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11462: 烏丸 桐恵&禁忌 [×]
ID:3d63c5bb6 2020-08-12 22:50:57

      >呉蘭花さん、斑鳩刹那さん

『………っ………。』

魔力の蒐集に全神経を集中させる禁忌。
そのすぐ側で蘭花が放心している事にも気付かない程に。
本当に少しずつ蒐集される魔力。
それは数十秒程で終わりを告げそれと同時に静かに瞳を開く禁忌。

『……終わったぞ。……蘭花?』

そこで禁忌はようやく蘭花が放心状態なのに気付く。
だが、そこから禁忌は勘違いをし始める。

『……蘭花。しっかりしろ蘭花っ!?』

そう、禁忌は自分の魔力蒐集のミスにより蘭花を危篤に陥らせてしまったと勘違いしたのだ。
確かにその危険性は存在していた。
だが実際は禁忌が蘭花と額を接触させるまで接近した事で蘭花が驚きと興奮のあまりオーバーヒートを起こしただけ。
その壮大な勘違いは普段の禁忌からすれば考えられない程である為か桐恵は物珍しそうな目で禁忌を見ていた。

「………安心しろ禁忌。お前を間近で見た事でオーバーヒートをして放心しているだけだ。」

『そうか……。』

心の底からホッとする禁忌。
それは冗談などでは無く本当に加減を違えてしまったと思っていたからこその安堵だった。

『……しかし、何故今の我を見て放心する?何かおかしいのか?』

そう言い、その原因に本気で心当たりが無いのか
またもや素っ頓狂な勘違いをし始める禁忌。
どうやら自分自身の恋愛面に関してはどうも疎い様だ。
自分以外の事であればあれ程鋭く頼りになるというのに……。
いや、だからこそ今の禁忌は下手な人間より人間らしいとも言える。

「自覚しておけよ。お前のその外見は世間一般で言えば間違い無く美人だ。いや、絶世の美女と言われても差し支え無い程だ。そんな奴から額同士をくっつけられてみろ。大抵の奴はこうなる。」

桐恵のその理屈は尤もであった。
外見の全てが非の打ち所の無い禁忌は色々な意味で目の毒になってしまっている。
更に質が悪いのは当の本人がそれを全くと言っていい程に自覚していないという事だ。


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