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---Abandoné【 指名制 】/318


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116: ファントゥーム [×]
2018-01-04 00:05:02




>114 マリウス

(Mary――彼女がこの館で生きたのはもう遠い昔、既に記憶の片隅からも姿を消し、忘却の彼方へと溶けてゆく寸前の存在だった。こうして彼女の存在を思い返すひとつのきっかけを生んだ彼の存在に感謝するだけの温かな心は今やすっかり影を潜めていたが、かつて共に暮らした存在を再び記憶の中へ取り戻してくれたという点では幾らか良い影響を齎してくれたと言える。細やかな祈りを捧げるその声に何か返事をする事こそなかったものの、払い様のない闇を孕んだ瞳がほんの僅かの間、何処か慈しむ様な眼差しを机の上に置かれた日記へと向けた。す、と動いた右手の動きに合わせ、引き寄せられたそれは再び元の場所へと戻ってゆく。きっと、またこの蔵書室にある何処かの本棚へと大切にしまい込まれ、いずれ彼と同じように"この館について書かれた本は?"と尋ねる者が現れる時まで静かに眠ることとなるのだろう。相変わらず本棚に向き合ったままの姿は、既に彼との会話よりも作業の進行を優先しようとしている様に見えて、頭の中ではまだぼんやりと彼と言うひとりの死にたがりについて思いを馳せている。彼は死にたがりでありながら、命と言うものの価値を忘れた者とは思えない。彼の抱える仄暗さには、憎しみ、罪悪感、後悔、怒り、悲しみ――とても言葉では形容し得ない、あまりに複雑な感情が覗く。彼が真に焦がれるものは、単なる"死"ではない。もっと優しく、温かく、そして穏やかな――と、そこまで考えたところでふつりと思考が途切れたのは、先に投げかけた問いに対する彼の答えが返って来たからである。"聡い男だ"、ぽつりと漏らすように素直な感想を述べた後、徐に本棚とは別の方向へ向かって指先を向けた。くい、と呼び寄せる様な動きをみせた指先。ややあって、一体何処からやって来たのか、ふわふわと宙を漂いながら彼の向かう机の上へと着地したのはティーセット。長い会話になりそうだと見込んだからか、ひとりでに彼の分の紅茶を淹れ始めるそれらを横目に眺めつつ再び口を開いて)
とは言え、皆が皆、その苦痛に対して同情を受けるべき存在であるとは限らぬ…それに値する業を抱えていると言う事だ――例外もありはするが。
お前の察した通り、お前達は死ぬ事を諦めた時初めて人間としての生を取り戻す…同時に、この館を離れ、元居た世界に戻る権利を与えられるのだ。元の世界へ戻るも戻らぬも、お前達の自由…いずれにせよ、寿命は取り戻した後…遅かれ早かれ、**る事に変わりはない。何処でどの様に死ぬか、ただそれだけの違いだ。





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