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BLなりきりチャット
自分のトピックを作る
241:
梔 [×]
2019-04-04 12:15:19
>>榊
(治療を受ける間視線では治療の過程を眺めるものの、頭の中をよぎるのは彼と組織のことばかり。先程彼が紡いだ言葉…、先程のような組織、つまり武器商売は固体が多いものだが、取引先はどのようになっているのか。捉えた輩はどうすべきか…悶々と頭の中で思考を巡らせていると、退室する救急班に「すまない、ありがとう」と簡単に声をかける。その声が壁に反射するかしないかの境目で現れた年上の部下に少し不思議そうな顔をする。彼も古株なのだから、もっと若い者に使いっ走りをさせてもいいものなのに、とよぎった疑問も、信頼の置ける部下が必至に解毒薬をいち早く届けてくれたと分かると薄れる。「迷惑をかけたね…ありがとうございます。」まずは謝辞を述べ、置かれた小瓶の中身を見るとそこに入っている液体を珍しげに見る。その透明な液体が毒であることなどつゆほども疑わず、失礼します、と相手に背を向けその毒薬を飲み干して。「…そういえば、今日は休みじゃなかったんですか?休みの日はよく家族サービスしてますもんね。」なんて、解毒薬を飲んだつもりの本人は、相手が昨日の現場にもいたことを思い出して、少し不思議に思ったことを口にしながらマスクを付け直し。相手が家族思いであることは組織の中ではそこそこ知れ渡っており、自分も酒の席などで数回自慢げに家族写真を見せてもらった事がある。相手と同じような優しげな奥さんと利発そうな女の子。偶に町で肩車をしてあげている相手達を見たこともあったことを思い出してついそんなことを。そして、何故か今別室で治療中の彼のことも思い出してしまう。榊さんも、そうやっていつか女性と結ばれる時が来るのだろうな…あの微笑みに幸せな色を称えて、と漫然とした気分の中唐突に、ごく自然に、そして自分でも気づかないようなほんの僅かな嫉妬を混ぜてそんなことを思う。「…梔さん?」ボーっとしていた自分を不審に思ったのだろう、図らずも今回の裏切りに関わることを話しかけられた部下の声は震え、違和感が垣間見える。しかし、その声でハッと我に返った本人はそれに気付かず振り返って「これは御頭に、ですね。ちゃんと伝えておきます。」と例の小瓶を手に取り病室から廊下へ出て。)
242:
榊 誠 [×]
2019-04-04 19:06:07
>>梔
(部下は相手が出ていったドアを見て震える息を吐き出し罪悪感に押しつぶされそうになりながらも家族のためなのだと自分の行いを正当化し、男達の監視役を買って出て男達の元へ向かうと周囲に人が居ないのを確認して約束通り毒薬を渡したことを告げ、家族の解放を声が漏れないよう小声で懇願する。しかしそこは悪どい男達、自分たちの脱出の手助けをしなければ家族の解放はない、勿論この事をバラせば家族の命はないと。
仮眠室、眠ってから一時間も立たない内に意識は浮上するも先程よりは幾分怠さもマシになっていて。当然、相手の身に危険が及び自分にも迫っていることなど知らず、喉が乾きを訴えていたため一度身を起こして小さめの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し喉を潤す。この短時間でなにか進展はあっただろうかと思うも、まだ寝起きで疲れも残っていたし今起きて行っても彼あたりにもう少し休むようにと気を遣わせてしまいそうなため甘んじてもう一休みしようとベッドに横になろうとして。)
243:
梔 [×]
2019-04-04 19:48:11
>>榊
(梔の後に部屋から出た部下の後を追う者が一人。梔のお抱え部隊員は、解毒薬の情報を掴んだ後それを渡してくる、と移動した部下が気になり追尾をしていたのだ。バレないように距離をかなり取っているため、声こそ聞こえないものの、なにやら牢屋越しに部下と男が話をしているところを一瞬だけ確認するとそっとその場を離れてお抱え部隊内へ行法を共有しつつ居場所のわかっている榊の元へ。幸いにもまだ誰も来ていないらしく、ベットに横たわっている相手を確認する。「榊さん。少々よろしいでしょうか。」その後は解毒薬の情報を掴んだことと、部下の不審な行動を報告して「まだ、解毒薬の類を口にしておりませんか?我々が手にした解毒薬は薄緑の錠剤ですが…同じようなものが出されてもお調べするまで、直ぐにはお口にされませんよう。」と話して。
一方、廊下に出たところで武器管理班に押収した武器のことについて話しかけられると一旦仮眠室ではなく、武器庫へ立ち寄る。押収してきた武器を売るか管理するかを品定めをするので、と連れてこられたものの、武器庫内には他の部下もいることからある程度様子を見てからその場を離れる。御頭に薬も届かなくてはいけないのに、少し道草を食ってしまった。その気持ちは歩幅を大きく急かし、ふと疑問に思った麻痺がとれていないことも、まぁ解毒に時間がかかるのだろうという程度で流して。
やっとたどり着いた仮眠室のドアを相手に会いたい逸る気持ちで失礼します、と開けるとそこに居たのは可憐な相手…だけでなくいつのまにかいた己がお抱えの部下に少しだけ無意識のうちに拗ねたような顔をして。)
244:
榊 誠 [×]
2019-04-04 22:25:27
>>梔
(部下は見張られていたとは知らずに男達の要求を飲むと手錠の鍵を渡して足を拘束する縄も緩めていつでも抜けられるようにする。最後に牢屋の鍵を渡して男達が逃走を遂行する際、手助けすることを約束して。
一方、仮眠室。訪れた部下を迎え入れ上半身だけ起こしベッドヘッドに背を凭せ掛け報告を聞く。そしてやはり疑わしい人物が組織内に居たことにやや表情を強張らせ、その者の名を聞いた時、信頼のおける人物だっただけに衝撃と落胆は大きくまたこの事態を招いた己の責任を悔やんで。なぜ件の部下が裏切りをするに至ったのか、様々な可能性を巡らせながら解毒薬についての忠告を聞き入れ礼を言い裏切りを測った男を注視するよう命じたころ、相手の訪問にそちらに目を向け中に入るよう目配せする。一瞬彼の目に嫉妬が滲んだ気がするのは己の不遜だろうか…。気を利かせて退室する部下に今一度礼を行って見送り、ドアが閉まりきったところで再び相手に視線を戻して「ごめんね、君も疲れてるのに呼び出して。今丁度その話をしていたところなんだ。…それで、腕はどうだった?」相手は先程の話を知っているのだろうか、知らないならすぐに話さねばと思いながら掛け布団をめくって相手と向き合う形に座り直すと形の良い、細く長い指先を手に取って掌を掬い軽く握り込む。普段よりもひんやりとしたその手に己の胸の内も底冷えるも徐にその手を口元に近づけると軽く唇をあてて「こうしたら治るといいのにね。」と柔らかく笑んで彼を見上げて。下の位置から見る彼もまた綺麗で、秀麗な瞳を縁取る長い睫毛がより映える。と、そんな浮かれも微かに感じた不審感に影を潜め、腕を取り直すと相手をぐっと近くに引き寄せその顔を真剣な表情で凝視して「…ねぇ、身体、なんともない?」と己の中の不審と焦燥が勘違いであって欲しいと願いながら声色をやや低くして問いかけて。)
245:
梔 [×]
2019-04-05 23:15:08
>>榊
(あの部下は部隊の中でも気を利かせることが得意なもので助かった、と密かに思う。ベッドの上で上半身を起こす彼は残った毒や、白いシーツも相成って彼を華奢に彩り、その長く、健気な魅力を落とす睫毛や、黒く艶やかな髪の毛が揺れる頸を更に魅力的に飾り立てる。負傷者に対してそんな目で見るのは如何なものか、と思い直し慌てて本題に戻る。「いえ、この程度なら問題ありません。腕の方も救急班のおかげで随分楽になりました。」そう答えつつ動かそうとした己が右手に添えられた、彼の手の皮膚の下に暖かな血が流れることを確かに感じ取ると少し安心する。笑顔と言うほどでもない微笑みが、微かに目尻に浮かぶかと思えば、その瞳を丸くして続いて指に触れた彼の唇を凝視する。今、右手の感覚が無いのは麻痺のせいでは無いだろう。なんとも艶やかな流れるような仕草と、それに相反する相手を思いやる、幼子のような笑みの魅力に打たれて一瞬呼吸を忘れる。自由がきく左手でゆるりと彼の頬に手を添えて「……貴方はやはり可愛らしいお人だ。」と慈しむかのように目を細めて。「…身体ですか?救急班のおかげで楽になりましたし、解毒薬を先程貰ったので大丈夫です。もちろん、榊さんの分も預かって参りました…?」急に近づいた距離と、低くなった相手の声にびく、と少し肩を震わせるも直ぐにいつもの調子に戻り、部下から預かった液体の入った小瓶を懐から取り出して「こちらです。」と差し出し。)
246:
榊 誠 [×]
2019-04-06 11:54:25
>>梔
(腕は問題ないという彼に安堵し、此方の冗談を艶やかに美しく返す様は本当に花が似合いだと思う。決して自己主張しない静かに凛と佇む淑やかな華。男に可愛いなんて言うものではないと、その言葉を封じるほどの魅惑が彼にはある。そうして彼に見惚れていたが、解毒薬だと見せられた小瓶を見た瞬間、背筋が凍りつき表情がぴしりと強張り彼の腕を掴む手に僅かに力が入って。「……梔、これ飲んだの?」と小瓶に視線をやったまま微かに声を震わせて問うとゆっくり彼へと視線を移す。美しく咲く華が枯れゆくのを想像し、一介のボスにあるまじきことだが動揺を隠せず瞳が揺れ動き、彼が答える前に先程部下から聞いた話を告げて、「男達の持っていた情報の回りが早かったから気になっててそれを君に話そうと思って呼び出したんだ。そしたらさっきの子が怪しい動きがあったって…。」焦り滲んだ声で言い表情を歪ませ、もう一度飲んだのか問おうとしたとき先程出て行ったばかりの部下が再び戻ってきて「…何度も失礼します。先程の件ですが不自然なことがありまして。…牢屋の予備の鍵と手錠の鍵が無くなっていました。恐らく近い内に動きがあるかと。既に部隊を組んで警戒を深めていますが…あの者の処遇は如何致しますか?」と。“あの者”…裏切りを測った部下。罰を受けるは当然だが──、「生かして身柄の拘束…、その時は俺も行くよ。あと此れを解析に回しておいてくれる?………で、梔、君は待機。」部下に相手の持っていた小瓶を渡して指示すると相手に向いて静かに告げる。薬を飲んだ飲まないに関係なく腕を負傷している彼にこれ以上無理はさせたくない。素直に聞いてくれるか…、薬のことも気になり立ち上がって彼の肩に手を置いて顔を覗き込み「…分かった?」と声を落として顔色を窺って。)
247:
梔 [×]
2019-04-06 15:50:04
>>榊
(彼のふわりとした優しい雰囲気がいきなりぴしり、と固まり、触れ合う腕に変な力が入る彼に違和感を覚えないはずもなく、その場にひざまづき相手の様子をうかがう。問いかけられた内容に一瞬理解が遅れるが、何より動揺したのはいつもゆるりと余裕な笑みを浮かべ、冷静な彼の瞳がぐらりと揺れ動いたこと。そして続いてやってきたのは信頼していた部下が裏切りの恐れがある、と言う事実。では自分が飲んだのは?そう考えると背筋を氷で撫でられたような感覚に陥るが、彼の表情が歪むのを見ると、これ以上彼の心労を増やしてはいけない、と努めて冷静に。しかし、あの部下…あの者が本当に裏切りをするのだろうか。そんな疑念を抱きながらも彼からの指令に少し納得のいかない、と言う顔をするのには理由がある。あの者達が逃げ出した時に狙われるのは彼だろう。未だに彼が囚われていた時の男達の彼を舐め回すかのような厭らしい視線を思い出しただけでもまた頭に血が上りそうになる。「…っ、」行かせてほしい、まだ自分には左手も足も残っているし、症状なら彼の方が重大だ。そう伝えようとしたものの、彼の瞳を間近で見ると、その真っ直ぐな黒い光に言葉がでてこず、ゆるりと眉を下げて俯き「……承知。」と掠れた声で。)
248:
榊 誠 [×]
2019-04-06 23:21:42
>>梔
(明らかに納得のいかない様子の彼、真面目で繊細…それでいて揺るぎない熱い闘志を秘めている彼にとって待機が如何に口惜しいことか。しかし之も彼の身の安全のため、「いい子だね。」と俯く相手の頭を優しく撫でて、ずるいと理解の上で柔らかい声色で念を押すように“いい子”と諭して。その後、彼を満を期して救護室へ送り届け、救急班の人間に彼の身の保障と無理をさせぬよう命じて自分は一件を片すため部屋を後にする。と、此処までは何とか平静を取り繕っていたが正直得体の知れない液体を飲んだ彼を思うと落ち着いてはいられない。彼の不安も一入のはず。すぐにでも裏切った部下か男達の元へ行き薬の正体を聞き出し解毒法を吐かせたいところだが、こんな時でも、愛しい彼の命が危険に晒されている今でさえも、組織の頭としての責任、判断をもって務めを果たそうとする自分がいて。気を入れ直し一息吐いた頃には顔色に疲労はなくなっていて、対応に当たっていた部隊と合流し状況確認を取る。今男達の見張りは裏切りを測った部下を含めて2人。他にも警戒態勢の部隊が控えている。男達が逃走を企てていると分かった今すぐにでも鎮圧すれば済む話なのだが、一つ気懸かりがあった。それは件の部下が裏切りをするに至った経緯。先代にも人が良すぎるとどやされていた男。自分への代替わりも快く受け入れ良く動いてくれた人間が理由なしに裏切るとは考え難い。となればその理由は──、と答えに行く着く寸前、ドンと牢屋の方から爆発音が響く。その場にいた部下達と共に急いでそちらへ向かうと硝煙の中から男達と共に件の部下が出てきて。なぜか周囲の部下達は手を出させずに居たがその理由はすぐに明らかになる。勝ち誇った笑みを浮かべる男達の逃走ルートを確保する件の部下の手には小さな装置が握られていて「そ、それ以上近づかないでください。これはアジトの火薬庫に仕掛けられた爆弾の発火装置です。ち、近づいたら爆破します。」と声を震わしており。火薬庫に爆弾、そんなものいつ仕掛ける暇があったのか、はったりかと思うも事実確認が取れぬ今、下手に動けない。男達は余裕が生まれたのか「あんたは無事みたいだが、可愛い僕ちゃんはどうしたよ?もうくたばっちまったか?」と挑発してきて、その挑発に乗るまいとするも相手のことを言われ無意識に腰の刀に手を置いていて。
一方救護室では相手の見張りも兼ねて救急班の人間が爆発音を気にかけつつ、相手の体調をしきりに心配しており「動いたらいけませんよ。今は何ともなくても何があるか分かりませんから。せめて薬の解析が終わるまで、貴方は此処にいてください。…お身体に変わりはありませんか?」と相手の腕を取り脈を計りながらしっかり牽制して。)
249:
梔 [×]
2019-04-08 05:37:01
>>榊
(「いい子」か。目の前の救急班の部下をぼんやりと眺めながら胸中で彼の言葉をなぞる。あぁ、そう言えば彼の前で悪い子になったこともあったかな、と上の空で思い出す。どうやら自分が飲んだのは遅効性の毒物に近いものらしい、そんな大切な思い出を振り返る途中でも、じわじわと横隔膜のあたりから痛みや麻痺感がせり上がってくるような感覚が出て来るが、致命的なものではない。しかし、厄介なのは致命的でないにしてもじわりじわりとした僅かながらも確かな症状が呼吸器以外にも、目眩、頭痛、吐き気等と複数みられること。風邪の初期程度の軽い感覚だが、飲んだだかの種類や解毒剤が分からない以上、自分にできるのは解毒が先か死が先かを待つだけ。一応救急班の部下には体調の変化を伝えた直後に聞こえた爆発音と部下からの牽制。情けない、右腕を名乗るからにはいつ何時でも、最後の瞬間まで彼をサポートするのが自分の役目だろう。あわよくば、あの男らしくも美しく伸びる手が刀を握り、縦横無尽に振るう様を見られたのならばそれが人生の最後の瞬間になるのならそれもいいだろう。そんなことを考えて、申し訳なく思うが咄嗟に部下をベッドに拘束し外へ飛び出そうとするも、部下の片手とベッドの柱を拘束したところでふらついて床に膝をついてしまい。
「なぁ、親愛なる元部下くんも言ってやりな?『武器を降ろしてくれないと爆発しちゃいますよ?』ってなぁ!」一方牢屋前では調子付いた男が件の部下の肩に手を回しニヤニヤと下品な笑みを強くする。その肩を抱かれた部下は罪悪感や恐怖、不安からカタカタと小さく震えているが、家族を思う気持ちと比例するかのようにぎゅ、とスイッチを握りしめている。騒然とする中、件の部下と特別仲が良かった部下の一人が「どうしてこんなことを!お前はそんなことする奴じゃないだろ!先代や娘さんが見たら悲しむぞ!」と集団から一歩前に出て声を上げると「…っ!煩い!煩いですよ!爆発されたくなかったら足のつかない車と、金、人質を用意してください!…早く!」と家族のことを出されたせいか、ひどく取り乱した様子でそう要求して。)
250:
榊 誠 [×]
2019-04-09 12:12:02
>>梔
(調子付く男に苛立ちを覚えながらも何とか平常心を保ち、可愛そうなくらい震えて怯える件の部下を見る。その様子は明らかにおかしく自発的に男達の味方につくならもっと堂々としていてもいいはず。そして件の部下と親しかった仲間の言葉に漸く先程辿り着きかけた可能性に行き着き。なぜもっと早く気付かなかったのかと己の愚鈍さを恨みつつ、頭の中では次の構想を練っており刀の柄からは手を離さずに件の部下を見て「人質?…馬鹿言わないでよ。俺は“ファミリー”を見捨てるような真似はしない。一人としてね。誰かを人質にするなら俺が“何とかする”よ。」とやや不自然な物言いながら慎重に言葉を選び場の緊張感に似合わない緩やかな笑みを浮かべ。普段自分は部下を“ファミリー”とは呼ばない。だいたいは“仲間”と形容する。件の部下に此方の意志が通じたかはさておき、言葉通り“何とか”するため男達からは死角、自分の背に手を回して指の動きである指示を出す。『人質となる家族の救出』と。背後の部下ではなく監視カメラにだ。不幸中の幸いか此処は牢屋前の廊下、監視カメラが設置されておりその向こうの監視室に今は人がいる。更には今日休暇を出した部下達が『久々にクライムの中心部に行く』と言っていた。運が良ければすぐにでも家族の身の安全を確保できるはずだ。とは言え危機的状況は変わらない。男は此方の言葉に違和感を覚えながらも手は出せないと思っているのか距離を詰めてきて「何とかするって状況分かってんのか?」と嘲笑を浮かべ。それに対し態と困ったように笑いながら、戸惑う件の部下の動向を窺いいつでも刀を抜けるようにして。
そして救護室、片手を捉えられた部下は崩れ落ちる相手に「梔さんっ!!」と叫び、小さく舌打ちすると空いてる手で通信機器を使い救援を呼びつける。救援に駆けつけてきた一人は仲間の拘束を解き、もうひとりは相手の状態を見て表情を歪めて「この状態で動いても薬の回りが早くなって悪化するだけです。ボスなら大丈夫です。…これ以上無理をするなら失礼ですが眠って頂きますよ。」と相手を支えてやりながら今知りえる戦況を話すと眠剤の入った注射器を出して相手の腕にあてがい)
251:
梔 [×]
2019-04-10 10:04:14
>>榊
(しん、と張った水面下のような状況では彼の言葉はよく響く。それ故に彼の言葉の違和感は件の部下だけならず、その場にいる部下達、挙句カメラの向こうの部下にまで波紋のように伝わってゆく。その小さいながらもおかしな波紋の下から現れた指示を見逃さなかったのは偏に彼の人望のなせる技だろう。そこからはトントン拍子にクライム中心街の部下まで指示が通る。クライム中心街に数人のグループで出かけていた部下は早速件の部下の家族が暮らすアパートの一室へ訪れると、出て来たのは顔を知らない男女で「部屋違いだ」と言う。しかし、部屋の奥からくぐもった悲鳴が聞こえると瞬時に部下達はこれが罠だと見抜き、その二人を制圧、部屋へと突入するとそこには御頭の予想通り件の部下の家族二人が囚われており、救出に成功した旨を監視カメラの前の部下に伝える。それと時を同じくして睨み合いにしびれを切らした男が「いつまで待たせてんだ?お前らが出来るのは要求を飲むことだけなんだよ。」とイライラしながら声を荒げ、それにビクリと部下が怯えたように反応する。
一方、救護室では腕にあてがわれた注射器の針の感覚に体の動作を止めて、「…分かった。すまないが手を貸してくれないか?」と支えてもらいながらも立ち上がり。悔しいが、部下達の言うことは最もであり、上手く体が言うことを聞かなくなってきた。息を整えようと一旦ベッドに腰掛けると、自責の念とこみ上げてくる悪寒を俯いてやり過ごそうと。)
252:
榊 誠 [×]
2019-04-11 01:59:16
>>梔
(痺れを切らした男が苛立ちを見せ時間稼ぎも限界かと思われたとき、外部から連絡を受けた部下が駆け付ける。男は「はっ、やっと準備が出来たか?」と鼻で笑うも部下が口にしたのは「…“何とか”なりましたよ。」と吉報。それを機に場の流れが一転。不安要素が無くなれば此方の陣地内で傷を負った男達など袋の鼠。あっという間にその身柄を拘束し何やら爆弾の事や人質のことで喚かれるが、件の部下も状況を察してか男達に従うことはなく大人しく爆破装置を仲間に渡して手錠を嵌められる。再び牢屋へ連れられる男達を横目に震えて萎縮する件の部下の元へ行き「…貴方の処分は追って伝えるから。悪いけど今は自由にはさせられないよ。」とやや声色は柔らかいながら瞳は冷たく、牢屋ではなく別室に監視付きで隔離しておくよう命じて。と、往生際の悪い男が牢屋に入る寸前に取り押さえられながら此方に顔を向け「おい、これで終わりだと思ってねぇよな?お前んとこの右腕、あの毒薬飲んだんだろ?お綺麗なのに可愛そうになぁ…そろそろあの世にコロッと逝っちまうんじゃねぇか?」とデタラメを言い下劣な笑みを浮かべる。男を捕える部下が「黙れ!」とナイフを男の喉元に突きつけるも男は笑うだけ。男の挑発、分かってはいるが彼を想うと荒れ狂う感情の波が抑えられず男との距離を詰めるとその襟首を掴み上げ「解毒薬は…?あるなら今すぐ在り処を言ったほうがいいよ?」と刀に手を掛ける。男は依然嘲笑を浮かべ「んなもんねぇよ。俺に構う暇があったら別れを惜しみに行ったほうがいいんじゃねぇか?」と。全ては男の憂晴らしによる虚言なのだがその真偽は確かめようがなく、それ故に解毒法を知り得る男を殺めることは出来ずに。ニヤつく男を冷たく見据えて掴んでいた襟首を突き放すと牢屋に入れるよう部下に命じ身を翻してその場を後にして。
そして真っ直ぐに向かった救護室、男達の前でこそ平静を取り繕ったが焦燥や相手を失うかもしれない恐怖で余裕なんて欠片もない。バタンとやや荒っぽく扉を開くとすぐに力なくベッドに腰掛ける相手に目が行く。薬品の片付けをしていた救護班に少しの間席を外すように言うと救護班が出ていき扉が閉まる前に相手の元へ行き僅かに眉を下げその頬に触れる。伝わる体温は低く、白い肌は青白い上に綺麗な瞳の下には隈が。呼吸も乱れており本当に今にも枯れゆきそうで。今自分がすべきは彼の不安を取り除き解毒法をいち早く探しだすこと。しかしそれすら気が回らなくなっており「…騒動は片付いたよ。君も大丈夫だから。」と言うも言葉だけで声は微かに震え、切羽詰まった表情を見られないように相手の頭に手を回すと自分の方へ引き寄せて。その時、ノックの後すぐ扉が開いて息を切らした薬の解析にあたっていた部下が入ってきて、身振り手振りで薬に致死性はないと伝えるも相手にばかり気がいく自分にそれを構う余裕はない。部下の必死の伝言も背を向けていたため気付かずに「…まだ入ってきて良いとは言ってないよ。」と相手の髪をそっと撫でながら低声で。)
(/背後が失礼します。毎度ダラダラ長くなって本当に申し訳ありません…。今回あまりに長くなってしまったのでご挨拶に参上しました。読み辛い上に見苦しい点も多々あるかと思います。分かりづらい点などありましたらご指摘いただけると幸いです。そして今更ですがここでは確定ロルは控えるようにとされていますが自分は大丈夫な人なのでもし展開を進めるに至って必要であれば惜しみなく使用してくださいませ。いつも駄文にお付き合い頂き感謝です。)
253:
梔 [×]
2019-04-12 16:09:36
>>榊
(少し霞んできた視界の中でも変わらず眩しく見える彼が、扉を開いて部屋の中に入って来たのを何処か他人事のように眺める。低くなってきた自分の体温は、彼の温もりがよく感じ取れて少しだけ得した気分になる、なんて冗談は怒られそうなので口には出さないでおこう。「流石榊さん、今回もお見事な手腕でした。」ふ、と少しばかり困ったように笑むと、彼の心遣いが嬉しくてついその背に手を回してしまいそうになる。彼の優しく凛とした声が引き絞られた弓の弦のように微かに震えるのも、理知の輝きを潜めた目元が焦燥を僅かに滲ませているのも、自分のせいかと思えばその嬉しさに私欲が混ざる。自惚れてしまう、自分のために彼が心乱れているのだと思えば尚更。そんな薄汚い感情が蠢く脳内を沈めたのは、再び開かれた扉と視界に入った部下の姿。何やら必至に説明しようとしてくれている部下をなんとか目を凝らしていると、すぐ側の彼の喉から直接腹に響くような声が聞こえたことに驚き、欲望と毒薬の症状で混乱する頭もすっ、と落ち着きを取り戻したようだ。かわいそうに、聞いた事のないような御頭の低い声にさっ、顔を青くした部下へ彼の背中越しに『大丈夫、分かったよ』というようなジェスチャーを送り、それを受け取った部下がおずおずと部屋を出ていくのを見届け、彼の背に今度こそ手を回す。ざり、と髪の間に指を通される感覚は擽ったく、少し身動ぎするが、それが彼の細く形のいい彼の指から生み出されているのだと分かると目元と頬を緩めるが、何時迄も彼に心労をかけるわけにもいかない。そっと彼の頬に手を添えて此方の方を向かせる。彼の瞳がいつもより焦りや不安を含んで水膜を張ったように見えるのは、自分の症状の進行のせいか、それとも慢心のせいか。それを振り払い「榊さん、御心配をかけてすみません…大丈夫です…。さっき、薬を…解析して、くれた部下が…致死性は…ない、と…。」と、途切れながらもゆっくりと部下から伝えられたことを言葉にする。体は症状が進行し、不調が増えてきたが、自分も多少毒には耐性があるので、少し休めば大したことはないだろうと命の危機が無くなったことにより余裕が出て、小さく笑みを浮かべる。少しでも彼に安心してもらいたいがため、彼の両手を取り、ゆっくりと撫でながら「本当に…すみません、榊さん…でも、まだ…自分は枯れません…。なのでどうか…また、いつもみたいに…笑ってください。」と彼の両目を見据えて話し。)
(/此方こそいつも亀更新な駄文にお付き合い頂きありがとうございます!榊さんの背後様の文は多様な文章表現や、素敵な言葉回しにいつも楽しませていただいております!長い文章だと楽しみに読み進めるうちにあっという間に文章を読み終えてしまいます。むしろ私の文こそ要領を得ず、何を伝えたいのかわからないまま長文になってしまい申し訳ないです…また、分かりづらい等ございましたら、お申し付けくださいませ!確定ロルについても了解しました!できるだけロルを回していけるよう努力しますね!)
254:
榊 誠 [×]
2019-04-13 19:55:42
>>梔
(余裕のない今の自分は部下を不要に怯えさせてしまったことも相手とのやり取りにも気付くことなく、力なく背に回される腕に胸を痛める。彼はきっと己を責めることはないがどうしても彼をこんなにも弱らせてしまったことに自責の念を感じてしまい。そんな時に彼から途切れ途切れに紡がれる言葉。苦しげな吐息を混じえながら告げられる声が耳から脳内へすとんと落ちて意味を理解してから反応を示すのに少し時間を要した。彼が助かる…、今も苦しむ彼を目の前に安心するのは不躾であるが胸につかえていた焦燥が消えてゆき、その代わりに浮上するのは情けなさと余裕のない自分を見られたほんの少しの気恥ずかしさ。彼の髪に手を添えたまま戸惑いに似た表情で相手を見返し「そうなの?……良かった。…さっきの子には悪いことしちゃったな。後で謝っておかないと。」とまだ完全に安心したわけではないものの自然と少し照れの混じった笑みが零れ、彼の望む表情が出来ただろうかと。「…情けないところを見せたね。こっちは大丈夫だから君は横になって休んで。それで今度は君が元気な笑顔見せてよ。」と彼の身体を支えてやりながらベッドに横たわらせると胸元の上辺りまで布団を掛ける。鍛えてるとはいえ線の細い彼の身体、幾分軽く感じては心身の負担を危惧する反面、保護欲のような慈しい気持ちが生まれ優しい眼差しを向けながら額に掛かる前髪を避けて整えて。「このまま眠っていいよ。…眠るまで傍にいてあげる。」なんて本当は自分が彼の傍を離れたくないだけ。つい先程まで彼を失う不安を抱いていただけにそのしこりがまだ残っているのもある。だがそれ以上にただ彼と時間を共有したいだけでもあり、眠りに誘うように頭を撫で続けて。)
(/いえいえ、自分も返信頻度まばらですし返して頂けるだけで幸せです!そして梔さん背後様のロルが駄文だなんてとんでもない。とても読みやすく多彩な表現力にはいつも感服させられおせじ抜きに飽きずにいくらでも読めてしまいます。読む分にはいくらでも読めてしまうので伸び伸びと回して頂けたら嬉しいです。ではまた背後はこの辺りで失礼しますね。こちらは蹴って頂いても大丈夫です!)
255:
梔 [×]
2019-04-14 22:32:14
>>榊
(彼の少し照れたような笑みは、まるで春の到来を告げる穏やかな風のように暖かな気持ちを運んでくれる。自分のためにその口元が緩められたのだと思うと、彼の特別な存在になれたのかと錯覚してしまう自分がいる。彼は表立っては飄々としているが、その裏では仲間な対する責任感、重圧等の数えきれないストレッサーがその双肩にかかっているのだろう、部下を気遣う些細な言葉や、普段の振る舞いとは違う彼の一面にそれを再認識する。「…やはり、貴方には笑顔が似合います…。」いつか、彼がそんな荷物を降ろせるように、心からの笑顔を見られるように、と密かに思いを馳せながらベッドに沈む。そんな中、彼の瞳が感情を通して多彩な色、輝きを見せる様を横たわりながら目にするとついまじまじと見惚れてしまう。その目を縁取る長い睫毛を、緩く曲線を描く形の良い瞼を、蛍光灯を反射させ様々な色を移す瞳を、それら全てを慈しみという感情で縛り表現するその表情を。自分の前髪を触れる彼の腕と平行するように自分の腕を彼の目元へ添わせ、その目尻の付近に指を触れると「…貴方の為なら、是が非でも。」と返答を。彼の言葉も、撫でる手も、何もかにもが暖かい。羊水の温度を知り得た事はないが、きっと似ているのだろうと重たくなってきた瞼の奥で思い付く。「…ありがとう、ございます…。」せめても、とそう言葉を紡いだつもりであったが、それは彼に届いただろうか。夢と現実の区切りがあやふやになり、上下の感覚も無くなってきた体では分からないが、きっとこの眠りはよく眠れるのだろうと直感したと同時に意識を手放した。
ぐっすりと睡眠をとったあと、少し軽くなった頭を抑えて視線だけで周りを見ると、どうやら日付を超えたお日様が窓から差し込んでいるらしい。そして自分が寝付くまで側に居てくれた彼はどこかと探す為ベッドを降りてから、自分の体内の毒物が大方薄まり、調子が戻ってきたことに気付く。それもとりあえずは報告せねば、と逸る気持ちを落ち着かせ、足に靴を引っ掛けたまま廊下へ出ようと。)
256:
榊 誠 [×]
2019-04-15 03:30:20
>>梔
(朝と昼の丁度間ほどの時間、相手が廊下に出ようとしたまさにその時、ノックもせずにバーンと効果音でも付きそうなほど勢いよく救護室の扉を開く一人の男が。男の名は“イチ”と言うが本名かは定かではない。榊と同じスラム出身で、榊と時を同じくこのマフィア入りをした。歳は25で相手と同い年であるが身長165㎝と低い上に童顔、礼儀も敬語も知らないがその人懐っこさ故に懐に飛び込むのが上手くその奔放さを誰も咎めずに先代さえも呆れさせ黙らせた。そんな彼は今は救護班の一員で、ベッドから立ち上がる相手を見るや否や「あー!」と大声を出し「ダメダメ、まだ寝てないと駄目だって!」と相手の胸あたりを押してベッドに押しやろうとし「あ、誠なら今問題起こした部下の家族のとこ行ってていないぜ。それより梔が起きるかもしんないからって誠が粥作っていったんだ。食欲あんなら食うか?」とニッと笑い馴れ馴れしく相手の額に触れて「熱は下がったみてえだな。」と。その粥と言うのも相手が目覚めたらじっとはしていなさそうだと榊が相手に少しでも休んで貰うよう考慮した上で用意したもの。そして男はと言うと組織に入った時から相手の容姿端麗もさることながらその華麗な敏腕に惚れ込んでいて相手と居れるこの時間に上機嫌になっており。相手をベッドに座るよう促しながら口は忙しなく動いていて「しっかし誠も梔寝込ませるようじゃまだまだだよな。…んで粥は食べるの?」と調子よく笑い首を傾けて。
その頃、榊は一人の部下を連れて件の部下の家族に謝罪と今後の成り行きについて説明する為クライム中心部へと訪れていて。用事はこの一件だけ、事が終わったら早々に相手の様子を見に行こうと。まだまだ問題は山積みだと言うのに気を抜くと相手のことばかり。昨日彼が寝てからも暫くその場から離れず静かに眠るその花を見詰め、確かに彼が其処に存在することを感じてその額に口付けを落としたのは己だけの秘め事。責務を漫ろにするつもりはないが彼を想う気持ちが歩調を速めていて。)
(/脇キャラさんが出しゃばっていますが特に設定は考えていないので自由に動かして頂いて大丈夫です!)
257:
梔 [×]
2019-04-16 02:38:53
>>榊
あー…イチか。(けたたましいドアの開く音に、誰がやったのか大体の見当がつくものの、小動物のように動く本人を見ると見つかったか…と想像していたにもかかわらず少し落胆する。彼は救護班の中でも指折りの実績に加え、人望も厚い。また、自分と同い年ということもあり、組の中でも気兼ねなくタメで話せる数少ない人間である。個人的には榊さんと同じ場所で育ち、同時期に組に加わった人材という事も気になる点ではあるが、イチという人物の中で一番気になるのは我らが頭を下の名前で呼び捨てしているという事だ。羨ましくないといえば嘘になる。否、正直とても羨ましい。「…!食う!」そんなことを思っていたからか、彼の名前が出たのを耳聡く聞き取り、やや食い気味に返答する。自分と違い、彼の作る料理はどこか懐かしく、優しい味がする彼の料理は人を思いやる彼そのもののよう。きっと彼がこれを作ったのも思いやってのことなのだろうと予測すれば、その相手は必然的に自分だと気付いて頬を緩ませる。その返事にやれやれ、と首を振った相手が「ほらよ、ゆっくり食えよな?」と少し温めたお粥をテーブルに置けばスプーンを手にしてどうしようかとイチを前に食事の為にマスクを外すか否かで少し迷い。
その頃、クライム中心街では共に行動をしていた部下が何かを察して相手に「榊さん、何か付いてきてます。」と告げ口をこそりと。街角から付いてきている相手はマフィアなどではなく、ただの一般人だがその人種は所謂ストーカーと言われるもの。時たま中心街に現れる彼の、目の覚めるような美貌と人柄に惹かれるも声をかける勇気なく、ダラダラと後をつけることが恒例となってしまった男である。その男は勿論一般人であるため、気配を消すことが上手くない上、戦闘経験も皆無であるが故に無理矢理彼を襲うことはないのだが、そんなことは通じるはずもなく、付いてきた部下が「…黙らせましょうか?」と不審に思った男への指示を伺い)
258:
榊 誠 [×]
2019-04-16 12:37:54
>>梔
おー、どうした?食わねえなら俺が食っちまうぜ?
(榊の作った粥に釣られる相手の姿は可愛いものだが正直、幼い頃から一緒にいる榊の良さはイチには分からない。あんなへなちょこ野郎より相手の方が魅力に溢れている。美しく気高い、深淵の森の中に咲く花。輝く木漏れ日を浴びながらも何処か影があり、その影は一層彼の魅惑的にさせる。まあそんな彼は自分の手の届かぬ場所にいるのだがとイチはひっそり落胆しながら、相手がなぜ粥をすぐ食べ始めないのか理解しうた上で前述をからかい混じりの笑みを浮かべて言う。本当は自分の前でも気兼ねなくその相貌を晒してほしい。そんな我情を抱きつつ好意を寄せる相手を困らせたくはなく「ジョーダンだよ。あっち向いて薬の準備しってからさっさと食え。」と吐き捨てるように言うとくるっと向きを変えて薬棚へ向かい相手が食後に飲む薬の準備をしがてら棚の片付けを始め。そして手先を動かしながらふと口を開き「そーいやあさ……、誠と何かあった?なんつうか、その…前より距離、近くね?」と少し前から感じていた二人の間の微妙な空気の変化を、さも今思いついたかのように滅茶苦茶気にしている癖に何でもないように問うて、振り返りたい衝動を押さえ意味もなく薬瓶を手の中で回し。
一方、街。部下の言葉に、あー、またかと内心で嘆息しながら「必要ないよ。」と一言告げそのまま足を進める。視線は気にはなるが殺意も敵意もなければ男は一般人。害がない以上此方から態々けしかけることもないだろう。それに今は部下も一緒、男二人で部下の家族の家に訪問しているところを見られても仕事と理解して可笑しな詮索はしないはずだ。そうして抜かり無く件の部下の家族との話を終えてアジトへの道を行く。そこでも視線を感じて暇人だなぁと呑気に思いながら歩いていると店先である物を見つけると少し迷ってそれを購入し包んで貰って。「…贈り物ですか?」と部下に聞かれて、んー、と考える素振りをし「…秘密。」と含み笑いを漏らして再び歩みを再会する。中心街を抜けたところで視線が無くなったのを確認しながらアジトへの道を急いで。)
259:
梔 [×]
2019-04-19 06:48:30
>>榊
(揶揄い混じりの笑みを浮かべるイチを見ると、そのコロリとした大きな目が細められる様はまるで子供のようで加護欲を誘うが、自分はそこへこの場にいない彼の穏やかな海のような笑顔を重ねて見てしまう。「迷惑かけてすまない…ありがとう。」此方側に背中が向くと安心してマスクを外し、一口目の粥を緩く咀嚼する途中にイチの口から飛び出た質問に危うく息を詰まらせる。自覚はしている、彼へ対して抱える感情は、今や一部下が上司に抱くものではなくなっているのだと。彼は、皆に優しさを振りまき、皆もまたリーダーとしての彼と、榊誠としての彼を認め、欲している。あの微笑みを、あの暖かい掌を皆渇望し、自分は皆が望むそれを独り占めしたいと願う。だからこそ、そんな質問が飛んでくると自覚している後ろめたさから動作を止めてしまい。しばらく動きを止めて静かに何かを思案していたものの「…いや、何もないさ。ただ…俺は彼に…誠さんに、もっと近付きたい。」と簡単に呼吸に混じる二酸化炭素のように嘘を吐いて。信頼しているイチに対して嘘をつく罪悪感から後半部分は本音を告げるがこんな気持ちを誰かに話せるはずもなく、そのあとは黙々とお粥を咀嚼する作業に移り。
一方、男は中心街をぬけた榊の背中を小さくなって見えなくなるまで眺める。自分は凡人故に彼のテリトリーで迂闊なことはできないし、そんな度胸もない。しかし、口元には確かにニタリと粘着質な笑みを浮かべていた。一マフィアの御頭という高嶺の彼は手に届かないが、有名故に、何処に咲いているかということは分かり易く…つまりは手の伸ばし方次第、等と自分勝手で低俗な思い上がりを男に持たせてしまう。
アジトに戻った榊を出迎えた部下達は皆思い思いに挨拶をして行く。「おはようございます!」、「お疲れ様です。」等の言葉の中「榊さん、お手紙が届いてます!」と新人と思わしき男が彼にそこそこな厚さにまとめられた封筒やハガキを手渡しする。「いつもは梔さんがこういった手紙のチェックとかするんすけど、今日はいないので。」勿論新人もその手紙の類をチェックしているものの、中身までは見ておらず、危険物がないものをセレクトしただけである。なので、まさかその手紙の中に相手のストーカーから盗撮写真が送られて来ているとはつゆ知らず。)
(/返信遅くなってしまい申し訳ありません!)
260:
榊 誠 [×]
2019-04-20 00:55:34
>>梔
(イチは背後から感じる相手の心の揺らぎを敏感に察知して静かに紡がれる言葉に手の中で弄んでいた薬瓶を軽く握る。“誠さん、か”と心の中で一息吐くと振り向くことなくニッと笑顔を作り「じゃあさ、俺が誠の好物とか秘蔵話、教えてやっから今度買い物付き合えよ。」と悪戯交じりの明るい声で調子良く言い、前を向いたまま食後に飲む錠剤を相手に向かって投げる。薬は綺麗に弧を描き相手の手元へ飛んでいき。
(男の所業など知るよしもなくアジトへ戻り部下達に笑顔で挨拶を返していき、渡された封筒を礼を述べて受け取り歩を進めながら一通一通差出先だけ確認していく。そして例の封筒に行き着いたところで手を止めて。それは知らない住所。勿論この住所は男が適当に書いたホクにある廃墟の住所でデタラメ。何となく不審感を抱いて廊下の隅に立ち止まって封筒を開封しては中身を確認し、出てきた写真の数々に瞠目して。写真はどれも見るからに隠し撮り、中心街の物が主だがヤマトにある自宅や酒場、ホクに出向いた時のものまであり中には梔と写っているものもあって。……なんだこれ。と普段は緩々の表情も険しくなり、すぐに他に手紙や文面がないか確認するも一切文字らしきものはなく。…単なるイタズラ?もしくは何らかの脅迫か。一体誰が…、と男には結び付かずに。気色は悪いが“組織絡み”とは思えず、その瞬間から写真への興味は薄れて写真を封筒へ戻すと他のハガキ等と一緒に上着のポケットへしまい。写真が全く気にならない訳ではないが今は相手の事の方が気になった。今朝は顔を見られなかったし体調が回復に向かっていれば今頃起きて粥を食べているころか。先程購入した小さめの紙袋を手に持ったまま相手の居る救護室の前まで来ると小さく息を整えてから軽くノックをし「…入るよ。」と声を掛けてから数秒待って扉を開いて。)
(/いえいえ、決まりはないですし背後様のペースで大丈夫ですよ!此方の返信が早くてもし急かしてしまっているようでしたらすみません汗)
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