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ある日、森の中(〆)/1130


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自分のトピックを作る
981: ラウル [×]
2020-05-18 21:07:06



そうだろうな。俺はありのままの事実を只述べただけだけに過ぎん
(認めた部分はほんの微々たるもの。これで喜ばれたら相手の頭を心配していた事だろう。黒い瞳に備わるレンズを調節するように瞳孔が収縮し、小鳥はその場で置物のように静止する。彼女が小鳥に目線を合わせるべく距離を詰められては、視覚の一部を共有している魔法使いには、その花のかんばせが片目にドアップで映り込み。続けて示された位置にも不愉快そうに眉間に皺を寄せては、声音に生えた棘は冷えた鋭さを増し。「何故俺が貴様に見下されんとならんのだ。却下する」そう返事をすれば、閉じていた翼を左右に広げ、小鳥の体は宙へ。彼女の肩を通りすぎ、強引にもその頭部に腰を落ち着かせてしまう。しかしその体重はまさしく、羽のような軽さで。威勢の良い掛け声には、使い魔が周囲の音を拾う聴覚の音量を調節しつつ。彼女の行動可能な範囲は驚く程に広がっている現状を知らない魔法使いは、どうせ行き当たりばったりなのだろうと、少し小馬鹿にした風に問い)
それで、何処に行くつもりなんだ?迷子になったとしても助けてやらんぞ

982: 皐月 夜 [×]
2020-05-19 07:47:51



む…、でもさ魔法使いさん。私最後に魔法使いさんに会った時からいろいろ出来るようになったんだよ。例えば──素敵な秘密基地を見付けたり、魔石の欠片だって手に入れた。そりゃあまだまだではあるけどさぁ。
( いつまで経っても褒められる事が無いのは寂しいもの。見下されるのが嫌だと言う理由で肩ではなく頭に降り立った相手──小鳥の重みは最初髪と毛が擦れるぽす、と言う音だけ。それについては何も言わずにそのまま歩みを進めては、最後に相手に会った日から今日までにあった出来事を簡単に伝え。魔石の話を出して思い出した事が一つ。小馬鹿にしたような声色の相手にふふんと鼻を鳴らせば「ちゃーんと一人で帰れますよー。今日はさ、本当はこっちの奥の方に行ってみたかったんだけど、先にこっち。魔法使いさんに見せたいのがあるんだ」向かっていた方向から体の向きを少し変え、向かうは妖精と魔石の欠片を採掘した洞窟がある方角。るんるんと鼻歌混じりに軽快な足取りで落ち葉を踏み締めて )




983: ラウル [×]
2020-05-20 08:39:12



秘密基地に……魔石、だと?何だそれは。また可笑しな暗躍を始めるつもりか
(彼女の口から紡がれる単語に気になるワードが含まれては、小鳥の体は相手の頭で飾り物に近い嘴も微動だにせず、居座ったまま。警戒し疑うような魔法使いの低い声を彼女に届けるスピーカーの役割を果たし。「俺に見せたい物……?──此処か。よくこんな目立たぬ場所を目敏く見つけたものだな。しかし見ず簿らしいな。この中に一体何が……いや、秘密基地とはもしやこの事か?」歩みが始まれば、詳細は明かされない行き先に疑問符を浮かべるが、身を任せるようにその後は口を閉じ。館にて成分の分析を紙に纏めつつ、目的地に到着した頃。木々に囲まれ、地表に浮き出た木の根に隠されるような形で存在する洞窟の入り口。微弱な魔素の気配も漂ってくる。ふと、先の発言を振り返った予想が頭に浮かび、館にいる本体は眉間にまたシワを寄せ)



984: 皐月 夜 [×]
2020-05-20 11:19:55



せいかーい。魔法使いさんに教えたから秘密基地って感じにはならなくなったかもだけど。ささ、ご案内しまーす!
( 小鳥を頭から落とさないように、最初こそはそんな気遣いでゆっくりバランスを取りつつ歩いていたが、流石は魔法使いの鳥。そんな気遣いは無用な程にまるで頭に貼り付いたかのように揺れ一つ起こさなければ、それに気が付くと同時に再び足取りはスキップでもおこしそうな位に軽くなり。ややして森の奥、木々に囲まれ少しばかり肌寒さも感じるその場所に目的の秘密基地が顔を出せば、入口の前で一度立ち止まりガイドの真似を。そうやってほぼほぼ一人で楽しんでから薄暗い洞窟内へと歩みを進めて。──そこであの日は妖精の羽が美しい光を放っていたからこその明るさだった事に気が付くと、奥に進む度に視界を奪う暗闇に「…魔法使いさん。大変ご迷惑をお掛けするのですが、何か灯り的な魔法は使えないでしょうか」と機嫌を損ねないようやたら下手に出たお願いをしつつその答えを待って )




985: ラウル [×]
2020-05-22 13:08:54



案内すると言っておきながら何だ、その無計画な体たらくさは。貴様の鞄には明かりの一つも持ち歩いていないのか
(軽やかな足取りに揺れ、上下し、闇に呑まれる片側の視界。普段の手伝いから、唐突な魔法使いの都合による予定変更に万全に用意を整える方が無茶な話なのだが。そんな事は関係無いと言わんばかりに、小鳥は首を傾げ彼女の荷物が入った鞄を一瞥し、傲慢な声にため息が交ざる。乞われた願いを叶えるのは癪だが、かと言って断った場合、そんな事も出来ないのかと評価されてはプライドが傷付く。自らの考えや葛藤を纏めるべく数秒の間を置き、小鳥は首の位置を垂直に正し「……只で叶えるのは今回だけだ。次もあるとは思うなよ」遠距離からの魔法の行使に然したる労力は必要無いが。無償で提供し、この出来事をいつか引き合いに出され、再び甘えられでもしたら堪ったものではない。そう釘を刺しつつ、感覚を一部共有する小鳥の体に魔力を込める。すると彼女の頭上の掛けられる重みが僅かに増し、小鳥の体は蛍光灯に設置された昼光色の電球の如く、青白く冷めた色を纏い、発光し。周囲に立ち込める薄暗い闇を払い、足元に転がる魔石の欠片や、洞窟の岩肌、細かな景色を照らし出して行き。その明かりに目覚めたのか、壁際に積まれた小石に擬態した半透明なスライムが数体、ぷるんと体を震わせ動き出し)


986: 皐月 夜 [×]
2020-05-24 20:09:12



はーいっ!魔法使いさんありがとーございます!
( グチグチとねちっこく紡がれる嫌味には慣れたもの。下手に歯向かう事もなくお礼だけに留めれば、頭の上を陣取る小鳥は少しばかりの重さを増し。それからすぐに妖精のそれとは違う冷たい光が闇に包まれていた洞窟内をじんわりと照らしていく。光の範囲が広がる毎に、壁、地面に埋め込まれた魔石の欠片が反応し反射するようにキラキラと輝き。何度見たって美しさの変わらない独特な世界の中、もっと奥まで行けば本当に見せたい景色があるのだが、右足を前に踏み出したその時、動かなければわからなかったモンスター…友達がのっぺりとした移動を見せれば、待ってましたとばかりに大股でスライムの横にしゃがみこみ。「魔法使いさん見て!見える?このスライム君私の友達なんだよ!名前はもちゃ。──あ!ほら!此方にもいた!」小鳥を通して相手にも見えているだろうか。頭をなるべく下げ見やすい形を取りつつ、一匹だけではない“もちゃ”を次から次へと指差し。その途中で岩壁の亀裂から生えている小さく光る植物を見付けては、「これも見せたかったやつ!この前の時、胞子少しだけ貰って今クローゼットで育ててるんだけどさ、なかなか大きくならないんだよねぇ」興奮冷めやらぬ様子で矢継ぎ早に言葉連ねていき )




987: ラウル [×]
2020-05-26 16:33:19



スライムが友達?もちゃ、とは……コイツらの名称か。呼び掛けた所で反応を返す知恵さえ無かろうに、それでも友と呼ぶのか。ご苦労な事だな
(魔法使いの視点からすれば眩しさは無く、ありふれた洞窟の光景が広がり始めれば少し見易くなった程度に考えていて。暗闇に陽光の如く魔石が、鳥を通じて産み出した光に反射し輝くその純度は低く。興味引かれる物は無いとの印象を受けた。彼女が何かを発見し屈めば、其処に存在するのは低級の掃除屋。目につく物を食らい、眠り、また食らいを
繰り返すだけ。そんな彼等を親しみを込め呼び掛ける彼女を、不可解に思う。続けざまに次は光苔に対してはしゃぐ声が洞窟内に響けば、その内容を鼻で笑ってみせた。「苔を持ち帰ったのか。ハッ、土だか石だか知らんが、植え付けてそうすぐ大きくなんぞ成るものか。こんな環境に生息する植物が、どの程度の頻度で水を欲していると貴様は考えているんだ?」クローゼットと言うからには光源の少ない場にて保管しているのか。ならばその湿度に問題があるのか、或いは別の要因か。魔法使い自身はそのつもりは無いが、聞き方によっては相手の助けとなり得そうな内容を。どこか見下したような態度が滲む声で、小鳥の体は動きを止めたまま問いを投げ掛けていて)


988: 皐月 夜 [×]
2020-05-27 15:35:01



本当は魔法使いさんみたく使い魔的な相棒にしたかったんだけど、ジュリーにとめられちゃったんだよねぇ。
( 名前の通りもちゃもちゃとスローペースで苔を食べる小さな頭を人差し指でぷにぷにと突つきながら、残念さの滲み出る声色でぽつりと呟くも、続けて紡がれた本人に自覚は無いであろう助言にはふむ、と一つ頷き。「足りなかったのかも…。私一週間に一回とかしかあげてなかった」もちゃから指を離しつつ申し訳なさそうに。それからよっこいしょ、の掛け声と共に立ち上がれば、「このもう少し奥に本当に見せたい場所があるんだ」ともちゃに別れを告げまた奥へと歩みを進めて。それから歩く事暫く、空気がひんやりとしたものに変わり、魔素の流れが少し強くなった頃、一際開けた場所が視界に飛び込んで来れば無事に辿り着けた事に安堵すると共に、大きく力強く、それでいて美しく佇む青々とした地底湖と、大きく育った水晶や魔法石の柱に今一度の興奮を見せ。「見てよ魔法使いさん!ここがね、見せたかった場所なの!あの湖なんてすんごい冷たいし、透き通ってるし、中もキラキラなんだよ!」矢継ぎ早に言葉連ね、パタパタと湖まで駆け寄り。さぁ覗くのだ!とばかりに屈んで )




989: ラウル [×]
2020-06-02 21:36:26


掃除屋を使い魔にか?ハ、その点については貴様には似合いだと思うがな
(無色透明、知性の低い生命。そして妖精の名が出れば、その逆を向かいたくなる天の邪鬼な魔法使いは。嘲笑うかのような口調で、鳥の目を通じて彼女の黒髪の頭部を見下ろし。「馬鹿者、逆だ。降り掛かる雨水の無い、大気中のじめじめとした空気と魔素で補い、生きているのだ。構いすぎれば逆に息苦しくもなろう」育成への反省点には、思わず本人の感情に作り物の使い魔の動きが連動したのか。小鳥は嘴で一度彼女の額側の頭皮をコツン、と小突き。やがてスライムとの交流が終えたようで、再び進行の歩みが再開されては無言にて返事をするように答え、館に居る魔法使いは何か変化があるまで使い魔と共有する感覚を薄め、自らの作業に励み。そうして彼女の声が、何かに反響してやけに大きく聞こえたならば、使い魔とのチャンネルを調節し、彼女と同じ景色を片目に宿し。「……、……は?あ?何だ、此処は。こんな場所、俺は知らんぞ……」そこに広がるは別世界。濃厚な、けれど色素の澄んだ魔素が空間に溢れ、それを吸収しここまで肥大化し、増殖していったのであろう。純度の高い魔石。それは美しい装飾品としての価値以上に、魔法に有用な贄となる対価や、複数の属性を注ぐ強固な器、杖等の媒体、補助魔法具。流用出来る用途は多彩なそれが、ほとんど手付かずで、天然の洞窟に満ち溢れている。それがどれだけ異常で、偉大な事か。暢気に湖を覗けと促し、低くなる視界の先。天へと手を伸ばすように底から突き上がる鉱石の群れ。くらりと頭が混乱するような錯覚を覚えれば、さしもの魔法使いも調子を崩し、言葉を見失ったかのように呆然と呟く声を、静寂なる洞窟にポツリ、と落とし)

)

990: 皐月 夜 [×]
2020-06-03 11:13:33



あ、確かに一日何回も何回も様子見たし、音楽とか聞かせたりしてたもんな。──一ヶ月位そっとしておこ。
( 朝昼晩、もしくはそれ以上に何度も何度もクローゼットを開け閉めして、話し掛け、挙句スマホでモーツアルトを聴かせる、なんて強行を繰り返していれば植物じゃなくたって嫌気がさすだろう。言われて初めて構い過ぎていた事がわかれば反省の言葉を落としつつ、小突かれた頭をさすさすと摩って。そこに水が張られているなんて思わない位に透き通る湖、その奥底から今にも水面を突き上げ地上へと伸び出て来そうな鉱石の群れは、小鳥を伝い確かに魔法使いの視界にも届いたようだ。珍しく落とされた唖然とした呟きを拾い、ふふん、とばかりに勝ち誇った表情を浮かべては「此処はジュリーと一緒に見付けた秘密の場所だからねぇ」と自慢げに胸を張り。それから立ち上がり、湖から少し離れた岩壁側辺りに移動し「この辺りにね、野菜とか植えてみようかなって思ってるんだ。こんだけ魔素がいっぱいで空気のいい所ならさ、突然変異で不思議な作物出来たりしそうじゃない?」両手をいっぱいに広げつつ、この先の楽しみを語り )




991: ラウル [×]
2020-06-05 01:23:04



何故音楽なんぞ植物に聞かせる。赤子でもあるまいに、そこにどんな意味があると言うのだ
(水以外にも加えられていた世話遣りに、そんな事までしていたのか、と。本体の魔法使いは眉間に皺を寄せ、呆れ顔を浮かべていた。妊婦が腹部に宿る我が子と、コミュニケーションを計る手法の一つとの知識は有していても、実行しようとは欠片も思い付かず。彼女の柔軟で自由な発想を不可解そうな思いを言葉にありありと漏らし。湖から視線を上向かせれば、天井から突き出た氷柱のような岩には、八面体の透明な、或いは紫を帯びた水晶が入り交じっている。使い魔の灯りが無くとも周囲の光景が明瞭なのは、ダイヤモンドダストの如き魔素の輝きのあるお陰か。己の知らぬ秘境の地を彼女に案内されてしまえば、鈍いと罵っていた亀に先を越され屈辱を苦々しく感じる兎のように。カチン、と負けず嫌いが顔を出しては、楽しげなその表情を歪めようとの対抗心を持って口を開き「人の世についてでは無く、この森の中に在るもので、貴様に何かを教えられる日が来ようとはな……しかしその秘密の場所を俺に教えてしまって良かったのか?これから根こそぎ奪われるとは考え無かったのか」彼女が考える以上に、己にとっては利用価値の高い鉱石の宝庫。既に幾つか用途の算段を巡らせ、採取方法も理解し確立してもいれば。人が森の自然を、人工物によって切り開くのは妨害する癖に、己は奪う側に躊躇しない意志を淡々と告げようか。「野菜?耕せる柔らかな土の無いこの場にか?……いや、鉢植えか。──そうだな、これだけ豊富な魔素があるのだ。人の食えない毒や狂暴な食虫植物に変異しても可笑しくは無い。実に面白い試みだ」語られる菜園には、子供の豊かな夢を現実を突きつけ、台無しにしようとする意地の悪い大人じみた。しかし、その可能性もゼロでは無い考えを魔法使いは発しては、くつくつと喉の奥を震わせ、陰鬱な笑いを彼女の耳に届けさせることだろう)


992: 皐月 夜 [×]
2020-06-05 13:04:22



植物に音楽聞かせたり、話し掛けたりしたらいい感じに成長するって誰かが言ってた。だってね、実際に音楽聞かせた植物と、聞かせてない植物だったら、色の鮮度とかに違いが出たって。…実際に見た訳じゃないけどさ。
( その表情を見れている訳では無いが、心底呆れた顔をしている事はありありとわかる。だからこそテレビで観た情報なれど一つの例を上げ。──はて、今相手は何と言ったか。透き通る湖の深くに聳える鉱石も、気持ちよさそうに泳ぐ骨魚の群れも、地面から天井までびっしりと埋め尽くされキラキラと輝く魔石も、その何もかもを根こそぎ奪うと。珍しくキッと表情鋭いものに変え、頭上で動かぬ小鳥をむんず、と鷲掴みにしては自身の顔の前まで移動させ「駄目!絶対駄目!絶対そんな事しないで!…そりゃあ、少しだけ貰うのは私もやったけどさ、何もかもは駄目!」至近距離にて抗議の声を上げ。そのまま小鳥は手の中へ。ピーピーと囀る声ではない、鳥から発せられるとは思えぬ意地の悪い笑い声は洞窟にも響き渡っただろうか。「…魔法使いさん意地悪ばっかり言う。私はハート型とか、光るトマトとかになるかもって話してるんだからね。まったく、」ムスッと不貞腐れた表情でやれやれと溜め息をついた後は、掴んでいた小鳥をまた頭の上へと戻し「これ以上此処に居たら魔法使いさんに全部持ってかれそうだから、もう次の所出発ね」今一度双眸に輝きを映し出口へと歩みを進めて )




993: ラウル [×]
2020-06-08 15:17:20



他人からの伝え聞きか。真偽が不明だからこその実験は、苔如きに劇的な変化が望めるとは思えんがな……
(彼女の話には半信半疑ながら、口には出さないが花の世話をする小虫達は活性化を促す呪文のような歌を紡ぐとの話を思い出していた。洞窟内の暗闇を仄かに照らす弱々しい光を放つ苔の群れを、使い魔の目を通し確認し。しかし急激に視界が揺れては、無言のまま事の成り行きを眺める。小鳥の体を掴み、眼前に迫る彼女の怒りを宿した瞳と、感情の籠った声が洞窟内に反響する。キンキン高い声で喚くものだ、と感想を抱きつつ静観したまま、小鳥の体も特に抵抗はせず。話に区切りが付いた所で魔法使いは口を開き「何故貴様が俺の動きに制限を掛ける。自然の恵みは貴様の物か?自分で育てた所有物でも無かろうに。貴様は盗って、俺はその数より多く盗ってはいけない理由は何だ?」一気には消費しないだろうが、少しずつ採取し利用すればやがて底がつくだろう。語られる感情論だけではその抗議には納得が行かないと、淡々とした冷えた声で根拠を、理屈を、彼女へと求めようか。「ハッ、俺は貴様と同じ可能性に言及したまでだが?互いに見える範囲が違うのは当然だろう。必ずしも同意が得られると思うな。それに、その程度の変化はさして珍しくも無いだろうが」拗ねたような口振りを面倒臭がるように魔法使いは、鳥を通じて彼女の瞳を睨み。例に出された形の変化や発光する植物にも、自分の世界にはありふれた一つであれば、嫌味は続き。そうして再び鳥の体が頭に座らされれば、好きにしろとばかりに反論は述べず。彼女の歩みに身を任せ暗闇と宝石に満ちた洞窟から、日の当たる外へと出る事だろう)

994: 皐月 夜 [×]
2020-06-09 13:20:25



理由は──ない、けど。私の物でもないけど…でも!……全部無くなっちゃうのは嫌だよ…。
( 小鳥を頭の上に携え正論でしかないその言葉に的確な理由も何もかもを述べる事は出来ずに、ただただ同じく感情論だけをしょんぼりと紡ぐ羽目になり。それは続けられた言葉にもまた同じ事。キラキラと輝く野菜、摩訶不思議な姿へと形を変える野菜、それらは相手には決して珍しいものではないのだ。共に共感し喜ぶ事が出来るとは思っていなかったが、先の事もあり気分はドンドンと急下降して。「…もちゃだけは絶対殺さないでね…」野菜とは関係の無い、再び話の持ち出しを行えばそのスライムがのそのそと歩く横を通り過ぎ洞窟の外へと出て。後はもう行き当たりばったり。特別見せたい場所がある訳でもなければ、本日の主役となる散歩を行おう。葉っぱが青々と茂る木々の隙間を縫って歩き、清々しい日差しと風を受けながら進む事、ふ、と空気の変わったような気がした。それに僅かに疑問を抱いてすぐにやめてしまえば、それから数分も経たずして見た事のない景色──ずっしりと重く肺に落ちてくるような空気と、葉が枯れ果て幹だけになってしまった木々達が広がる開けた場所へと到達し。「…うわ、何か毒々しいよ此処!魔法使いさん、此処、来た事ある?」目には見えない無色透明の瘴気が充満している事には気付けない。空気をたくさん取り込みつつ頭上にいる小鳥へと問い掛けを行って )




995: ラウル [×]
2020-06-14 13:05:50



それでは話にならんな。もしどうしても守りたいと言うのであれば、俺を寄せ付けないような結界でも張ってみせろ、馬鹿者が
(勢いを失い、途切れ途切れにさらなる反論をしようとして、明確な解を見つけられなかった様子の彼女。しおらしい姿を使い魔の瞳越しに見据えては、魔法使いの気分は右肩上がりに持ち上がる。森を己の庭だとばかりに、侵入者は追い払う傲慢なその姿勢でもって、似た手法で対抗してみせろと。挑発じみた言葉を彼女はさて、どう受け止めるだろうか。続くスライムについては、口許に浮かべていた笑みをまた不機嫌そうなへの字に曲げ「何故生殺与奪な話になる。掃除屋の死骸何ぞに、そこまで高い価値がある筈無いだろうが」無闇矢鱈に見境のない略奪者として判断されたならば、不愉快だと全面的に言葉に滲ませ。無益で、得の無い無駄な殺生は己の好む在り方でも無ければ、不服そうな舌打ちをその後に鋭く打ち鳴らし。そうして彼女の引率の元に行われる森の観光。目を惹くような景色が無ければ、興味の削がれた魔法使いは使い魔との目の接続を切り、聴覚だけは保持したまま、館の自室にてソファーに腰を下ろし、読書を嗜む態勢へと移行し。それ故に、人の身には害を成す地点に彼女が侵入してしまった事に反応が遅れてしまう。違和感を伴う声に反応し、沈黙していた使い魔から声が響き、瞳には微かな光が戻り「何事だ?……ハッ、さてな。覚えがあるような気もするが……確かなのは、貴様にとってこの地の淀んだ魔素は毒である事くらいか。早々に立ち去るのが懸命だ。ついでにそのまま家にまで帰ってしまえば良い」此処に至るまでの道中の景色を見逃していれば、似通った森の景色に一致するこの場へは、真実はどちらにしろ曖昧な返事を。使い魔はそもそも生命では無く、機械仕掛けじみた作り物であれば、影響を受ける範疇外の位置でもあり。そうして魔素の濁りを確認すれば、空気を既に多く取り込んでしまった彼女へは遅すぎるかもしれない助言を告げ。事態を甘く見積もっている魔法使いは、普段と変わらぬ口調で帰れと呼び掛けようか)


996: 皐月 夜 [×]
2020-06-15 08:02:43



結界──それだ!私には心強い味方がいるんだからね!
( その手があったか。とばかりに、一筋の光に縋る。相手は妖精の事を言っていると思うだろうが実はもう一人、偶然の出会いを果たした女性がいるのだ。そこには敢えて触れずに、勝手に友にしたスライムに対する価値について安心したように一つ深い深い息を落とし。「だって根こそぎ、なんて言うからさ。洞窟内の全部持ってかれるかと思うじゃんか」それもこれも結界さえ出来れば心配は杞憂に終わるのだが。不服そうな苛立ちを乗せた舌打ちに「ごめんね魔法使いさん」なんて形ばかりの謝罪を続けて。そうして茶色のような、紫のような、怪しげに色をつけながらその命を落とした落ち葉を拾い上げつつ、忠告に素直に従うべく来た道を戻ろうと向きを変えた瞬間、ぐにゃりと視界が歪むと同時に酷い頭痛と息苦しさを感じ。「、ッ」これは不味い。頭痛の隙間で早急に立ち去れと警戒音が鳴るのだが、息苦しさも目眩も何もかもがそれを阻むのだから為す術がない。「ま、ほ使いさん…!息、出来ない…っ、」片手で胸元を握り締め膝を着けば、この状況を打破すべく反対の手で鞄をまさぐり杖を取り出すも、治癒魔法も、風力を操る魔法も、この状態ではろくに操れなければ結果的に相手へピンチを伝えるだけとなり )




997: ラウル [×]
2020-06-15 18:36:38



ほぅ。もしそんな奴が本当に存在するなら見物だな
(他人の力を傘に着ている発言ながら、明朗快活な力を取り戻した彼女は、今度はどこか確信めいた根拠がありそうだと察し。その人物がどれ程の力を持つ存在か。然程期待してはいない様子でそんな返事を述べ。「拡大解釈のし過ぎだ。取捨選択はし、不要なゴミまでは持ち帰らん」フン、と鼻を鳴らし──相手には知り得ない、細かい整理整頓までは気が回らず、物に溢れた館の現状は棚に上げ。向けられた謝罪には言葉を特別返しはせず黙して受け止め、そうして再開された歩み。落ち葉一つとて不用意に触るのは感心しないと冷めた眼差しを使い魔越しに送れば、彼女の身に起きた異変。ガクン、と力が抜けるように膝を地に付けたならば、当然己の視界も比例して下がる。使い魔の鳥は重力の方程式に逆らい、まるで磁石でくっついているかのように彼女の頭部から離れもせず、座った状態をキープし続けてはいるが。苦し気な吐息と、体の動きもままならぬような有り様にはくくっ、と愉快そうな笑い声がつい漏れだし「おや、既に遅かったか。しかし貴様にとっては良き薬となろう。存分に味わえ。……あぁ、だが、貸し一つで助けてやらん事も無いが?」死に至る程では無いだろうが、日頃の鬱憤もあるのか。藁にもすがる思いにも似た彼女を、鳥は冷静に見下ろし。気紛れで底意地の悪い魔法使いは、そんな問いを悠長にも彼女に投げ掛けていて)


998: 皐月 夜 [×]
2020-06-16 07:43:49



わかった…っ!貸し、作る、から!
( 牙も爪も素晴らしいモンスターに襲われた時も、崖から落ちて動けなくなった時も、ここまで真剣に命の危険を感じた事はなかった。が、今はどうであろうか。為す術がないとはまさにこの事。瘴気に塗れた落ち葉がぐにゃぐにゃと歪み、頭がガンガンと痛み、気を抜けば嘔吐してもおかしくはない状況で強がるなど得策ではなく。「助け、て…!」切羽詰まったように何度も何度も頷く。このままこれ以上、一秒でもこの場にいたくはないとばかりにあっさりと“貸し”を承諾しては、歪む地面を見ないよう瞳を閉じる事で少しでも目眩を緩和させようとして )




999: ラウル [×]
2020-06-16 16:21:22



従順だな。いつもそうであれば、多少は煩わしさも拭えるものだ
(彼女の身体に今、何が起きているのか。観察するように視覚情報と思考を働かせ、考えを統合させる。平衡感覚を司る三半規管の異常により視界が回り、揺れ、歪み。地面や周辺の状態は実際には動いてはいないにも関わらず、誤情報を脳内の信号が伝達し、正常であったバランスが崩れ。それに伴い乗り物酔いにも似た吐き気。頭部を締め付ける痛み。下手をすれば、このままだと手足の痺れや耳鳴り、幻覚も現れてくるかもしれない。どんな言葉を投げ掛けても気丈な振る舞いを覆さない彼女の弱った姿に、いっそ穏やかな程の声音で感想を溢し。常であれば煌めく星の如く、好奇心の光を宿す瞳も瞼の奥に隠されてしまえば。症状を和らげる対処法として間違っていないのも合わさり、満足そうに魔法使いは頷き。「貴様にしては賢い選択だ。そのまま暗闇の中で蹲り、身動きは一切取るな。助かりたければな」下手に動かれ新たな面倒が巻き起こされては、堪ったものでは無い。そんな思いを込めた指示を告げては、遠方から魔法を行使するべく、低い声で短く、淡々と。彼女の耳には意味を成さない言語にてスペルを紡ぐ。すると魔力の注がれた使い魔が彼女の頭から立ち上がり、翼を広げれば。肉眼での視認は不可能な球体状の結界が展開され、周囲の穢れから彼女の身を守るように、空間が隔離されてゆく。次に、翼を前後に羽ばたけば。涼やかな風が吹き、結界内に取り残された魔素を外側へと押し出されたならば。彼女にとっては少し息がしやすくなったであろう環境を整え。そして最後の仕上げに、使い魔自身に己の魔力をさらに注入すれば。電球のような明かり代わりとなった時と同様に、体全身から、今度は清浄な輝きを放ち始め。その光が、彼女の頭部から染み込むようにゆっくりと足先にかけ、じんわりと温かく、伝播していく。使い魔越しに伝わる魔力はやがて治癒の効果を発揮し、暗闇を照らすように乱れた気を正し、血の巡りを向上させ、緩やかに全身を包み込み、彼女の身と心を癒す手助けとなろうか)



1000: 皐月 夜 [×]
2020-06-16 22:07:12



( 滅多に聞く事の出来ない穏やかな程の声色で紡がれた言葉も今は耳に届かない。泥だらけになるのも構わず地面に額をくっつけ蹲る体勢で、ひたすらに襲い来る目眩や頭痛に耐え。ふ、と頬を掠めた涼やかで柔らかな風。それを認識すると同時に酷い息苦しさは幾分かマシに。動くなと言われたものの、暗闇の中でふつふつと小さな不安が湧き上がれば「──まほ、使いさん…?」恐る恐る、と言ったふうに、どこか縋るようにもとれる声色でその名を呼びつつゆっくりと顔を上げて。己を、周りを蝕んでいた瘴気は円を描くように消えている。それに加えて自身の頭のてっぺんから爪先までもを包む優しく暖かな光。血管を流れる血すらも癒される感覚。ピリピリと乱れていた気も、頭痛も、吐き気も、息苦しさも、その何もかもがなくなれば、ほぅ、と一つ息をつき。「…ありがとう魔法使いさん」よいしょ、と立ち上がりお礼を口にする。これが“本物”の魔法なのかもしれない、なんて柄にもなくしんみりと思えば続けて「今度魔法使いさんに会った時、このお礼するね。…あ、貸しもか」小さく笑みを零して )




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