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闇の世界/3


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■: いっさ [×]
2017-07-06 16:01:58 

※コメントしないで下さい※
ある晴れた爽やかな夜、
スタンリー・コリンズはボーイスカウトのミーティングを終えたあと、家まで歩いて帰ることにした。
歩くといっても、たいした距離ではない。せいぜい二キロたらずだ。
夜とはいえ、帰り道なら、ロープの結びかたとおなじぐらい、知りつくしてるから心配ない。


1: いっさ [×]
2017-07-06 16:14:40

スタンリーはボーイスカウトの指導者で、その活動にとても熱心だった。
スタンリー自身、子供のことからボーイスカウトのメンバーで、大人になっても進んで参加し、三人の息子たちにも模範的なスカウトに育てあげた。
そして三人とも成長して独立したいまは、団長として地元の子供たちを指導している。

2: いっさ [×]
2017-07-06 16:22:07

体を冷やすまいと、スタンリーは速足でさっさと歩いた。
いくらさわやかな夜とはいえ、半ズボンにTシャツというラフな格好だから、あっという間にうでや足に鳥肌が立つ。
でもスタンリーはちっとも気にしなかった。うちのおくさんが、熱いココアとほしブドウいりのロールパンを用意して、俺の帰りを待っているに違いない。きびきびと歩いて帰れば、いっそうおいしく食べられるというものさ。

3: いっさ [×]
2017-07-06 16:29:34

道の両わきは、うっそうとした木立だ。なれない人なら、あまりの暗さに震え上がっていたことだろう。
でもスタンリーは、怖くもなんともなかった。
それどころか夜の闇は、大のお気に入りだった。長く伸びた下草やイバラを踏みしめる自分の足音が、耳に心地よく響く。
ザクザク、ザクザク、ザクザク。
スタンリーはふと、笑いがこみあげてきた。息子たちが小さいころは、家にもどる道すがら、頭の上のあの木のどこかに怪物が隠れているんだぞ、なんて脅かしたものだ。

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