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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
81:
吸血鬼 [×]
2018-07-30 19:59:30
――――ハリー……っ
(分厚い鉄の扉の向こうから、背中越しに聞こえてくる声には、聞こえる以上の情熱がこもっていて。その熱量に圧されて、こちらも胸に熱いものが込み上げる。そうだ。複雑なことなんて何もなかった。自分はただ、彼と一緒にいたいだけだ。そして、彼も同じように、自分と一緒にいたいと思ってくれていることは、ラザロの生涯で最大の僥倖だろう。魔女に一生軟禁されるという究極の不運が、皮肉にも究極の幸運を招き入れてくれたのだ。そう考えた途端、ラザロの胸中にずっと渦巻いていたどす黒い何かがすっと取り除かれた。澱みのない動きで立ち上がり、そっと扉に手を添える。ハリーが力の限り扉を殴り続ける振動が、少しだけ、しかし確かに伝わってきた)
もういい。もういいんだ、ハリー。
(落ち着いた声音でそう告げれば、扉に添えた手に人の目には見えぬ魔力が集約されていく。それは、これまで何度も繰り返してきた行為だった。自分の魔力で、強引にこの忌々しい扉をぶち破り、外へ出るために。だが、成功したことは、一度だってなかった。けれど、何千回と繰り返してきた時と、全く違う感情が、今のラザロには溢れていた。自分を閉じ込めた魔女に対する憎悪ではなく、ただただ愛しいハリーにもう一度会いたいという穏やかな気持ち。それに呼応するかのように、扉は信じられないくらいに滑らかに開いた。400年ぶりに、外の景色を見た。そしてその森の景観なんてどうでもいいくらいに、目の前に立っているハリーをじっと見つめた。思わずその頬に手を伸ばすも、見えないバリアのようなものに己の手は弾かれ、白い火花が虚空に散る。ああ、扉が開かれたからといって、自分が此処から出られるなんて、そんな単純な話ではないのだ、とぼんやり実感する。だが、自分が出られなくても、彼がこの屋敷へ戻ってくることは出来ると。理屈ではなく、ラザロは確信していた)
行くな、ハリー。この屋敷から、いつ出られるか分からない。もしかすれば、お前を一生、この屋敷に閉じ込めてしまうかもしれない。だがそれでも、俺はお前にここにいて欲しい。……ずっと、俺の隣に、いてくれないか
(ハリーがぶつけてくれた感情を受け止め、そしてラザロもまた、自分が抱いている感情を、包み隠さず彼に伝える。それは、いつもなら後ろめたさを感じるような、とても自分勝手な内容。けれど、今ラザロの胸にあるのは、たった一つの願いだけ。それを後ろめたく感じる筋合いなんて、一体どこにあるだろう。魔女も屋敷も、どうでもいい。人間と吸血鬼、種族の隔たりだって構うものか。ラザロは、まっすぐにハリーの瞳を見つめながら、真剣な声音で思いの丈を吐露した)
82:
とある青年 [×]
2018-07-31 10:46:42
……ラザロ…?
(扉に耳をつけていなかったせいでラザロが何を言ったのか、はっきりとは聞き取ることが出来なかった。だがその言葉は諦めの類の言葉ではなく、何か強い意志を持った言葉だと声色で分かる。乱暴に扉を叩いていた手を止めた。そして少しだけ間をおいて、あれだけ強固に閉ざされていた扉がゆっくりと開いていく。まるで幻を見ているように呆然とその様子を眺めていた。だがその先にいた、今すぐに会いたいと願った相手を前にすると自然と笑みが浮かぶ。伸ばされた手が自分の頬に触れるのを待ってみたが、残念ながらその手は弾かれてしまった。もどかしい思いが募る。どこまでも執念深い魔女だなと頭の隅で考えつつ、それよりも自分が次にとるべき行動について考えていた。過去へ誘う風はもう聞こえない)
…ありがとう。僕は君の隣にいたいんだ、ラザロ。君がいるのがこんな屋敷の中だろうと、あるいはもっと酷い場所だろうと、関係ない。僕は君の隣であれば何処へでも行く。だから僕はまだこの屋敷を出ていかない、僕は君のもとにいるよ
(どんな被害を被るかも分からず一生外の空気を吸うことができないかもしれない屋敷に吸血鬼と共に住まう…正気の沙汰ではないかもしれない。しかしもうハリーはそんな事が気にもならないほどにただただラザロの隣にいたくて、ゆっくりと自らの意志で屋敷へと再び足を踏み入れた。先程のバリアのようなものに弾かれることもなくラザロの前へと帰る。そして弾かれたラザロの手を取ると自分の頬へと導いた。自分より冷たい手が心地いい、それを堪能するように目を閉じた後、彼へと目線を向けて優しく微笑んだ。昨夜から言えなかった言葉をようやく口にして伝えることができた。ハリーが一生ここから出られない可能性を知りながらここにいて欲しいというラザロの願いは酷く我儘なのかもしれない。だがハリーはその自分勝手な思いを受け入れることで胸が満たされる思いだった)
83:
吸血鬼 [×]
2018-08-03 09:17:41
ハリー……ありがとう。俺たちの間には、難しいことがたくさんある。だが、それすらも関係ない。俺はこの屋敷で生涯を閉じるよりも、お前を失うことのほうが何倍も怖い。……命尽きるまで、傍にいてくれ
(身勝手な想いを真っ向から受け止めたうえで、想像を絶する覚悟を以って自らこの屋敷に再び足を踏み入れた彼の姿を見た瞬間、年柄にもなく涙がこぼれそうだった。それは寸でのところで堪えたが、心からの感謝を述べた声は少し震えていたかもしれない。すっと息を吸い込んで深呼吸をし、ハリーの頬に添えられた手を彼の後頭部へと回して優しくこちらへ抱き寄せる。勢いのままに強く彼を抱き締めながら、改めて一生に一度のお願い事をして)
『 ア り え ナ い』
(ギシギシと屋敷が軋む。地響きのような音と共に、地震が起きていると錯覚するほどに屋敷全体が震動する。ラザロの魔力による妨害で魔女の声は届かないはずなのに、それすらも突破して怨嗟を吐く醜い声は、今まで聴いた中で一番恐ろしく。だが、ハリーを失うことに比べれば、少しも怖いとは思わない。)
……いいや、これが俺の答えだ。俺はもう孤独ではない。お前の思い通りになど、なってたまるか
(ハリーを抱き締めたまま、彼の耳元で魔女へと囁く声には、爆発的な怒りや憎しみはこもっておらず、ただただ前向きな覚悟が渦巻いていた。心のどこかで全てを諦め、無意識に魔女に屈服していた昨日までの自分とは決別する。隣にハリーがいてくれる今、自分にできないことなどないと、本気でラザロはそう思えていた。心臓がないはずのラザロから、ドクン、という鼓動が一度だけ聞こえたのは気のせいではない。それが何を意味するのか今は定かではないが、それでも今まで持っていなかった大きな力が覚醒したことは何となく察しが付くだろう。その証拠に、魔女が放つ禍々しい邪気も、喧しかった屋敷の震えも嘘のように消え、清々しい静謐がこの屋敷に訪れて)
84:
とある青年 [×]
2018-08-05 22:52:20
あぁ、多分僕らにはこれから嫌になるくらい考えなきゃいけないことがある。でも君の言う通りだ、関係ない。僕は僕が存在する限り、君の傍にいるよ
(彼に引き寄せられるまま胸へ飛び込んで全身を包まれる。彼の想いの分強く抱きしめられるようでその心地良さに自然と笑みが零れた。こちらからも背中に手を回して力の限り抱きしめる。吸血鬼のラザロにとってはこんな力では強く抱きしめられているうちに入らないかもしれない。こんなところでも2人には違いがある。これからもきっと吸血鬼と人間の差はより明確になっていくだろう。そんな悲観的な未来が予測されていても、ラザロの傍にいたいという願いは変わらなかった。抱擁では自分の想いが伝わるか不安で、顔を少しあげて彼の頬にキスを落とした)
っ、また…今君、何を……君の胸から鼓動が…魔女は消えた、のか?それともまた押さえ込んだだけ?
(ラザロの腕に収まっていると今までにない悪寒を感じる声に、首を締め付けられる感覚に陥るが、ラザロの決意の言葉が耳元で囁かれると気道は通り、魔女へと真正面から向き合うことを決めた彼にはまた笑みが漏れた。自分が屋敷を出る話をしても、どこかで諦めていたラザロが今自らの口で魔女に相対することを宣言した。それが自分の影響だと思うと彼の特別になれた気がして胸が暖かくなる。そうやって幸せを噛み締めていると密接していたラザロの体から明確に何かが震える音が聞こえた。それは胸から聞こえた振動で、そうなるとそれは鼓動ということになる。その直後に屋敷に漂っていた陰鬱な空気が一掃され、ここにはラザロと自分しかしなくなった。昨夜魔女を退けた時とは似ているようで違う感覚。ラザロに答えを求めるように困惑した目で彼の顔を見ていた)
85:
吸血鬼 [×]
2018-08-12 01:45:51
(/いつもお世話になっております。一週間も留守にしてしまって申し訳ございません……少々リアルの方が立て込んでおりまして、夜遅く帰ってきては泥のように眠る有様で、不甲斐ないです。お盆も立て続けに予定が入っているのと、大事な場面でありじっくりとレスを返したいという我儘もあり、本編での返信が出来るのはまだ先になるかと思われます。もし、短いロルでインスタントなレスでも良いから頻度を上げて欲しい、といった場合は、遠慮なくそう仰ってくだされば善処するつもりです。それでは、夜分遅くに通知失礼致しました。至らない背後ではありますが、今後とも宜しくして下されば幸いです/礼)
86:
とある青年 [×]
2018-08-12 13:49:32
(/こちらこそ、いつもお世話になっております。お忙しい中ご連絡してくださりありがとうございます。此方としましては今までと同じようにじっくりやりとりが出来ればと思っておりますので、背後様のお時間ができた時にお返事いただければと思います。ゆっくり待っておりますので。お気遣いいただき本当にありがとうございます。何よりも背後様の事情、そして体調優先ですので、お体お大事にしてくださいね。こちらこそ、今後とも我々のペースでゆっくりお付き合いいただければ幸いです。)
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