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  懐 刀  〆/90


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自分のトピックを作る
61: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-11 17:26:40




( 軽く身形を整え、一足先にポッドの前で彼を待つ。血塗れの彼を見たのがもう何時間も前のことのように思えた。心ここにあらずといった様子で、空を眺める雲を目で追いかける内、視界の端で手を振る暖かそうな姿に軽く会釈を返して。普段よりももたつく手付きで行き先を万事屋通りへと設定し、ふっと周囲の景色が歪み移動が始まると、監査官殿、と小さく小さく呼び掛ける。思っていた以上に声量が出ず、直後に咳払いを。何から言えばいいか分からず黙りこくってしまいそうで一先ず見切り発車で口を開き、言葉を続けるにつれて自らの頼みが身勝手であることを嫌でも自覚すると睫毛を伏せ、瞳に影を差したまま嘆かわしげに俯いて )

ご意向に沿えず、申し訳ありませんでした。どうか、あまり、……皆のことを厭わないでいただけると幸いです。好きになれ、とは言いませんので。


 

62: 破敵剣 [×]
2022-10-12 12:26:19



( 低く波打つ電子音に紛れ込む、聞き漏らしそうな程か細い声。一度瞬きしてから僅かにのみ横を向くと、喉を震わせた主の口から、切れ切れに言葉が紡がれた。その意味するところをややあってから理解すると、紫紺の目が思わず揺れて、他方に其れを落とす。
主に対しああだこうだと言い立てたときの毒気など、あの泣き出しそうな顔を見た瞬間、疾うに何処かへ消え失せている。だから罪悪感を抱くのは、本来己でなければならぬ筈。だがこの奇妙な気立ての主は、またも自分の非を詫びる。それも心の奥底から、こちらに許されたがる様子で。それでこんなに胸がざわつくのなら、いっそ己の非を詰ってくれた方がまだましだったのだと気付く。されどこの苦しい事態は、己の幼稚さが招いたものだと、心のどこかで自覚してもいる。自業自得な苦しさに、ぐるぐる思考が行き詰まる。
とはいっても、気まずい沈黙が装置の中に充満するのもこれ以上は耐え難い。あー………と煮え切らぬ声を出すと、重心を外側の片足に移し、頭をがしがし掻き回してながら言葉探しを。言い終わることには転送完了の音が鳴り、青白い光の壁が薄らいで万事屋通りの風景が広がって。)

……………別に俺は、あんたの本丸を監査しに来ただけだからよ。あいつらについても、あんたについても、好くも厭うもねえ。できることをするだけだよ。




63: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-12 14:01:45




……味気ないものですね。

( 互いに口を閉ざした重苦しい沈黙の中、そろりと、上目に表情を窺う。何ともバツの悪そうな表情は、その胸中の複雑さを有り有りと表していて、幼稚さと良識とが入り混じる破敵剣とやらの人格を何となく理解できた。ああ、と口には出さずに心で呟く。彼も例に漏れずとても良い子だ。しおらしく謝るのは本当にお灸を据えたいときに限った方がいいかもしれない。心寂しい返答をもらう頃には表情に穏やかさが戻り、侘しさを感じない声音で独り言のように零して。
丁度景色が切り替わる。先導するようにぴょこぴょこと軽い足取りで数歩進んで振り返り、当たり障りない質問を一つ。もう気落ちしていないことを伝えるためにも顔を上げて柔らかな笑みを見せ )

ところで、監査官殿は何をお求めに?


 

64: 破敵剣 [×]
2022-10-12 21:24:13



( 振り返った主はもう、困っても、落ち込んでも、申し訳なさそうにしてもいない。それはあからさま過ぎるほどほっとしたひと息を誘ったが、当然自分で気づかぬまま、己もまた軽い足取りで装置の外へ。
昼下がりの万事屋通りは丁度客のかきいれ時。目の前の広小路は、老若男女様々の審神者やそのお伴、若しくは本丸からのお使いや気晴らしに来たと見える刀剣男士たちで賑やかにごった返す。
主と付かず離れずの距離でその群れの流れに混じると、先ずは右方に大きな看板を掲げている老舗の文具屋へ。襟を片手で軽く広げて数少ない私物を示しながら、掲げた食指を左右に揺らし、必要なものの数え上げを )

雑貨諸々、ってとこだな。政府の施設を出る時に持ち出し許可を出されたのが軽装くらいのもんでよ、報告用の文鶴なんかは現地調達しないとなんねぇ。
他にも筆だとか硯だとか、記録用の古紙だとか……あと、手拭いや綿入れなんかも買い込んでおかねぇと。




65: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-13 04:20:00




( 彼の表情の遷移を見れば心を擽られるような心地を覚え、妙な表情の緩みを堪えるために内頬を噛む。このまま本丸に馴染めないのではないかとも思っていたが、きっと問題ないだろう。歩調を遅めて先導を彼に譲り、真昼の万事屋通りを賑わす一員と溶け込んでいき。
──それにしても、普段万事屋通りに赴く際と何ら変わらない。彼を連れて出歩こうものなら、きっとじろじろと四方八方から視線が刺さり居た堪れない思いをすることを覚悟していたのだが、近代刀かと見紛う服装もあってか随分と紛れ込んでいる。もしや刀剣男士とさえ気付かない者さえ多いかもしれない。だからこそはぐれないようにしなければ、と保護者気取りで息巻き、さして気にする様子のない彼とは反対にぴったりと後ろについたまま通い慣れた文具屋へ。経費とはいえ随分と物入りな監査官の内情にふむと顎を引き、在庫を思い出しながら立言を述べ、付け加えた文言に苦笑を添えて )

その程度の消耗品であれば幾つか備品がありますから、お声掛けいただければ差し上げますよ。……初期刀がああなもので、品質も多少良い物ばかりです。


 

66: 破敵剣 [×]
2022-10-13 10:57:41



( 凛と伝えられた親切に、一瞬の静けさを開けてから、間の抜けた微かな驚き顔を振り向く。
政府の刀として、これまでも幾つかの本丸に短期間身を置いた事がある。其処の主たちは大抵、破敵剣という刀剣の特性、霊力に深刻な問題がある審神者にのみ遣わされるとの秘密を知っていて、最初から大なり小なり距離を置くものだった。冷遇というほどではなくとも、警戒されたり怯えられたりしては頼むものも頼みにくい。必然、必要な一切を自前で手配する。
そういうものと慣れ切っていた己には、此度の主の声掛けは聊か予想外だった。花登家の娘の監査はこれまでと違い、書類上こそ貸与だが実質は配給である。一方的な監査と報告では貢献が足りぬ、現地に馴染んで本丸運営を補佐する事を見込まれる。つまり期限未定の滞在。ますます己で物資を整えねばと、珍しく気合を入れていたのだったが。
先ほどの様な騒動があった直後での申し出というのもあって、ありのまま面食らった様子を見せ、「…おう、そうかよ」と不器用な返事ひとつ。それから取り繕うような笑みを浮かべてまた歩きだす、「あの歌仙、湯呑の銘柄ひとつとっても拘り抜きそうだもんな」と続けたのは戸惑いを誤魔化すためか。
そのまま文具屋に入っていき、じゃあこれはあるか、これは、これは、と開き直って確認を。次いで他の雑貨店にも幾つか立ち寄り、買った品々を手提げの大きな紙袋に放り込んでいく、想っていたよりずっと少なくて済む。あと必要なのは少々の〝差し入れ〟だが、そのまえにと、横の主に問うて )

だいたい揃ってきたが…あんたの方でも買っておきたいもんはあるか。荷物持ちくらいしてやれっから、重いのは今買っときな。




67: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-13 16:31:29




( こちらを振り向いたその表情は予想外のもので、鏡のように見詰め合う呆けた時間が流れ。相手の驚きが自分の発言のどこに対してのものなのか、良い意味なのか悪い意味なのか、無言の間に不安が膨らみ、前言撤回のために口を開きかけた矢先に先を越される。安堵にほうと息を吐き、「我が家が身に付ける教養の全ては、歌仙兼定と上手く付き合うためのものですから」と冗句を一つ。…言ってすぐに、あながち冗談でもないのでは、と思い至ると小さな唸り声を上げ。
それからは安穏とした買い物の時間。在庫の確認がてら短い言葉を交わすだけの付き添いではあるが、元より何でもない時間を楽しめる気質ということもあり、中々にいい息抜きになった。向けられた問いをお開きの合図と捉えると首を横に振り否定を返す最中、誤魔化しの利かない何とも正直な声を上げて。通りを行き交う人々に紛れる馴染みの巫女服。監査の話が入って以降忙しなくしていたせいもあり、暫く会っていないように思える。挨拶くらい──いやしかし、これから帰るだけであれば彼を待たせるというのも気が引けた。演練でも会うことはあるし、何も今日でなくとも。間が開くこと数秒、視線を戻すと雑な誤魔化しで場を収めようと。)

いえ、お気遣いなく。今日は付き添いだけですので、荷物が嵩むようであれば寧ろ私が荷物持ちになる予定で───あっ。
……あ、いえ。何でもありません。帰りますか?


 

68: 破敵剣 [×]
2022-10-13 17:43:02



( 相手の戯言と、自ら口にしておきながら何とも言えない声を出す、多少の苦労が偲ばれる様子に、「そりゃ大変だな」と笑いを零す。確かに歌仙兼定は、雅というものに人一倍敏感な男士で、その本性は結構苛烈だ。畳の縁を何気なく踏んだばかりに小一時間ほど説教される羽目になるのは、幾つかの本丸で繰り返してきた苦い過ちである。しかしこの主に仕えるあの歌仙は、一般的な個体とは少々毛色が異なる気もしている。少なくとも主の事は、雅云々より余程大切に扱っていそうだが、どうだろうか。まだこの本丸の奴の事は深くは知らぬ、その考えは口にせずぶらぶらと買い出しを続ける。
出発時の居心地の悪さに反して存外穏やかに過ぎた時間も、ほどほど終わりに近づいてきた頃。主の妙な声にん?と視線の先を見た。取り繕う様な質問に構わず人混みの中を観察すると、長谷部を従えた巫女服の少女が目につく。当然知らぬ顔だが、主とは年の頃が近そうだ。
紙袋を掲げ、その軽さ故道草には困らぬことを示しながら、「あれ、あんたの知り合いか何かか。どうせなら声かけてっても…」と言いかけた時。「あーっ!」と霧を払うような明るい声がして、巫女服の少女がなんと向こうから近付、否、瓜坊のように突進してきた。「卯ノ花、ひっさしぶりじゃない!忙しいのは知ってたけど、ずっと会えなくて寂しかったんだよー!あれ、横の人だあれ、彼氏?ねえねえ彼氏なの?どこの演練所で知り合ったの?」と屈託なく跳ねる少女の後ろからは、眉間に思いっきり皺を寄せた長谷部が、盛大なため息をつきつつ追いついてくるところで  )





(/度々失礼します~!丁度良い折ですので、次回より一時的に綾女ちゃんを提供いたします、と連絡を!鏡の話意外に触れてほしい話などありましたらご教示くださいませ**)




69: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-13 20:07:47




いえ、彼女とはいつでも会えますので────。

( 目敏く視線の先を追ったらしい彼に、やや食い気味で遠慮を口にするも、その途中で甲高い少女の声に掻き消される。う、と漏らした声がどこまで聞こえたことか。瞬く間に距離が詰められ、会話とは言い難い一方的な囀りは既に懐かしさを感じ、少し話していくのもいいかもしれないと傾きかけた矢先の〝彼氏〟発言には間を置かず「少し移動しましょう」と言い放つ。ぽつんと取り残される彼氏殿には「お気になさらずお買い物を続けてくださって構いませんので」と一言残し、友人の華奢な肩を押し一旦邪魔にならない路傍へと。
さて、と向き直る。何から答えるべきか、何から聞くべきか。先の様子で主従共々相変わらずの様子なのは見て分かるが、お喋り好きな彼女のためにも問い掛けて。)

……ええと。まずは、お久し振りです。お二人ともお変わりありませんか?




(/ いつもお世話になっております!満を持しての綾女ちゃんのご提供ありがとうございます~!どんな審神者さんかなぁと常々想像を膨らませていたのですが、なんともラブコメの波動を感じる娘様で堪りません…!綾女ちゃん本丸の長谷部は割と手厳しめなのでしょうか、よいへしさにです……!!
鏡の件以外には、簡単に惚気なり軽い愚痴なりへしさに談義をしてくださると伊万里がにこにこします() 軽い立ち話ですのである程度お話が聞け次第、長谷部に急かされるなり破敵剣さんが帰ってくるなりして進められたらと思うのですがいかがでしょうか。
それからかなりどうでもいい話なのですが、読み返していたら触れてはいけない話題感が出てしまっていたためお答えさせていただきますね。新極が無事最推しだったことをご報告いたします!一昨日から戦々恐々としております~~~!!! )


 

70: 綾女 [×]
2022-10-13 21:10:46



えっへへ、元気にしてたよー!長谷部もね!もう腹立つくらいぜーんぜん変わってないよ!

(丁寧な物腰の友だちに促されるまま、とてとて素直に道の端へ。程良いところで歩みを止めると、くるり振り向いてにっこり笑い、その手を取ってぴょんぴょんと跳ね、お下げの茶髪の先を楽しそうに揺らす。久々に会えた嬉しさではち切れんばかりなのだ。それから漸くかかとを落ち着けると、朱色の袴を両手でつまみ、両肩ごと交互にるんるん前後。そうして幼い女児よろしく無邪気に裾をぱたぱたしながら、腹を立てるという言葉に反し、ご機嫌な声で雑談を。
くるくる変わる表情や桃色に染まった頬は、同い年ながら相手よりずっと幼く見える要因、されどありのまま着飾らぬ可憐さによって、道行く人々の目を惹きつける。それでも自分にとっての男性はへし切長谷部ただひとりと半年前から決まっていて、桜の唇から零れ出るのもやはり彼の事ばかり。審神者業に打ち込みながらも、どうしたら可愛くなれるかずっと模索する日々だ。その努力の程は、くるんと上向いた睫毛や、透き通るような白い肌、艶やかな光の輪を描く髪、そこに差し込んだ菖蒲の髪飾りに如実に表れているだろう )

この前演練所で卯ノ花にも話したけど、あたし長谷部と映画館デートしたいってずーっとずーっと思っててね、この間やっと誘ってみたの!ほら、ここの通りの突き当りにある文芸坐ってとこ。
なのに長谷部、何観たいって言ったと思う?元政治家の審神者のドキュメンタリーだよ!?タイトルは忘れちゃったけど、ナントカ議定書を立ち上げたちっちゃい禿げのおじさんの話!
映画デートのチョイスじゃないじゃん!って文句言ったんだけど、俺が観たかったのはこれですって全然譲ってくれなくってさあ……もうほーんとつくづくお堅いよね?そこも大好きなんだけど!





(/お褒めいただき恐縮です~!伊万里様に比べるとかなり稚い女の子ですが、天然の無邪気可愛さで全てをぶっ飛ばしていきそうなパワーある子だといいなあと造形いたしました…!堅物長谷部のイメージは背後様の案からそのまま借り受けさせていただいたものですね!奔放な主に振り回されることで常識人側に立つことが多いのだろうと推察しますが、すこーしずつ綾女ちゃんに崩されていく様を背後様とにまにま眺めたいなあと思っています…
雑談の材料をありがとうございます、そのように致します~!男士たちに促されて進むのにも賛成です。因みに現在進行中のシーンの裏では、何だかんだ抜け目のない破敵剣が、伊万里様の好きな甘味を知らないか長谷部に尋ねる一幕があるのではないか、という妄想をしています。綾女ちゃんは伊万里様の前絵からの友人らしい、そして彼女の近侍は男士の中でもとりわけ有能だから…という推理ですね!要は何か甘いものを買うことで昼の騒ぎの償いをしたいという下心なのですが、伊万里ちゃんのお好きな甘味、何かございますでしょうか??
あっあっそれは超絶朗報!おめでとうございます~!!新極の一報を受けた時すぐ背後様の事が思い浮かんだのですが、もし推しじゃなかったらどうしようがっくりしてるかも…!と思って引っ込めていたんです、ほんとに良かった~!!となると十八日がある種命日なわけですね、嬉しいけど怖いしドキドキするあのオタクならではの心境、お察しいたします………でも私まで嬉しくって今にこにこしています、本当に本当におめでとうございます!!!)





71: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-14 02:16:13




ええ────そうですか。うんうん……

( 一度蛇口を捻れば止まらない愚痴兼惚気。彼女の花唇から溢れ出るハートがすこんすこんと己が頭にぶつかる。溌剌と鮮やかな色を湛える菖蒲に惹かれ、路傍の人の通り過ぎていく視線が集まっていることも承知の上。このやりとりも毎回のものだが、毎回同じことを思う。──ああ、いいなあ、と。無論羨望というわけではなく、通行人の皆々と同じような感想だろう。生真面目で堅苦しい気性のため、兎角大らかな者の多い花登の中では少々浮く己ではあるが、この時ばかりは受け継がれる血というものを実感する。うーん、かわいい。お菓子をあげたくなる。
普段であれば胸を温めるのみで終わるところだが、自らの状況のせいか、何となく仄暗い影が心に差す。明るく素直で頑張り屋で愛嬌があって、何より本丸運営に問題がない。いいな、ともう一度。きっと彼女も見えないところで苦労はしているだろうに。鳩尾の辺りがじくじくと疼くような感覚がして、それでも姿勢を崩さずに足裏を地面に縫い付ける。気を紛らわせるために口を開くと、かわいい恋慕に振り回される友人を揶揄うように目を細めて )

綾女さんの本丸の長谷部は幸せ者ですね。聞いているこちらがもどかしくなってしまいそうですが、…振り向いてくれる気配は?褒めてくれるようになりました?





(/ 無事伊万里にこにこです~!!ついでに以前言っていた、綾女ちゃんのらぶらぶ愚痴を聞いて本丸で爆弾発言する伊万里についてですが、「長谷部の女性の好みってご存知だったりしますか?」「刀剣男士から見て主との恋愛は抵抗があるものですか?」「長谷部が意識してくれるような言動って…」「主から急に迫られたら困るものでしょうか?」「振り向いてもらえないのって辛いですね…」みたいなことを夢日記の辺りから時折零そうかなと考えています。ストレスと寝不足で癒しのことばかり考えてしまうんでしょうね。
わーなんて律儀な監査官さん!伊万里はかなり甘党なので甘いものは何でも好きですね。ただ個包装が何個も入っているようなものを貰ってしまうと、いつの間にか全て短刀にあげたりしてしまうので、確実に食べさせたいのであれば甘味処に寄ったりするのが一番かと思います。とはいえ知り合って間もないですし、無難に箱菓子を選んで失敗する破敵剣さんも見たかったり…します……!!徐々に最適解を探っていってほしいですね!
ありがとうございます…!!まぁ色々と思うところはあるのですが、とにかくこれでやっと推しの育成ができるのが嬉しいですね~!丁度特命と切り替わるため、折角なので鳩は使わず一日ずつお手紙を待つ予定なので、正式な命日は来週土曜です!カンスト済みの推しが本丸に何振りもひしめいてはいるのですが、それでも一振り目くんが不在なのは寂しいものですね。し、しんどい…… )


 

72: 綾女 [×]
2022-10-15 00:47:59



( 絶賛片想い中の刀との関係を問われ、「それがね!」と喜色に顔を輝かせながら同期の薄い掌をとって。きゅっと両手で包み込み、恥ずかしそうにはにかむ様、されどやっぱり嬉しそうに繋いだ手をぶんぶんと振るう仕草は、話したくて仕方なかった内緒話を打ち明けるから。
「一回だけ、一回だけあったの!直接聞いたわけじゃないんだけどね、ある日この髪型にしてみたら、朝の報告に来た長谷部が一瞬だけ固まって。その時はすぐ流されたからなんにも聞けなかったんだけど、あとで部屋に呼んだ桑名がね、あたしを見るなり〝ほんとだぁ〟って言いだして。何が?って聞いたら、〝今日の主はやけに可憐だが、いずこに出かける予定があったか〟って、周りに確認してたって…可憐だって!あの長谷部が、あたしを可憐だって思ってくれたの!!」
包み込んでいた手を放し、にへらと綻ぶ両頬に小さな手を当て。ひとしきり小柄な身を捩らせて照れ倒すその乙女な奇行を、向こうにいる当の打刀本人に不審そうに見られているとは夢にも思わない。たとえ気づいても気にしない桃色メンタルの持ち主だけれど。と、またパッと表情を明るくして、これまた矢継ぎ早に秘密の共有をはじめてみせる。
卯ノ花は元々可愛い顔立ちなのに、真面目過ぎる性格のせいか、お洒落やメイクを楽しんでいない。自分で興味を持つようになったら、きっともっと、道行く誰もが振り返るくらい素敵な女の子になるはずだと、期待たっぷりにきらきら輝く目を向けて )

あっ、でもね!あの長谷部にかわいいって思わせたのはちゃんと秘訣があるんだよ。
____鏡の自分に向かって、毎朝毎晩、〝あたしは可愛い〟〝あたしはすっごく可愛い〟って、何回も言ってあげたの。ただの自己暗示だけど、でもそれでファンデのノリがほんとに良くなったり、いつもより上手くアイライン引けたりするんだからすごいでしょ。
卯ノ花もね、あのかっこいい彼氏さんをもーっとときめかせたいてみたいな…ってなったら、これいっぺん本気で試してみて!別に減るもんじゃないし!





(/読みながら笑いでプルプルしてしまいました、それ破敵剣の勘違い絶対不可避じゃないですか~!!ふだん本丸で問われるだけでもびっくりなのに、よもや日記にも書かれてたら…夢日記時点で伊万里様を意識しだした頃でしょうし、もう青天の霹靂でしょうね!可愛い友だちのことを思う伊万里様と、当本丸の長谷部にとって謂れのないライバル意識で苦しみ悶える破敵剣のアンジャッシュ、絶対絶対面白いです…。
伊万里様らしいエピソードにとてもほっこりしましたので、今回はお高い個包装の和菓子のセットでも買わせますね!すこーしずつ伊万里様本人に詫び菓子が行くよう画策するうちに、好きな子相手にポイントを稼ぎたい気持ちへとすり替わっていったら愛しいです。
修行のお手紙、リアルタイム?でじっくり待つのも味わい深いですものね!私は夜に修行に出すことが多いので、月のある晩にはそれを見上げて、「あの刀もどこかで見てるかな…」なんて気分に浸ったりしてます。次の土曜日私まで待ちきれない…今からそわそわしてしまう…カンストが何振りもいるのも尊敬です、大包平超レアなのに…!最初の一振りはやっぱり特別ですもんね。でもそれだけ愛されてるのは大包平も刀剣男士冥利に尽きるだろうな…素敵なお話をありがとうございます!**)




73: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-15 10:02:48




( よくぞ聞いてくれたと言わんばかりの反応と、背後に桜が吹雪きそうな勢い。金糸雀のようによく通る少女の声を一番間近で聞き、またもうんうんと相槌を打って胸を温める中、くりっとした眼を一等輝かせて続けた言葉にはたと動きを止める。
自己暗示──恐らくはプラシーボでしかない。ひと月前の自分であれば、綾女さんは単純でかわいいなあ、と流すところだが、未だ収まらない胃痛が己を引き止めた。別に減るものじゃない。それで自信がつくのであれば、乱れて定まらない霊力が安定するのであれば。いつの間にか伏せていた睫毛を上げ、僅かに口角を上げると観念したような口ぶりで了承を述べる。またもきゃいきゃいと華やぐ声が上がる前に片手を上げて言動を制し、先程からの妙な勘違いについて言及を。
恋で狭まる視界に映るのがただ一人だとしても、特定の相手もいない、剰え全くの未知である刀剣男士をいたずらに褒めるのは、一途な片恋の最中には向かないだろう。特にあの長谷部は可愛らしくやきもちを焼くような個体にも見えない。離れて動向をを窺う長谷部の怪訝そうな表情を盗み見て、ああやっぱり、と自らの考えが後押しされ )

綾女さんがそこまで言うのなら試してみます。ただ、一つ訂正させてくださいね。
あの方は政府から遣わされた監査官の刀剣男士で、恋人ではありません。ですから、あまり〝格好いい〟だなんて言っていると、きっと長谷部が妬いてしまいますよ。







(/ ついでに長谷部の夢まで見てるかもしれませんね!明晰夢の中で理想の推しカプ摂取する伊万里、限界感マシマシです。これも完全に余談ですが、いずれ伊万里の日記もテキストとして共有できたらいいなあ、と考えて、メモ帳にぽつぽつと書いていたりします。勿論4月からの全ては無理なので一部抜粋という形になりますが……!
い、愛しい……!!いずれ伊万里の方も、好きな人からもらった物だから、と大事に自分だけで食べるようになるといいですね。お互いいじらしいです。
おセンチで素敵な楽しみ方ですね~!以前言った通り、どれだけ解釈違いの極だとしても一振り目をカンストさせるまでは引退もしないつもりなので、もし来週の土曜にぐったりしていても生温く見守ってくださると幸いです。欲を言えばぐったりしていないといいですね。
と、色々と好き勝手語ってしまいましたが、あまり雑談していても楽しくてキリがないので上記は蹴ってくださって差し支えありません◎今回もお付き合いいただきありがとうございました。今後についてのご相談ですが、帰り次第破敵剣さんのわくわく内番体験ということでよろしいでしょうか?話の流れ的に石切丸にお願いするような流れでしたが、以前話していた通り歌仙さんにご指導いただくのとどちらがお好みでしょうか。
ここからは漠然としたご提案なので何となく聞いてくだされば十分なのですが、折角怪異の話までに2週間あることですし、あまり2日目に時間を割くのもどうかな~と思ったので、内番初体験の描写は一先ず割愛して、描写するのは3日目以降にしてもいいのではと思いました。2日目については伊万里が鏡に話しかける描写を入れたいので、寝る前に少し破敵剣さんとお話したいと漠然と考えています。3日目からは伊万里は暫し引っ込む予定ですので、CCのタイミングとしても2日目の内番描写は割愛した方が綺麗かと思った次第ですが、何か2日目の内にやっておきたいことがございましたら何なりとどうぞ!こちらとしても早く他男士と破敵剣さんの絡みが見たいため、このまま2日目続行でも何ら問題はありませんので◎ )


 

74: 綾女 [×]
2022-10-15 17:00:29



( 内心期待は薄かった、未だ短い付き合いながらこの子の性格はよく知っている。抵抗なき承諾の声はつまりかなりの予想外、ぱあっと顔中に笑顔を広げ、黄色い声をあげかけて。それすら読んでいた大人びた友だちにすっと静かに制されると、慌てて両手で口を抑え。
説明にこくこく頷き、そしてまた性懲りもなく「そんな簡単に妬いてくれるかなあ?」と相好を崩したりして。__ああ楽しい!不満があるわけじゃないけれど、本丸は常に男所帯だ。やっぱりこういう恋の話は、同じ年ごろの女の子としかできない類の楽しみだ。
摘まんだ裾をまたパタパタさせ、「妬いてくれるくらいあたしのこと意識してくれたらいいんだけどね!」と当の長谷部の目も憚らず破顔していると、今説明されたばかりの監査官殿が、間を見計らって自分達の傍に。「主殿、ご歓談中失礼します。この後、少々立ち寄りたい店がありまして…」、穏やかに卯ノ花に話しかけるのを、煌めくどんぐり眼で見入ってしまう。
うんうん、見たことない男士だけど、やっぱり国宝級に顔が良い。何の監査か知らないけど、卯ノ花を丁重に扱ってくれてるみたいだし、ファッションの系統に反して執事めいてるギャップも良い。恋人じゃないと言ってたけど、これだけ真面目そうなイケメンなら、まるで卯ノ花とお揃いだし、もしかしてもしかしたり?と口を三日月にしていたところで、後ろから怖―い長谷部の声が。いつまで油を売る気ですかとちくちくされるのを、ヤキモチ?ねえねえヤキモチ?とつつきまくってやり返し、友だちの方を振り向くと、長谷部の手を引いて遠ざかりながらぶんぶんと手を振って )

じゃあ、そろそろあたしたち行くね卯ノ花!また演練所で会おうねー!





(/!?一部抜粋の本物の本丸日記!?なんですかそれすっごくすっごく読みたいです、お外に出ししてもいいなって気になられた暁にはぜひ拝み倒させてください~!!
破敵剣の精神年齢が思ったより幼くなって頭を抱えていたのですが、真面目すぎて男士との恋愛を考えていなかった伊万里様とは、ちょうどつり合いが取れて良いかもしれませんね。少しずついい男に成長させるつもりですが、若くて初々しいふたりも存分に眺めたいところです!
もちろんもちろん、待望の瞬間でしょうから、その日はしっかり推しと過ごしてあげてくださいね!数日間愛で倒していらしても私はにこにこ見守ってますので◎
楽しくてたくさんお返ししてしまいましたが、ご配慮ありがとうございますー!わくわく内番体験に向かうので間違いないです!石切丸はなんとなく性格的に言いそうだなって出してしまっただけですので、提案してくださった当初の予定通り歌仙さんの監督でお願いします。ややこしくしちゃってすみません;;
内番風景の端折り方もとっても素敵なアイデアです、そうしていきたいと思います!私の方では、これを絶対やりたい!というのは今のところありません。鏡プラシーボの伏線も回収しましたし、和菓子と油揚げの購入については省略して、二日目(今日)の夜まで飛ばし、破敵剣がこんのすけを買収するシーンに出くわすところにするのはどうでしょうか?それをきっかけに少し話してから就寝時間、伊万里様は鏡の話を早速試してみて、明日いよいよ三日目から内番風景開始…だと自然な流れかと思います。今日に限っては破敵剣も真面目に取り組む殊勝さを見せるけど、明日からはまだだらけて…って感じだと、歌仙さんとうるさく言い合う風景にもできるかと~!)




75: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-15 19:55:42




( 未だ上手に飛べない小鳥のように裾をはためかせる姿を微笑ましげに眺める中、主殿、だなんて聞き慣れない呼び名に思わずぎょっと肩を跳ねさせてそちらを見遣る。その態度に苦々しげに眉を寄せそうになるが、恐らく友人から見れば不自然な反応だろうと思い至り、慌ててごほごほと咳払いをして「分かりました」と短く返事を。何か追及された際の誤魔化し方を考えるよりも先に、なんとも粘っこい戒めが飛んできたことで内心ほっと胸を撫で下ろす。
別れ際まで元気な彼女とは反対に、こちらは同じように声を上げるほどの気力がなく、笑みを湛えて小さく手を振り挨拶と代える。リードを引っ張る子犬のように手を引く姿が遠ざかり、声が届かない位置まで離れたのを確認すると、猫被りに対して何か言いたげな表情を浮かべて振り返り )

……お待たせしてしまって申し訳ありません。







(/ 日記については、用意しておいた方が破敵剣さんが伊万里の日記に目を通す際の解像度が上がるかな~と以前から思っていたので、夢日記の付近になったら是非公開できればと考えています…!それまでに書き溜めておきますので、のんびりお待ちください*
今後の展開ですが、こちらとしても異存はございません◎和菓子と油揚げについては綾女ちゃんと話している間に購入していたことにして、このまま帰って夜まで飛ばしてしまってもいいかもしれませんね。歌仙さんでガミガミ監督できるのが楽しみです~!! )


 

76: 破敵剣 [×]
2022-10-15 20:59:23



……べーつに。
あの長谷部使える奴だな、おかげで店を探し回らずに済んだわ。

( 面白主従は雑踏の奥に姿を消した。監査官としての体はすぐに解き、本来のかなり砕けた表情に。しゃんとしていた姿勢も、重心を傾ければ柄の悪さを滲ませる。
と、昨夜も今朝もあんなにきりりとしていた主が、こころもちジト目になっている様ないない様な、そんな様子であるのに気づいて。されど気にせぬ肝の太さ、それぞ己の良い所。含みのある声も単に肩を竦めて一蹴すると、増えた手提げ袋を掲げる事で買い出しの状況を伝え、まだ残っている最後の買い物に付き合って貰おうと。いくつかの品物は、主の同伴がなければ購入できない条件だ。
万事屋通りに滞在したのは彼此一時間程となろうか。本丸に帰り着いたのはおやつどき、短刀たちが庭で饅頭にぱくついている。しかし己はそれに倣えず、出迎えに来た歌仙に捕まり、馬当番をする羽目に。あの獣臭いにおいのする場所は好きでは無い、というか嫌いだが、今日だけは仕方がないと渋々真面目に取り掛かる。
あっという間に日が落ちて、夕餉も入浴も終えた男士たちが皆めいめいに寛ぐ、本丸に来て二日目の夜。厨で皿洗いを済ませると、したためる文があるからと言い訳をつけて退散。探し出したこんのすけを私室傍の納屋に連れ込めば、大きく分厚く柔らかい、最高級の油揚げを堪能させてやっていた )





(/わわ、首を長くして楽しみにしています…!有難い誘導にそのまま乗りまして、時間を大きく進めさせていただきました。背後様ならではの歌仙さんも楽しみにしています~!!それでは背後は再びお暇しますので、何かあればいつでもお呼びください◎)




77: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-15 22:30:40




( 変わり身のグラデーションをしかと見届け、そうですか、と。慣れとは早いもので、たったの半日で〝監査官〟の姿の方に違和感を覚えるようになりつつある。まあ、互いにその方が過ごしやすいのであれば問題もない。どうにも腑に落ちない気持ちも抱えながら、残りの用事を済ませるために彼の後へと続いた。
買い出しを済ませて本丸へと帰り、後回しにしていた執務に取り掛かるため机へと向かえば、あっという間に辺りは火灯し頃。少しばかり早起きだったせいか、はたまた本日の忙しなさのせいか、平生よりも早く睡魔が纏わりつく。早いところ寝支度を終えて布団に潜り、小さな手帳に向かって一日を省みるが、途中でぴたりと手を止めたのは、どうにも引っ掛かる一振りの剣。子供のように駄々を捏ねていた監査官殿は、果たしていざこざもなく内番に励めたのだろうか、と。新顔に対して気を回すのも主人の大事な務めのひとつ。さして迷う時間もなく布団から這い出る。浴衣の上から羽織を被り、椿油に濡れる髪を緩く一つに括って、母屋に繋がる渡り廊下をのそのそと進んでいく。
今朝にも訪れた彼の私室の前に立ち、監査官殿、と小さく一度。返事はない。既に休まれているのだろうか。再び呼んでも変わらず、もう床に就いたと判断して踵を返した矢先、耳が妙な音を拾い上げる。はぐはぐ、と、獣が何かを食むような音。極力静かに音の元へと近付き、納屋の戸をそっと引いて開ければ、目に入るのは鋼色の髪。触れていいものか若干の迷いを声に滲ませ、おずおずと尋ねて )

────あ、の。監査官殿、そちらで何を……?


 

78: 破敵剣 [×]
2022-10-16 00:43:51



( 背後からの声にびくり飛び跳ねる両の肩。しゃがんだまま肩越しに振り向き、そこに居るのが主とわかると、「…なんだよ、ビビらせんなよな!」と脱力した様に項垂れて。歌仙や長谷部だったら長い夜になるとこだった、と心の声を憚らず口にし、胡座をかいて両手を後ろに突く、寛いだ姿勢へと。
それで顕になったのは、部屋の奥側で幸せそうに油揚げを頬張っている小さな小さな管狐。はぐはぐ、むぐむぐ、もっきゅもっきゅと頬を膨らませながら目を細くしている、ご機嫌狐のお出ましだ。軈て可憐な主が訪ねてきたのに気づくと、悪さがバレた稚児のように目を真ん丸にして固まってしまう。霊狐のて、夕餉後の間食に罪の意識はあるものなのか。そろり、と食べかけの油揚げを咥えたまま後ずさるも、この空っぽの納屋の中では別に後ろに逃げ場もない。
手を出してまろい頭を撫でると、「ずっと食べたかったんだよなァ?」と寄り添う声をかけながら耳の辺りを掻いてやろう。目論見通り罪悪感が和らいだこんのすけは、それでも恥ずかしそうに己の陰へ引っ込んで主からの視線を遮り、今度はこそこそ夜食の続きを。
黄色い背中の撫でつけながら主の方を振り仰ぐ。最早堂々たる態度で、何もおかしいことはしていないという顔をしてみせる。己の素の人柄が小動物を慈しむそれに到底見えやしないことなど、塵ほども分かっていないし。傍に置かれた紙袋が万事屋通りの店を示す判をおされているのも、それで計画性がひしひしと伝わるのも、強引に誤魔化す算段だ )

俺、実は狐が好きでさぁ。おまけにこんな小さいとなりゃあ、可愛がってやりたくもなるだろ。




79: 花登伊万里(卯ノ花) [×]
2022-10-16 01:56:41




( まずい、と後悔したのは既に声を掛けたあと。刀剣男士とて今は人の身、そうそう無遠慮に戸を開け暴いていいものではない。大袈裟に飛び跳ねる相手の反応に合わせてこちらも身が強張り、次ぐに相応しい言葉を必死で考えるも、返ってきたのは脱力の様子。姿勢を崩した陰から見えるのは、ふわふわと揺れる黄の毛並み。「…………こんのすけ?」名前を呼んで覗き込む。真っ黒の瞳を円らにして固まる様を美しい手が掬い上げるように撫でると、強張った小さな体が弛緩していくのが目に見え、呼応するようにこちらも表情を僅かに和らげて。
今はあまり近付いてやらない方がいいだろう。ほんの少し羨ましそうに狐と戯れる様を眺め、彼のかんばせがこちらを向くと一度視線はその表情へと。述べられた理由には口を結んで幾度か目を瞬かせたあと、「そうなんですね」と、疑うことなく素直な納得を示し、そろりそろりと距離を詰める。僅かに身を竦めた気弱な霊狐に、怒ってなんかいませんから、と声を掛けてすぐ側に身を屈め、毛並みの柔らかさを掌で確かめるように撫でる。秋の深まる夜に丁度いい温かさだ。油揚げを夢中で頬張る姿に視線を落としながら、先の言葉を大真面目にまるきり信じ込み、少し申し訳なさそうに眉尻を下げて )

では、こうして特定の本丸に配属されてしまったのは少し残念ですね。政府にいる方が多くのこんのすけと触れ合えるでしょうから。


 

80: 破敵剣 [×]
2022-10-16 18:22:06



あー、別にそうでもねえよ。あんときゃあちこちの戦場に駆り出されて、落ち着く暇もなかったし。
今の方がよっぽどゆっくりできらぁな。

( ここに来てもまだ素直に信じてくれる主に、本丸ではその危険がないと言えど、悪意ある人間に騙されなきゃいいんだがなァ、と胸の内で独り言ちる。
疑うのは身を守る術。仮令相手に害意がなくとも、丸々言に従ったばかりに厄介に陥る事もあろう。切欠こそは口から出まかせ、それで、護衛剣として自然に主の身を案じずにはいられず。でも外面だけは、特に感慨も浮かべぬままそつなく雑談を続けてみせて。
その間、油揚げをもらった上、主にまで優しく撫でられて、こんのすけは嬉しそうだ。己が撫でたときと違って気持ちよさそうに目を閉じている。最後の残りを飲み込めば、短い脚で立ち上がって主に近き、腹を見せて寝転びさえした。まるきり犬そっくりな媚態を見下ろして笑い、それから主の顔をちらと見て、また横を向いて、朝以来の小さな欠伸を。
朝の三戦に検非違使事件、買い物と内番で、少しは疲れが溜まったようだ。餌付けも無事に果たせたし、寝床に引き上げる前に明日の確認を済ませようと )

ふぁア…、明日からもさ、俺には歌仙がつくんだよな。
主の方から、手合わせに回してやれって言っといてくれると助かるぜ。ついでに言やぁ、相手は同田貫の兄貴にしてくれ。お互いWinWinな関係になるからよ。




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