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ロジャー・チェイス [×]
ID:abc583d49 2020-06-08 11:55:52
>瑠璃男軍勢 all様
【ロジャー『ラビ』キース「ハット」/大学・ノア】
青く澄みきった大気のどこかから冴え冴えと笛の音が響いてくる。大学中へと発するスピーカーのホーンが小刻みに震えている。
それによって教員らが今回の騒動による緊急会議などの処置が施される前に、笛の音によって精神を洗脳して下校するように操っている人物がいる。
今となっては大学はもぬけの空である。校内中__否、校内だけではなく近隣住民避難させるのには、お釣りが出るほど充分時間に余裕があったくらいだった。
「お前って奴は熟々わからん男だ。悪党のくせに何だってヒーローみたいな真似事をするのだ?」
そんな素朴な疑問をぶつけたのはキースだった。キースは変身した姿の時はハットという異名で名を名乗っている。対するロジャーはラビと名乗り素性を隠す。
お互いに身許を知っている部分は少ないにしてもそれなりに付き合いはある方だが、迂闊に本名を口にしないのはこの業界に入っての名残が今でも続いているからだろう。
『その質問は見事なブーメランだよ。』
三階にある渡り廊下からは残った二人の会話だけが唯一、不気味さが漂う静寂な空間を引き裂いていた。
『まあ、強いて言えばここも職場ではあるからね。__それに気になる子もいるし。からかい甲斐のある子らでね……ほんの一瞬でも目が離せないよ。』
ここを潰すなんて勿体ないと愉快そうに笑いながら問われた質問に返すのはロジャーだった。普段の物腰柔らかな優しい教師はそこにはいなかった。これもロジャーの本質の部分ではあるが……それはまだほんの一部に過ぎない。
キースはそれを聞くなり本当なのか?と俄かには信じられないといった様子ではあったが、本人がそう言うのだからあまり詮索は入れず "そういう事にておこう" と話を鵜呑みにはしなかった。
「それはそうといつだったか、お前の母親が大喜びで家に電話をよこした時はこの世の終わりかと思ったぞ。親の顔を滅多刺しにして家を飛び出したそうだな。」
『それは……何年前の話だい? あの頃はもっと若かった。7歳……8歳だったかな。そんな昔のことよく覚えていたよね。』
「いや、この話しにはまだ続きがあるぞ。3日とも経たないうちにまた連絡が来たのだ。そしたら今度は家に火を放ったそうではないか。__せっかく電話番号を新しく作り直したと言うのに……ムカついたから町中の電話をこの手で消しさってやったわ。」
『懐しい話ではあるけれど……。あんな便利な物を町中から消し去るだなんてね。何処のどんな悪党か、詳しく聞かせてせてくれないか。』
「ああ、吾輩もあの時は若かった……。」
『電話は素晴らしい発明品だ。特にお気に入りは黒電話はかな。……身近にあってそれが凶器になるだなんて誰も疑わないんだ。例えば__』
「まて、勝手に話を進めるな。そういう事を言いたいのではなくてだな……。」
ハット(キース)は屋上へついて幾つかの気配に気づくと会話を遮る。ラビ(ロジャー)も最後までは言わず言葉を飲み込んだ。
腐れ縁とはいえ腹の底まで見せ合い、本心で語り合うことはなかった。戦が始まる前に交えた会話が "黒電話の使い方" で終わるのはあまりにも虚しすぎたからだ。
『数が多すぎる……。君の味方かもしれないし敵かもしれない。一応予防線を張っておこうか。』
生徒や教員を登下校させて近隣住民をも避難させた大学周辺でこちらに向かってこようものなら、ここでは見通しの良い開けた場所とだけあって格好の的でしかない。ただし、人数ではこちらが不利のようだ。それも相手がどんな能力かすら情報が手元にないのが問題だった。
屋上の端に立って足をかける。ラビ(ロジャー)は魔楽器のオーボエを召喚させ調律音を何度か鳴らす。そして、縁に腰掛け足をぶらりと放り投げた。
「話しの続きだが、親を喜ばせる方法は顔を滅多刺しにすることや家を焼き払う意外にもやり方は幾つかある。これは家族を持つようになった吾輩が言うのだから間違いない。」
背中からは何も返ってはこなかった。笛を吹き続けることによって口が塞がっていることを良いことにハット(キース)はさらに続けた。
「吾輩がお前くらいの歳にはもう結婚していた。まあ……お前みたいな奴を相手にする女はかなりの化物でもないと難しいかもしれんが……。そのチャンスを吾輩がみすみす奪う取る権利はない。それに他人の時間を所有するのはもう真っ平だからな。」
『……。』
「もしものことがあったら……その時は…………。」
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