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悲しみに沈むは宵の花 【非募集】/87


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自分のトピックを作る
41: 小夜 [×]
2017-01-29 21:07:46




…嫌、よ。
( 鋭く冷たい紅に何時もの碧が一瞬差し込めば多少の安堵感が生まれ。締め付けられていた首元から急に圧迫感が消えれば彼が少しの間ではあるだろうが理性を取り戻したのだと判断し。普通なら此処で背を向け逃げるのが普通だ。――然し彼女は息も絶え絶えではあるが凛とした瞳で彼の指示に背き否定して。そして続けざまにポツリポツリと言葉を洩らして。 )
――一人ぼっちの私に、優しく接して、くれた。…だから、貴方から、此処から逃げたりしない。
                                         

42:  [×]
2017-01-29 21:14:50



頼むから…夜が明けるまで、部屋に…
(顔を覆ったままそう言うも白い手に隠された奥の瞳は再び深い紅に染まりつつあり。自分でも何をしてしまうか分からないという思いから必死に腕を抑えつけようとしながらも鋭い瞳が再び相手を捉えるともう制御は効かず、獲物を捕らえるかのように相手の首元に白い手が翳されるなり彼によって心が操られたかのように相手の心の中に不意に深い悲しみとも恐怖ともつかない感情が流れ込んで。)



43: 小夜 [×]
2017-01-29 21:36:12




うぐッ…
( 美しい碧はその色を潜め代わりにまた深紅が全体を覆い始めた。彼の苦しみを自分が分つ事は出来ないだろうか、そんな考えを巡らせているとフッと翳された白く大きな手。途端、彼女の心の中は何処までも深い悲しみと心臓が凍り付いて仕舞う程の恐怖心が支配し。感情が負の物な為か胸が苦しくなり、眦には涙が溜まり。 )
                      

44:  [×]
2017-01-29 21:46:01



( 相手の瞳に溢れた涙が零れ落ちるなり、急に身体が楽になると深紅の瞳がふっと揺らぎその色を深い青へと変えるとそのまま眠るように床へと崩れ落ち。翳されていた彼の手が相手の胸元から離れると同時に相手を襲っていた深い悲しみと恐怖心も拭い去られたように一瞬で消え去り、まるで彼女の髪のような深い闇に包まれていた遠くの空が薄っすらと青みを帯び始め。それは、今日の短くも長い夜が終わりつつあることを語っていて生えていた角も消えており)



45: 小夜 [×]
2017-01-29 22:13:26




( ぽたり、と透明の雫が零れ落ちた瞬間彼は力なく床に崩れ、それ故に自分に翳されていた掌もパタリと静かな音を立て落ちて。胸中をキリキリと締め付けていた底のない苦しみと恐怖感は風に攫われていったように静かに失くなっていくと、呼吸を取り込もうと肩を上下させ息をして。闇夜に包まれていた空は何時しか青を含み夜が明けたのだと告げている。彼に目線を向けると角はとうに消え、ハッと金縛りに解けたように身体を動かし彼の元へと歩み寄れば、傍にしゃがみ込んで肩に手を置き。 )
…だ、大丈夫…?!
                        

46:  [×]
2017-01-29 22:22:58



( 漸く夜の苦しみから解放されて眠りに落ちることができたようで、相手の呼びかけに答える声はなくただ静かな寝息が小さく漏れていて。床に倒れるような形で眠りに落ちてしまった彼の顔に掛かった髪を払えば先程までの事が嘘のように穏やかな寝顔、目を閉じているため煌めく青を垣間見ることはできず髪と同じく白銀の長い睫毛に隠されていて。そのまま眠り続けていた彼が漸く目を覚ましたのは朝、太陽が登り辺りが光に包まれた頃で。)
…ん、……




47: 小夜 [×]
2017-01-29 22:53:42




( 反応がない。もしかして――と最悪な結末がふと頭を過るも小さな息が聞こえるとホッと安心して。細く繊細な白銀の髪がさらりと落ちると其処から垣間見えるのは穏やかな寝顔、思わず頬を緩めて。徐にその場から立ち上がると、彼が目を覚ますまで縁側にいようと腰を掛けて静かに朝を待ち。それから何分何時間経っただろうか、暖かな光が差し込めば後方から彼の声が。又駆け寄り近付くと声を掛けて。 )
…起きた?
                          

48:  [×]
2017-01-29 23:03:46



…君、は…
( 縁側を包む朝の柔らかな光と風にまだどこかぼんやりした様子でその青い瞳に相手を移すも目覚めて誰かが側にいりなんていうことは初めてで。昨夜の身を焼くような痛みと断片的な記憶を思い出せば意識がはっきりしたようで、全てを見られ知られてしまった今言い訳をすることも出来ずに上半身を起こすと悲しそうに相手を見つめたままその白い頬をそっと撫でて。相手が無事でいてくれたことが一番の安心であり一瞬躊躇するもそのまま相手を抱きすくめ怯えさせないように、小さい子にするように背中を撫でながら「怖い思いをさせたね、ごめん」と耳元で謝罪を述べ。少しして相手を離しその手を取り花の小道の方へと誘おうとし)
…帰ろう、昨日のことは全て忘れるんだ。
もう何も怖いことはないから安心して良い、
只、二度と此処へ来てはいけないよ。



49: 小夜 [×]
2017-01-30 17:59:18




( 朝の陽光を浴び二人を包み込むその光は何処までも優しく、見守っているようにも感じられて。悲しげな視線と共に触れられた手、それは昨晩己に苦しみを与えた物と同じとは思えないくらいにそっとした手つきで。彼女は身じろぎ一つせず、彼と真摯に向き合う。まるで遠回しに貴方を化物扱いなんかしない、と示唆しているように。ふわりと温もりを感じた時には抱き締められていて、然し矢張り動じずに唯々長い睫毛を伏せ。手を取り彼から提案をされるもその瞳は強い光を湛え、首をふるふると横に振りそれは祈りにも似た懇願で。 )
…嫌。私は此処に、貴方の傍に居る。…ううん、居たいの。
私には誰もいない。けれど貴方の傍に居られたらそれだけで幸せ。…どうかお願い。
                                             


50:  [×]
2017-01-30 18:21:46



…それはいけない、良い子だからお帰り。
君は此処に居るべき存在じゃない。
長く私の側に居れば、君はいずれ心を食い尽くされて死んでしまう…私が君を、そんな目に合わせたいと思うかい?
君は私の恐ろしさをまだ知らないんだ、

(僅かに驚いたように瞳を見開きその青を揺るがすも小さく首を振って、昨日相手に言い聞かせたように目の前にしゃがみ込み目を合わせるとそう言って。紡ぐ言葉は、彼女を辛い目に合わせたくないという思いから生まれる言葉で悲しそうに相手を見上げて。柔らかな光に包まれた庭は昨晩の出来事が夢だったとでも言うかのように穏やかで、優しい風が吹く度に色とりどりの花が揺れて芳しい香りを漂わせて。二人以外の存在は何一つない静かな中風に揺られた簪がしゃらん、と冷たい音をたてて)



51: 小夜 [×]
2017-01-30 18:46:53




( 彼は自分の為を思って言ってくれてるのだと言う事は痛い程分かっている。動揺に揺れる碧眼から決して目を逸らさず、闇夜を閉じ込めたような瞳に微小にも力強い光を宿して。頬を撫でるように去って往く微風は何処か冷たさを含み、静かに木々や花々を揺らしている。昨日の出来事など無かったかのように錯覚する程には穏やかな風景ではあるが、静穏とした場に凛とした彼女の声が響き。然し最後の言葉だけは彼女の心の奥底にある悲痛な叫びであって。 )
じゃあ私の居るべき所は何処なの?私には帰る所なんてない。
貴方がどれだけ恐ろしい生き物だろうと、優しい貴方を私は知ってしまった。
お願いよ、食い尽くされたっていい。――独りで過ごす寒い夜は、もう嫌なの。
                             

52:  [×]
2017-01-30 19:13:30



……二つだけ、約束をしよう。
この先君が、君の心が耐えられないと感じたら…自分の心が壊れてしまう前に、私の簪を壊すんだ。
それから、夜はなるべく…私に近付かないで欲しい。
私は悲しみを操る鬼、悲しみを求めて君を傷つけるかもしれないし、昨晩のように君の心を、食い荒らそうとするかもしれないから。
…私はそれが嫌なんだ、誰かを傷付けてしまうのが。

(相手の言葉とその心の叫びに、何も返せなくなってしまうと暫しの沈黙が訪れ。軈て小さく息を吐くと再び相手を見上げその青い瞳に映してそう告げて。せめて自分を消し去ってしまうことの出来るたった1つの方法を相手に告げることで相手の身を守ろうとして。同時にそれを相手に告げたということは、相手を信頼し、自分の側にいることを許したということを示しており)



53: 小夜 [×]
2017-01-30 19:49:32




…ありがとう。
( その一瞬とも永遠ともとれる沈黙。暫しの間は静かに吹く風の音とそれに揺れる植物たちの音しか辺りには聴こえずに。――そして告げられたのは二つの約束。これは自分を傍に置いてくれるという事も示しているのだろう、黒い瞳ときつく結ばれていた口許をふっと弛めては泣き笑いのような表情を浮かべて。首を縦にブンブンと振り了承の意を呈すると、絞り出すように一言だけお礼の言葉を口にして。 )
                                   

54:  [×]
2017-01-30 20:07:08



…良い子だ、
それじゃあ、君の名前を聞かせてくれるかな。
(相手が大きく頷くのを見ると優しく微笑んで、昨日から何度もしたように相手の髪を撫でてやり。立ち上がると相手を見つめたままそう尋ねて。誰かに名前を尋ねるのは初めてのことで、)



55: 小夜 [×]
2017-01-30 20:43:52




…小夜。小さい夜で、小夜。
( 改めて感じる、この人の手は優しい人の手だと。時に人の悲しみを操り苦しめる手だとしても、其処から発せられる温もりに嘘偽りは無い。少し擽ったそうに、然し幸せそうに瞳を細めて。名を尋ねられると、確かに名乗っていなかったとハッとして。少し迷ったような素振りの後自分の名を告げて。今度は此方から、と考えれば「 ――…貴方は? 」と小さく問いかけ。 )
                    

56:  [×]
2017-01-30 21:16:52



…小夜、良い名だ。
私は…碧。もう気が遠くなるほど昔から、この名前を口にした事は無いから不思議な感じがする。
(そう言って目を細めるも相手から名前を尋ねられると一瞬記憶を探るように空を見上げてから答えてはにかんだように微笑んで。「小夜、君の部屋は昨日案内したところだ。何か不備があったら言ってくれれば良い。」と付け足して)



57: 小夜 [×]
2017-01-30 21:52:39




碧…、貴方の方が良い名前、よ。
( 夜という単語が何処か寂しい印象を与える自分の名はどちらかと言うと余り好きではなかった。が、彼に褒めれると少し照れ臭そうに此方も微笑み返し。それを誤魔化す為か彼の名を聞くとそう告げて。部屋の説明を受け相槌を打ち承諾をしようとしたが、ふととある疑問が頭を過り一つだけ質問をしてみて。 )
――夜は私、あの部屋で一人で寝るの…?
                         

58:  [×]
2017-01-30 22:15:13



…そうだね、その方が安心だから。
(相手に褒められると、初めてのことなのか少し驚いたように目を丸くしつつ嬉しそうに微笑みこぼすその表情は普段より少し幼く見えて。その質問に僅かに首傾げつつもそう答えては頷いて、夜になっても側に置いておいてはきっと自分で自分を抑えきれずに彼女をすぐに壊してしまうだろうという恐怖が胸の内にはあり)



59: 小夜 [×]
2017-01-31 18:13:19




…そう。
( 恐らく自分以上に恐怖心を抱えているであろう彼は、予想通りの答えをした。想定内だったとは言えこの広い部屋で別々だというのは矢張り寂しいもので。然し此処で我儘を言っては彼を困らせて仕舞うだけだというのは彼女が一番良く分かっている。黒く多少の光しか灯さない瞳をふ、と伏せるその顔に憂愁の影が差し。 )
                 


60:  [×]
2017-01-31 19:38:40



君は私を困らせるのが得意みたいだ。
…寂しいかい、?
(相手のその様子に思わず困ったように微笑み零しつつも優しくそう尋ねるとやはり独りにするのは酷かと思い。自分のそばに居てくれる分には構わない、しかしそれで辛くなるのは相手だと思えば「同じ部屋がいいならそれでも良い、…只、怖い思いをするのは小夜なんだよ。毎晩恐怖で眠れなくなってしまうかもしれない」と念を押すように首を傾げて見せ。)


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