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自分のﾄﾋﾟｯｸを作る
46：
リナ・クロムハーツ [×]
2023-01-05 23:30:28
・DOGMA
世界が崩壊する前は最新鋭の技術革新を行う医療関係のトップ企業であり、医療用機械の開発、新薬の開発等その活躍は多岐に渡っていた。
西暦××10年、新型病原性細菌の治療薬開発に注力していたDOGMAは、プロジェクトの中で試験薬"エデン"を完成させてしまう。投与された人間の抗体を強化することにより細菌に打ち勝つ力を人体に与える、というアプローチで開発されたこの薬は人間の身体能力を飛躍的に向上させることに成功するが、それは人体が引き出せるポテンシャルの限界を超えることと引き換えに使用者に激痛と強い中毒性を与える代物であった。
エデンの危険性を重く見たDOGMAの取締役会はこのプロジェクトを凍結、エデンは全て処分される筈だった。
一年後の西暦××11年、DOGMA取締役会長、社長共に不慮の事故にてこの世を去ると経営陣の交代と共に企業の方針が転換される。製薬中心だった経営が、医療用機械の開発をメインに進めるようになる。
一度は方針の転換により業界から見放され掛けるも紛争地帯への医療用機械寄付や技術提供を仕切りに行い、世間からの好感を集めて資金繰りも元以上に回復して経営を軌道に乗せていった。
西暦××13年、DOGMAが援助している紛争地帯で戦況が一変。少数の軍隊のみで構成され、大国に事実上侵略されていた小国が見る見ると戦況を盛り返していった。
この事件は各国で大きな注目を集め、裏にDOGMAの技術があるという噂が流れ始める。
『ROSARYの調査成果
西暦××11年の援助開始からDOGMAは負傷した兵士相手に"エデン"の投薬実験を行っていた事実が確認されている。同時期に運用されていた軍事兵器はPCとの連動が必須であり、兵士の体に装着して運動を補助する強化フレームであったことから、エデン使用時の激痛で行動不能になった兵士を本人の意志を無視して遠隔操作することが前提で採用されていたと思われる。もし、DOGMAが医療用機械の技術開発ではなく、エデンを使った"死なない限り治って戦場に出てくる兵隊"の実験をしていたならそのエデンと相性の良いこの兵器を開発したのもまた…』
西暦××15年、DOGMAの軍事産業参入が宣言される。医療関係の企業としては異例であり、多くの人々からバッシングを受けるも『人の死に触れてこそ人を救える』という強引な企業理念の下、兵士の治療薬と活動補助フレームとしてエデンと遠隔操作フレームの販売を開始してしまう。死なない限り無限に使える兵隊は各国から好評でDOGMAは軍事産業の世界でも一気に名を上げることとなる。
莫大な利益に味を占めたDOGMAは他の軍事企業を買収、取り込みながら本格的な兵器開発に乗り出す。
敵味方を識別して大雨の様に小型ミサイルが降り注ぐ兵器は、識別信号を持たない生体反応を無差別に攻撃するため登場した当時、多くの非戦闘員や一般市民を恐怖に陥れた。
この頃にはエデンの改良も進み、肉体の限界値を突破するどころか使用者の外見を変えてしまう程の変貌を可能にする狂気の薬が完成してしまう。が、強力過ぎる力を得た代わりに理性を失う怪物はDOGMAと言えど手懐けることができず、西暦××16年、戦場に溢れた怪物を島ごとミサイルで消し飛ばす"DOGMA事変"が起こってしまう。爆炎はエデンの原材料に引火して大きな黒煙となり、空に広がった。消えるどころか徐々に徐々に空に溶け出すように広がった黒煙はこの星を太陽の光から隠してしまい、空から逆流するように流れ落ちてきた灰は吸い込むだけで人間の肺を焼く。灰が流れ落ち死の大地となった箇所は人の生活圏内とは呼べず"非活動区"と呼ばれるようになる。
この事件により、一度は落ち着いたかに見えたDOGMAだが、暴走は止まることなく怪物を御する手段として開発されたのが脳内改造である。素体となる人間の脳を先に改造し、端末からの命令を脳から体へ伝達する仕組みを作った上で改良型エデンを投与することにより、とうとう人そのものを完全な兵器に作り変える非道な実験を成功させてしまう。この際に人間の体の改造というコンセプトが確立され、サイボーグ技術も誕生する。
ここからDOGMAは意志を失った怪物兵、怪物兵にされたくない一心で自らサイボーグ化に志願する愛国者たちへの改造をメイン商品に展開していく。
西暦××17年、エデンを模倣したドラッグが巷に流行し始める。チンピラによる小さな生産工場は生気の感じられない大男の集団によって即時壊滅させられるが、以降スラムのドラッグについてもDOGMAが大元となり裏世界を牛耳り始める。この頃からDOGMAのライバルとなり得る製薬企業は、チンピラによる放火や社員への暴行が繰り返され軒並み倒れていった。
西暦××20年、巨万の富と自社の技術をふんだんに使った忠実な兵隊を揃えたDOGMAは、一企業でありながら島国を丸々制圧。そこに最新鋭の軍事、医療技術を備えた城塞国家『セントラルドグマ』を創り上げる。自分達の国家を立ち上げたDOGMAは自分達の私腹を肥やすため、街には薬と暴力を。国家間には怪物と兵器を売り捌き世界を混乱の渦に陥れて行った。
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