ひやりと心臓が跳ねては「相馬く、─…」と声が漏れるけれど、相馬くんは微かに双眸を開くと唇を一度引き結び、キュと踵を返し『ややっ…やっぱり更衣室の方に行こう!出待ちしてる人がいるかも、僕らで永瀬さんを守るんです!』と進んできた方向とは逆の進行を勧めつつ隊長として眩しい威厳を見せつけ。こちらに背を向けた相馬くんは後ろ手で〝あっち〟と親衛隊とは別方向を指差し、回避通路を促してくれているようで。相馬くんの行動に再びこんなに感謝する日が来るなんて──「ありがとう」と優しく小さく呟き、更衣室の方へ向かいだして背を向けた親衛隊と隊長の背後を通り抜けていくと、やがて人気のない校舎に辿り着き。さすがにこんなところにはいないかも、なんて思いながらも展示室が並ぶ校舎の廊下を歩み出した時、ある部室前で立ち止まる彼の姿が瞳に映り小さく息を呑み。帰ってなくてよかった、と安堵の溜息を吐いては何を見ているんだろうと思いつつ、そ、と歩み寄り聞こえてきたのは深い溜息、彼の視線の先には自身のミスコンを飾る号外写真が貼り付けられていて、どき、と鼓動が速まりだすと一度だけ密やかに深呼吸をしてから、後ろ手を組みながらそうっとにこやかに声を掛け )
──…おっきな溜息が出ちゃうくらい可愛いですか?




2619: 逆巻 傑 [×]
2024-11-22 22:46:04



……、うん。
( アイドル──それも卒業が近いとはいえ高校生を異性として意識するなど平常ではとても考えられない事態だが、自分だって伊達に歳を重ねてはいないし、恋愛経験も人並みには経ていて。ベタな恋愛漫画のように鈍感ではいられない、けれど〝それ〟を受け容れてしまうこともできず、理屈と膏薬はどこへでも付くとばかりに別の理由で説明を付けようと模索する折。悪魔の囁きのようなタイミングで現れた天使の羽に、閉じていた瞼をそうと開き、瞳だけを動かして横目にそちらを窺えば、口を衝いて出るのはこれまでの全てが無に帰するような素直な肯定。昨日の状態でも同じように返していたかどうかは今更確かめようもなく、体ごと彼女の方へと向き直っては、取っ散らかった心中を悟られぬよう努めて普段通りに「優勝、おめでとうございます。盛り上がり凄かったすね」とまずは改めての祝辞を述べて。それからようやく本当に落ち着いてくると、なぜ相手が此処に居るのか、衣装のままこの場所までやって来たのかと現状の不思議さに思い至り、直裁的な訊き方で真相を求め )
…で、なんでその優勝者がここにいるんすか?




2620: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-23 00:54:13



えへへへ…傑さんが手伝ってくれたおかげです、ありがとうございます。
( 冗談混じりに尋ねた言葉がするりと肯定されてしまえば、微かに瞠目した後、えへへと双眸を伏せるように緩ませながらはにかむと、続く祝辞の言葉にはますます照れて、少し傾げた頭上の簡素な輝きを放つおもちゃのミニティアラが輝くだろうか。この場にいる理由を言及されては「それなんですけど─…ねねぽんが傑さん帰ったかもって言うから、わたし傑さんのこと探してて。あげたいものがあるのに」あたふたここにいる理由を並べ、手を胸前に持ってきながら人差し指同士をもじもじと合わせるけれど、あげたいものがあると言うのに両手には手提げカゴも弓矢も何も持っていないことは明らかで。そうして語り出したのはこの学校におけるジンクスについて。リボンやラインストーンで装飾された頬が内側からじんわりと熱を持ちながら、説明の間伏し目気味だった視線をそっと上げて彼の表情を窺い )
──…っていう、うちの学校のミス・ミスターコンにはそういうジンクスがあるんです。だから傑さんにそれを、受け取ってほしくて…。




2621: 逆巻 傑 [×]
2024-11-23 02:58:27



幸せならもう──…
( 何やら切り出しづらそうに躊躇う様と手ぶらのキューピッドに、ステージでのアピールを思い返して予測を投げるも、紡がれた〝あげたいもの〟はそれとはまた別口の幸せらしく。彼女がそういったまじないの類いを好意的に捉えていることは既知の事実にしろ、こうも縁があるとついつい唇から零れゆくのは「またジンクス…」の声。しかしそこでキスももう貰っただの他を当たれだのと言わなかったのは、遠慮がちに此方を見つめる瞳が自分だけを映していることに安堵を覚えたせいか。「それって、もし断ったら他の人にするんすか」受け取る決心がつかずにぽつりと尋ねては、内奥を見据えるようなまっすぐな眼差しを正面へと向ける。果たして己がどんな返答を求めているのか、分かるような、分からないような、分かりたくないような。胸にしきりにさざ波の立つ中、やがて相手の口から次の候補の存在が仄めかされたなら、断る選択肢は消え、具体的に祝福を授かる場所を確認しつつ左人差し指のリングを外そうと )
…じゃあ、お願いします。…どこ?手?




2622: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-23 15:55:19



それは……まあ、そうですね、せっかく優勝したので。
( ミスコンでのアピールタイムのこともありジンクスなんて信じない彼のことだから、もう貰いましただなんて返答が今に来てしまうのだろう。ぽつり尋ねられては考えを巡らせるように一度視線を横へずらすと、頑なに断られるようなら優勝者のキスは影の活躍者であるねねぽんか、日頃お世話になっている牧さんに捧げることに考えが着地し、視線を戻しては小さくこくりと頷いて肯定すると、思いの外、じゃあ、と願われ自分からあげたいと申し出たことなのについ喫驚で双眸を瞬かせてしまって。〝え、いいの?〟と頬が色づきだす間にリングを外そうかと手元に彼が視線を向けたなら、た、とそばへ歩み寄って〝そこじゃないよ〟と伝えるように彼の左手の上に被せるように手のひらを添えては、踵を上げて少し背伸びをしながらきゅっと双眸を閉じると彼の左頬へ唇を柔く軽く押し付けて。文字通り瞬く間のほんの一瞬のできごとだけれど、確かに授けた祝福。踵を下ろして左手から手を離しては両手の拳を胸の前にきゅっと寄せながら、かあぁと頬や耳まで含羞の色に染めつつ合わせられない視線は手元へ向けると祝福を授ける場所を漸く告げて )
──…ここ、です。…でした。




2623: 逆巻 傑 [×]
2024-11-23 18:11:07



…これもジンクスの条件、で…?
( 体の前に取り出した手をそっと抑えつけるように軽く柔い重しが乗せられれば、目線を上げた瞬刻にゼロまで縮まる互いの距離。咄嗟に呑んだ息を細々と吐き出す頃には頬に触れたその正体を悟り、辿々しく種を明かす少女へ真意を探るような問いを発するも、彼女が何かしら答えたにしろ沈黙を貫いたにしろ、そんな事を聞いてどうするのかと思い直し「…いや」と自ら打ち止めて。「ありがとうございます、…ました。…誰かに見つかる前に戻った方がいいすよ」両者共通の知人である男子生徒にまさに今階段から決定的瞬間を見られていたことなど露知らず、校内外で噂が立つことを危惧して相手に退避を促し、それに従って足音が遠ざかったなら。一人きり残され立ち尽くす頭の中では、あの日聴いた鐘の音が残響のように鳴り響いているだろうか )

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(/ 逆巻側、ここで回収とさせていただきます…が、まだやりたいことや話したいことがあったのに!という場合は改変して続けていただいて大丈夫です…!感想等は完全に〆となってから語らせていただきますね。※蹴り推奨 )




2624: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-24 03:39:49



……っ、いえ、こちらこそ!
( キスをする場所なんて最初はもちろんどこだって良かったのだけれど、今日女の子に囲まれていた彼の姿を見たからか独占欲がどうしても湧いてしまったようで。自身でも突飛な行動力に驚きつつ、ほろ苦い柑橘系の香りが鼻腔をくすぐったのは二度目だろうか、微かな余韻と冷めやらぬ羞恥心のなか彼の問い掛けに口篭っていれば、祝福への礼を告げられるとふるふると首を左右に振りながら、祝福を受けてくれたことやミスコンのためにメイクを教えてもらったことなど様々な意味を含む謝辞をあたふたと告げ。助言には、確かに!とはっと顔を上げては未だ赤らんだ頬のままで。自身の着替えが済む頃には文化祭の閉幕時間となるだろうし「もう帰っちゃいますよね、…あの、本当に今日は来てくれてありがとうございました。気をつけて帰ってくださいね、無事におうち着いたらLINEくださいね!」と矢継ぎ早に伝え、ぺこーっと深くお辞儀をしては、それじゃと来た道を戻るようにぱたぱた廊下を駆けていく。階段横で相馬くんが慌てて身を引っ込めて壁にぴたりとくっ付き気配を消していることなんて、今は〝ほっぺたにちゅーしちゃった〟と自身の言動にひたすらに恥じらっているせいか全く気が付かず。そのあとは親衛隊のおかげで無事更衣室内に入れて着替えられたし、友人やメンバーから優勝おめでとうとカラフルなスタンプのLINEが届いているのも確認したけれど、その中に混じる彼からのメッセージはシンプルながら一番輝いて見えては〝うれしい、だいすき〟と気持ちがきゅんと溢れてくる。しかし文化祭の閉会式や打ち上げを兼ねた後夜祭──それもミスコン優勝者ならなお慌ただしく待ち構えていては、落ち着いて彼に返信できたのは夜になってから。帰宅を知らせるLINEが届いていたなら、おかえりなさいのスタンプを送信し、それから改めてのメイクのお礼や文化祭を一緒に回れたことのお礼と、〝学生生活でいちばん楽しい文化祭でした〟とありがとうで溢れたメッセージを送信し、その1、2分後くらいに〝だいすき〟と猫がハートを持ったスタンプも送信したなら、友人から送られてきたミスコンの写真や、コスプレ衣装の自分たちの写真を眺めながら思い出たっぷりのスマホを片手に眠りにつくだろうか )

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( / こちらも回収で〆とさせていただきました!この時がついに来たな~と思いながら、文化祭イベとっても楽しませていただきました。ありがとうございました* 本当にアツい展開でした…イベント考えてくださった背後様に大感謝です…(拝み)
恒例の感想大会は後ほど提出致しますね…! )




2625: 逆巻 傑 [×]
2024-11-24 17:18:59



(/ 文化祭イベ、ありがとうございました…!本当に遂にこの時が、という回で、また一歩関係を変化させた二人にまだ心臓がどきどきします、…してます。約束通り帰宅メッセージを送信してからずっと後夜祭のこと気にしてて、返信が来たらわりとすぐに『ひなちゃんもおかえり』は送ってそうだし、頻出の猫スタンプもそろそろ同じの購入してそうだなって思いました。ジンクスの相手は絶対詮索されるだろうけど何て答えたのかなとか、ねねぽん以外のメンバーも同じ学校なのかなとか、続々と興味の惹かれる点が生まれるという意味でも妄想の捗る〆ロルで、最後の最後まで楽しませていただきました*
感想は細かく書くととても1レスに収めきれる気がしないのでざっくりめになりますが、とにかくひな季ちゃんの〝大好き〟感と逆巻の〝無意識に好き〟感で甘め展開が盛り盛りでしたね…!なんでこれで付き合ってないんだと度々首を傾げながら壁に勤しんでおりました。初手から特製クレープといつかのやり返しのご褒美があり、仲良し度チェックでは得点には繋がらないものの他愛ないやりとりから仲良し感が滲み出し、着せ替え写真館では色々なシチュの二人を写真に収められ、ミスコンでは特大の投げキスを貰って…何回読み返しても尊い以外の言葉が見つかりません。主眼のジンクスのシーンで無事逆巻の恋心も芽生え、最初に「文化祭行きたい…!」だけで案を出した時にはこんな幸せ詰め合わせみたいなイベントになるとは思ってもみませんでした。また追加料金が発生しそうなエプロン姿や、ひな季ちゃんのためにあるようなアンティークドール姿、ファンの夢そのものなメイド服、今回イベにぴったり且つ神さまというか妖精さんみたいなゆめかわいいキューピッド衣装など新衣装も盛りだくさんで、加えて語尾「にゃん」だったり「ご主人様担当」だったりのファンサもいただき、ペンライトが光りっぱなしの回でもありました…。 )




2626: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-25 04:11:05



( / 熱量をひしひし感じられる感想に、心がむぎゅむぎゅ嬉しくなりました…っ。約一年半の時を経て漸くここまできたかという感じですもんね。いつかも言ったかと思いますが、恋心が育まれるまでの描写は大好きながら、こんなにもじっくり楽しく味わえたことはないので本当に改めてこのご縁に感謝しております…そしてすぐひながあまりにも尊い…。
ええ、帰宅後もひなちゃん呼びなの可愛いです…ひな季もきゅんとしてるに違いないです。同じ猫スタンプを購入する勢いなのも尊みで溢れています…!ジンクスの相手詮索、ねねぽんにはバレバレなのに思い出して恥ずかしくなって内緒って言って誤魔化してそうです。ねねぽん以外のメンバー、あちとさや姉は違う学校ぽいな~というイメージをなんとなく抱いています。

〝無意識に好き〟感めちゃくちゃ良かったです…やっぱり癖…。クレープのやり返しができて楽しかったですし、反応だとかも可愛らしくて願望を叶えていただきありがとうございました…!逆巻さんが纏っている独特の緩さと繊細さとミステリアス感が本当にツボだなあと再認識しつつ、仲良し度チェックでは新たな情報を得られて、点数は微妙ながら間違いなく仲良しのやり取りができて楽しかったです。好きな食べ物にハンバーグが挙がりひな季の存在が影響を与えてることの実感とか、点数気にしてるひな季にこっちを見てた方が良いと目を合わせてくれるのとか…とてもきゅんときました…!着せ替え写真館では待望の学生服もさることながら、実は軍服姿を見たい下心もあったので、ラストにチョイスしていただいてとっても感謝でした……しかも白の軍服だなんて最強すぎる…。
ミスコンでは絡まれる逆巻さんを見れて満足でした…!ファンサの反応と塩対応のギャップを噛み締めているところに、やきもちシーンを見られて会場並みに非常に盛り上がりました…!久しぶりの相馬くん登場回でしたが相馬くん、衝撃だったろうな…()と思いつつ、鐘の音…鳴りましたか…!とによによきゅんきゅんなジンクスシーンでした。香水は例のミラーハリスのティートニック…?以前にどんな匂いなんだろうとお試しサイズを取り寄せしていたので、香りを思い出しながらなんて盛大にオタクしてました()推し活ありがとう…。
本当に供給盛りだくさんな文化祭イベでした、改めてありがとうございました…*

省略して書こうと思いつつ長くなってしまいましたが上記蹴り可です◎
この勢いのまま、次なる本編イベントの匂わせ写真事件後日談に参りますか…? )




2627: 逆巻 傑 [×]
2024-11-25 06:51:33



(/ そもそもの主題がこの部分だったためにある程度引き伸ばそうと画策したとはいえ、ここまでキャラクターの心情変化に寄り添って描写できたのは本当に貴重な体験でした…。おかげで逆巻が若干倫理を超えてひな季ちゃんに惹かれているのも、個人的には何ら違和感なく。背後はとっくにひな季ちゃんを大好きになっていたので今まで逆巻を抑える方がむしろ大変だった程ですが、この進展速度にも関わらず飽きることなく続けてこれたのはお相手が背後様だったからこそだと思っております。膨大なレス数に反して、起こったことがひな季ちゃんが恋に落ち、逆巻も恋に落ちた、に要約できてしまうことが一周回って面白くなってきたところで、今後とも末永くよろしくお願い致します()

私も〝無意識に好き〟感出すのめちゃくちゃ楽しかったです~…!いちいちはわはわしてくれるひな季ちゃんが愛おしくて、でもいざって時には逆にちょっと自信なくなっちゃうのも等身大の高校生っぽくて甘酸っぱくて、それから逆巻の発言で再来世の転生先まで決定しちゃう一途さも、ジェラシーで祝福の授け先がほっぺたになっちゃった直情さも、全部全部可愛いが過ぎました…。イベントを通してず~っと愛を伝えられていたような感覚で、幸せのタイパが試運転形式の交流に引けを取らない、とんでもない回だったなと改めて実感しております。ちなみに軍服は此方も着せたいなと思っておりまして…えへ、またもや以心伝心ですね。揃いの軍服も考えましたが、逆巻セレクトだとメイド服になってしまったので、あの形に。直前まで執事服か貴族っぽい服かの予定でしたが、執事だとシチュが浮かばないし貴族っぽいのはヴァンパイアで着たし…と悩んでいたところ、第三の選択肢として不意に閃きまして。白か黒かでもまただいぶ悩みましたが、気に入っていただけて熟考した甲斐がありました…!
鐘の音は絶対に鳴らそうとジンクスシーンが爆誕した頃から目論んでいたので、細かなネタにも気が付いていただけて嬉しいです…!最後の場面は二人の緊張感がひしひしと伝わってくるのも良かったですし、手を〝そこじゃないよ〟ってされるのもなんかすごいぐっと来たし、「です。…でした」の喋り方にもきゅんとしました…。また香水の具体的な品名まで当てられたことと、試していただいていたこと、今回イベで何気に一番の驚きかもしれないです。なんで?すごい…。

ということで可能な限り割愛したつもりが全く短くなっておりませんが、上下とも全文蹴り可です◎
そうですね、大丈夫そうならこのまま第二部駆け抜けたいなと…!開始ロルはこちらからお出しするので、少々お待ちくださいませ。 )




2628: 逆巻 傑 [×]
2024-11-25 07:45:41



( タイムラインを流れるアイドルの自撮り写真に思わずスクロールの指を止め、そっとタップして拡大した後、本日何度目か分からない溜め息を吐く。ユーザーネーム〝春名〟からダイレクトメッセージが届いたのは、そんな悩める午後の昼下がりで。彼女とは此方から頼んでメイクをさせてもらったあの一件以降、これまで通りにsns上での交流は続けつつも、実際に会おうという話が持ち上がったことはなく。時折目にする投稿で自分磨きに情熱を注いでいるらしいことは把握していたが、それが本人の中である程度の水準に達した時、再び顔を合わせることになるのだろうというのも確かな予感として理解していて。『大事な話があるから、できたら近いうちに会いたいです』通知を開くと、遂に届いた用件は案の定。しかし、付け足された立会人は予想外で。『水瀬ひなちゃんも一緒に』よりにもよって今最も顔を合わせづらい相手を指定されて、承諾の返事をしようと伸ばした人差し指が中空で停止する。なぜ交際の申し込みの場に第三者が必要なのかは分からないが、そんなことを訊くわけにもいかないし、誘い自体を断ってしまうのもこれまでの努力を陰ながら見守ってきた者として忍びなく。『相馬くんも一緒でいいですか』結果、己の心の安寧のため永瀬ひな季親衛隊長の彼も引っ張り出し、数日後にいつかのカフェに再集合することとなって )




2629: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-25 22:09:58



( まさかこの四人で再び顔を合わせることになるとは。カフェの一席に着座した面々を眺めながら思い出すのは、数日前の彼からのLINE。お誘いが届いたかと思えばその実はお呼び出しで、デートかと思いほんの一瞬のぬか喜びを味わうこととなった後に湧いたのは疑問。なんで四人で…?と思いながらもプライベートで彼に会えるのは嬉しいので、裾のアシメフリルがお気に入りなココア色の千鳥柄シャツワンピースに白のフェザーロングカーディガンを合わせ、足元は茶色のショートエンジニアブーツに赤ソックスをくしゅくしゅとさせ、髪型はハーフアップに白色リボン。春名さんもおしゃれしてくるだろうからと負けじとおめかししてみたけれど、久しぶりに会う彼女は少し髪も伸び、以前よりずっと柔らかな印象を与え多幸感が似合う女性になっていて、しかし撫子色の頬や桃色の唇は少し緊張で引き締まっているようで。再会の挨拶もそこそこに今の彼女の姿を、はえ…とついまじまじと眺めてしまいながらぽつりと呟き )
春名さん…ほんとに変わられましたね…。

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( / お言葉に甘えて割愛してますが、例に漏れず嬉しくて何度もによによ復読して浸っておりました…。
それにしても、ひな季が恋に落ちて逆巻さんも恋に落ちたで要約できちゃうの、ほんとにそうで笑っちゃいました() 恒例の以心伝心にも嬉しくなり、逆巻さんの返しも「ます。…ました」だったのも心掴まれました。ちなみに香水に関しては、結構前にお部屋で見かけたので存じ上げておりました(こそ)
私も背後様だったからこそ、飽きずに楽しくやって来られたと思っております。改めて素敵なご縁を繋げていただいて感謝するとともに、こちらこそ末永くよろしくお願い申し上げます!第二部も駆け抜けていきましょう~!
そして席位置なのですが、すぐひなが付き合っていると勘違いしている相馬くんが気を利かせて二人を隣同士にしてくれそうな気もしつつ、心の安寧のために逆巻さんが相馬くんを隣に置くのかなとも思いまして描写しておりません。お好きな場所にそれぞれ配置していただけますと幸いです…! / 蹴り推奨◎ )




2630: 逆巻 傑 [×]
2024-11-26 02:12:41



…──相馬くん。こっち。
( グレーのコーデュロイショートシャツと同色同素材のストレートパンツ、その上にアイボリーのスエードノーカラージャケット、靴は黒のUチップシューズを合わせ、時間より少し早めに例のカフェへ入ると、そこには既に自分達を呼び出したボブカットの女性の姿があって。テーブル席の椅子側を彼女が確保していたため、用件の相手であろう己は向かいの二人掛けソファへと着席する。それから数分もしないうち、護衛対象と一緒に来てくれと頼んでおいた親衛隊長とアイドルの二人が到着しては、彼らが近くに来るなり青年の腕を引いて隣に座らせ、ゆえに少女は自動的に全員の横顔が見える位置にある幅広のダイニングチェアに腰掛けることになるだろうか。「そ、そうかな。自分なりに色々頑張ったから、そう言ってもらえると嬉しい」全員が腰を落ち着けて、少し。再会早々垢抜けた姿に言及された向かい側の銀行員は雰囲気と同時に物腰まで柔らかくなったのか、はにかむように謙虚に答えつつも、その中に努力に裏打ちされた自信をほんのりと滲ませていて。「…どう、かな」不意に此方を振り返った瞳が問わんとすることは短くとも明白で、ソフトピンクのショート丈ケーブルニットやローズグレーのチュールスカート、チョコレートブラウンでまとめたリブ切り替えのショートブーツところんとしたフォルムのショルダーバッグを一通り見遣ってから「…ん、努力したの分かります。全部よく似合ってる」と正直な感想を。喜んでいるというよりはほっとして気が抜けているような、笑みにも満たない笑みの隣、もし斜め前の位置からも眼差しが注がれるようなら、「水瀬さんもいつも通り可愛いすよ」とは言うものの、視線はふよふよと避けるように頼りなくメニュー表へと着地して。ややあって出された「とりあえず何か頼もうか」の助け舟で、自分はシナモンシュガーコーヒーを頼み、提案者はハニーミルクを頼むことにしたらしく )




2631: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-26 19:51:24



…、ありがとうございます…。
( 彼女はメイクの魔法だけでなく恋の魔法にも掛かっているのだろう、謙虚にはにかむ彼女の姿は以前のようなちくちくとした気配はなく、あたたかな春を感じて可愛らしい。ほっ…としたようで、けれど同時に逆巻さんが彼女に惹かれてしまうのではとの憂慮も持ち合わせていて。努力してる人のことは多分、誰だってそうだろうけれど好ましく思うはず。彼女に静かに賛辞を送る彼の様子をじ…と見ていれば、それに彼が気付きこちらのことも褒めてくれるけれど、なんだかついでのような気がしたり、いつものようにしっかり目が合わないのも気になったりして100%の喜びには至らず、もにょりとお礼を返し。そもそもなぜ呼ばれたのかも分からず、なんとも言えない空気感のなか、絶妙にサイズの合っていない丈感の深緑色のパーカーとブルーデニム、3ラインのスニーカーに身を包んだ相馬くんは、なぜか逆巻さんの隣に座らされていることに〝??〟とますます状況が分からない様子でコンタクトの瞳をおろおろと動かし。普段逆巻さんのsnsのネトストをしているだけあって美容に少し興味を持ち始めたのか、前に比べてずっと綺麗になった頬を相馬くんはぽりぽりと掻いて。そこへ助け舟にほっと3人が乗っかってはショコラティーラテを、相馬くんは少し迷った後に彼と同じ飲み物を頼み。憧れる人の隣に座らされていることで緊張しきりな相馬くんは、猫背のまま直視できないようでちらちらと彼を盗み見ながら『さ、逆巻さん…もいつもおしゃれですよね、いいな…』ぽそぽそと羨望を漏らしたなら、飲み物が到着するまで相馬くんが似合いそうな服についてちょっとだけ談義が行われるだろうか )




2632: 逆巻 傑 [×]
2024-11-27 04:14:03



( アドバイザー3名による服の見立ては、やがて己が彼へ数点のアイテムを譲り渡すことに話が決まり、テーブルに湯気の立つ4つのカップが運ばれて来るまで続き。必死にスマホへメモを取る青年の隣で同じシナモンシュガーコーヒーをそれぞれの正面まで引き寄せると、熱さに怯んで印ばかり啜ってから、思いのほか興が乗ったのかファッション談義は今少しの延長。ただ対面の呼び出し人だけは他の何かに気を取られるように次第に口数が減ってゆき、反対にハニーミルクには頻繁に口をつけるようになって。いよいよ誰よりも早くその中身が無くなった時、静かに両腕を下ろした彼女はひとつ息を吐いて「…──あの、今日は、逆巻さんに伝えたいことがあって。それをひなちゃんにも聞いてほしくて」と容れ物の底を見つめながら本題を切り出す。水を打ったようにぴたりと止んだ議論の代わりに一拍置いて「はい」と答えれば、軽く居住まいを正して眼差しにも些かの緊張を帯びさせ。「実はあたし、逆巻さんのことが、好き──…でしたっ…」そうして顔を上げ、瞳も言葉も真っ直ぐに告げられたのは、覚悟していたものとは別角度の過去形での告白。元より受け入れるつもりはなかったものの、これにはどう反応すべきかと返事に窮する此方の姿に、困惑を読み取った相手は慌てて事情を語りだして。元々この日の告白のために自分磨きを始めたこと、けれど最近になって職場の男性からアプローチを受けるようになって気持ちが傾きだしたこと、今日は見込みのない過去の恋をきちんと終わらせるために呼び出したこと、そしてその勇気はあの日の体験と水瀬ひなの一言から貰ったこと。「だから、好きだったって、楽しかったって、…たぶん、幸せだったって──…伝えたかった、だけ」一人で喋り続けたことが唐突に恥ずかしくなったのか、尻すぼみにそう結んだ表情は、しかし達成感と安堵感に満ちていて。「ありがとう。…お幸せに」自身から伝えたいことは上手くまとめられそうになかったので簡素な礼と祝福に込め、そっと緩めた目許をもって送り出す。そんな冬の足音も忘れるような暖かなムードの中、「うん、逆巻さんもきっと!」と晴れやかに祝福が返されては、この時ばかりは意識から外れていた〝叶う恋〟でも〝叶わない恋〟でもない〝叶えてはならない恋〟の問題が現実として襲い掛かり、「ん……、うん……」と曖昧な声音を洩らす始末となって )

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(/ 今回もばか長くてすみません…。春名さんは半分くらい背中押してほしくて来てるはずなので、この後は緊張から解き放たれた勢いでひな季ちゃんと女子トークを繰り広げていただけると幸いです…!それが済んだら多分全員分の会計持って帰るので、その際に何か小物を忘れててひな季ちゃんが届けに追い掛けて行く→ひな季ちゃんの離席中に相馬くんの浮気ダメ発言かなという計画になってます。わりとすぐ終わっちゃいそうなので、入れたいやりとりだったり変更したい点があればご遠慮なく…!特になければ蹴り推奨です◎ )




2633: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-27 16:25:17



( 談義の間に私物を譲ってもらえることになった相馬くんの『いいんですか!?』と「いいなーっ」との自身の声が被る。そもそも彼の隣に座っているのも羨ましく、気分が昂ったせいで暑くなったのか手団扇する相馬くんだけれど、羨んでじとーっと見つめるこちらの眼差しでなんだか涼しくなったらしくそっと手を下ろしていれば、話題を切り出した彼女へと今度は視線を移し。この雰囲気は告白だけれど、何もわたしも一緒じゃなくても…!とつい身構えるように膝の上に拳を乗せつつ、視線だけその二人へと彷徨わせ固唾を飲んで見守っていれば、彼女の桃色の唇が開かれるとその内容はやっぱり告白で、きゅっと心臓が縮む思いがするけれど〝でした〟との過去形にぱちりと双眸を瞬かせながら彼女を見つめて。それから慌てて事情を語り出した彼女は想いをきちんとひとつひとつ言葉にし、それにいつしか真剣に耳を傾けて、やがて柔らかく晴れやかな表情を浮かべるのを目の当たりにすると、自身もまたほっ…と小さく安堵の息を吐き。わたしならそうする、と道を示したのは自分だったけれど、いざライバルが堂々告白するとなるとこんなにヒヤヒヤするなんて。でも自分の言葉で、自分を変えたい人の背中を押すことができたのならちょっと嬉しいし、彼のメイクは自信を持たせてくれる力があってやっぱりすごいなあなんて、誇らしく嬉しい気持ちになっては自然と表情が緩んで。「春名さん、ほんとにすごく可愛くなったから、傑さん取られちゃうかと思ってどきどきしちゃいました」本当にちょっと冷や汗をかいたことを眉尻を垂らしながら笑って伝えては、「え、ちなみに気になってる人ってどんな人ですか、傑さんに似てる?」と安堵から始まるのは女子トーク。彼女の方へと少し身を乗り出しながら瞳を煌めかせては『全然似てないかな、もっと明るくてよく喋る人─…でも優しくて、一緒に居ると居心地が良いとことかは一緒かも』ふふ、と彼女は表情を和らげて。メンズたちを置いて何往復かそんなやり取りをしたなら彼女のスマホの通知が鳴り『…あ、あたしそろそろ出なきゃ。今日は本当にありがとう、…それじゃ』画面を確認した彼女が席を立つと、ここは出させてとアクリル筒から伝票を取っては、すっかりふっ切れたような明るい笑みでその場を後にし。真っ直ぐな自信を取り戻した背中に手を振って見送り、話に夢中になってすっかりぬるくなったショコラティーラテの残りを啜りながら〝ほんとにすごく可愛くなってたなあ〟なんて余韻に浸りつつ、彼女が座っていた椅子をちらり見遣ってはリップの忘れ物を見つけ。直後に退店のベル音が聞こえては、彼女を見失う前に届けなくてはと慌てて立ち上がり、リップを椅子から拾い上げると彼女の元へと届けに向かって )
帰り気を付けてくださいね!──…あれ、春名さん忘れ物してる!わたしちょっと届けてきますねっ。




2634: 逆巻 傑 [×]
2024-11-27 21:35:01



あ──…お願いします。
( ここ最近トレンド急上昇の悩み事に行き当たって場も弁えず悶々とする折、目の前では対照的にきゃっきゃと女子トークに花が咲くも、自身はずっと上の空で。隣のもう一人のメンズもまた呼び出し人の告白によって初めて隠されていた好意を知った上、アイドルから飛び出した『傑さん取られちゃうかも』というさも共通認識かのような言葉のオープンさに混乱を極めて、華やかな二人の輪からは外れたまま。そんな蚊帳の外の構図が崩れたのは集まりの目的を果たした彼女が席を立った瞬間で、気前良く全員分の会計を持って出てゆく上機嫌な表情へ思い思いの挨拶を掛けては、淡いピンクの背姿を見送る。数十秒後、置き去られたリップを届けるべく今度は雛鳥のようなふわふわの白が同じ動線を辿ってゆくと、離席の報告へ託すように応えたのを最後に、テーブル席には久方振りの沈黙が訪れ。特に語ることもないため大人しく帰還を待ってから自身も店を出ようかと思案するけれど、青年の方はまるきり逆のことを考えていたらしく、他者の居ない今が好機とばかりに決意の面持ちで此方を振り返って。「…逆巻さん。浮気は、ダメですよ」何の脈絡もなく突然促された忠告に、意図はよく分からないものの内容は賛同するところではあるので「はあ…」と気の抜けた肯定を返す。ところが煮え切らない態度が逆鱗に触れたのか、隣からずいっと身を乗り出してきて「絶対ダメですからね…!」と強い口調で迫られれば、傍からは不義理を働きそうに見えるのだろうかと「や、しないし──」と明確に猜疑への否定を。その弾みで今し方の宣誓を最も聞かせたかった少女の顔がちらつき、怒った肩越しに目線が着地したのはショコラティーラテの置かれた席。ほろりと静かに零れた呟きには抱えきれなかった遣る瀬無さが滲むようで、親衛隊長は「それを聞いて安心しました」と満悦の笑みを浮かべるものの、当事者から実際の関係を知らされた暁には一気に事情通となってしまうことだろう )
…絶対大事にするのに。




2635: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-28 01:27:37



ただいま~、無事届けてきました!すぐ気付けてよかったあ──…ね、この後どうしますか?
( 彼女がお店を出てから間もなくのことだったから、すぐに後ろ姿を見つけることができて「春名さん、忘れ物ー!」と声を掛けながら駆け寄って、無事に彼女の元にリップが渡り八重歯覗かせながら安堵の笑みを浮かべると、『あっ本当だ、ありがとう!助かる~…、…。』白のシャギーカーディガンも相俟ってポメラニアンを想像した彼女が、ふふ、と双眸緩め。口元を笑んだまま双眸をきょとんと瞬かせていれば『ほら、早く戻らないと。二人が心配するでしょう』ぽん、と頭を撫でながら戻るよう促されると、「はい、…またねっ、春名さん」と、はにかみながら手を振って彼女と別れ。その足でまっすぐカフェに戻ってくると、荷物を置いた席へと再び腰を掛けながら晴れやかに任務報告を伝え。空になったカップたちを視認すると、この後予定がなければと二人──主に彼の方を見ながら伺いを立てるけれど、相馬くんが急にばっと素早く立ち上がり、それに驚いて相馬くんのことをぽかん…と見上げて。『俺はこのへんで、失礼します!二人の邪魔しちゃ悪いし…。永瀬さんはまた学校で!逆巻さんも、また連絡します!』と、気を利かせた相馬くんはその場でぺこっと深々頭を下げれば、じゃ!とそのまま足早にカフェを出て行き、双眸ぱちぱちと瞬かせつつ小さく手を振りその姿を見送れば。ついには二人きりになり、カフェの出入り口から彼へ視線を戻すとテーブルに頬杖をつき、ほんのり頬を染め小首を傾げながらデートのお誘いを口にして )
う、うん…また学校で──……行っちゃった。…、えへへ、二人きりになりましたね。デートでも行きませんか?

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( / 相馬くんの外見変化を入れることができたり、ちょっとずつ垢抜けていく流れができて満足したので次で〆させていただきますね…!デートはもちろん断っていただいて大丈夫です◎ )




2636: 逆巻 傑 [×]
2024-11-28 11:33:17



…悪いけど、今日は俺もこれで帰ります。寝不足なんで。
( 浮気によって深く傷付けられた経験でもあるのか、何かに駆り立てられるように倫理を説いた青年は、少女が届け物の任務を終えて戻ってくるなり入れ替わりで機敏に席を立ち。急に忙しなく去ってゆく深緑は嵐が過ぎ去るようで、呆気に取られて「何だったんだ…」と口に出せばその思いは一層強まって。しかしそれより気掛かりなのは彼女と二人取り残されてしまったこと。知らぬ間に芽生えていた恋心を自覚してからというもの、態度を決め切れずに今日を迎えてしまっていて。いつもの調子で軽やかに持ち掛けられるデートの誘いにも、応じるわけでもなければ断る声音に常の切れ味もなく、言い訳じみた理由を引っ張ってきて逃げの一手に出ては噛み殺した欠伸で瞳を潤ませ。とはいえ自分まで功労者を置いて帰るわけにはいかないので、相手のカップが空になるまで待ってから共に店を出ると、有無を言わさぬ現地解散の雰囲気で別れの挨拶を )
それじゃあ、ここで。水瀬さんも暗くなる前に帰って。

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(/ 次で〆、承知致しました!此方も回収させていただいております◎ )




2637: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-28 18:02:13



えっ。それは帰って寝ないとですね…!
( 悪いけどと続く言葉にそれは大変!と瞳を丸くしては、夜遅くまで映画でも観てたのだろうか、メイクの研究だろうかと考える。普段よりも少し切れ味の悪い断りに、それとも何か悩みごとなのだろうかと様々な要因を考えつつも言及はせず、できるだけ早く帰れるように唇に付けたカップを傾けてはショコラティーラテの残りを飲み干していく。自分一人を置いていかず、律儀に待機してくれた彼にお店を出てから「飲み終わるの待っててくれてありがとうございました」と礼を告げ、そのまま現地解散を告げられると大人しく頷き受け入れて。彼から言い聞かせられたように自身もまた言い伝えては、にぱ、と無邪気に笑ってその場で解散を。──それからその足で赴いたのは雑貨屋さん。快眠の手助けになるようなものでもあれば、と棚の間を縫うように探していれば一輪の薔薇の入浴剤が目に付き。花びらを一枚一枚はなしていくタイプで楽しむことができて、サンプルの香りを嗅いでみればキツくなく、アロマ感覚でリラックスして眠れそうで。箱に入った入浴剤を手に取りラッピング袋付きで会計を済ませたなら、早く渡したいな、と口の中で呟いては言いつけ通り暗くなる前に帰宅するだろう )
はーい。傑さんも気を付けて帰って、それからしっかり寝てくださいね!それじゃあ、またお仕事で!

( ──その後日、学校で一人でいたところに相馬くんがこそこそと周りの目を気にしつつ呼び掛けてきて。彼のsnsに特に出掛けたような投稿がなかったからか、あの後どこへ出掛けたのか問われると「あ、あの日はね。傑さん寝不足だったらしくてそのままカフェで解散したんだあ」と心配と少し残念さを帯びた表情を浮かべ。それから質の良い睡眠が取れるよう入浴剤を買ったことを伝えては、それを健気に感じた相馬くんは頷きながら『こんな可愛くて優しい彼女がいたら叶わないよね、春名さんも』「彼女…ってわたしのこと?わたしたち、付き合ってないけど…」と双眸をきょとんと瞬かせながらほんのり頬を色付かせ。もちろんそうなれたら嬉しいのだけど。もじもじ視線を逸らしていれば『えっ…?』と相馬くんは一音発したきり固まってしまい、その背後には思考の宇宙が広がるだろうか )

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( / 回収ありがとうございます、〆させていただきました◎
プライベートを垣間見える描写が好きだなあと改めて思ったり、変化した心理描写になんというか感慨深さを感じたりと、今回イベは短めでしたが満足度が高かったです。浮気しないことを聞かせたかったって…逆巻さん…!と机ばんばんしたくなっておりました() そして相変わらずおしゃれ…相馬くんは譲り受けた逆巻さんのアイテムを着こなすことができるのでしょうか。というかどんどん仲良しになっていってますね。春名さんも努力したぶんちゃんと報われてきていて、すぐひなだけでなく周りの変化を感じられる回で満足するものとなりました、ありがとうございます* )




2638: 逆巻 傑 [×]
2024-11-29 01:18:31



(/ 匂わせ写真事件後日談、そして第二部完走、ありがとうございました…!〆ロルも第三部への完璧な引きで、改めて伏線を散りばめるのがお上手だなと感服です…。
今回イベは部を跨がずに春名さんの件に決着をつけておこう、という回だったので短い上にあまりすぐひなメインではありませんでしたが、関係なく楽しんでいただけたようで安心致しました。私もひな季ちゃんのことで頭がいっぱいになってる逆巻を描けて満足度高めでした* そして二人の今後は勿論のこと、逆巻の秘密と服を一日にして手にした相馬くんの動向とファッションもこれから要チェックですね。…と、色々な事情が重なってメンズが何だか仲良くしてましたが、ひな季ちゃんと春名さんも女子トークを通じて相当打ち解けた様子で、すぐひなが微妙な時期な分そっちで平和を回収してました。ただ頭ぽんってしたのだけはまだ許してないです( 親衛隊 )あとめちゃくちゃ余談ですが、今回のおめかししたひな季ちゃん、いつも可愛いけど遊園地デートの時の若さ大爆発ファッションと並ぶくらい背後のタイプでした…。いつも以上に雑駁としてしまっていますが、上記全文蹴り可です◎

さて次は、本編第三部に進むか保留にしていた臆病な少女幽霊に移るか、はたまたその他か、いかが致しましょうか? )




2639: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-29 13:23:53



( / いえいえそんな、伏線はもちろん描写の纏め方もファッションコーデにおいても、背後様の足元にも及びませんので…!でも褒めていただいていつも嬉しいです、ありがとうございます…* 親衛隊にご新規様が増えたところで()、お言葉に甘えて割愛させていただき次ですが、臆病な少女幽霊を挟んでおくと良い感じにクリスマスイベのリアタイができそうな気もするので、臆病な少女幽霊でもよろしいでしょうか?無理にリアタイでなくても構わないのですが、折角ならという気持ちも半分ありまして…。その他の小話でももちろん歓迎です◎ )




2640: 逆巻 傑 [×]
2024-11-29 17:53:30



(/ 実は私もここで小話挟んだらクリスマスリアタイできるな…と考えておりました。ということで臆病な少女幽霊、全く異存ございません◎ 形式は試運転形式かロル形式か、どちらに致しましょうか? また逆巻は神社を護ってる稲荷狐や、どこかの神社か祠かで祀られてる白狐や、力と正体を隠した野良の九尾の狐…いずれも人の姿に化けた狐の妖を考えていますが、こんな設定だと嬉しいといった要素は何かありますか? )




2641: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-29 21:30:05



( / もはや常となっている以心伝心ですね* いつも通り試運転形式がいいかなと考えておりました。そして狐の妖さん、ぴったりすぎて既にうきうきしています…!ではでは挙げていただいた中の、稲荷狐か白狐でお願いできますでしょうか?(※決めきれませんでした!)
生前のひな季が神社に初詣のお参りだとか、願掛けだとか、受験の時にもお参りしに行ったことがあるだとかで、ゆかりのある神社にいる狐さんだと嬉しいです。幽霊になって誰にも気付いてもらえず、でも周りの幽霊も意思疎通できなそうなのが多いし怖いしでめそめそしながら神社に辿り着いたひな季を、なんか見たことある子だなと認知している逆巻さんに発見されたいです…!あと油断とかびっくりした時に、もふりと尻尾だとか耳が現れる設定とかも非常に大好きなので、もしよろしければ…!
その他に背後様が入れたい設定などございましたら何なりとお伝えください◎ )




2642: 逆巻 傑 [×]
2024-11-29 22:55:44



(/ やっぱり相性ってあるんだなって、背後様とお話しているとつくづく思います…* それでは進め方は試運転形式で、逆巻は稲荷狐を務めさせていただきますね。ご提案いただいた二人の関係性と霊体での初対面のきっかけもとても納得感があって…、是非乗っからせてください!追加でひな季ちゃんが元々『善悪問わず人ならざる者に好かれやすい』みたいな設定があると、お参りに来る度に狐が悪霊や悪運だけを追い払っていたとか、稲荷の神様にも贔屓にされていたとかで、たくさん居るであろう参拝客の中で特にひな季ちゃんを覚えていた理由にもなるかなと(人ではないので神秘パワーで全員漏れなく覚えていたでも全然良いのですが…!)。油断すると尻尾が出てきちゃう、びっくりするとぴょこっと耳が見えちゃう、の設定も喜んで取り入れさせていただきますね…! )




2643: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-29 23:58:37



(  / えへへ、そう仰っていただけて嬉しいです…!本当にこれ以上のご縁はないと思っておりますし、n回目ではありますがこれからも末永くよろしくお願い致します*
わあい、よかったです!追加の設定もめちゃくちゃ好みなので、ぜひぜひ取り入れさせてくださいませ…ツボが似通っているの本当に助かります、ありがとうございます…。耳と尻尾の設定のご快諾もありがとうございます!
こちらから開始ロルを出させていただきました。その他特に設定相談などなければ全文蹴り可です◎ ちなみに物語中に触れるかは不明ですが、ひな季の死因は無難に交通事故で頭の打ちどころが悪かったとかにしようかなと…。それでは今回の小話もよろしくお願いします* )

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うう、なんでみんな無視するの…?誰もわたしの声、聞こえないみたい…。( 透き通る足でふよ、と辿り着いたのは幼い頃から多々訪れる神社 / 次第に雨も降り出す中、お賽銭裏の階段に腰を下ろし膝を抱えながら項垂れめそめそ / いつから着いてきていたのか、どよんと黒い悪霊がこちらに手を伸ばそうと )




2644: 稲荷狐 [×]
2024-11-30 00:30:51



( 膝を抱えて悲嘆する霊の前に、つ、と降り立てば / 人の姿に扮した白い狩衣姿の男性がそこに / 目元は朱色の布面で覆っていて / 少女に近付こうとする悪霊を手に持った扇の一振りで追い払い / 声を掛けると共に事務的な説明を )──迷い子。残念ながら今ここに神様はいません。神無月の期間なので。




2645: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-30 12:36:24



──…?( 一瞬吹いた風と掛かる声に俯いていた顔を上げ、きょとん / 一度背後を振り返り、誰もいないことを確認してから視線を戻しては / 自身を指差しながら問い掛け )わ、わたしに話しかけてます…?




2646: 稲荷狐 [×]
2024-11-30 13:23:01



…、そうだけど…──!( 思わぬ問いに生じる須臾の間 / 当然だとでも言うように答えるも、月明かりに照らされたその顔には見覚えがあって / 小さく息を呑むと、彼女が霊体になってしまった事実に少なからず動揺した様子でぽつり )どうして、此処に……。




2647: 永瀬ひな季 [×]
2024-11-30 18:48:52



よかった~っ、口聞いてくれる人いた!( ひーんっ / 助かった!と明るい安堵の声ながら今度は嬉し涙 / たた、と数段の階段を降りて彼のそばで、拳を握り縦に振りながら訴え )聞いてくださいよ、みんなわたしのこと無視するんですよ!家族も友達も、近所のおばさんも知らない人も…みんな、わたしのこと、見えてないみたい…。( 彼の動揺には気が付かぬまま、ぺらぺらと喋っていけば / やっぱり変 / 不安な気持ちが押し寄せ、眉尻を垂らし / 彼の出立ちを改めて眺めてみると、そっと問い掛け )…あなたは、神主さんかなにか…?




2648: 稲荷狐 [×]
2024-12-01 01:24:51



や、それは──……( 実際見えていないのだから仕方ないだろう、と言いかけて既の所で止め / 自分の状態に気付いていない? / 一瞬過った〝真実を知れば成仏してしまうかもしれない〟という考えは思いのほか自身を惑わせ / 今少しの猶予を得るべく、結局「大変だったすね」と控えめに続けて / そして不意に此方へと向いた関心へは二秒程の沈黙の後、限りなくふわっとした回答を )…の、見習い…みたいな感じ…。




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