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魔王の手駒は斯くして踊る(〆)/21


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21: 霧崎 忠 [×]
2019-04-07 18:12:46

「───────は?、えっ!?」
(放り出されたファイルは、目の前の机に存在感をこれでもかと主張しつつそこに置かれている。当の本人は此方が忠告しに言ってもヘラヘラと笑みを浮かべるばかりで、周りの人間を無差別に巻き込むその横暴さには部下も自身も振り回されてばっかりだ。今、この瞬間も自分ひとりの生贄が巻き込まれたばかりと言うのに相手は自身の仕事に目を向けていて。驚いた声と驚愕の表情を向けるもきっとこれも計画の内なのかもしれない、こうだから毎回自身は遊ばれるのだが生まれつきの性分かめげずにこの男に立ち向かう姿は勇者だと言われているらしい。さしずめ彼は魔王といったところか、呆れすぎた脳内ではそんな考えばかりが浮上するばかりで手に持ったファイルだけがずっしりと重く感じた。

「まさか、この案件を俺一人にさせる訳ないですよね……。これどう見ても先輩宛の仕事にしか見えないのですが。」
頬が痙攣するように歪な笑みを浮かべた。額から青筋を伸ばし手に持ったファイルの中身に目を通すも、どれもこれも難易度が高い案件ばかりだ。これをこうも簡単に部下に託す上司がいるものかと、睨み付けるも当の相手はこちらを見向きもしない。───嗚呼、胃が痛い。やってきた胃への痛みも全て全て相手のせいだと思考に終止符を打つのがやっとの仕返しで、手にしたファイルはそのままに相手の肩を掴んで無理矢理にでも此方を向かせようと。)

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