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✿ 常世からの呼び声 (創作/指名制)/96


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50: 倉留 鮮 [×]
2018-11-13 18:39:28



>46 銀弧

( 水筒を受け取ると、男は素直に破顔してみせた。そんなに単純でいいのかってくらい無防備な笑みに、記憶のない“俺”は困惑する。彼と自分の関係性がまるで想像できなかった。随分フランクな態度だし、元々知り合いだったのだろうか?ならばよそよそしい態度を取ると不審がられるかも……なんて、言葉を紡ぐ余裕がないくらい必死に頭を働かせても、この階段を上っているより前の記憶は何一つ帰ってきてはくれなかった。不安に押し潰されるギリギリの精神状態で──この手の温もりが俺を慰める。皮膚に感じる優しい人肌を、突き放すことは出来なかった。……可笑しな幻覚のせいで、人かどうか怪しい姿はしているが。
じゃ、そろそろ行こう。そんな男の台詞に目を丸くする。自分は階段の上を目指していたはずなのに、元々二人で階段を下ってどこかを目指していたような口ぶりに混乱して、流されるまま首肯した。……いやいや、一体どこへ向かうというのだろう。動揺している間に、彼はご丁寧に手を引きながらずんずんと歩みを進めていく。どこに行くんだっけ?なんて冗談めかして尋ねるタイミングを逃したことは、火を見るよりも明らかだった。彼の歩みには少しの迷いもない。まあ、一本道なのだけれど。
改めて街並みを見下ろしてみる。見覚えなんてない上違和感付きだってのに、妙なノスタルジーを感じて首をひねった。視界はどんどん平行に近づいていく。高いところから見ている分にはどうとも思わなかったくせに、記憶のない状態で同じ地面の延長に見知らぬ人間がたくさんいることが何だか急に不安になった。緊張を示すように、繋がれた手に力が入って恥ずかしい。それに、二人して同じ場所へ向かうとばかり思い込んでいたが、目的地は別で『じゃ、ここで解散だね。バイバーイ』なんて放り出される可能性は十分にある。とにかく情報を集めなければいけない。自分について、この場所について、この男について。一段一段、終わりに近づくにつれ心臓が暴れる。自分とこの男が知り合いであることを前提とした、何かスマートな名前の尋ね方はないだろうか。……そんなことを必死に思案した末に、思いついた台詞を半ばやけくそで投げかけた。全力で自然を装って。 )
お前さ、名前──どんな漢字で書くっけ……?

(/いえ、申し訳ないだなんて……!こちらこそだらだらと長くなってしまい、頭の下がる思いです……。過度な長文を好んでいるというわけではなくて、簡潔に抑える力量を当方が持ち合わせていないだけですので、謝っていただくことなど何もございません。どうかご安心ください……!レスペースのみならず文字数にもムラがあるタイプなので、本当にお気になさらないでくださいませ。むしろ当方の長文が鬱陶しく感じた際はご遠慮なく仰ってくださいね。
細やかなお心遣いをありがとうございました。それでは当方も失礼いたします。何かございましたらお気軽にお声がけくださいませ。)




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