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戦闘ロル練習用トピ。/442


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441: 博霊の巫女 [×]
2019-11-25 00:43:25


 そう来るわよね。

 初太刀を貰うという不覚を取った。
 それならば追撃するのが最善手。
 おいそれと見逃す事など愚の骨頂。

 だからこそ。
 次なる一手は読み易いもの。

 「今度は―――

 瞬時に後ろ上方へと飛び退き剣客の間合いから離脱を図る。
 予測できれば回避可能と踏んでいたのに、それでいて尚はらりと落ちた数本の前髪が物語るのは、男の人間離れした技量の賜物ではあった…が。

 ―――私の番よッ!!」

 コイツは強い。
 人を斬って、斬って、斬り殺してきたという“経験”が更にコイツを強くしているのね。

 ならば最適な手段は明々白々。
 私は“空を飛べる”巫女。
 人が経験不可能な常識外の一撃なら――

 「はああぁあぁあ――――ッ!!!」

 改めて月灯りの見守る闇夜で空を踏む。
 そうして進行方向を真逆に転回した私は、ありったけの力を漲らせ。

 漆黒の笠を穿ち割らんと脳天目掛けてお祓い棒を振り下ろすっ!


442: 黒笠 [×]
2019-12-15 17:04:03


 「ぐぶッ??!」

 振り下ろされた一閃に抗う余地はなく。細く切れ長の双眸を目いっぱいに見開いた時には巫女の一撃が顔面に深く深くめり込んでいく。
 そうしてミシミシと鼻骨が震え、衝撃に耐えられずにソレは左にへしゃげて折れる。
 刹那に生じた出来事に思考が全く追い付かず、気付いた時には背を強かに石畳へと叩き付けられていた。

 「~~~~っ!!!」

 呼吸が出来ぬ。
 肺が詰まり、意識を刈り取られそうになる瞬間。遅れて胃の中身が逆流するかのような不快感に襲われ、口から盛大な血飛沫を吐き出す。ふらりと多々良を踏みながら立ち上がる。しかし、尚も男の右手の一刀は地に落ちることはなく。

 「く…くくくく……。いいぞ、そうでなくてはな、博麗の巫女。」

 折れた鼻からしとどに血を流し。
 口端からも零れ落ちる血すら意に介さずに、男は未だ肩を揺らして嗤う。
 人斬りとして振るわれる力。その刀は今も顕在。
 ならばいくら傷を負おyが、眼前の敵を屠るには何ら支障などないのだ。

 確かに目の間の女は強い。
 不可思議な身のこなしに巫女として使役できる力は、人外の力なればこそ人の身である自分が叶わぬのが道理ではある。だが。

 「ぬぅん!!」

 真の人斬りは、斯様に浅いものではない。
 拭えども落ちることのない血の匂い。目を閉じても反芻される切り殺した者の怨嗟の声。夢の中でも消えることなく辺り敷き詰められた夥しい髑髏の床。
 人として正常を保つことのできないそんな異常を、日常としてきたのだ。

 お前にソレが理解できるか?
 戦から離れ、安穏とした日常に甘えてきたこの幻想の人間に。
 そんな貴様等に、俺が敗れるというのか―――っ?!!

 脳内を駆け巡る様々な感情を。経験を抑えることなく有りの侭に。
 自身に一撃を見舞った女の瞳を睨め付ける。否、真に見据えんとするは女の芯。
 己が剣気を叩き付けることで敵の戦意を。行動を。場合によってはその呼吸までも束縛する。
 ソレこそが自身の極めた兵法の最大の奥の手であり。

    【二階堂兵法・極意 心の一方】

 お前の力がホンモノかどうか、見せてみるが良い。

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