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「 墨の残り香 」〆/282


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自分のトピックを作る
189: 棗 総一郎 [×]
2019-02-27 01:05:54


…はい、分かりました。
(搬入の時間を手帳に記しながら、忘れないようにと椅子の処分についての一言も書き記しておこう。相手が使っている椅子は自分が来た時から変わらない。いつから使っているのか定かではないが、筆や紙と変わらない、共に数々の名作を世に送り出した戦友とも言えるのだろう。捨ててしまうのが惜しい気もするのはまだ使える状態だけではなく同じものを使いたいという憧れもあるだろう。帰って、頂く事はできないか今一度尋ねてみようと思案。呉服屋に着き、店主に挨拶。店内に入ると、色とり豊かな景色に触れるとそれぞれ異なる質感を持つ布達。普段洋服ばかりの自分にとってはそれだけで物珍しく、思わず笑みも溢れたままに。煤竹色の着物が目に入ると手で示し、どうですかと笑って、)わぁ。呉服屋は何度来ても飽きませんね。色鮮やかで多種多様な生地を使った物…嗚呼、こちらなんて先生に似合いそうです。

190: 東雲 藤吉 [×]
2019-03-01 05:33:26




…ん、落ち着いていて良い色だ。この辺りの色も品があって良い。この梅紫の反物なんかも上質で良い色が出てる。
(相手と共に呉服屋に入ると、所狭しと並ぶ様々な色や質感の反物。見て回りつつ相手の示した煤竹色の物に手を伸ばして布地に触れてみる。色は落ち着きと品があって普段使いもしやすく申し分ない、触れた感じも軽くて手触りも良くこれからの時期には重宝するかもしれない。その側に並んでいた紫色の反物の中から少し暗めの色を示すと其れを手にして。暗い紫の色味は元から白い肌を一層はっきりと白く見せ、凛とした風格を漂わせるため、此方は普段着と言うよりも少し出掛ける時や取材の際などの外出用には良さそうだ。手にして見るのは相手の勧めてくれた落ち着いた色味を始めとして全体的にやや暗めの寒色系が多く、中でも紫は気に入った色味が多いようで。実際に持っている着物も暖かい色のものは殆ど無いため、やはりその辺りの色味が好みのようで。呉服屋の店主に幾つか反物を当てて貰うが、肩周りや背中が以前に比べると少し薄くなったのだろうか、以前仕立てた物よりは多少詰めても問題なさそうだ。相手にも着物を誂えたくて仕方がないようだが、着物を着て行く場など滅多にないだろう。再び反物を手にしながら相手に似合う色味も探し始め。)──お前さんも一着持っていると良いと思うけど…今時じゃあ滅多に使わないからね。…この辺りの緑色は綺麗だ、若いとこういう色も似合う。




191: 棗 総一郎 [×]
2019-03-03 23:34:53



どのお着物も、とてもお似合いですよ。
(1つ1つ異なる色合いの着物を上から合わせて行く。少しの色の違いでも印象はがらりと変わるが、共通しているのはどれも先生にはぴたりと合う代物なのは、凛としたお顔立ちと醸し出す威厳あってこそ。洋服も主流となっている現代で、未だに着物を着用している姿に相手の性格や拘りが分かりやすく現れている。微笑ましく、ふふと小さく笑みを。)─…ありがとうございます。そう、ですね。以前に来た際も先生は僕に着物を着せて下さいましたが、若い僕は何処か小っ恥ずかしく購入までには至りませんでした。今思うと、自分が長年追っかけていた方が着ている物と同じ物を着るのに対して、手を伸ばしてみたい憧れと、僕なんか、という躊躇いが混合していたのでしょう。…6年経ちましたもんね。…付添人の身でありながら、図々しいお願いなのは承知しております、可能であれば僕にも1着、仕立てて貰えないでしょうか…?(相手の言葉と差し出された着物を手に取り、前に合わせた物を鏡越しに見ると、数年前に見た自分の姿より何だか様になっているような気がした。数年前も、相手と同じ物を着てみたいという憧れもあったが、若いなりの意地や照れも今思えば確かにあったのだろう。若気の至りだと、苦笑いを1つ。容姿に大きな変化はないのに、様になっているような気がしたのは精神的な面での成長を少なからず感じることが出来たからであろうか、自意識過剰だと言われれば確かにそうとも取れる。自分自身に、少しだけ恥ずかしさを覚えるが、良い機会だ、仕立てて貰おうと、付添の身でありながら、店主と先生に改めてお願いを。)

192: 東雲 藤吉 [×]
2019-03-04 01:54:38




──其れは良い。私が何処に出しても恥ずかしくない良い着物を誂えてやるから安心しな。…御主人、悪いけれどお勧めの帯を十本程度持って来て貰えますか。若い人に似合いそうな物を。
(反物を幾つか手に取りながら相手の話を聞いていたものの、着物を仕立てて欲しいという言葉には分かりやすく反応を示して。もともと反物選びは好きな上、普段は釣れない態度乍ら、可愛がっている相手が初めて持つ一着を仕立てるとなれば気合いが入るのは当然の事。普段から喜怒哀楽を然程表に出さない彼にしては珍しく、愉しげな表情を浮かべつつ店主にそう依頼を。相手に似合いそうな色味の反物を手に、次々と其れを相手に引っ掛け吟味を始め。色とりどりの反物が畳の上に置かれ、鏡越しにじっと相手を見つめつつ候補を絞って行くその手際も良い。淡い色や黄味の強い色、暗さが目立つ色は余り相手のイメージには合わなかったのか早々に候補から外したようで、必然的に手元に残るのは赤青緑の三色を基調とした反物で。それでもまだ、その色の選択に合わせるようにして色の明暗が異なる反物を店員が次々と用意してくれるため一着に絞るには程遠い。相手に合わせてみると緑や青は洗練された雰囲気が出るし、赤は暖かみがありつつも凛とした雰囲気がありよく似合う。鏡越しに視線を合わせた相手は、確かに以前よりも大人びているし着せられている感じもしない。側に置くようになった6年前と比べても成長して、いっぱしの世話役として様にはなってきたと関心しつつ、其処でようやく相手に好みを尋ねて。)…確かに此の前よりもしゃんと背筋が伸びて、着物が様になるようになった。どれもお前さんには良く似合うと思うけど、色味の好みはあるかい。




193: 棗 総一郎 [×]
2019-03-07 13:27:30



…どのお着物も、捨てがたいです。(店主が持って来てくれた着物一式を相手の隣て同じように見遣る。いかんせん、和風をあまり着る事はないのでどれが自分にあうかなんて分からないし、ここに来て果たして似合う物はあるのだろうかと一抹の不安さえ。先生が選んだものを、軽く羽織り合わせて見ると、どれも格好は合い、鏡越しに真正面から見たり、はたまた顔を横に向けて見たりと浮かれた気持ちを無意識ながら出して。寒色系から暖色系まで一通り合わせた後に、好みを尋ねられ一考。お世話役として先生だけでなく色んな方をお家に迎え入れる事も多々ある。そんな時に、色んな方を暖かく迎え入れ、時に安心感を与えたい。凛としたクールな寒色系も、とても良かったが自分には暖かみのある色の方が合っているなと。選んだ理由は、少しこっぱずかしくて言うのには控えるが、暖色系のお着物を1つ、手で示して。)…どれも素敵はお着物でしたが、こちらが僕には合っているかな、と。先生は、客観的に見てどちらが良かったでしょうか…?

194: 東雲 藤吉 [×]
2019-03-08 00:56:33





私と違って、お前さんには温かみのある色がよく似合う。寒色も良いけど、お前さんの印象には私もこの色が一番良いと思うよ。
(相手が選んだ着物に、納得したように頷いて。自分の着物ならば選ばない色ではあるが、相手には温かみのある色が良く似合う。一番良いと思っていたものを相手が選択したことに満足そうにしつつ手に取ったのは臙脂色の反物。深みがあって、それでいて温かさと凛とした雰囲気を醸す色は相手の初めての着物に相応しいだろう。華美な柄や装飾のない無地の布地、今時の若者ならば透かし模様の一つでも入っていた方が良いのかもしれないが、相手には余計な装飾は要らないように思えた。相手に臙脂の反物を羽織らせつつ、持って来てもらった帯をまた鏡越しに合わせてみる。臙脂色の着物に対して少し落ち着いた色合いの、白鼠色に薄く波模様の入った角帯が一番ぴんと来たようで、帯に関しては相手の希望を聞くことなく即決。着物が無地な分、帯には多少模様が入っていた方が映えるだろう。店主に声を掛ければ、呼ばれた店主は手慣れた手つきで相手の肩幅や丈などを測り紙にメモしていき。自身も先程合わせた幾つかのうち気に入った様子だった二着を購入する事に決めたようで、流石は長く通い詰めているだけあって注文の遣り取りも互いに無駄がない。店主も早々に寸法を測り終えるとその言葉に頷いて、三つの反物を抱えて。)──御主人、この臙脂色の反物にします。帯は此れ、悪いけど寸法を測ってやって下さい。私も先に合わせた煤竹色のと梅紫のを頂くので今日は三着。いつものように、出来上がったら家まで届けて下さい、急がないので。





195: 棗 総一郎 [×]
2019-03-12 21:11:07



本当ですか、…ありがとうございます。
(自分の目利きと尊敬する相手の目利きが一致したようでほっと安堵感を感じると同時に単純ではあるが″似合っている″という言葉が嬉しく口元を緩め笑って。相手が店主へと諸々を伝えると、慣れた手つきで次々と体の寸法を図られる。いかんせんこういう場は初めてな物で、店主が測りやすいようにと腕を上げてみたり、顔を上げてみたりと着いていくのに精一杯。全てを測り終え、相手の元へと向かって。)先生は2着お選びになられたんですね、どちらも先生にはぴったりの色合いです。あ、それと時間も随分と押してしまいましたのでお会計はご一緒で後ほど包みをお渡し致します。急遽僕の着物までお選び頂き、ありがとうございます。(予定時刻よりわずか押しており、着物の値段をちらりと見やる。先生が通っている所でもあって、値段も相応しい。お給料は頂いているが、出費する事もないため払える額かは確認済み、包みに入れて後ほどお渡ししますと申し訳なさげ、頬をかいて。)

196: 東雲 藤吉 [×]
2019-03-13 17:11:40




──お代は結構。お前さんの初めての晴れ着だ、私が持つよ。この分は今まで通り働いてくれれば其れで良い…偶に良い菓子でも買ってきてくれたり、煙草に関して煩く言わなかったりすると、尚良いけどね。
(相手の言葉には軽く首を横に振ってそうひと言。相手の初めての晴れ着とも言える着物、長年側にいる相手に其れくらい仕立てて贈ってやるのは当然の事と、代金は不要だと告げて。これまでと同じように身の回りの世話をしてくれればそれ以上は求めない。此れからも側で働いてくれると言うのなら、着物の一着や二着安い物だ。しかし少し恩を売っておこうかと、揶揄い半分に笑みを浮かべて希望を幾つか。何はともあれ相手の着物に関して代金を受け取る気は無いようで、いくつか店主と言葉を交わせば見届ける気なのか相手に支払いを促して。この後に取っている料亭には、おそらく運転手が機転を聞かせて既に連絡をいれてくれている筈、急ぐ事はないと、反物を眺めつつ相手の支払いが終わるのを待っていて。)




197: 棗 総一郎 [×]
2019-03-20 09:14:22




お気持ちは有り難いのですが、このような高価な物を…
(相手の言葉に目を丸く、思わず即座に首を横に振ってしまう。着物となるとそれなりの額はする。自分から見たら高価な物、で。払える額はあるも、ぽんと出せる額ではないのだ。だからこそ決心を固めた物の、相手の申し出に込められた想いを考えるとあまりないがしろにするのも失礼なのか。それにそのような想いを持って自分に贈ってくださる気持ちが何より嬉しく、2つの狭間で葛藤しながらも急かされ相手の冗句に「た、煙草は目をそらせませんが、お菓子は…考えておきます。」なんて後者は自分の気持ちも少々、返しながらお会計をすませる。今に限って相手は見送るまで隣にいてくれている、終えた後店主に一言二言お礼を述べ、2人車へ戻ろうか。)…先生、本当に、良いのでしょうか…、?

198: 東雲 藤吉 [×]
2019-03-20 22:31:27



構いやしないよ、先ずは此の六年間の働きに対する労りだ。…何か買ってやった事もあまり無かったから。
(相手が支払いを終えたのを見て店主と挨拶を交わすとようやく車へと歩き出す。後ろから追いかけて来て些か申し訳なさそうに尋ねくる相手にそう答えながら車に乗り込み。6年間側に置く中で、相手に何か贈った事はなかったような気がする。当然日常の世話を請け負ってくれていることに感謝こそしているが、それを形にした事もなければ感謝の気持ちを面と向かって伝えた事もない。仕立てた一着の着物は、この6年間の感謝と此れからも側に置くことへの約束になり得るだろうか。当然恥ずかしくて面と向かってその思いを伝えることはせず、ぶっきらぼうにそう言葉を述べただけだったが。長年の付き合い、無愛想な言葉の中に隠されたその思いを知ってか知らずしてか、クスリと密かに笑みを零した運転手は、彼の贔屓にする料亭に向けて車を走らせて。)


(/お世話になっております。料亭で二人食事をしつつ珍しく酒が進み、普段より陽気になって絶対言わないような事もさらりと言ってしまうような酔っ払い先生の話に進めようかと思っているのですが、いかがでしょう?一旦趣を変えてお出掛け系とは別の話にしてみますか?)



199: 棗 総一郎 [×]
2019-03-26 01:34:50



何かを頂くなんて、それ相応の物を先生に貢献しているとは、まだまだ思えません。…なんて、いつまでも言っている訳にはいきませんね。先生のお世話役として、これからも精進致します。
(相手の言葉に6年の長さをいま一度感じながらも、それに見合った力は付いているだろうかと少しながら不安に。長くお側にいることは簡単ではない、今までも数々の壁はあった。しかしマイナスの表現を使えば、ただ居るだけでも月日は流れていくもので。つい、言葉に出してしまうが先生の性格上、お側に置いて下さるというのはそういう事で、自分が自分を否定しては先生の選択さえも否定する事になる。完璧な訳ではないし、これからも沢山の壁にぶち当たるだろうが、弱音は吐いていられないと力強く、気を引き締めた。ふと、窓の外に移る景色は呉服屋から自宅までの道のりとはやや違うもの。手帳を取り出し本日の予定を再確認するが呉服屋で終了予定、「…この後は、…すみません。…えっと、…」と言葉に詰まり意気込んだ矢先に頼りない疑問符を頭上に。運転手が気まぐれでドライブ、なんて事はあり得ない、先生の日程を先生に聞くという何とも間抜けな光景だが、後ろ振り返り訪ねて、)…先生、どこか予定を追加されました…?


(お世話になっております。最近返信速度が遅くなり申し訳ありません…。今日からぼちぼち以前のペースに戻していけるかと思います。いつもお待ち頂き有難う御座います。お話の件ですが、酔っ払い先生、とても素敵で良いと思います。料亭での一幕を終えた後、また別場面へと話を進めても良いのかな、…と。どうしでしょうか、?

200: 東雲 藤吉 [×]
2019-03-26 19:06:30




(その言葉を聴きながら、相手の打たれ強く前向きな性格が6年も逃げ出さずに側に居続けることのできる理由だろうと考えていて。おそらく他の人間であれば、これほど長くは自分の世話など続かない筈だ。こんな自分の側に好き好んで居ると言うのだから、相手はつくづく変わっていると思いつつ、窓の外へと視線を。普段はあまり此方の方まで足を延ばすことはなく、相手も自宅に戻っている訳ではないことに気がついた様子。しきりに手帳を確認し予定が間違っていない事を把握した上で此方を振り返り、一体どこへと向かうのかと此方を振り向き乍ら尋ねる相手に視線を向けるとしれっと答えて。相手が来てからは食事も全て用意してくれるため、わざわざ出掛ける必要もなくなった。店も其れを知っているため無理に声を掛けてくる事もなかったが、相手も連れて行こうと思い立った事が今回の外出にも繋がっていて。)
──雪灯りに久々に寄ろうと思ってね。最近顔を出していなかったから。…贔屓にしている料亭だ。お前さんも一日動き回っていて、腹が減ったろう。


(/とんでもありません、此方こそお忙しい中でもお返事を頂けて、嬉しく思っております。以前のペースに戻せつつあるということで、とても楽しみです。とはいえご無理だけはなさらず。いつもお付き合い頂きありがとうございます!そうですね、では料亭での一幕の後に別のストーリーに移りましょう。何が良いか、候補も考えておきますね。)



201: 棗 総一郎 [×]
2019-03-31 23:53:18




そういう事でしたか、…お気遣い、有難う御座います。
(返された言葉で目的地を知り、ほっと安堵。先生の行きつけのお店は一通り把握済みで、この道なりから馴染みのお店となると彼処だなとおおよその見当がつく。そういえば自分が此処に来てから具合で寝込んだ時や仕事上の会食以外は専ら家での食事だった。上記の状況も、早々多くはなく6年間のうちの回数など両手で十分事足りる程度。一日の外出で疲れているのは自分だけでなく先生もだろう、なのにこうして気がけてくださる事に心からの感謝を、言葉に礼として表して。)確か、割烹料理のお店でしたよね。食べに行くのは初めてなので、楽しみです。

( 此方こそ、先生とのお話は背後にとっても忙しい毎日の中の楽しみの1つですので今後とも末長くお相手願えれば幸いです。ペースも少しずつ戻していけるかと思いますので気長にお待ちください…。(orz)はい、此方もいくつか候補を考えておきます。


202: 東雲 藤吉 [×]
2019-04-05 04:25:43




嗚呼、良い店だよ。…質の良い日本酒も随分と揃っていてね、彼処に行くとつい酒も進んでしまう。
(相手の期待の声に返事を返しつつ、普段からあまり酒を飲まない彼にしては珍しい発言を。やがて車は少し喧騒から離れた上品な門構え店の前へと止まり、車を降りると相手と共に店の入口へと向かい。辺りは既に暗かったが、木々が揺れる音に混じり時々水が跳ねる音、明るい時間帯であれば座敷からは大きな池が見え錦鯉が悠々と泳ぐ姿を見ることができるはずだ。店の引き戸を開ければ店の内装も小説家が如何にも好みそうな風合いで、ちょうど側に居た女将が親しげな微笑みを浮かべて彼と二言三言言葉を交わし、二人分の上着を預かると奥の広い座敷へと通されて。池も僅かに見えるが庭の中では少し奥まった方に位置する部屋。女将も二人の関係は既に承知済み、座敷を整えながらかつての話を相手に伝え、彼にも同意を求め。)
…このお部屋は、先生に贔屓にして頂いているお座敷なんですよ。池が一番綺麗に見えるお座敷に昔は案内していたのだけれど、池は少し見えて水音が聞こえるくらいの場所で十分だって。それよりも先生はこの枝垂れ桜の木がお好きなんですよね。

(嬉しいお言葉です…!ではひとまず、こちらを進めていきましょう!また次の展開に映る時お声がけしますね。)



203: 棗 総一郎 [×]
2019-04-09 07:38:58



日本酒を飲まれるのですね、…今日は晩酌まで致しましょうか。
(車内での会話はお酒の事で。お互いに飲まないという訳ではないが家にいると、どうしても仕事に追われゆっくりと晩酌をする時間はそうそう取れない。たまにの休みにこうして1日買い物をして、馴染みの店でゆっくりご飯が食べれるのであれば絶好の晩酌の機会で、先生が楽しそうで何よりだと笑みをこぼす。店に着き、店主や女将と一言二言会話を交わす。中に入ると綺麗な店内に聞こえてくる川の音が良い背景の音楽となり、先生に似つかわしい上品で、どこかおごそかな雰囲気さえ感じる。先生はともかく、もう少ししゃんとした身なりにすべきだったか、と内心己の服装を案じながら、女将の言葉に耳を傾ける。目の前にある池より、音を聞いて想像して少しだけ答え合わせが出来る、そんな空間が良いという考えは先生らしく思わずふふ、と笑ってしまう。自分がもし部屋を選ぶとするならば、きっとおススメされるがままばん、と池や桜の主張のあるお部屋を選ぶであろう。それに反して、少しばかり見える池や桜が映える部屋は一段と上品に感じて、)…とても綺麗な桜ですね。先生らしいお言葉です。

204: 東雲 藤吉 [×]
2019-04-10 21:23:58




…締め切りもそう近くはないし、今日くらいは良いかね。お前さんも飲むだろう、…猪口を二つ貰おうか。
(近い締め切りを思い返してみたものの、此の先数週間以内には入っていない。相手の言葉にも促されるように、そう言うと女将にも猪口を二つ持って来て貰うよう頼み。好みまで良く知られているこの店だからこそ、酒の銘柄に関しても特に注文はない様子、座布団に腰を下ろすと久し振りの雰囲気に少し気分もほぐれるようで。相手の声に再び外の景色に視線を向ける、枝垂桜はまだ四分咲き程度だろうか、それもまた趣があって好ましい。今日一日ばかりは、取材や締め切り、執筆中の小説の内容を束の間忘れて相手と二人で過ごす休日を満喫するのも悪くないと、その控えめに咲く桜を眺めつつ。相手と向かい合うように座り、やがて酒と食事が運ばれてきて。)




205: 棗 総一郎 [×]
2019-04-15 23:34:11



お気遣いありがとう御座います。…つい先週までは、忙しい毎日でしたが、一区切り付いた所で、こうして先生と2人ゆっくりとした時間を過ごせる事を、とても嬉しく思います。
(相手はいくつも作品を抱えてる為締切日が近々に重なる事もしばしば。先週までは部屋にこもりきりで、2人でゆっくり会話を交わす時間もそうそう取れない。何より大変なのは先生の方で、自分が出来る事としたら快適な環境を提供する事に徹するのみ。修羅場を乗り越え、ゆっくりと2人で言葉をかわすのも久しく、ましてや一日外出などいつぶりであろうか。ついつい、頬が綻んだ。お酒が運ばれると、女将が2人ともにお酌をしてくれた。和食が運び込まれ、当然ながら毎日食卓に並ぶ光景とは似ても似つかぬ豪勢なお食事、目に入れるとより一層空腹を感じて。)…これは筍の炊き込みご飯しょうか、春が旬ですもんね、とても美味しそうだ。

206: 東雲 藤吉 [×]
2019-04-16 11:12:23




…ん、漸くひとつ肩の荷が降りた。話を書くのは好きだから良いけれど、幾つも重なると流石に骨が折れる。──締め切り近くはお前さんにもきつく当たってしまうからね…たまには息抜きをさせないと、逃げ出されたんじゃあ私が困る。
(部屋に篭ったまま自分の小説とだけ向き合い続ける時間は、夢中になっていたとしても疲労が溜まるもの。締め切りが近づけば近づくほど相手にも自分のピリついた空気は伝わる筈で、些細な事でも語気を強めたり苛立ちをぶつけたりすることもある。そんな状態にあっても自分を献身的に支え続けてくれる相手の存在は言わずもがな無くてはならないものになっていて。彼なりの労りと感謝の意味もあるのだろうか、逃げ出されないようにと敢えて冗談めいた表現をしつつ少し笑って。猪口に口を付けると、久し振りの香りと喉元がほんのりと温かくなる感覚、日頃飲まないだけにひと仕事を終えた実感が一層湧いてきて深く息を吐き出した。普段は相手の作る食事があればそれだけで十分だが、二人だけのちょっとした打ち上げだと思えばたまの豪勢な食事も良いものだ。旬の味覚がふんだんに使われていて、蕗の薹の天ぷらに箸を伸ばすと塩を付けて口へと運び。)
…蕗の薹も、今が一番良い時期だね。塩を少し付けて食べるのが一番良い、香りも楽しめる。



207: 棗 総一郎 [×]
2019-04-22 23:13:10



何を仰りますか、締切前の僕の慌てようなんて先生が1番知っているでしょう。学も歴もない僕を受け入れて下さったのは紛れも無い先生です。逃げも隠れもしませんし、もし、先生が僕を手放したいと思った時には、また戸を叩かれる生活に戻る事を承知の上でお考え下さいね。
(締切日近くになると先生は部屋に篭り、食生活睡眠時間などの生活の乱れも生じ、煙草の本数も増えていく。目に見えて分かる変化は、何も相手だけでなく、自分もそう。根底には支えたいという強い想いから、乱れを正そうと口うるささには磨きがかかるし、お食事の用意だって気合いを人一倍掛けると大幅に時間を要してしまう事もある。世話役が板について着たとは言え、専門の勉強をしていたわけでもなく、未だに失敗をする事だってある。昔から変わらない空回り癖を思い出し苦笑い。相手の冗句に、此方も冗句混じりに上記を返すが、自分ならやりかねないなと内心。お酌されたお猪口を一口、久しい酒が喉を通った後はほのかに熱く、染み渡る。山菜の天ぷらは、どれも食卓に並ぶ物ではなく、1つ1つ、噛み締め、美味しさに頬を緩ませた、)お家の食事で蕗の薹を提供する事もなかなかありませんしね。たまに食べるからこそ、より一層美味しく感じるのでしょう。…あ、こっちは…蕨ですね。どれも、とても美味しいです。

208: 東雲 藤吉 [×]
2019-04-27 02:52:10




またあの頃みたいに毎日戸を叩いて騒がしくされるのは勘弁だ。何一つ仕事が進みやしない。
(また六年前のように世話役にしてくれと騒ぎ立てられるのは勘弁して欲しいと、相手の言葉に嫌だと肩を竦めて見せつつ。自分の決して健康的とはいえない締め切り前の生活にも対応してくれる相手の存在は大きなもので、その献身的な支えがなければ身体を壊してしまいかねない。普段から、特に締め切りが迫って来る時期は人を寄せ付け難い雰囲気を纏っていることは自負しているため、そんな自分にも臆する事なく接して来る相手は寧ろ有り難い存在。きちんと訓練された世話役だとすれば、気を遣って書き物に専念させてくれるかもしれないが、その代償に不摂生な生活を続ける事にも繋がるだろう。自分にとっては、何かと文句を言いつつも相手の存在が一番居心地のいいものになっていて。普段より豪勢な食事、相手も気に入ってくれたようで、欲しかった物もいろいろ新調できた今日は機嫌が良かった。それも手伝って食事と酒とが進み、店に来てから小一時間が経つ頃には相手のちょっとした言葉にも柔らかい表情を見せるようになっていた。どうやら見掛けによらず酒が入ると笑い上戸になるようで、酒が進むに連れて機嫌の良さが顕著に分かるようになってくる。人前で酔う事は滅多になく、ここまで饒舌で楽しそうな様子はそう見られないはずで。ほとんど顔色は変わらないが、よくよく見ればその白い肌に僅かに朱が差しているだろうか。相手が美味しいと言っていた蕨の天ぷらと魚の西京焼きをおもむろに相手の皿に移しながら。)
──ほら、私の分もお食べ。毎日よく働いているから、…お前さんが居るから、落ち着いて話が書ける。



209: 棗 総一郎 [×]
2019-05-02 22:52:41




…─え、そんな、申し訳ないです。僕は自分の分が御座いますし、先生も1日外出して疲れたでしょう、…まだまだ、倒れられては困ります。これからも、側で支えていきたいので。
(若気の至りである行動も今となっては勇敢な決断だったのではと思うほど。しかしながら、相手の生活に支障をきたしていたのであれば、申し訳なく、今後おかずを一品増やそうか、なんて酒を嗜んだか思考回路も緩く。箸で、自分の皿に品々を乗せる先生、こんもりと盛られた皿に反して相手の皿は上品に1つ、2つちょこん、と盛られただけ。食べ盛りなどは等に超えているし、そろそろ胃の容量も折り返し落ちる時期であろうもまだ衰える事はない己の胃袋は否定できない。それに、20半ばとなっても相手から見ればまだまだ子供なのだろう、やや照れ臭さを感じながらも胸に秘め、お気持ちは嬉しいが、と若干の遠慮を少々。共に、素直な気持ちを相手に釣られぽろり吐露。)

210: 東雲 藤吉 [×]
2019-05-03 02:25:03




──そうかい、此れからも側に居てくれるなら私も安心だ。きちんと看取って貰わないといけないね…とはいえ、お前さんもまだまだ働き盛りの若者なんだから、栄養はしっかり取った方が良い。ほら、此れも。
(相手と二人で気が緩んだ事もあるだろう、元々酒には然程強くないのか猪口を煽る度にその頬の赤みが少しずつ増していくようで、相手の素直な言葉にも柔らかく目を細めて。普段であれば表情も変えず不器用な彼らしく、好きにすれば良いと、其のひと言で済ませていたのであろうが、今は酔いが手伝って言葉さえも優しく率直なもの。しかし相手の遠慮の言葉は聞いていたのかいないのか、一切無視して追加で卵焼きを相手の皿へと。本人は茶碗蒸しの蓋を開け、飾り切りの施された人参を見て嬉しそうな表情を浮かべ唐突に別の話を始める。6年暮らした相手でも、この小説家が野菜の切り方ひとつで喜んでいたことなど初耳だろう。何が可笑しいのか、くすくすと楽しげな様子は既に完全に酔っ払いの其れで、普段纏っている鋭さを孕んだ空気は一切感じられなくなっていて。)
……こうやって花型や紅葉型に切られた人参が昔から好きでね、風情があって良い。入っていると其れだけで得をしたような気分になる。


(/ 今年も、というのも少しおかしいですが節目を迎えたので、これからもどうぞよろしくお願い致します!)



211: 棗 総一郎 [×]
2019-05-06 23:14:48



はは、そうですね。ここまで来たからには、責任を持って最後まで見送ります。なんて、柄でもない冗談はさておき…僕のお皿はと言うと、情景には相応しくないわんぱく具合で。
(年齢を考えては、どうしても相手を看取る形になるだろう。自然の摂理には抗えない事は分かっていながらも、やはり想像だけでも心寂しく、冗談として丸め込んでしまい。入れ替わり運ばれて来る料理は情景に見合った彩りにお上品な量を盛り付け。しかしそれが倍の量で、取り皿にどんどん重ねられるのを目前、当の本人は変わらず品の良い量をこれまた品良く召し上がっている。思わずくすくすと笑みをこぼしながら、箸をつけ始めよう。酒も進み普段より口数の多い相手の姿にこちらも釣られて、ふと思いつくは我が家の食卓では未だに馴染みのない物と流行りを提案。)ちょっとした一手間で料理が一気に華やかになりますよね。先生、知っていますか。洋食で使われるウインナーをタコの形に切った物があるみたいで、和食が主な我が家にも現代の風を取り入れてはみませんか。

212: 棗 総一郎 [×]
2019-05-07 08:35:08


( 此方こそ、これからも末永く棗共々宜しくお願い致します!* この機会に、次の場面について何かご希望ございますか?

213: 東雲 藤吉 [×]
2019-05-07 21:25:55




…嗚呼、少し前に洋食屋で見たことがある。良いじゃあないか、今度出しておくれよ。味は分からないけれど、一度くらい食べてみたい。
(新しいものを試すことに普段はあまりいい顔をしない彼だったが、以前見かけた事があるらしい。思考を凝らした可愛らしい見た目に気にはなっていたのか、二つ返事で食卓に取り入れることを受け入れて。相手と二人で食事をするのは常だが、今日のように酒が入り場所が外となれば普段とはまた違った食事になる。饒舌に、時に愉しそうに笑いながら箸を進めるうちに少しばかり瞼が重くなって来た様子。女将が厚意で用意してくれた甘味をつつきながら緩んだ視線が相手の向けられていて、唐突に尋ねて。)
──お前さん、好い人は居ないのかい。


(/ 今回がほのぼのな感じだったので、また少しシリアスめでも良いかなと思っております。ただ喧嘩も体調不良も一度やっているので、また少し違ったきっかけで上の2つをもう一度リメイクするとか、怪我?がきっかけで文章が書けなくなってしまう、とかどうでしょうか。書けなくなって執筆から遠退いてしまっていたけれど、棗君が腕になることで引き上げてくれる、とか。何かご希望はありますか?)



214: 東雲 藤吉 [×]
2019-05-08 08:03:04



(/ そういえば今の展開の前にご相談した、お見合い問題と世話役ライバル的存在もまだやっていませんでしたね!その辺りでも、もちろん他のでも良いと思います。)



215: 棗 総一郎 [×]
2019-05-14 23:22:32


和食となるとあっさりと薄味の物が多いですが、ウインナーはそのものに味がしっかり付いておりますので、まずは少量、試食会を致しましょうか。
(普段、こうして2人でゆっくりする時間もそうそう取れず、また酒も相まって言葉が途切れないすがたが何とも可愛らしく、柔く笑みを。手料理が板について来たとはいえ、決まったものが多く、流行り物には疎い方だがここで新しい風を取り入れても良いのかもしれない。今後はたまに洋食も作ってみようかと思案しつ、甘味を頬張る。不意に尋ねられた質問に思わず噎せそうになるのを抑え、少しの間、のちに答える。いつもなら口が裂けても聞けないし、話題にも上がらない事柄に乗じ、また尋ねてみて。)─そうですね、恥じるべきか否か、何のご縁もありません。…先生は、いらっしゃるのですか?


___

シリアス類良いです!書けなくなった代わりに代筆するお話めちゃくちゃいいですね…信頼しあってる関係だからこそ出来る事で、お2人の関係性が如実に現れた物語になりそうです。以前お話したネタを採用するとなれば、上記の流れのままでお見合いネタ、でしたらスムーズに進むかと思いますが、どうでしょうか…?

216: 東雲 藤吉 [×]
2019-05-15 14:03:18




お前さんのように器量が良くて優しければ女にはそう困らなそうだけど…まあ此処に入り浸っていたんじゃあ、きっと此の先も女には見向きもされないよ。
(何の縁もない、という相手の返答には首を傾げつつ猪口に入った酒を喉の奥へと流し込み。頬杖を付いたまま相手を見上げて、そんなに女に困るようには見えないけれどと付け足し乍も理由は明白。次いで相手に自身の事を尋ねられると呆れたように溜息を。この歳になってまで恋にうつつを抜かしている訳がないだろうと反論し乍らも一瞬は過去に想いを馳せた様子。若かった頃にはそういう事もあったと思い出した女性の影を、また酒を煽る事で掻き消して。普段飲まない割に今日は酒が進んだせいか頬杖を付いたまま、やがて目を伏せてしまい。)
──お前さんね、私が今更色だの恋だの言っていたら可笑しいだろう。…昔の話だ、




超個人的に、着物の下で怪我をした腕を釣ってるのめちゃ良いなと思いました…片手で煙草を吸うのとかも個人的に好きです…なにはともあれ、上記はこのまま寝落ちで帰宅→数日後に飛ばしてお見合いのネタで進めましょう!その次に怪我話でいかがでしょう?
4ヶ月近くお出かけ話だったので、久しぶりの転換ですね!新鮮で楽しみですー!




217: 東雲 藤吉 [×]
2019-05-24 14:11:23



1週間ちょっと経過したので、一度上げさせて頂きます。
体調など崩されていなければ良いのですが…



218: 棗 総一郎 [×]
2019-05-27 23:32:32



はは、女の人に困った事がないのは、何も恵まれてるとは限りませんよ。火のないところに煙は立たず、…なんて、この話はやめましょう。
(年相応の恋愛経験かあったかと問われればつい目を逸らしてしまうくらいにはお察しの模様。先生ともなれば、恋愛小説のような大恋愛を経験されているのでは、なんて勝手な妄想を頭の隅に、ついつい煽ってしまうお酒は2人の酔いを駆り立てる。ご飯もシメを迎え、時計を見ると時間はかなり回ってる。こうも長く外出した日は過去にあっただろうか、首を傾け尋ねて、)さて、そろそろ夜も更けて来ましたが、ご帰宅の時間はいかがなさいましょう?

___

盛大に遅れて申し訳ありませんorz
背後社畜故にバタバタしておりましたが、体調の方は万全ですのでご安心下さいorz いつも首を長く待って頂きありがとうございます…泣!

219: 東雲 藤吉 [×]
2019-05-29 21:41:25




──…良い時間だ、車を呼んでくれるかい、
(二人の手が止まりつつある頃に相手から帰宅の伺いを立てられると、眠たそうな視線を時計へと向け。思った以上に時間は経っていたようで車を呼ぶよう相手に告げると女将に勘定を頼み、欠伸をひとつ。帰り支度を終え車が到着した頃には座ったまま浅い眠りに落ちかけていて、一度眠ってしまうとなかなか動かすのが大変な小説家を彼が必死に車に乗せようと奮闘していたのはまた別の話。そうして二人の休日は幕を閉じ。──そんな日から数日、外出をした日に購入した椅子も届き、いつものように自室で書き物に没頭していて。)


お変わりないようで安心しました、毎日本当にお疲れ様です…!ご無理のないようご自愛下さいね。
上記、休日ネタをやや無理やり終わらせてしまいました、申し訳ありません。次のお見合い話に繋げられるようにロルを続けてみましたが、やりにくいようであれば変えて頂いて構いませんので!




220: 棗 総一郎 [×]
2019-06-05 22:39:46



─母さんの言いたい事は分かるよ。だけど、いくらなんでも急過ぎるよ。
(いつも通りの朝、いつも通りの食事に、いつも通りの日課を淡々とこなす日々にふと黒電話の音が屋敷内に鳴り響く。駆け足で取ると、聞き慣れた声で『総一郎?』と呼ぶ声。その正体は実の母親であり、電話番号は教えておいたが日々の仕事に追われゆっくり電話をすることもなかったなとふと思う。急な電話に訃報かと一瞬思ったが明るい声色からそうではないのだろうと察する。体調はどうなのか、先生に迷惑はかけていないか、と以前と変わりない他愛ない話を数分、『あんた恋人は出来たの?』とこれまた変わりない言葉。数年前より度々聞かれるこの質問には、決まって「今は仕事に集中したいんだ。」と遠回しに、かつ完結に答える。何時もなら、そうかい、なんて端的に終わる話題もこの日ばかりは違った、『あんたに会わせたい人がいてね、一度でいいから場を設けてみない?先方には話は付けてあるんだけど…来週の土曜なんてどうかしら?』と一言。一瞬、思考が追いつかなくなるも、上記をいそいそと話す。気持ちは重々伝わる、断ろうと試みるが話はつけてある手前、一度は考えてみて、との圧に負け、言いくるめられ電話を切る。途端、思わず大きなため息を零す、)はぁ……ったく。


とても繋げやすいロル、ありがとうございます!
お見合いネタとして母からの提案に繋げさせてもらいました、当方のロルについても分かりにくい繋げにくいありましたらお申し出下さい!



221: 東雲 藤吉 [×]
2019-06-10 00:27:24




──親御さんからかい。
(電話の音が遠くで響き、直ぐにやむ。相手が留守にしている時以外は電話を取ることもない、直接話が必要な編集者からの電話であれば相手が呼びに来る筈で、今日はその気配はなく己の作業に没頭して。手を伸ばした湯呑みを口元まで持って行って、既に中身が無くなっていた事に気がつく。相手を呼ぼうと声をあげようとしたが、先程の電話の対応中だろうと思い出し、筆を置くと湯呑みを片手に腰を上げて。書斎から台所へ行くまでの間にある縁側に面した廊下、明るい日差しと涼しい風が心地良い。そろそろ風鈴でも出そうかと考えつつ居間に向かうと、ちょうど電話をしている彼の声が聞こえた。薬缶を火にかけつつ、耳に入ってくる会話はどうやら母親からのもののようで。珍しく戸惑った様子の声、湯が沸くのを待ちながら自然と意識は相手の話し声へと向けられていて。世話役とは言え、大切な息子がいつまでも住み込みで働いて居たら親として心配しない訳がない。ふと思えば相手が此処にやってきてから6年、年齢的にもそろそろ結婚を考えるべき歳だろう。明確な言葉はなかったが想像するに電話の内容は見合い話だろうと見当が付いたのは、流石想像力が仕事に直結している小説家だからこそとでも言うべきだろうか。相手が電話を切り小さな呟きを零したのはちょうど湯が沸いた頃。急須に湯を注ぎながら、おそらく自分がいる事に気付いていないであろう相手に声を掛けて。)


(/いえいえ、大丈夫ですよ。ありがとうございます。相手と話して見合いに行く事を勧め、見合いの日程が決まった頃に後任の世話役の募集を編集者に頼もうとしている事を編集者伝てに聞いてしまって…というような流れはどうでしょう?不器用な小説家らしく相手を幸せにしようと思う余り、というような。喧嘩を経て、見合いに行ったにせよ結局元通りになれればいいかなと!)



222: 棗 総一郎 [×]
2019-06-12 22:38:44



─あ、先生。いらしたんですね。最近、電話も怠っていたので少しばかりご立腹でした。
(背後から聞こえて来た声に僅かにぴくりと反応して、振り返る。すでに電話は切った後、部屋は筒抜けだった事を示され僅か恥ずかしい気持ちを胸に。話の内容が内容に、何か間違いを犯した訳でもないのに、不思議な後ろめたさもあって早々に電話の話は切り上げる。それに今は業務中で、先生が片手に持つ急須からあがる煙はついさっき沸かしたばかりものだとすぐに分かった。本来、自分がすべき事をやらさてしまった、それに新しい仕事が始まったばかりの現在、「仕事中に私用の電話をしてしまい申し訳ありませんでした、先生は今休憩中ですか?新章を執筆されたばかりの今はとても大事な時期ですもんね。僕も気合を入れ直して、良いスタートダッシュが切れるよう支えます。」と謝罪を挟みつ、気を引き締めていこうと両手で頬を軽くぺちり、と叩き。)


( とてもいい流れですね!お互いがお互いを想うあまりの苦悩と葛藤が見え隠れした物語…今から紡ぐのがとても楽しみです。ふと、こちらは蛇足ですがここのトピックが出来たばかりの時にもお話した2人の間の人間愛が、話の物語の表現や流れによっては恋愛の方に捉えることもできるなと思いました。人間愛での方向性であれば表現に気をつけつつ、当初お話してた物語によってはそちらに向けても良いのであればこのままとりあえずは流れに任せて…となりますが、現在の意向はありますか?

223: 東雲 藤吉 [×]
2019-06-13 14:17:44




来週辺り休みをあげるから、近々実家に顔を見せて来ると良い。お前さんがいつまでも此処に入り浸って独り身でいたんじゃあ、親御さんも心配するだろう。
(相手が電話の話を早々に切り上げたがっているのはその様子から分かったが、湯飲みに茶を注ぎ乍そう言って。敢えて相手が避けたがっていた見合いの話を暗に持ち出し、休みをあげるとまで言ったのは、何故かほんの少し心に引っかかる物があったからだろうか。相手の言う通り今は新作の執筆に取り掛かった所、相手の言葉には同意を示すように軽く頷きつつ、早々に湯呑みを手に書斎へと戻っていき。相手が所謂結婚適齢期と呼ばれる時期に差しかかろうとしているのは分かっていた、いつまでもこうして二人で暮らして行く訳には行かないのだということも、頭の何処かでは少し前から分かっていたのだ。然程執筆に行き詰まっている訳では無かったが、煙草を取り出すと火を点けて煙を吸い込み宙に吐き出す。何故かはわからないが、少しもやもやしたものを胸に感じていた。)


(/ですね、ではその流れで進めて行きましょう!私も、恋愛感情の方に傾いて行っても良いと思っています。まだ本人は気付いていませんが今の先生の気持ちは嫉妬にも似たものですし、少しずつ人間愛が独占欲に、独占欲が恋愛感情に、という流れでも良いのかなあと!)




224: 棗 総一郎 [×]
2019-06-13 17:10:19




お気遣いありがとうございます。そう言って頂けるとのは嬉しいのですが、……先程も申した通り今は休む時期では…。
(相手の言葉に目を丸く、全て筒抜けだったのか、はたまた想像力が故の言葉なのかは検討付かずだが隠し事は出来ないのは確か。新しいお仕事が始まると、いつもに増して執筆時間は増える。そんな大変な時期に家事も全て放っては、出て行くのは心底心苦しいし、何より結婚自体に関心はなく、乗り気ではないのが正直な気持ち。反して、世間一般では、適齢期と呼ばれる時期。周りが気にかかるのも無理はない、少々口ごもりつ、次に顔を上げた時には先生は部屋に行ってしまっていた。溜息を1つ、お見合いを促されたような気持ちは母からとはまた異なり、何だか変な寂しさを胸に、再び家事に取り掛かる。)




(分かりました!ではその流れを意識しつつも、また物語の方向性によってその場の流れで色々と変えていきましょう。先生の気持ちの移り変わりとても良いですね!棗君の気持ちとしても似てはしまいますが、人間愛として持っていた大好きという感情がこれを機に恋心なのではと考え始め…という流れに致します。また恋人関係に発展する場面は追い追い考えていきましょう!

225: 東雲 藤吉 [×]
2019-06-13 19:44:42




(机に向かい自分で淹れた茶を啜りつつ原稿に視線を落とし筆を滑らせていたものの、ふとした瞬間に先程の事が頭を過る。書き物に集中できないようではだめだと、自分自身に呆れたように溜息を零しつつ筆を置き。相手の見合いを巡り一連の騒動に発展したのは、この日がきっかけで。週末が近づくに連れて、自分でも理解しきれない感情を抱えたまま煙草の本数だけが増えて行く。相手に対する態度は普段と変わらないもの、特段機嫌が悪く荒んでいる、というような様子ではなく、執筆が行き詰まっているという訳でも無かったが、ふとした時に見合い話を思い出す度に、自然と煙草に手が伸びていた。)


(棗くんの変化も素敵ですね!もとから好意を隠さないタイプなだけに、その人間愛が恋愛感情だと気付いた時の棗くんもとても楽しみです!そうですね、関係がはっきりする過程は追い追い考えるとして、謎の感情に翻弄されて困惑する先生を置いておきますー!笑)


226: 棗 総一郎 [×]
2019-06-15 10:12:59


─…
(母から電話があったあの日から2週間が経った。あれから何か変わった事が起こる事もなく、以前と変わらない日々が過ぎていった。明日、朝の電車で2泊ほど実家に帰省を予定している。自分が居ない間に、先生が困らないように数日分の煮物とおひたしを作り置きした上で、何か食べたい時に即席で作れるように野菜もあらかた一口大に切ったものと、下茹でされた肉類も保存しておく。衣類に関しては数日分の寝巻きと普段着を1セットとして置いているので、使う時にすぐ使えるよう用意しておく。こんな大事な時期に家を開けてしまう心苦しさを胸に、卓で夕飯を待つ相手におぼんからメインである魚の煮付けを前に置いて、自分も箸を持ち頂きます、と。先に口を開いたのは自分で、「明日から2日間家を空けてしまいますが、出来る限りの物は用意しました。また、何かあったらすぐに連絡下さい。…それと……母の言っていた事ですが、昔からの口癖のような物なので、お気になさらないで下さいね。それに、見合いの話だって、半ば強引に決められましたが、そもそも僕のような者が相手になる方が不憫でなりません。それに、今は仕事に─」と。見合いの話が来たは良い物の受ける気には未だになれない。矢継ぎ早に、見合いを断る方向で本音であるも言い訳じみた言葉を並べるのは、先生が離れていってしまうのでは、という想いも少なからずあって、)



(ありがとうございます!見合いの前日の日の場面に移行しておきました、回しにくい箇所ありましたら遠慮なくおっしゃって下さい。

227: 東雲 藤吉 [×]
2019-06-15 17:49:07




そんなに気にしなくて良い、此れまで休みをやっていなかった私も悪いんだから。
──…会ってみないと分からない事もあるだろう。前々から身構えるものじゃない。それに、余り仕事を優先させ過ぎるのも考えものだ。
(手を合わせて箸を取り食事を始めつつ、一瞬の沈黙を破ったのは相手の方。ただ見合いに行くだけだというのに、酷く申し訳無さそうな言い訳じみた説明をする相手に、気にしなくて良いと再度伝えて。見合いに否定的な相手に対して、肯定的な言葉を投げ掛ける。相手にしてみれば此れまでに親から何度も言われてきた言葉だろう。相手が聞きたいのはこんな言葉では無いと分かっていながらそんな一般論を告げたのは、見合いに否定的な思いが心の底で燻っている事に見てみぬふりをしたかったからだろうか。結婚を考える時期で相手が見合いをする事は喜ばしい事であるはずなのに、何かが胸の奥に引っかかっている。不可解なその感覚を消し去りたくて、数日前相手の出ている隙に自ら編集者に電話を繋いだ事を相手は知らない。そして、恐らく今日中に折り返しの電話が掛かってくるであろう事も───ちょうどその時電話が鳴り、席を立つ相手の背中をちらりと横目で見つめ、再び食卓に視線を落として。)


(/ありがとうございます、繋げやすかったです!後任の世話役を探しているだけでなく、既に試用期間を明日からの二日間に設定していて、掛かってきた電話は、候補が見つかったので明日の朝向かわせるという旨のもの。相手が留守の間に後任の世話役候補が代行を務めるも、普段以上に機嫌が悪い小説家に手がつけられる筈もなく、相手が戻った頃には二日間で一食さえ取らせる事が出来ず煙草も制止できず、荒れに荒れた散々な状況…というような流れを想定してみたのですがいかがでしょう?)



228: 棗 総一郎 [×]
2019-06-16 14:23:18



そんな事はありません、休みの日でもここに居る事を選んだのは僕ですから。…すみません、─はい、もしもし。
(たしかに世話役は自分以外におらず彼がここで生活する以上は年中無休なのかもしれない。しかし、やる事と言ったら家事と編集者との橋繋ぎが主。先生は、自分とは比にならないくらい仕事中は頭を使っているだろう。それに先生がオフの日はゆっくりとした日程の為、自分もゆっくりさせて頂いてる。休憩だって好きな時に取れるのが利点、大変さはあれどここにいたい理由は山ほどある。ふと、電話が鳴り響き取ると編集の方からで。伝言として、お話にあった新しい世話役の試用期間を明日2日で設定しました、との言葉に目が点。誰かと間違えているのかと思ったが先生ともなると編集は1対1。聞き慣れた声に間違いもなく、とりあえず「はい、伝えておきます。お電話ありがとうございました。」とそつない返事。卓上に戻り、)先生、明日から二日間世話役の方がいらっしゃるという事なのですが…、新しく、増やすのですか?



(とても良いと思います。繋げやすいロル、ありがとうございます!


229: 東雲 藤吉 [×]
2019-06-16 15:36:16




──…早いうちに後任を探して置かないと、と思ってね。
いずれ二人で暮らす事になるなら、ちょうどお前さんが留守にしている期間に来てもらった方が都合が良いだろう。
(受話器を置く音、当然の事ながら戻ってきた相手は何が何だか分かって居ないというような困惑した顔をしていた。相手の目を見ないままにそのわけを冷静に説明するも、明確に「後任」という言葉を選んで。二人に増やすのではなく、あくまで相手の代わりなのだと。相手が結婚を決めて此処を出て行くと明言したわけでもない。しかし彼の母親から電話があったあの日から、自分の中で相手の幸せを願う思いと独占欲にも似た嫌な感情が交錯していて、良い心持ちがしない。自分はあくまでも相手の幸せを願っているのだと、自分自身に証明するためだけに突き動かされているようだった。気付かぬうちに相手に酷く執着している自分が理解できない、相手は幸せになるべきで其れを引き留めるような事が有ってはならないのだと思うあまり、不器用な小説家は結局自ら相手を突き放す事しかできずに。箸を置くと漸く相手と視線を合わせてそう告げて。)
……そういうわけだから、此方の事は気にせずゆっくりして来ると良い。帰りが遅くなるようだったら電話を一本寄越してくれれば、其れで構わない。




230: 棗 総一郎 [×]
2019-06-22 23:32:55



後任って…、僕は先生のおそばを離れるつもりはありませんよ。ただ、世話役がもう1人必要とならば受け入れますが…。
(後任という言葉が何を指すかはすぐにでも分かった。お見合いの話も先生にはすでに筒抜けで、点と点はとてもシンプルに繋がる。つまりは、結婚適齢期の自分に気を遣い、自らもお見合いを進めてくれているのだろう。先生の懐の広さと優しさが、今ばかりはいじらしく感じるのはまた別の話。増員との違いをひしり、感じつつも上記をはっきりと申す。実際問題、家事その他を全て一人でこなす身として、やれる事はやっているつもりだが一人が出来る範囲には限界もある。やれていると思っていても、知らない所で弊害があったのかもしれない。もう一人いるとなると心強くもあるだろうが、先程から感じているもやっとした感情を表す術もない。せっかく用意した晩御飯が冷める前に、一旦は保留と自ら終止符打って。)…….この話は、また後日にします。帰りの電車の切符もとってありますし、定時には帰宅出来るかと思います。お忙しい中の休暇、ありがとうございます。

231: 東雲 藤吉 [×]
2019-06-23 10:31:04





──…世話役は一人で十分。六年も私の為に働いてくれたんだ、次はお前さん自身の本当の幸せが何なのか、よく考えて来ると良い。
(相手に促され再び食事を再開しつつ、世話役の件に関してはあくまで一人で事足りていると淡白な返事を。側を離れるつもりは無いという相手の言葉に対しても頑なに其れを受け入れようとしないのは、自分も意地になっているからだろうか。自分のような生き方は、おそらく世間一般で言う幸せとはかけ離れている事は理解している。所帯を持たず独りで生きてきた自分にとって相手は唯一の身内のような存在で、だからこそ相手を一般論の幸せへと押しやろうとしているのかもしれない。普段であればそのような明瞭な自己分析を行えたであろうが、今は余計な感情が邪魔をしてきて其れもまた苛立たしい。相手に八つ当たりをするわけにもいかず、それ以降は何を語るでもなく食事を済ませると手を合わせて。心が落ち着かない時は、何も考えなくて済むように書き物に没頭するのが彼の癖で、其れは無理に繋がる事もしばしばあった。今日も無意識ながら、早々に執筆に戻りたいようで直ぐに立ち上がり。)
後片付けは簡単に済ませておいてくれれば良い、明日来てもらった時に片付けて貰うから。




232: 棗 総一郎 [×]
2019-06-30 23:24:08



…、お気遣いありがとう御座います。
(自分の言葉に対しての1人で充分だという答えの対象が自分でない事は学がなくても、すぐに分かった。もしかして、随分と前から交代させたかったのか。自分より料理も上手で柄の良い人は万といる。先生はお優しいので、きっと言いにくかった部分もあったのだろう。なんて、悶々と考えを巡らせる。答えの見つからない其れは、時間が経つにつれ増すばかり。普段より断然会話もない静かな空間で各々何を思っているのだろう。先に食事を終えた相手が立ち上がり部屋へ帰ると増す静けさ。空腹なのに進まない、味も感じない料理も今だけは気にならず。程々に終えると、静かにご馳走さまでしたと呟く。ご飯の後は次の日の仕込みと、作り置きの最終チェック。それと、先生と自分の分の寝支度を済ませ、眠りにつくとあっという間に翌日に。)よし、…明後日には帰宅しますので、ご飯はきちんと食べて下さいね。あと、タバコも程々にお願いします。それと─(玄関先で、荷物を抱えて後は出るだけというところで、先生の顔を見るとやはり世話役のさがで、細々と念押しを。たかが数日、されど数日。心配になる気持ちもあるが、先生が見つけた代わりの世話役なら大丈夫だろうと腑に落とし、家を後にして。)では、行って参ります。

233: 東雲 藤吉 [×]
2019-07-01 08:11:07





…お前さんね、人の事を心配している場合じゃあないだろう。気を付けて行っておいで、
(翌朝、相手が家を出る時間に合わせて玄関に向かうと支度を整え荷物を纏めた相手の姿。其れを見て無性に、やはり行くのを辞めて欲しいと、引き止めたくなってしまうのは何故だろうか。まるで一人で留守番をする子供のように不安そうな表情を一瞬浮かべた事に、本人ですら気が付いて居なかった。普段通りの相手のお節介を聞き流しつつ、相手を送り出す言葉を掛けると玄関の戸が閉まるのを見届けて溜息を。やがて世話役がやって来ると挨拶も早々に家の中の事を一通り説明して。歳は彼とそう変わらない、日雇いの使用人として此れまでも様々な屋敷に出入りしており経験は豊富らしい。少々気弱そうにも見えるが真面目そうな青年だった。小説家の方は元々警戒心が強く、大体の場合初対面の人間には威圧感を与えてしまう事が多いが今回も例外ではなく、必要最低限の事務的な会話を済ませ、生活環境を整える以外の介入は不要だと伝えると部屋へと戻って。)
二日間世話になるけれど、生活環境さえ整っていれば良い。それ以上の事は求めないよ、仕事に関しての口出しも無用。お茶は熱いものを、原稿に溢すような真似だけはしないように。


(/ お世話になっております。小説家サイドは棗君が戻った時に大荒れの状態になっていればいいので、私も数ターン棗君サイドのストーリーに加勢しようかと思います。お見合い相手でもお母さんでも、キャラのイメージがあれば回しますので、軽く帰省ストーリーを挟んで帰ってきて貰えれば良いかなと…!)




234: 棗 総一郎 [×]
2019-07-07 00:27:05



─、只今。
(時刻通りに実家の最寄りに着く。6年経とうが未だそう変わりのない街並みはやはり懐かしく、意図せぬ里帰りも少しだけ心弾んだ。駅からそう遠くはなく、見える景色1つ1つの思い出を脳裏に移しつつ、実家にたどり着いて玄関の戸を開ける。迎え入れてくれる母は見て分かる程には嬉しそうに、お帰り、と声をかけてくれる。リビングで新聞を読んでいる父こそ冷静には見えるが心なしか声は少しばかり気まずくも嬉しさを滲ませている。6年経って、白髪も増えた両親だが至って変わりなく安心した。その日の晩は実家のご飯に舌鼓、ふとした会話でお見合いの話に。どうやら母の知り合いの娘さんだそうで、断ったら母の立場も立場だ。明日に控えており場所も設けられている。10時出発だと言う事で、その日は早く寝てしまおう。随分と前に出た自室も変わりなく、就寝を。)

(ありがとうございます。では、お見合いの話を数回したのちに再び先生の元へ…という流れでよろしいでしょうか?可能であれば、お見合い相手の女の子をお願いしたいです*

235: 千代子 [×]
2019-07-07 02:04:37




──初めまして、千代子と申します。
(翌朝、見合いの席である料亭に向かい言われるがままに相手が通された部屋には、控え目なワンピースを纏った器量の良い娘が一人。部屋は以前食事をした料亭にも少し似た造り、外には池が広がるやや広い和室に机を挟んで向かいあって座り。彼女の方はというと、人柄の良さそうな彼に対する第一印象は悪くなく、少しはにかんだように微笑んで。挨拶を済ませぎこちのない少しの沈黙の後、話を振ったのは此方から。事前に彼が文学好きで、とある有名な小説家の家で働いているらしいという情報は聞いていて、)
…総一郎さんは、文学がお好きなんですよね。母から聞きました、小説家の方とお仕事をされていると。


(/ そうですね、その流れでお願い出来ればと思います!お見合い相手の女の子、ご相談もなしに私の勝手なイメージで作ってしまいましたが、短い登場ですので少しだけお付き合いください…!そして毎度の事ながら、ハイペースで申し訳ありません。)



236: 棗 総一郎 [×]
2019-07-08 23:55:13


─初めまして。僕の名前は総一郎と申します。本日は宜しくお願い致します。
(当日、後に着いた自分は先に部屋には先方がいる事を知り緊張感を胸に。戸を開けると、洋服を纏った黒髪の女性。清楚で、朗らかな印象を受けつつ互いに自己紹介。席に着き、暫しの沈黙が流れる。そういえば、学生の頃は好きな人はいたしその話をする事こそはあったが特に発展もせず、卒業して直ぐに先生の元へと行った自分は年相応の恋愛経験が乏しい。その場の緊張感も合い待って、女性が好む話がぱっと思いつく事もなく、不意に先に口を開いたのは彼女だった。お喋り好きの母だ、きっと先方には事前─通りの情報は伝えてあったのだろう。普段、先生は名の知れた方なので自ら世話役をしているとは言わない。母が名前まで出しているかは知らないが、名前は伏せつつ会話を返そう。職業と文学について話し出すと、ついつい言葉が饒舌になる。途中でふと我に帰り、咳払い。自分はというと、急な見合い話だったので彼女の事は何も知らない。質問を返して、話を繋げようと。)はい、あまり公にはしていませんが、小説家の方のお側で、家事洗濯等の身の回りのお手伝いをさせて頂いております。先生の創る文章はとても繊細で、それが時に美しく時に儚く、時に切なく…。先生と、先生の創る本に出会えた事が、この上なく幸せで…こほん。すみません、お喋りが過ぎました。千世子さんのご職業やご趣味は何ですか?


( いえいえ、お気遣いありがとうございます。お見合い相手の彼女を提供してくださったおかげで、シーンがとても回しやすいです!何から何までありがとうございます。ハイペースなのもお気になさらないで下さい、返せない日もありますが返信を見ては毎度心が踊り、返せる時間が出来るまでふとした時に何て返そうかと考えるのですがその時間がとても楽しくもあります。人間愛から恋愛へと感情の違いが出始めましたが、今後とも末永く宜しくお願い致します!



237: 千代子 [×]
2019-07-09 16:25:06




…本当にお好きなんですね、小説も、その小説家さんのことも。
(穏やかそうな相手、自分からぐいぐいと来るような強引なタイプではなさそうだ。優しい表情を浮かべて文学について饒舌に話し乍、ふと我に返ったようにはにかむ相手。小説は勿論、其れを書いている小説家のことも含めて本当に好きなのだろうという思いが伝わってきて、思わずくすりと微笑んで。自分の事を問われると少し考えた後に答え。週に何度かではあるが小料理屋で仲居として働いており、料理も接客も好きなのでその仕事も天職だと思っている。趣味と言われれば、自分も読書は好きな方。幼い頃から習っていた三味線やお琴も好きで、今でも時々弾いていた。)
私は、小料理屋で仲居として働いています。お料理も好きで、お客様とお話しをするのも好きなので…私も本を読むのは好きです。あとは三味線やお琴、音楽も好きです。


(/ 本当に嬉しいお言葉です!増えている数字を見て心が踊るのは私も全く同じです。お互いのペースでこれからも末永くやり取りを続けていければ嬉しいです。こちらこそ、これからもよろしくお願い致します!)



238: 棗 総一郎 [×]
2019-07-19 23:31:40


─はい、とても。
(彼女の言葉に、本や先生の事を脳裏に浮かぶとするりと素直に言葉が出てきた。それが恋心を表すのか、はたまた人間愛なのかはまだ知る由もないが、躊躇いも何も全てを取っ払って出た言葉に戸惑いはなく、柔い笑みをふつり零す。後者、顔の整った彼女は性格も穏やかな印象で、かつ家事も出来て本も読むしお琴だって弾ける。欠点が見当たらない所か、秀でた物しか見当たらず、読書が好きという共通点に親近感を湧きつつも、まるで子供がヒーロー番組を見るような、そんな尊敬の眼差しを向けながらうんうんと頷いて見せる。彼女の弾いてる姿を見てみたい、と言葉を返す心中は、彼女が働く小料理屋に行って、和食を食べながら、お琴または三味線を聞く時間、先生と行ったらとても喜ぶだろうなぁ、と無意識ながら、ここまで来ても考えるのは先生の事で、)わぁ多彩な趣味や才能をお持ちなんですね。僕は千代子さんのような特別に秀でた才能も何もないので、とても尊敬致します。いつか、三味線やお琴を聞ける日が来ることを楽しみにしていますね。

(早速とても遅くなって申し訳ありません…。マイペースの度が過ぎて、解消されてもおかしくない立場にありながら、お待ちいただいて感謝しかありません。これからも宜しくお願い致します…!(泣)

239: 千代子 [×]
2019-07-20 01:42:00



…いつか、小説家の先生と一緒に来てください。サービスしますから。
(自分を見つめる相手の目は、子供のようにキラキラしていて、紡がれる言葉は素直なもの。いつか聞いてみたい、という言葉からは無意識であろうが結婚前提の話し合いの場であることをすっかり忘れている様子が伺い知れて、思わずクスリと笑った。自分に興味を持ってくれているのは確かな様子だったが、それ以前に彼の心中は大半が小説家の存在が占めているようで、自分も同じように料亭に遊びに来て欲しいと返して。お互いに今はまだやりたい事があるのだから、むしろ自分にとっても彼の様子は好都合で、無理に今結婚を急ぐ事はないと思えば自分の思いを口にして相手と視線を合わせると、微笑んで。)…結婚したら、女性は家庭に入ることが多いでしょう。──だけど、私もね、まだもう少し好きな仕事をしていたいって思っていたんです。…総一郎さんも、私と同じでしょう?早く小説家の先生に会いたいって、顔に書いてありますもの。


(一方彼の屋敷では、留守を任された世話役が既に困り果てていた。茶を差し入れる以外一切仕事を与えられず、食事の用意が出来たと声を掛けようにも話しかけるなと怒られる。小説家の為の食事は手を付けられることなく、昨夜唯一与えられた仕事は、滅多に晩酌をしない彼のもとに酒を運ぶことだけだった。どうしていいか分からないまま、彼の見合いの当日も食事を摂らせる事が出来ずにいて。)


(/ いえいえ、お気になさらず!やりとりが楽しみだと言ってくださったお陰で、少し間が空いてもお返事は必ずくださると信じて待つ事が出来ております!むしろ私の返信スピードのせいで急かしてしまっているような気がして心苦しいです…いつもお付き合い頂き、此方からの解消など微塵も考えたことはありませんよー!こちらこそ今後ともよろしくお願い致します。)



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