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◇ [×]
2019-06-30 11:29:33
( ──どうしてこうなってしまったのだろうか。現在(いま)となってはこの様な疑問すら我にとっては些細な事だった。昔昔、まだ人々と共存し合っていた頃は魔法の力で助けていたが、それは一時に過ぎない。人々は時に我の持つ力に対して畏怖していたがそれは蔑むようになる。そう──今、我の眼前には憎悪と復讐に満ちた眼差しで我を討伐すべく派遣された騎士団達だ。其の憎悪の眼差しを向ける人々の掌返しに絶望し、矛先を街を破壊するという行為に変えた。それもまた我の存在証明の為で街を破壊された住民に非は無い。唯どうしても、我の存在を忘れないでいて欲しかった。その想いは強まるばかりだが、眼前にいる騎士団達には通用しないと諭すとその全てを、生命含めて何もかも諦めて瞼をゆっくりと閉じたその時。冷たい室内の空気に似つかわしい程、清廉な声に閉じられていた瞼を開ける事になってしまい。悠久の時は長すぎた。我は此の城で独り悲しみや孤独と共に生きてきたのもあり、我を庇うような発言をする相手の姿を眼に焼き付けようと視線のみ向けて。騎士団達は突如現れた相手の気迫やオーラ、力量の差に怯えて次々と城から逃げていく姿をぼんやりと眺めていたのもあり、相手が眼前まで移動すれば片膝地に付いて跪く。恭しく胸に手を添え一礼するという一連の動作を瞼に長く縁取られた睫毛をぱちぱちと数回動かしぼんやりと見詰めており。真っ直ぐに金に輝く瞳が真紅の瞳と交わると眼が離せなくなり、何処か総てを見透かされたような気持ちにもなるが自然に口が開き『 愛……とはなんだ。我は愛なんて知らな──』会話の途中で突如として視界が遮られた。其れは眼前に相手が現れて、抱き締められたからであり。抵抗する間もなく唇へ温かな感触が伝わり、幾度か角度が変わりやっと離れるも直ぐに耳許から先程聴いた凛とした声だが、何処か否定を許さぬような感じにも聴こえたが、それで居て囁くような声音に何故か心が震えて。総てが初めてなのもあり、軽くフリーズするも直ぐに我に返り。『 未来永劫、だなんてそんな気の遠くなる様な事を。我は未来永劫よりも現在( 今 )が好きだ。お前は現在を生きているか?我が花嫁か──なら、お前は我のなんだ? 』金の瞳を真紅の双眸でしっかり見詰めては返事はYESと言わんばかりに身を預け、金の瞳から黒翼へと視線移すと再びゆっくりと瞼は閉じられた。 )
( / 遅くなってしまってすみません! しかも拙い文章にも関わらず無駄に長くなってしまい……とても恥ずかしいですが、お目通しをお願いします! )
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