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---Abandoné【 指名制 】/318


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112: ファントゥーム [×]
2018-01-03 22:56:25




>110 マリウス

(同じにおいがする、とでも言うべきか。彼の表情、何より彼の瞳の奥底に宿る仄暗い感情の存在を感じ取ると同時に、同じ仄暗さを抱える己の姿をほんの僅かの間、重ねたのである。愛する者を失い、嘗て生きた世に失望し、せめてあの世で再び彼女と相見える事が出来るのなら――ただひとつそれだけを願い、己の命を手放した。その末路こそ、この呪われた2つ目の命。たったひとりの愛する者と再び会う事も、たったひとりの愛する者の居ないこの世から逃れる事も、何一つ叶わぬ生を受けたのだ。それ故、此処へ招かれる死にたがり達の思いには肯定も否定も出来ない、そんな不安定な立場にある唯一の住人こそが、己なのだと…彼との出会いに思い掛けず、物思いに耽ってしまった。どうやら、彼も似た様な思いをしていたらしい。宛ら合わせ鏡、それぞれの胸の奥底に抱え込んだ思いの存在から今一度目を逸らし、彼の瞳を覗き込む様にして見詰めていた眼差しを古い日記へと落とした。そして、この日記の持ち主である彼女はどうなったのかと問う声に、細い記憶の糸を辿る様に物憂げな瞳をゆっくりと伏せる事暫く。再び開いた瞼の奥に覗く瞳に、彼の表情を映しながら「…この娘は生きる事を望んだ。元の世界ではなく、この館で生き、この館で死ぬ事を望んだのだ。」と静かな声で彼の質問に対する答えを紡ぐ。然しながら、聞かれた事には答えても、此方から補足情報を添えてやる気はないらしい。恐らくはこの答えを聞いた上で、彼の脳裏にはまた泡の様に質問が浮かび上がって来るのだろうと言う事を分かっていながら、薄い唇は再び閉じた。彼と正面から向かい合っていた体はその場を離れ、近くの本棚の前へと戻る。先程までと同じ様に、途方も無い整理作業を再開させながら耳は変わらず彼の声を拾っている様だ。留まる事を知らずに溢れ出す疑問を投げ掛けるその声に、一定の調子から上がりもしなければ下がりもしない低い声が答えとなる言葉を紡ぎ始める。言葉の最後には、彼に答えを求める様にちらりと視線を送って)
かつての、死にたがり…そう呼ばれるべき者達だ。死にたがりでありながら、死ぬ事を許されなかった者達…その点では、お前達と同じ…ただ決定的にお前達と違うのは、彼らは寿命をもたぬ存在であったと言う点だ。此処へ招かれた死にたがりの人間が、どの様にこの館で暮らしてゆくのか――…お前はまだ、知らないのだろう…




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