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滅びの森のレクイエム【3L/少しだけ特殊】/83


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51: アラン・ドラクロワ【吸血鬼:主】 [×]
2017-10-17 10:19:14



>ユリーア

ほーお? これは……うむ、うむうむ、中々どうして素晴らしいな。
やあ美しいマドモワゼル! いきなりすまない、旅の方とお見受けするがこの村は初めてかな? 道に迷っているようならどうだい、俺に是非とも君をエスコート――させ、て……

(曲がり角に差し掛かった時、ふと香ったのは女の匂いだ。それも雌豹を思わせる、鍛え抜かれた肉体を誇る健康的な女の匂い。
アニュス・デイに帰郷して早々こんな上玉の血の持ち主に巡り会うことができるとは、やはり己はついているようだ。複数の金属の匂いも同時に嗅ぎ取れることから何やら奇妙ないでたちのようだが、まあ構わない。帰郷記念の「ひとり目」に彼女の血を戴こう。何も知らずにそう思いながら、里帰りしたばかりの熟年吸血鬼の男はうきうきと喜び勇んで角を曲がり、匂いの主の背後から甘い声をかけたのだが、相手の姿をきちんと視認したその瞬間、しかし血突然顔が青ざめ。
そこにいたのは男だ。黒髪紫眼高身長、その匂いの主はどこからどう見ても紛うことなき男だった――この俺が、女性を愛し崇拝するこの俺が。男を女と誤認する? しかも、浮かれて意気揚々と声をかけてしまうだと?
どうやらその失態は「女好き」を自覚する自身にとって殊の外ショックだったらしく、男はビキリと音が聞こえそうなほどの見事な硬直ぶりを発揮し。相手が自身の最大の天敵ことンパイアハンターであることなど当然推し量れる筈もなく、今はただ、自分から声をかけたというのに、相手を依然見下ろしながら、差し出した掌も張り付けた甘い笑顔も、ショックと混乱が極致に達し中途半端に凍り付いているままで。)


>アーネスト

……随分面白い独り言だな。客人よ、無能な上司でも背負っているのか? うん?

(自身の恐れる陽光の塊が天高く昇りきった頃、日食薬は全身に塗布してあるものの、懐かしの「滅びの森」の鬱蒼たる梢に肌を守ってもらおうと潜伏していたその矢先。久々の森を歩き回り、小動物などを狩りながら気分が昂っていた折に、不満を込めて激しく毒づく声が聞こえてきたためおやと振り返ってみれば、下生えを踏み分けやって来る、武器も護衛も何ら携えていない金髪の若い男が一人。
――神官か。格好と罵声の中身からその見知らぬ男の身分は即座に推察できたものの、一般に清く穏やかと言われている彼らの中でここまで強烈な言葉をまくし立てる男はそう見たことがない。突然現れた自身も良く知る神官職の人間の思いもよらぬ苛烈な台詞に好奇心を刺激されたためか、深くは考えずに気づけば如何にも友人のように軽く声をかけており。それから言い訳程度に捕らえたばかりの雉鳩を掲げて見せ、さながら自身をアニュス・デイで鳥を卸して暮らしている狩人のように見せかけて。)


>ラフィーナ

ああ、くそっ……今のハンターどもはいったいどれだけ腕を上げて、嗚呼くそったれ! 人間どもは好きだ、好きだが、あいつらだけは王の名に懸けて絶対、絶対に……もういってえんだよ畜生が!

(ガサガサと激しい音を立てながら森に転がり込んだのは、手負いの男吸血鬼。――ぬかった、油断した。若いハンターだと侮っていたら、普通狼男に使う銀の弾丸を右肩に撃ち込まれたのだ。激痛に酷く苛立たしげな声を出しながら男は懐かしの森の下闇に身を潜め、荒い息をつきながら暫し身体を休めていたが。俺は王族だろう王族ならば痛くない痛くないのださあ耐えきってみせろこんなもの、という痩せ我慢の自制心も崩壊して迸った荒い罵り言葉も尽きて息も絶え絶えになったその時、微かな足音を聞きつけてふっと静寂に耳を澄まし。周囲にしばらく目を凝らせば、目に留まったのは周囲を慎重に窺っている一対の幼い瞳。まさかまたもやハンターではあるまいな、と警戒しながら、「――おい誰だ!? ……魔女、なのか?」後者であれば助かるなどと密かに損得を計算しながら、初対面であるというのに詰問するような声を発して。)

(/返信いただいていたのに見落としてしまっていましたセンセンシャル……!ナターシャとの関係、一覧についても嬉しいお言葉ありがとうございます。早速絡ませていただきました、今はシリアス風ですがおそらくナターシャの頃のように大の男が情けなく彼女に相好を崩すことになるのはすぐのことかと思います……適当に掌の上で転が足ていただけたら幸いだゾ!)


>クルイーク

――「滅びの森の王」というのは、随分可愛い子犬のようだな?

(30年という年月を開けて再び舞い戻った生まれ故郷。30年前であろうとこの森の王として君臨したことなど一瞬たりと手ないのだが、ここは俺の森だ、という自惚れた思い込みは依然消えることはなく。
魔族を統べて己の理想を叶えよう、いよいよそう思い立ちこの森の魔族たちにオラつ……もとい干渉して回ったところ、しかし反撃する彼らが口々に唱えたのは、年若くして既に森の魔族と獣たちを従えているという圧倒的な戦闘力を持つ「十字傷の狼男」の話。
己の「魔族を統制する」という目的のためには、まずは魔族の故郷たる滅びの森を支配下に入れる必要がある。ならばその狼男は紛れもなく倒すべき存在、その王座は略奪して自分が君臨するべきものだ。
そんなどこまでも身勝手な決断から「滅びの森」で件の狼男と探し回っていたところ、数時間もしないうちに、森の入り口付近で小さな犬を掴み上げ、その豊かな毛皮に顔を寄せている、噂通り巨獣の下顎の肩留めで留めたキマイラのマントを羽織る長身の青年を見つけ。
やはりまず佇まいが違う。歴戦の強者であることを窺わせる隙のない後ろ姿である。推して図るに、その肉体はおそらく己よりも頑強に鍛え抜かれているものだ。――それでいながら、小さな犬に穏やかに話しかけているとはこれ如何に。
ついに邂逅した「滅びの森の王」の思いのほか温厚そうな一面を目にして内心少々面食らっているものの、おそらく敵を前にすれば彼の別の顔を見られるはずだ。故に彼の背後からわざと挑発の声をかけながら、月光の下ゆっくりとその姿を現して。)

(/おうなんだよ!そんな風に言ってもらえて嬉しいんだよぉ!(マジ歓喜)
アホの子森の王者vs残念熟年吸血鬼の展開、恐れながらさっそく始めさせていただいたので絡んで貰えたら嬉しいです。毎秒だぁ?毎コンマ秒どころか光速で投稿してやるに決まってんだルォォ!?
というわけで改めてこれからもオッスお願いしまーす!)


>シュカ

せっかく綺麗な形の耳をしているのだ、そんな風にしてはいけないよ。……マドモワゼル、退屈しているのかい? 時間がおありのようならば、一時の話し相手に立候補させてくれないか。

(垂れこめた雲が夕日の色を鈍く発する、そんなとある夕方のこと。自身の館が見つからず、仕方なくアニュス・デイで旅人として暮らし始めて早二日、気分転換に宿の厨房を借りて料理でもしてみようかと思い立ち、村の店店へ調味料を買いに出てみれば、村の通りの外れにある小高い坂の頂点で、小さな柵越しに滅びの森を見渡していると思しき車いすの女性が一人。
風はこちらに流れている。華奢な背中でも明らかだが――やはり香えいからしても、あれはまだ若い女性だ。途端に男吸血鬼の思考は料理のことなど彼方に放り投げ、即座に彼女一色に染まり。ゆっくり歩み寄ってみれば、うら若い娘は濡れ羽色の髪を涼やかな風に靡かせながら、どこか欲求不満のような声を漏らしつつリングピアアスを痛そうなほどに弄んでいる始末。……これはチャンスかもしれない。退屈をしている女性を冒険に連れ出し、興奮で疲れ切った夜に美味い血をこっそり頂戴したあの興奮に自然胸が高鳴りだす。まさか彼女が同じ長い時を生き抜いてきた同胞だとは露知らず、彼女のすぐそばにやってきて柵にもたれかかりながら、きざな調子で声をかけ。)

(/信憑性や説得力がないなんてとんでもない。憂え強いお言葉をありがとうございます!セイチャットでの本格参加が塔トピが最初であるというお話、トピ主として誠に光栄に思います。主からは背後様に対し不愉快や不安などみじんも感じていないので、どうかご安心していただければ。ソロルお待ちしておりました、早速絡ませていただきましたが何せ下心たっぷりの怪しい男ですので、お好きなように雑に扱ってくださいね……!)


>All

ここの風景は変わらんのだな……うむ、合格、ふむ、美しいライン……どうやら村の女たちも、あの頃と変わらず美しい娘ばかりだな……?

(――30年の時を経て舞い戻ったアニュス・デイ村。その全てが懐かしくも、己の野望を確たるものに変え、目的を持って帰ってきた今、どこか真新しく見えるから不思議だ。
まずは己の居城を住みよい場所に整えよう、そう思って先日までは滅びの森を右往左往していたのだが、方向音痴の自覚はないはずであったものの自身の館がなかなかどうして見つからず、仕方なしに今は旅人のふりをしてアニュス・デイの酒場の客室に間借りしている状態であり。
日も落ちて猟師や一般の村人たちが夕食にいそしみはじめた時間帯、己もそろそろ血を頂戴する村娘をひとりは見定めなくてはならない。そんなことを思いながら、酒場でグラスを揺らしつつ適度に賑わう店内を赤い瞳でどこか愉しげに見渡していて――しかし傍から見ればその様子は、若い女性を品定めする酔った男の危うげな雰囲気以外の何物でもなく。)



(/昨晩参戦と言っておいて寝落ちの為ただいま参加しましたこと、冗長・安定しない文量、申し訳ありません……!これから皆様それぞれにとって返しやすい文量に少しずつ調整していくのでどうか見逃していただければ。絡みづらい内容等ございましたら遠慮なくおっしゃってくださいませ。
参加者の皆々様、改めて宜しくお願いいたします……!)




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