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大学生･社会人･主婦･大人ﾁｬｯﾄ
自分のﾄﾋﾟｯｸを作る
■：
風人 [×]
2017-02-09 19:49:33
ライトノベル、小説、古典文学、ノベライズ、エッセイなどをご紹介ください（漫画は除きます）。
またこの本のこの場面やオムニバスならこの一編などおすすめと思われるところを挙げてください。
1：
風人 [×]
2017-02-09 20:03:36
サイボーグ００９ 完結編 conclusion GOD’S WAR
（全三巻）
１ FIRST
２ second
３ THIRD
原作・著：石ノ森章太郎
著：小野寺丈
亡き石ノ森章太郎先生が俳優や演出家として活躍されているご子息に生前託したライフワークともいえる作品の完結編。
物語は００１イワンとギルモア博士から００９ジョーまでがそれぞれが個々にふしぎな体験をすることから始まる。
彼らは自分たちに接触してきた者を“神”か“天使”かと問う。
やがて起こる日本や世界各地の異変、一度は凄惨な敗北を経験し更なる力をギルモア博士とイワンより与えられる八人。
再度の戦いに勝負し勝利するも“神”からの次なる攻撃。
更なる進化を遂げる九人。
そしてギルモア博士は“神”の攻略法を得るために過去に飛び生前の石ノ森章太郎先生に出逢う。
“神”に勝てる方法はなにか！？
彼らは何者かと謎が深まる展開。
あとがきには石ノ森章太郎先生から小野寺丈氏に託された経緯や作品への苦悩や葛藤が綴られていてまさに父子の姿を見せられた感じ。
あとがきも含めて石ノ森作品が好きな人にはおすすめのシリーズ。
2：
匿名さん [×]
2017-02-09 20:47:11
ラプンチェル
とにかくロン毛
3：
風人 [×]
2017-02-09 21:12:29
相棒season１
第八話（ドラマ第十話）「最後の灯り」
右京と薫はそれぞれ何者かに殴打され別々の場所で目覚めるところから物語ははじまる。
ふたりは互いに記憶をたどりながら事件の発端となったのが美和子の取材先の映画スタジオと思いあたる。
スタジオに戻り映画監督が殺された事件と思い出しながら再びその捜査にあたるなか真犯人に近づく。
容疑者はスタッフのとある人物と気づく。
容疑者は監督から名前をいまだに呼ばれないことから監督を殺したという。
しかし亡くなった監督は彼の名前は覚えてなくとも信頼したスタッフのひとりだったと美和子が録音した取材テープから真相を知り物語はそこで終わる。
相棒初期シリーズの物語だけどかなり印象に残った物語。
映画を作る人たちの悲喜劇や悲哀ともいえる。
4：
匿名さん [×]
2017-02-09 22:23:53
赤い蝋燭と人魚
悲しい
5：
匿名さん [×]
2017-02-10 02:19:17
>4
これ大好き。酒井駒子版の絵本は一生大切にする。
6：
風人 [×]
2017-02-10 08:22:03
ゲゲゲの女房 人生は……終わりよければ、すべてよし！！
著：武良布枝
ドラマ化や映画化、舞台化もされた水木しげる氏の奥さまの視点から綴られた自伝。
武良布枝さんの幼少からはじまりまた彼女も故郷のちかくで妖怪の話を聞いたという。
また彼女も戦中戦後を経験し貧しい時代を過ごしたことも語られる。
その後は家業を手伝い縁談を待つ日々。
そしてきた縁談相手が後の水木しげること武良茂。
戦争で片腕を失いながらもストーブをつける姿に惹かれたり東京に行ってから再び貧乏暮らし。
貸本漫画を書いたり出版社に原稿を持っていくも安くあしらわれたり。
だけど貧乏であっても温かみがあるふたりは地味に地道にやっていく姿が書かれている。
貧乏神が本当に憑いていたみたいとも記されてたと思いますがいつか貧乏神は離れてゆく。
お化けや妖怪の漫画に怖がりながらも時に手伝ったりみかんをわけあったりと戦後の苦労が伝わる。
『悪魔くん』や『鬼太郎』がテレビ化され裕福になり娘も生まれるが裕福になる反面、家庭内が仕事に追われケンカしながらも仲直りを繰り返す。
また世の中の文明が発達し妖怪やお化けが忘れられるのでは、と懸念する水木先生の姿も書かれている。
だけど再びアニメ化や鳥取県境港などが後推ししてくれたことで鬼太郎や水木先生などの像が立つ。
なにか悪いことがあっても水木夫妻や家庭はどちらが前にたつのではなくならんでたつみたいな姿勢は涙を誘う。
武良布枝さん自身は自ら前にたつ方ではないと思いますが水木先生を陰日向に支えてきた姿勢は感動。
あとがきは水木先生と縁がある荒俣宏先生が書かれしあわせを考えさせられる一冊。
7：
風人 [×]
2017-02-27 05:48:29
イノセント・ゲリラの祝祭／海堂尊／宝島社文庫
海堂尊先生によるAi（オートプシー・イメージング）普及のためと官僚と医療の戦いの物語。
官僚社会の悪癖が海堂尊先生による辛辣に書かれながら“火喰い鳥”白鳥圭輔、主人公田口公平、“スカラムーシュ”彦根新吾による三者が組んでAi普及に動く。
霞ヶ関の描写が硬派かつ丁寧に書かれているのもひとつの魅力。
世の中を変えるためにはなにが必要か、という一面も物語に示唆されている。
8：
風人 [×]
2017-02-27 13:05:21
∀ガンダム EPISODE エピソーズ／佐藤茂／角川スニーカー文庫
本編全五巻の外伝にあたる物語を短編集として収録された一冊。
主人公ロランたちが地球に降りてくる以前の物語、ロランが夜な夜な月に吠えているのをお嬢様ソシエ・ハイムが追いかけ思春期の一端を垣間見せる物語やアニメにもあった『ローラの牛』の物語をキースやフランの側からみた『ローラの牛』、ムーン・レィスと地球人がひょんなことからカーレースをすることになりレット隊のキャンサーを主人公に据え地球に帰化したムーン・レィスの生い立ちを語る物語やキエル、ソシエの母であるハイム夫人を主人公にした夫人ならではの立ち直りや母としての側面を書いた『ハイム夫人奮闘記』。
またアニメ本編でも活躍したリリ・ボルジャーノ嬢をヒロインにし地球とムーン・レィスが和解した後に茶目っ気を見せながらもしたたかな一面をのぞかせる物語など六編の物語を収録している。
外伝的にあたる物語が収録されているためSFというよりは寓話や世界名作劇場的に読める一冊。
9：
風人 [×]
2017-02-28 08:57:37
小説 仮面ライダークウガ／荒川稔久／講談社キャラクター文庫
テレビシリーズ最終回より１３年後を書いた物語。
物語は一貫して五代雄介の相棒をつとめた一条薫刑事を通して書かれまた彼の半生も通しながら新たに起きた未確認生命体グロンギによる殺人事件を新たな相棒として亡き夏目教授の愛娘の実加を加えながら物語は進んでいく。
しかし人間社会に深く溶け込み人間の弱味につけこむグロンギの暗躍。
また弱味につけこまれた人間や人間社会の弱さや脆さもストレートに描写されながら一条刑事たちは戦ってゆく。
一条刑事のなかに五代を戦わせたくない思う思いもあり悩み葛藤し新たに明らかになる九郎ヶ岳遺跡とは異なるもうひとつの遺跡とアークルの存在。
謎が解けながら黒いクウガとなる実加、迫る人類抹殺の危機。
現れる赤いクウガこと五代、ビートチェイサー３０００を駆るクウガ。
実加を闇から救う五代。
テレビシリーズを彷彿とさせさらに１３年後というそれぞれ一条刑事を筆頭に桜子さんやみのりちゃん、おやっさん、榎田さんなどを自然に登場させながら物語が展開していくのは二時間ドラマの様相。
『仮面ライダークウガ』が好きな人は読める一冊。
10：
風人 [×]
2017-03-02 15:12:16
極北クレイマー（上・下）
極北ラプソディ／海堂尊／朝日文庫
海堂尊先生による極北シリーズ。
北海道極北市を舞台に市民病院の存続や在り方を書いた一連の物語。
今中先生を主人公に据えながら彼の目を通して市民病院の経営、医療費不払い、市役所や市長との関係を描きまた『田口白鳥シリーズ』から氷姫こと姫宮香織が『極北クレイマー（上）』に現れ極北市民病院を視察し指導する。
また『極北クレイマー』においての唯一の良心的な人物、三枝医師は自称ジャーナリスト西園寺さやかの企みと共に逮捕されてゆきそれをきっかけにタヌキな病院長こと室町病院長がいろいろと手を尽くすが市民病院は一度破綻してゆく。
また不良医師後藤の過去もあきらかになり涙を誘う（ここまでが極北クレイマー）。
一度は破綻した極北市民病院だが医療債権請負人である世良雅志のもとに破綻をまぬがれるが今中先生が積み上げた信頼はすでにない。
しかも世良先生は病院が危機のなか唯一の部下である今中先生を隣の雪見市救命救急センターに派遣し今中先生は充実した生活を送るが極北市民病院が気がかりになる。
また世良先生の後輩である速水先生からすでに見えている“答え”を示唆され彼は市民病院に一方的に返される。
『極北ラプソディ』のひとつにドクターヘリの活躍というのがある。
いまでこそ大抵の地方などでは目にするドクターヘリと思うが興味ある方は『極北ラプソディ』をおすすめします。
『極北ラプソディ』であきらかになるドクタージェット構想、日本三分計画などはある程度はっきりする。
しかし物語はそちらの方向には向かず世良先生と花房看護師との恋愛に帰結する……。
他の『桜宮サーガ』のシリーズとちがい市民病院を具体的に救済することはないが人間関係が修復されてゆくという形で物語は終わる。
地域地方の市民病院を物語に置いてることで共感できるシリーズと思います。
11：
風人 [×]
2017-03-06 10:00:17
超時空世紀オーガス０２／山口宏 木村明彦（著）／イラスト 美樹晴彦／スーパークエスト文庫（絶版）
同名オリジナルビデオアニメのノベライズ全四巻。
名作というよりは隠れた名作な部類。
アニメ第一作から一見、かけはなれた中世を舞台にしたような異世界を舞台にしそこで修理工場を営む孤児のリーンが主人公。
彼を取り巻く親方、親方の娘トリア、一癖二癖もあるリヴリア国近衛騎士団に所属するマニング、マニングの謎の上司。
敵ザーフレンに所属する黒騎士リファール、リファールに捕らえられた謎の美少女など。
これらの人物たちが混乱した時空の置き土産であるアーマー（俗にいうロボット）を駈りながらある者はトリアを救うため、マニングは金儲けのため、リファールは世界を手にするために各々の人物たちが動いてゆく。
そして明らかになるアーマーが彼らの世界に現れた事実と真実。
謎の美少女ナタルマの正体。
知名度は高くない作品だがクセのある人物たちが物語を動かしてゆく冒険活劇としても読める隠れた名作。
全四巻と短いながらも内容は比較的に濃いと思われる一作。
12：
風人 [×]
2017-03-18 05:07:48
機動警察パトレイバー （３）サードミッション／横手美智子／高田明美 佐山善則 イラスト／富士見ファンタジア文庫
富士見ファンタジア文庫による『機動警察パトレイバー』ノベライズ三冊目。
アニメや漫画ではわずかにしか触れられなかったリチャード･王と熊耳武緒の香港での出会いと別れを収録した『香港小夜曲』。
なぜ熊耳武緒が特車二課に自ら配属を願い出たかそして香港でのリチャード･王との出会いや恋愛、彼に利用された辛辣な思い出。
それらが明確にはっきりさせた物語。ただし小説版は旧オリジナルビデオアニメシリーズから劇場版一作からのシリーズなのでノベライズの世界ではシャフト社や黒いレイバー･グリフォン事件は起きていない世界観なのを留意なこと。
横手美智子氏の女性ならではの視点や感性がみえる作品のひとつ。
もうひとつの『サードミッション』は図体はでかいが影の薄い山崎ひろみを主人公に据えたコメディ。
こちらもまた短いながらキャラをはっきり際立たせた一編。
13：
風人 [×]
2017-03-19 18:26:16
ひかりの剣／海堂尊／文春文庫
医療ミステリー『桜宮サーガ』シリーズのひとつではあるが内容は医療でもミステリーでもない医学生剣道部員であった東城医大の後のスピードスター速水晃一と同じくライバル帝華大剣道部員の清川悟郎ふたりを主人公に置いた剣道青春小説ともいうべき内容。
著者である海堂尊氏も過去に剣道をしていた経験からこの作品を書けたと『伝説』に収録されている。
医療やミステリーではないのでふつうに青春小説のひとつとも読めるし『桜宮サーガ』シリーズのライバルたちが若き日に競いあった物語のひとつとも読める小説。
高階病院長がふたりが若き日に剣道部顧問として訪れたり田口先生、島津先生にもわずかに触れられていて『桜宮サーガ』を知る者ならなおさら面白く読めると思います。
14：
風人 [×]
2017-03-20 05:08:15
神様家族シリーズ（全七巻＋Zにより計八巻）／桑島由一／ヤスダスズヒト（イラスト）／メディアファクトリー
アニメ化もされた本作。
主人公は神様家族の長男であり神様見習いの神山佐間太郎と幼馴染みのテンコそして個性ある佐間太郎の家族や悪魔（後に天使となる）の久美子などを交えてのハートフルコメディ。
神様らしくない人物像をコメディタッチで書きながらもその内容は実にシリアスかつ人間が生きる意味や苦しみなどを桑島由一氏により丁寧に書かれながら笑いを混じらせつつも物語は一冊あるいは短編ごとに適度に収録されていてどこから読んでも面白い作品。
人や神様とはなにか、久美子に限らず悪魔に落ちてしまう天使や人間の闇の部分を書きながらも救いある場面がないわけではない。
『Z』において苦しみ思い出の裏側にはちゃんと表側には誰かに救われた思い出や記憶があるなどのように何かしら苦しいことだけではない普段気づかないごくあたり前のことが示唆されている。
笑えて泣ける作品である。
15：
風人 [×]
2017-03-20 05:43:55
ウルトラセブン EPISODE：０
ウルトラセブン EVOLUTION
著：武上純希
出版社：朝日ソノラマ文庫
オリジナルビデオ作品平成ウルトラセブンシリーズ『最終章六部作』と『EVOLUTION』のノベライズ。
小説という構成上から各シリーズの単独エピソードは各々の人物から断片的に語られるにとどまり大筋としては各シリーズの大まかな物語を追う展開。
『EPISODE：０』においてはかつてのノンマルト事件とフレンドシップ計画、中国から発見されたオーパーツの隠蔽をカザモリ･マサキに変身したダン（ウルトラセブン）が謎を追っかけてゆく。
『EPISODE：０』において興味深いのはダンの精神面に触れたことでノンマルトがかつて彼が愛したアンヌに変身し地球を追いやられたノンマルトの気持ちとダンにフラれた（と思い込む）アンヌの女性としての心情がクライマックスに重なる。
またかつてのノンマルト事件をもとウルトラ警備隊隊長であったキリヤマ隊長が語る場面がある。
なぜ彼はノンマルトを真っ先に攻撃したかの真相がはっきり明示される。ちなみに本来なら映像作品でもキリヤマ隊長を演じられた中山昭二氏が出演するはずだったが本作出演前に他界されている。本来は小説版のようにキリヤマ隊長がすべてを語る場面が予定されていた。
次作『EVOLUTION』では地球侵略がなくなったはずの地球では水面下による星人の侵略が進み地球防衛軍および基地は壊滅したところから物語は始まる。
カザモリはウルトラ警備隊を辞し自分はカザモリなのかセブンなのかと葛藤しながらも愛するサトミを失う。
そして明かされる真実。アカシックレコードにより本来人類は滅ぶべき道を辿る未来が予見されるがサトミの心を聞いた何者かが人類は衰退するが地球で新たな植物生命体と共に生きていく未来が示唆される。
昭和ウルトラセブンシリーズとは異なるアプローチの本作ではあるが本作もまた『ウルトラセブン』であると思われる。
地球を愛したM７８星雲人またダンやセブンを愛する者、地球を愛する者たちの物語でもある。
16：
風人 [×]
2017-03-21 05:53:13
機動警察パトレイバー TOKYO WAR（前後編）／押井守／富士見ファンタジア文庫
もしも平和な日本東京が戦争状況下に置かれたら、という仮想シミュレーション的物語。
同名アニメ劇場用ニ作品のノベライズ。
あとがきにもあるが紛れもなく本作品は“機動警察パトレイバー”であるということ。言い換えれば“機動警察パトレイバー”の作品を押井守氏が借りながら自らが持つ思想をぶつけた作品ともいえる。
アニメ映画では出番の少なかった旧第２小隊人物たちたが小説版ではそこそこフォローされ野明、遊馬、太田、進士、山崎の五人が自衛隊絡みの問題に警察が動くことそして特車二課というかつての職場を離れ現状の自分たちの立場や気持ちを考えながら“大人になろうとしていく”ことに考えてゆく姿勢が短いながら書かれている。
あくまで大人としての役割は後藤喜一と南雲しのぶに任されている点がある。
本作品におけるヒロインは南雲しのぶといえるが。
そして柘植ら決起グループにより都内は戦争状況に置かれ通信機器はほぼ全滅、ただし一部は通信は生きているが政府により出動した自衛隊は誰が敵なのかわからないまま疲弊してゆく。作中では触れられる程度だが食料についても書かれ戦うために食べ食べるために戦うという軍隊の一面が見られる。
“食”の一面が見えるのもおもしろいところ。
南雲しのぶの過去との恋愛や出会い、警察対自衛隊の対立構造、戦争状況下に置かれた都内、大人になろうとする主人公野明たちなど。
戦争シミュレーション的な演出が目立つ本作品だが他にも見所読み応えがある作品であることもポイントである。
17：
風人 [×]
2017-03-21 09:04:01
絶対無敵ライジンオー（上）（中）（下）／園田英樹／角川スニーカー文庫
同名アニメのノベライズ。
今作品において興味深いのは主人公はアニメにおいての子どもたち日向仁や白鳥マリアたち生徒ではなく（一方では主人公ではあるが）、物語上の主役は篠田俊太郎である。
今物語を読めばわかるがアニメ制作に携わる脚本家篠田俊太郎（園田英樹氏自身？もしくはそのモデル）がとあるアニメの制作に関わるところから始まる。
そしてとあるアニメこそがかの『絶対無敵ライジンオー』にいたるわけだが篠田俊太郎は謎の光の存在つまりはエルドランによって『ライジンオー』が放送されている我々の現実世界と『ライジンオー』が実在するアニメ側の世界つまりはパラレルワールドを行き来し彼はエルドランによってどちらの世界も救う担い手の役割となってるのが全三巻を通し明らかになる。
また日向仁たち少年少女たちも敵によって窮地に落とされ子どもととして“社会”というものを理不尽に知りながら悩み葛藤しケンカをしながら成長してゆく姿も書かれている。
しかし敵に操られていたある存在の人物にも実は悲劇的な過去があるがそれはラストを読めばおわかりいただける。
現実世界とアニメ側の世界を行き来するパラレルワールドものでありまた仁たちのクラスメイトである春野きらら、実はこの少女と同じ名前を持つ存在が脚本家篠田俊太郎の世界にもいてそれらが物語の重要な鍵となっていた。
ライジンオー側と現実世界が密接に繋がっておりひとり（パラレルワールドなのでふたり？）の少女（もしくは女性）の物語でもある。
同名アニメを知る者なら楽しめる一冊。
また各巻ごとに本編とは別に短編を収録しておりそちらもまた楽しめる作品となっている。
18：
風人 [×]
2017-03-21 15:04:05
機動警察パトレイバー シンタックスエラー／横手美智子／富士見ファンタジア文庫
同名アニメノベライズを横手美智子氏による書いた一冊目。
アニメや漫画とも異なる香貫花･クランシーが抜けた第二小隊に新たに配属される熊耳武緒ことおタケさん登場編の『シンタックス･エラー』と篠原重工の次男でありながらなぜ遊馬が警察官をし特車二課に来たのか。
また彼の父親の確執とはいったい何かに踏み込んだ『父の息子』の計二編を収録。
熊耳登場編は後藤喜一の姪の真帆子の勘違いや思い込みから始まり彼女と野明は熊耳が勤める（正しくは潜入捜査）バーに入り込み誤解やてんやわんやがあった後に事の真相がわかる物語。
かたや『父の息子』は遊馬の苦い過去が書かれ彼にかつて兄がいたことが明らかになりしかしいまはその兄は亡くなっているという。
また父親が口にする“篠原”が家族ではなく会社であることにも確執を呼んでいることも明らかとなる。
優秀だった兄やまた兄のかつての婚約者そして父や祖父の確執、篠原重工の後継者問題などが浮き彫りにされて遊馬が彼なりにしがらみや家族に葛藤していたという物語。
ロボットアニメとしてのパトレイバーというよりは確執ある人間ドラマとしての側面が『父の息子』は強調されている趣があると思われる。
『父の息子』においてヒロイン野明が遊馬に対して女性らしい一面があらわれるのは書き手である横手美智子氏の手腕と思われる。
横手美智子氏の小説に興味ある方は『パトレイバー』シリーズは読む価値はあると思います。
19：
風人 [×]
2017-03-22 06:26:24
お遍路ガールズ／又井健太／ハルキ文庫
人生、悩んでますか？
今を楽しんでますか？
人生は報われないことだらけだけど、お遍路は頑張ったら必ず報われる----。
いざ、四国巡礼へ。
２０〜４０代の女たちそれぞれの旅が、いま、始まる。（帯より）
ブラック企業に勤めていたヒロイン柿下千春は突然なにを思い至ったか会社を辞し四国お遍路の旅に出る。
そこには小説家になれなかった夢やかつての親友への思いだったから。
徳島に着いて出会ったのは美人の高松琴美、彼女と共に旅を始めてゆく。
旅先で出会う偏屈な老人やつい男性との出会いで浮かれたり土地の美味しいものを食べたりおもてなしをされるなか千春は考えたり悩んでゆく。
琴美の過去を知り途中別れてしまうこともある。
また安川優奈も彼女も人生に挫折を感じ旅を続ける者のひとりだった。
しかしおもてなしを甘さと思い込みしてた彼女は旅先で金を取られ酷い目に遭う。途中真由美という女性と出会い会話したことからいきさつを反省し彼女は再び一番札所から歩き始め再び真由美と再会してゆく。
そしてもうひとりのヒロイン葵はかつてはお笑い芸人だった過去があり相方がなぜお遍路の途中で亡くなった真実を知る旅に出る。
が、それが誤解だったことが後にわかる。
彼女はとある人物から“よみがえりの御霊”を知り別のある人物とお笑いライブを行い千春たちも協力する。
実は琴美がかつての親友沙織であり彼女もまたよみがえりの御霊だった。
真由美もまたよみがえりの御霊であり優奈に託す。
物語のエピローグは千春と葵はとあるおばあちゃんから譲り受けた茶屋を自分たちなりの休み処に改造し千春は沙織からの思いを受けとる。
優奈もまた丸の内OLになる夢を叶えるがその先にも夢や努力があることを自覚してゆく。
物語内にはお遍路の歴史や各札所を短く適度に紹介したりまた四国四県の特色が多く書かれおりちょっとした観光ガイドも兼ねた小説である。
興味ある方は読んでみてください。
20：
風人 [×]
2017-03-23 06:46:09
鉄人２８号／著 重馬敬／原作 横山光輝／角川書店
光プロ公認オリジナルストーリー
TVアニメ「鉄人２８号」プロデューサー 大月俊倫氏、絶賛！
「ここにこそ正義の心が生きている！」
横山光輝の不朽の名作が、オリジナル小説でよみがえる！（帯より）
かの横山光輝氏の名作漫画のオリジナルノベライズ。
物語は戦後の日本を舞台にした昭和の頃。
戦後日本の復興を狙う怪盗団を相手に戦う少年探偵金田正太郎、大塚署長に敷島博士。そして青き鉄人２８号。
物語はレナーテと呼ばれる不乱拳博士の娘が現れるところから始まる。
正太郎とレナーテ共にロボット工学の父を持つふたりは宿命によって実は結ばれていた。
正太郎の少年らしからぬ才能や頭脳そしてロボット操縦力がありながらなぜ彼は少年探偵をしているのか。
不乱拳博士、亡き金田博士そして敷島博士により語られる戦争中のロボット開発の悲劇の真相。
物語は正太郎がなぜ少年探偵をするのかレナーテという少女は何者かと解いてゆく。
戦争が遺したものは大きいが現在や未来を戦争に残していいものかを問う。
戦後日本の姿をフィクションである「鉄人２８号」の姿を通して描かれる戦争と平和、少年少女たちの未来。
敷島博士を通して語られる不乱拳博士や金田博士のロボットへの未来と執着や申執など悲劇的な一面もあるが一見なにもわかっていない大塚署長のキャラクターがラストの感動に帰結する。
“空想科学小説”と銘を綴られてることからむかしなつかしい小説の一編をのぞかせる。
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