自分のﾄﾋﾟｯｸを作る
2：少年A　[×]
2022-08-10 13:40:22

　ぼく / 14歳くらい / 素朴で人畜無害そうな顔 / 薄手のパーカー / スニーカー / リュックサック

（　ぼくの実名と顔が全国に向けて報道されたのが昨日のこと。なぜかぼくは今、全国で指名手配中になっている。これは一体どういうことだと問う間もなく家には知らない人たちが大勢押しかけ、スマートフォンには知り合いからの連絡が数多入り、ぼくは一躍時の人だ。全然嬉しくない。連絡を寄越してくる中には「おまえ何やらかしたの？」なんて暢気に聞いてくる奴もいるけれど、それを聞きたいのはぼくの方だ。そりゃあ虫を踏み潰してしまったり、借りた漫画を返し忘れていたりはするけれど、指名手配されるようなことは身に覚えがない。……そういえば、道端で拾った百円玉をこっそり自分のものにしたこともあったかな。その百円玉が警察の偉い人のものだったりしたのだろうか。それで指名手配とは、ケチな警視総監だ。何はともあれ何もしていないのに捕まるわけにはいかない。逃げなければ。アスファルトを蹴って、必死に走る。スニーカーの靴底が薄く、衝撃があまり吸収されないせいで足の裏がちょっと痛い。向かう当てはなかったけれど、とにかくできるだけ家から離れようと道なりに走った。やがて、寂れた飲み屋街に辿り着く。乱れた息を整えながら、きょろきょろと目だけ動かして辺りを見回してみる。きっともう大人が飲み始めるには十分な時間だというのに、ほとんど人が見当たらない。というか、そもそも明かりがついている店自体が少ない。どこかに隠れられないだろうか。ふっとそう閃くと、うっかり鍵をかけ忘れた店がありますようにと願いながら、明かりのつかない飲み屋を調べ始めて　）

名無し達のエチュード（ ロル練習 ） /8

　名無し達のエチュード（　ロル練習　）　/8