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Game start!(〆)/619


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181: 花家大我 [×]
2022-09-06 14:32:11


ふ、その方が倒し甲斐があるってもんだろ。

(数日後、遂にリベンジマッチの日が訪れる。待ち合わせ時間よりも随分と前に到着し練習をしていた相手を前に、平常心を保とうと肩にかけた黄色のストールをギュッと結び、自信に満ちた一言をニコに返す。それから彼の方へと歩み寄り手を小さく振り返して「よお、永夢。朝から気合い入ってるじゃねぇか」と言い「早速本番だな」と筐体に硬貨を数枚入れてゲームを起動させつつ、ガンの感触を確かめていて)

182: 宝生永夢 [×]
2022-09-06 17:14:20

勿論ですよ!負けませんからね!

(大きく頷きながら構えていたコントローラーを最難度のステージを選択してある画面上の敵に向け、『M』の表情で相手に向かって悪戯っぽく笑う。身体を動かすタイプのリズムゲームを遊んでいるニコはノーツを叩きながらもちらちらと視線を投げ、それとなく二人を監視しているような仕草を見せて)

183: 花家大我 [×]
2022-09-06 18:46:16


……ミッション、開始。

(ゲームスタートを合図する音が鳴り、凄まじい弾幕を躱しながらエネミーを倒し着々とポイントを稼いでいく。最難関のステージということもあってか道中のエネミーの戦闘力も強く、1秒たりとも油断ができない。しかも相手は以前の雪辱を果たそうとしている天才ゲーマー。相手の気迫に押されないようお構いなしに、次々と弾丸をぶち込んでいて)

184: 宝生永夢 [×]
2022-09-06 19:34:03



(相手から見える横顔は普段とは違って真剣そのもので、道中のエネミーを淡々と倒していくと先日ミスをしたボスステージへと辿り着く。今度は外さない、と言うようにボスへと好戦的な眼差しを向けて確実なダメージを積み始め)

185: 花家大我 [×]
2022-09-06 20:28:59


これで、終わりだ。

(相手同様にラストステージへ到達し、ボスエネミーに向かって連続攻撃を繰り出していく。強力な火球を避けながらトドメを刺していき数分後、ゲーム終了を知らせるブザーが鳴り響く。リザルト画面が表示され、相手のスコアに僅か0.数ポイント及ばず敗北したことが分かると小さく舌打ちをし「やられた」とだけ呟いて)

186: 宝生永夢 [×]
2022-09-06 20:50:25

よっしゃあ!

(リザルト画面を見るとコントローラーを掲げて楽しげに笑いながらそう叫び、「リベンジ達成、ですね!」とコントローラーを置いてから相手を見やる。その後はしばらく周りをきょろきょろと見回していたが、向こうの方にある二人用リズムゲームの筐体に目を留めたらしくそちらを指差して「…あっ!新曲出てる…今度はあれやりませんか?」と問いかけて)

187: 花家大我 [×]
2022-09-06 21:42:56


は、はは。正直言って驚いた。まさかここまで上達するとはな。

(此方は負けた筈なのに悔しさといった感情は一切感じられなかった。何故か笑いが込み上げてきて、くたびれたTシャツの胸元をパタパタと煽ぎ深呼吸をする。短期間で俺を凌駕するほど腕を上げたMに驚くと共に、ゲーム大会やバグスター退治において歴戦を潜り抜けてきた彼には、敵わないことを改めて実感させられていた。相手の提案には「音ゲーか。やろうぜ」と上機嫌に受け入れて)

188: 宝生永夢 [×]
2022-09-06 22:26:42

頑張りましたから!

(元気な声でそう答えつつ、相手の手を引くようにしてリズムゲームの筐体へ到着すると硬貨を入れて目当ての曲を選択する。アップテンポなイントロと共に複雑な形のノーツが重なっていくつも降ってくると、そつなくそれを捌き始めて相手にも目線を投げ、「これも頑張ります!」と子供っぽい表情を)

189: 花家大我 [×]
2022-09-07 01:12:10


そうか。ま、俺にはお手上げだがな。

(手を引いて遊びに誘うエグゼイドが子供っぽく感じられ、そういう所に惹かれ好きになったのだと改めて感じた。隣に立って同機種をプレイしようとするも、生憎リズムゲームの経験が皆無でドレミファビートを数回触った程度であったため、やむを得ず難易度:normalを選択した。楽曲のリズムに合わせて星のように流れていくノーツをタップするのは、実に爽快感があった。数曲プレイした後に、複雑な譜面を難なくクリアしている相手を横目で眺め「何だこれ」と呟く。フルコンも余裕だろう。常人からすれば異次元の遊戯であるように思われて)

190: 宝生永夢 [×]
2022-09-07 07:42:44



(相手の言葉を聞いた永夢は楽しげな表情ではあったが、手元は降ってくるノーツを全てパーフェクトで捌いていく。一曲をフルコンでクリアするとやり切ったように息を吐き、相手の方に目線を寄越しては「これ好きなやつなんで…練習してたんです。」頬を掻きながら小さく呟いた後相手の方を見て「大我さん、他にやりたいゲームあります?」と首を傾げて)

191: 花家大我 [×]
2022-09-07 11:11:50


練習、練習ってお前。いつ休んでるんだよ。

(病院での激務の間によく何時間もゲームができるなと思い、休息も取れ、という意味合いも込めて茶化す。「All Perfect」の表示に別段驚くことは無く、ひたむきにのめり込む彼らしさを感じていた。投げられた質問に対しては無言で頷き、相手を伏し目がちに窺ってから「今日どうしても攻略したい『ゲーム』があってな」と言い切りゲームセンターから出た近所の公園へと早足で向かう。暦はもう秋なのに、茹だるような暑さは落ち着かない気持ちを一層煽っているようだ。園内は昼時だからか人が疎らで日差しが強く、木陰で辺りが暗くなっているブランコに座り一呼吸置いて何か話そうとするも押し黙っていて)

192: 宝生永夢 [×]
2022-09-07 11:25:53

…?

(相手の言葉に誘われるままゲームセンターを出て、隣のブランコに腰を下ろすがすっかり黙ってしまった相手を不思議そうな表情でじっと見つめながら「どうしたんですか?」と問いかける。時折吹く、若干の不快感を伴う生温さを纏った風に眉をひそめつつ、相手が話し出すのを待っているようで)

193: 花家大我 [×]
2022-09-07 12:01:30


そろそろ話すか。……俺にとって、他の何よりも攻略が難しいゲームについて、な。

(そう、恋愛ゲームで喩えると攻略対象へのアプローチ。お望み通りの結末へと辿り着く確証は無いが、真意を伝える機会は今しかないと思った。顔を合わせないようにわざと正面を向きブランコに立って漕ぎながら、「この前」と蒸し暑い外気を断つように口を開き「好きな人がいるって話しただろ」とぽつりぽつりと話し始め)

194: 宝生永夢 [×]
2022-09-07 14:40:47

?はい。

(こちらは対照的に、ゆらゆらと小刻みに地面を蹴ってブランコを少しだけ揺らしつつ、相手のどこか含みのある言葉に首を傾げながらも頷く。「その人がどうかしたんですか?」と不思議そうな表情を浮かべてそう聞き返しては所在なさげに視線を地面へと落とし)

195: 花家大我 [×]
2022-09-07 16:47:22


やっとそいつに伝えようって決心がついた。お陰様でな。

一緒に過ごせるだけで、十分な筈だった。
だが……お前の言った通りだ。本気で伝えない限り、心のわだかまりは消えねぇ。

(今の関係性に満足するふりをして、実際は嫌われるよりマシだと怖気づいていたことに気づいた。プレイヤー自身がシナリオの分岐を決めない限り、永遠にエンディングは訪れないのに。他人に頼らず独りよがりで、自分だけが敵をぶっ潰せばいいと強情でいる時期もあった。一方で、捻くれた人間を真っ直ぐに見てくれる人の前では幾分か素直になれ、以前のように笑えた。眩しい青空を見上げて嘆息を漏らした後にブランコから飛び降りる。相手と向き合う形で「なぁ、永夢」と下の名前を呼び)

196: 宝生永夢 [×]
2022-09-07 17:36:09

なんです?

(名前を呼ばれると地面から顔を上げ、相手の瞳を真っ直ぐに見据えてそちらへいつもの笑顔を向け)

197: 花家大我 [×]
2022-09-07 18:00:47


好きだ。ずっと前から。

(たった三文字の言葉を、相手がいつも浮かべているような混じり気のない笑顔でそっと伝えた。風で樹木の葉がさわさわと音を立てていて、搏動も余計落ち着かずにいて)

198: 宝生永夢 [×]
2022-09-07 18:06:52

…えっ。

(相手の言葉を聞き、今まで通り生温い風が吹き抜ける少しの間だけ沈黙した後、そう困惑したような声を上げる。恐る恐る、探るような眼差しと声色で「それって本当に僕…なんですか?僕、てっきり他の人のことだと…それに、その好きって、その…そういう意味、」問いかけるが、最後まで言い切ることはなく口を噤んでしまうと眉尻を下げながら、ブランコの鎖を握る手に少しばかり力を込めて)

199: 花家大我 [×]
2022-09-07 18:31:37


結果的に騙したような真似をして、その……悪かった。

(悄然として俯き力無い声で答えた。ストールの端をぎゅっと握り、自嘲気味に笑い返す。相手の反応を窺うと此方は恋愛相談を口実に、せこい手を使って近づいたのだと再度自覚し良心の呵責に苛まれ「そのまんまの意味だ。返事は急かさねえから」と呟いて)

200: 宝生永夢 [×]
2022-09-07 18:45:25

…分かり…ました。考えて、みます。

(「そんなこと…ないです。」と相手からの謝罪に首をゆっくりと横に振り、ようやく離された鎖を握っていた手には鎖の赤錆の痕がくっきりと浮き出ている。それに気付くと慌てたようにポケットティッシュでその痕を拭い、俯いてしまった相手の手を取り、精一杯の笑顔を浮かべてそう言ってみせ)

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