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24: 音倉 詩楽 / とくめい。 [×]
2021-02-23 13:10:17





>>21 / 轟 焦凍クン


「っ、ううん、謝らなくて良いよ。
…僕は焦くんのそういうところ他人より多く見てきてるけど…幼馴染的には好き、だし」

( 天然、確かに彼にはよく似合う言葉だ。多分その言葉をかけた人物は緑谷くん、或いは飯田くんだろうか、なんて推測してみる。それから発した自らの言葉の中にほんの少しだけ、彼に対する本音を織り交ぜる。"幼馴染的には"なんて、巫山戯た言葉。本当は心から彼のことが好きなのに、それを伝えようとすると喉に何かがつっかえたかのように言葉が紡げなくなる。これではまるで__神様が"言うな""しまっておけ"と命令しているみたいじゃないか。自らが本心を伝えることを止めているようにしか思えなくて。神なんて不確かな存在信じるに値しない、そう思っていたけれど案外本当に神様は居るのかもしれない。けれど僕のことなんてまるで愛していなくて、眼中にすらなくて、人によって格差を付けているのかも、今の格差社会のように。そんなくだらないことをうだうだ考えていれば、願いを述べて緊張する自身にするり、と入り込んでくる彼の言の葉。彼の言葉は自身を否定することなく受け入れて、彼が優しいことなんて分かっていた筈なのに、何時もの自分であれば相手の返答のパターンなんて幾つか予測出来た筈なのに、彼の言葉を聞いた途端に緊張の糸がぷつんっ…と切れた音がして一気に緊張が解けた。)

「そうだね、…いっぱい色んなところに行こう?帰りは冷たいお蕎麦を食べよう、…写真も沢山、撮らなきゃね」

( 言葉、震えていないか?自分ではよく分からない、生まれた不安がどんな道筋を辿るのかなんて予想は出来ない。戸惑ったように動く視線は、彼の行動と自分に見せた表情によって静止した。…否、静止せざるを得なくなった。彼の服の裾を掴んだ自らの手に、彼の大きな手が、重なる。其処から徐々に彼の体温が、彼の熱が、ひしひしと伝わってくるのが分かって、鼓動が信じられないくらい速くなるのを感じた。これはPresto、それともPrestissimo__?速度記号なんて考えている暇は無いのに、無意識的に浮かんでくるのはやはり自分が音楽に精通していることを実感させてくれるのだけれど、そうではなくて。重なった手に目を奪われ、けれどずっと見ていると心臓が破裂してしまいそうで、咄嗟に顔を上げた。それで心が落ち着くだなんて、心臓が助かるだなんて誰が言っただろうか、自らを見つめる彼の表情に再び吸い込まれるように目が奪われた。彼の美しい、宝石のような瞳と自身の薄色が重なる。顔に熱が溜まってくるのが自分でも分かる、こんな情けない姿見られたくない、ならば顔を背けてしまえば良い話なのに、金縛りにでもあったかのように視線一つ動かせない。如何か、薄暗くなってきたことでこの真っ赤に熟れた林檎のような顔を見られてませんように…っ、なんて、望み薄な願望を脳内で唱えては、少々慌てたように、だが心は込めて紡ぐ。)

「…あり、がとう……っ、僕の我儘、聞いてくれて…。
…もう寮、見えてきたね。みんなもうお夕飯の支度してるかなぁ」

( 自分の羞恥心を誤魔化すように寮で過ごしているであろうクラスメイトことをぼやきつつ、決意したように唾を飲み込んだ。それから重なった彼の手を、優しく包み込むように握る。小さい頃は手を繋ぐ、なんてこと意識すらしたことなかったのに。何なら今よりもっと触れ合っていた筈なのに、あの頃はまだ自分も幼くて、羞恥心という概念すら持ち合わせていなかった。子供のような顔、子供のような身長ならいっそのこと心まで子供になってしまえば良いのに。そうすれば羞恥心に邪魔されることなくこうして手を繋ぐことも、触れ合うことも出来るかもしれないのに。願ってもやはり神様は僕のことが嫌いなのか、叶えてはくれやしない、それどころか聞いてすらくれない。ならば夕陽が姿を隠した今の状況を良いことに、羞恥心さえも雲で覆ってしまって、ほんのちょっぴり勇気を振り絞れば良い。握った手に少しだけ力を込めて、彼の手を引いて走り出した。)

「僕もお夕飯の準備、手伝わなくちゃ。…走っちゃおう!焦くんっ!」






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