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読・書【Long/Middle/Short All OK】/60


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51: セシル [×]
2019-08-20 09:50:35

お久しぶりです(。・ω・。)ゞ

ちょっとバトル系を書いてみましたが…
やはり苦手です。

トウキョウクロスロード

case1,絶望

狭い面積になんと人口の3分の2もの
人間を抱え込む日本の首都、【トウキョウ】。

スクランブル交差点は今日も混雑し、
電車には人がぎゅうぎゅう詰め。

〈昨日のテレビ見たー?〉

《見た見た!出雲くん最高だったよねー!》

座席で他愛の無い会話をする同じクラスの
女子たち。

少し物騒だけれど、平穏な日常。

…それが壊れるのは、あまりに突然だった。


電車が酷く揺れる。

[…ミロク、揺れ酷くない…?地震かな]

友人が、声を掛けてくる。

「地震じゃないと思うけど…」

[そうだよね…もう予測出来るもんね。
今日の地震遭遇率、0%だったし…]

友人はスマホを見やる。

「変だね」

[…………]

返事が、返ってこなかった。

「ユウ?」

[……………]

やはり、返ってこない。

隣を見る。

「…ユウ!?」

ぽっかりと、座席が空いていた。

〈…きゃあぁ!〉

聞こえた悲鳴に、周りを見る。

…目を疑うような光景が、そこにあった。

電車の中は血溜まりのようになっていた。

まるで、血の雨が電車の中にだけ
降ったかのように。

生きているのか、死んでいるのかすら
分からない人たちが床に転がっていたが、
友人はいなかった。ただ、同じクラスの
女子が一人、へたり込んで悲鳴を上げていた。

〈ミロクくん…!〉

艶やかな黒髪を腰まで伸ばして気の強そうな
顔立ちをしたクラスのマドンナ、伊藤さんだ。

「…伊藤さん、何があったか教えてくれる?」

〈私が、うたた寝から覚めた時は…
こうなってて、田中さんと宮本さんが…血を
流しながら床に転がってて…〉

伊藤さんは錯乱しているようだ。

これ以上話を聞くのは無理だろう…。

「…出よう、ともかく。立てる?」

〈う、うん!〉

伊藤さんはすっと立ち上がる。

僕は彼女の手を引き、いつの間にか
着いていたらしい【シブヤ】駅のホームに
降りる。

そこには、人に似ているけれどどこかが
決定的に違う【ナニカ】が暴れていた。

〈何、あれ…!?〉

伊藤さんも、僕も、呆然としていた。

だがそこに、血の匂いを纏った一陣の風が
吹き抜けた。

『ボサッとしてんじゃねーぞ!
そこに立たれると殺すのに邪魔じゃねーか!』

茶髪を風に揺らし、鈍く光る瞳をこちらに
向ける鉄パイプの青年。

高校生ではあるのだろう、僕らの
高校ではないが制服を着ていた。

「キ、キミは…?」

『…あ"?俺かよ。大和。水無月大和。
今関係ねーだろ』

彼はぶっきらぼうに吐き捨てると、
鉄パイプを【ナニカ】に降り下ろす。

重い鈍器が【ナニカ】の頭にめり込み、
血を噴水のように流させる。

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