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  びゐどろ音なふ路地にて/13


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■: ❁︎ [×]
2016-09-17 17:58:05 





  私と共に、

     逢瀬を重ねてはみませぬか。




  ーーー… ぽっぴん、ぽっぺん

    あゝ、今日もびゐどろの音色が響く







1: ❁︎ [×]
2016-09-17 19:19:56





 時は大正、私はしがない書生でございました。東京のとある先生の家に下宿し、小説の読み解き方から書き方、様々なことを学びながらそれはそれは充実した日々を過ごしていたといえるでしょう。
 ある日、私は敢へて学府からいつもの帰路を外れて下宿先へと向かいました。すると、ぽっぴん、ぽっぺん。何とも言い表せぬ音が頭上から降ってきたのです。惹かれるままに音の正体を探して仰ぎ見てみましたところ、私の西方に建つ屋敷の二階の窓から、歳は私とそう変わらなそうな少女が顔を覗かせていたのです。どうやらその珍妙な音は彼女が手にした、これまた珍妙な形をした硝子の管から出ているようでした。私は好奇心に駆られ、随分可笑しな音がするのですね、と声を出してしまいました。突然見知らぬ男から声を掛けられた彼女は少々瞠目した様子でありましたが、直ぐに頬を綻ばせ


「お父様の、長崎のお土産なのよ。」


そう言って、また珍妙な音を鳴らすのです。私は何故かその光景から暫く目を離せずに居りましたが、ふと今日は先生に頼まれ事をされていたのだと思い出し、慌ててもう一度足を動かし始めました。背後からは未だぽっぴん、ぽっぺん、妙な音は鳴り続いた儘。
 次の日も、私はその道を通って帰ろうと思いました。しかし期待していたその音はあの場に近付こうと聴こえてこなかったのです。落胆しかけた私の目に、昨日その不可思議な硝子管を手にしていた少女が写りました。彼女も私に気が付いたようで、昨日と同じように私に笑いかけてくれ、彼女は女学生であること、昨日のあれは『びいどろ』なる物なのだと云うことを教えて下さいました。それから私と彼女の交流は始まったのです。






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