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51: ジャック・マクガヴァン [×]
2017-11-21 15:26:35



>>49 メーヴィス・ロウ

おっ? おっ? 良い、良ーい顔だぜ、メーヴィス・ロウ! なんだよおい、可愛いとこもあるんじゃねえか。ますます俺の気に入ったぜ。
しっかし、そうか……そうかあ。俺のことを知ってもらうためにも、サワートゥ・ピムスを贈ってやりたかったとこだが……なんでなんだかな。本当、なんで女って生き物は皆、男が真心込めて贈るプレゼントなんかまるで塵芥みてえにちっとも見向きしないってのに、手に入らないもんばっかりはやたらめったら欲しがんだかなあ……

(此方の言葉等また冷たく切り捨てられてしまうだろう、そんな前提で告げていたために、ほんの僅かだが銃を構える手も脱力してしまうほど彼女が大きく動揺したのを目の当たりにすれば、顔が露骨に喜色で輝き、手を叩き合わそうなくらいに無邪気な歓声を無遠慮に上げ。今のからかい言葉程度で刑事からただの女に容易く堕ちるようでは却って興醒めだったろうし、直後の、また瞳をぐっと細め、冷静だがどこか僅かに不器用に此方の言葉を蹴ったのも、その前の珍しい動揺をより引き立てているようでたまらなく好みだった。──だが、次に続いた彼女の毅然とした言葉を聞くうちに、その興奮も次第に落ちつき。如何にからかおうと、半ば本気で口説こうと、断固として揺らぐことのない彼女の決意の堅さ、此方の会話に乗って尚回帰する刑事としてのプライドと意地に触れれば、此方もそれを理解しつつも、心惜しそうに眉尻を下げ。哀愁漂う様子でしみじみと呟きながら、骨ばった指を添えて煙草を一度深く吸い、それを足元に投げ捨ててぐりぐりと残り火を揉み消し。──次にあげた時その顔は、妙に晴れ晴れとした表情で。再び軽く両腕を広げ、確認するように頭を片側に傾げると、長いコートを羽織り直し、一歩二歩とごく自然に後ろ歩きしはじめながら、白い夜霧に紛れようとして。)

──まあ、これであんたの事もまたちょっぴりわかったよ。今までの俺の戦績のへぼっぷりを思えば、今回は随分と大漁だったな。こうして真夜中の逢い引きもできたわけだから、大進展だ。そうだろう?
だがな、そろそろ俺ぁ帰らにゃならん。あんたもどうせ、明日の朝は早いんだろ。何より度の過ぎる夜更かしは女の肌にすこぶる悪い。今夜はここでお開きにして、また今度、あんたの飲めるピムスでもゆっくり傾けながら、もう少し深く話そうぜ。──指も、忘れずに持ってくるからよ。




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