自分のﾄﾋﾟｯｸを作る
21： 鉛白　[×]
2020-11-08 12:43:38

【クリム/ギルド】

北方の朝特有の冷たく澄んだ空気を感じながらギルドへと向かう。
隣を歩く友の口からは白い息が吐きだされ、気温の低さが見て取れる。

「シュヴァリエ。」

友の名を呼ぶと、こちらをちらりと見て小さく鳴いた。
彼の毛並みに沿って軽くひと撫でするとパタリと尻尾を振って喜びを示した。

ギルドの扉の前まで着くと、中の喧噪が少し漏れ出しているようだった。
ひと呼吸おいて扉を開けると、せわしない様子の受付嬢に飲んだくれ、初々しい様子の冒険者が目に入る。
さて、今日は何をしようか？

少し考え込んだ後に受付嬢のもとに向かい、にこやかに声をかける。

「おはようございます。相変わらずお忙しそうですね。
何か僕の方で受けられるクエストはありますか？」

隣におとなしく座っている友も挨拶をするようにワフッと一声あげた。

(/承知しました。それでは始めさせていただきます。よろしくお願いします。)

北方辺境の冒険者ギルド【ファンタジー/シリアス＆ほのぼの/初心者、途中参加歓迎】/42