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君色に染まれ[NL/シェアハウス/人数制限 有]/648


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108: 白鷺 涙 [×]
2019-03-24 19:03:54



咲月君〉

(此方の頭をゆっくりと撫でるその手。父親にはなかったその手の温もりに安堵しながらそっと息を吐く。良い気持ちのままケーキを頬張ればそのケーキはもっと甘く、美味しくなったような気がして。頬が緩むのを抑えながらふとチラリと彼の方を見れば優しい眼差しが此方を捉えていて。最年長としての余裕がある彼に少しだけ羨ましさを感じながら自分の子供っぽさを思い知る結果となり。ふっとケーキの方に目線を戻せば彼からの言葉が耳に入ってきて。また描いたら、か__今日は外に描きに行くつもりはなかったのだが何処かに出掛けてみようかと思いつつ。彼の言葉にコクリと頷けば言葉を紡ぎ。)

「……分かった…じゃなくて、分かりました」

(目を伏せながらタメ口を敬語へと戻せばケーキを頬張り。ものの数分で食べ切ってしまったケーキを少しだけ切なそうに見つめつつ最後の苺に齧り付く。甘酸っぱいその味にゆるりと口元が弧を描く。もう一度チラリと彼の方に目線を向ければ彼は先程の笑顔とは違い真剣な表情へと変わっていて。あまり頭を動かしたら迷惑だろうと正面を向けば彼は手際よくポニーテールにし、お団子へと変えて。手鏡を渡されて変貌した自分の髪型を見るなり感嘆の声が漏れる。)

「…わぁ…凄い……別人みたい」

(髪型が変わっただけの変化なのだが、普段は髪を下ろしたままでいるからか自分が本当に別人のように思えてしまい。キラキラと瞳を輝かせれば彼の方を向いて一言、「魔法使い…?」なんで無意識に呟いて。彼が魔法使いならば美容師は全員魔法使い、ということになって仕舞うのだがそんなものは気にせずに言葉を述べて。)


渚ちゃん〉

(自分の変わりように驚きながらもただいま、という彼女の方にチラリと目線を向ける。彼女から飛び出た疑問に少しだけキョロ、とぎこちなく目線を動かした後にコクリと頷く。そう、今は大学は春休み__ゆっくりしていい期間というのはとても良いもので。…と言っても絵を描く生活は変わることはなくずっと絵を描き続けているのも事実なのだが。司書になる為の勉強は積み重ねなければいけないと思いつつ、勉強よりも絵を描くのに走って仕舞うのは自分の悪い癖であろうか。何を言おうかと迷った時、もう一つ彼女から質問が飛び出す。彼女の質問に迷うことなく答え。)

「…イラストは、まぁ…頼まれたことは、あり…ます」

(やはり敬語は慣れない。だからと言ってタメ口を使う気にもなれない。最年少の自分が当たり前のようにタメ口を使っていればいつか誰かに叱られるような気がする。叱られるのも、痛いのも、怖いのも、本当は大嫌いだから。自分の目の前に座った彼女の表情は真剣で、きちんと答えなければと思いながら目はふいっと逸らし。ただ、イラストを描いたりすることもある為に上記のように質問に答えてみせて。)



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