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【募集】拝啓、最期の人【BML】/43


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自分のトピックを作る
21: 巻島 裕介 [×]
2016-10-01 15:33:06

――……(深層心理では彼の来訪を喜びライバルだと言う他の誰でもない自分だからこその特権だと誇っているのだから、彼が向けた選択肢はなんとも狡い。選択が出来るようで答えは一つしかない、逃げ道のないそれに”ぐぐう”と言葉に詰まり口を堅くへの字で固め。「…お前の休暇なんだ、勝手にしろョ」とどのつまり、自分もまた狡いのだ。彼を傍に置きたいが感染した時の責任を、自分以外を思い患って花を吐き出すその姿を直面するその時が来たとして、自分の意志で彼を傍に残したのではないと逃げられるような返事をギリギリと絞り出すほど小さい声量で返して。腹を括る様にガシガシと細い腕には似つかわしくない大雑把な動きで頭部を掻きむしれば「もし移ったとして、俺のコト恨むの禁止ショ」頭部を掻いていたその指先を今度は彼へ少し指先を窄める丸まった手先で向け。あんなにも空白の期間が有ったのに、顔を合わせば自分がまだ高校生のような懐かしさに浸ってしまう。今なら、彼の隣で風を切りペダルを力強く踏めるかもしれないと夢物語のようなそんな気持ちの強さまで沸き起こり、自分にとって彼の存在の強さや大きさを実感すれば無意識のうちに小さく笑みを落として)

(/いえいえ!聞いて頂けて助かります…!此方、勝手なイメージにて休暇を一緒に過ごす中でただでさえ拗らせていた片思いを一層と救えないほど一人で抱え込んで拗らせを強めて日々吐き出す花の大きさや量、頻度が増していく中で休暇の終り頃に体力の限界と重なって命を落とす間際に両想いと知り白銀の百合を最期に吐き出して幸せのまま命を落とすという流れで考えておりました。もし、こういったのは如何か、と言う案が有りましたら是非とも取り入れたく思いますので教えて頂ければ嬉しく思いますー!!)

22: 東堂尽八 [×]
2016-10-04 02:04:51

そんな格好悪い真似、この俺がすると思うかね(もしも病が移ったとしても駄々をこねる子どものような真似をしたのは紛れもなく自分なのだと、少しの罪悪感はあるもののやっとのこと許された特権に浮ついた感情を隠し切ることなどは出来ずワハハと大きな口を開けて笑い。勿論自分に移してしまうことを彼が恐れていることを忘れたわけではないけれど、10年越しに得た誰よりも近く、その隣にいてもいいという事実は何よりも自分をこんなにも喜ばせてしまう。自分勝手な頭の中とは裏腹、ようやっと見れた相手の本心からと取れる笑みにひとつ息をついて安心すれば〝スマンね巻ちゃん、また暫く俺のわがままに付き合わせてしまうことになって〟一切の連絡が取れなくなってからこの数年、話したいことがたくさんあったのだと今日のこの瞬間まで募った思いに自然と甘くなる声色で囁くように言えば目を細めて笑い。まさか自分が他人に、それも出会ったはじめの頃には酷く毛嫌いしていた相手にここまで執着するなんて誰も思わなかったことだろう。お互いの容姿の変化を除けばまるであの頃に戻ったかのような空間に再会を諦めなくてよかったと、ひとりごちて)

(/返信遅くなりすみません。なるほどなるほど、ありがとうございます~!それなら東堂はこのままのテンションでも大丈夫そうですね。今のところやり辛さなど感じていませんか?続けてよろしくお願いします。)

23: 巻島 裕介 [×]
2016-10-04 15:49:54

煩ぇショ……__泣いたり笑ったり忙しいなァ(狡い物言いは彼が此処に残る事を知っていた上で危険に晒してでも傍に置いておきたかった傲慢な考えで、それでいて本当に彼が此処に残る事を決めた事で一番喜び安堵したのもまた自分なのだろうと浅ましく狡賢いそんな自分に嫌気を差しつつ、それもほんの数秒とお得意の笑い声が意識を籠りがちの考え事の世界から引き戻せば少し意地悪を交えるように先の泣き面を引っ張り出して。甘く優しいその声で我儘だと言われても合点がいかない、それもその筈これは自分の生涯をかけた彼を巻き込む最大の我儘なのだと苦虫を噛み潰したように眉を八の字にしお決まりの困った面を晒して「お前は、元気にしてたみたいで安心したショ。」なんと白々しい、彼の活躍は雑誌の端から端まで読み取ってテレビのインタビューに耳を澄ませて聞き入っていたではないかと恋する乙女も甚だしい行動を掻き消す様に、知らぬ存ぜぬと今のお前のことなんか何も知らねぇヨとでも言う様に言葉を返して「__お前、泊まる所はどうすんだ」そうだ、と思い立ったのは自分の返事一つで身の振りを決めたのだから当然宿は取っていないのだろうと心配交えの確認で)

(/置きレス推奨なのでお時間ある時で全然大丈夫なんですよー!!やり辛さなんて全然なんです!とても素敵な東堂にドキドキとしております!同じくやり辛さが有れば教えてくださいー!)

24: 東堂尽八 [×]
2016-10-07 01:27:23

…巻ちゃんの前だとどうしても熱くなってしまうんだ(普段は人よりよく喋る方だと自分でもそう思うが決して人前で取り乱したり、ましてや涙を流したりなんてことはしないのだが相手の前では嘘みたいに感情のコントロールが出来なくなる。痛いところを突かれたと先ほどの情けない泣き顔を思い出しては片手で口もとを覆い気恥ずかしそうにチラリと目だけで視線やり言い訳染みた言葉を口にして。ただでさえ下がった眉を更に引き下げる相手の様子に流石に調子に乗りすぎたかと不安を感じるも投げ掛けられた言葉を聞けば〝美形にも磨きが掛かっただろう〟と態とらしく冗談交じりの軽い調子で答え。そう言えば、チケットの手配をするや否や必要最低限の荷物を詰めた鞄ひとつでこちらへと来た自分の現状を思い出しては素直に苦笑いを浮かべ〝俺としたことがノープランでな。この辺りで探すから心配いらんよ〟普段あまり貯金を崩すことのない自分だが、長期に渡り続けて宿を取るとなれば結構な負担になるだろう。しかし勝手に押し掛けておいてその上心配をさせるなんてこれ以上に自分勝手に迷惑を掛ける事はしたくないと言い切り笑い)

(/そう言って頂けると助かります!それなら良かったです~こちらも格好よくて可愛い巻ちゃんにキュンとしてしまいます!笑 これからも遅れる事があると思いますがよろしくお願いします。)

25: 巻島 裕介 [×]
2016-10-07 13:32:00

美形は関係無いショ(冗談交じりの明るい声で伝えられるのは之までに何度と聞いてきた単語で否定せず肯定せず、自身もまた冗談交じりにヒラヒラと片手を揺らしながら返事を。案の定滞在地に関して真白だと教えられれば考えるように口をへの字に固めて「ちょっと待ってろョ」言い残すように腰を置いていたベッドから体を起こして個室である扉を開けば丁度通り掛ったナースへ退院する旨を待たせている彼に聞こえないように潜めるボソボソとした声量で、矢張り人と話すのは苦手だと流暢な英語の合間にショだのショォだのとお決まりの語尾を添えて、最初は唐突の退院希望に驚いたナースだったが今此処に自身の思い人がいるのだと言う事を口下手ながらに伝えると部屋の中にいるもう一人の人物を覗き込み確認されて"あぁなるほど"とでも言う様に納得されて。俺の好きな人があいつです、なんて紹介する日が来るとは思っていなかったのだ。ナースがドクターに確認を取ってきますと離れたのを見送ってから先の羞恥に顔に熱が集まって仄かに顔中を赤く染めながら再び扉を閉めれば"あー・・"と言葉を濁すように前置きを一つ「今、退院出来るように頼んだから。こっちいる間ウチに来れば良いショ」どうせ此処に居たとして抑える薬を飲むだけの日々なのだ、場所なんて関係ないと一人で住まう自宅を頭に浮かべながら再びベッドへ腰を下ろし)

(/ひえ!よかったです!乙女な巻ちゃんも可愛いんですが個人的に男らしさの残った巻きちゃんが好きで…!好き好きあるだろうと思っていたので本当に良かったです…!)

26: 東堂尽八 [×]
2016-10-07 23:39:54

(立ち上がり部屋のすぐ外でナースと話す相手を心配げに見つめるも、話は聞こえずともオロオロと身振り手振りを付ける背中に自分の知らない時間があろうとも中身はそのままの彼で何も変わってはいないんだなと吐息混じりの笑い声を漏らし。そのまま部屋の中へと視線を巡らせるように1周させればベッド横の小さめの本棚の一角へと目を留め、カラフルに並ぶグラビア雑誌に紛れ見覚えのある背表紙に確かこれは自分のインタビューが載っていたんじゃないかと手を伸ばそうと指先をかすかに動かしたところでナースとの話を済ませたのだろう相手の声にハッとしたように振り向いて歯切れ悪くも告げられた提案にえっと声を上げ〝大丈夫なのかそんな、体調は?俺のために巻ちゃんが無理をすることは無いんだぞ〟仄かに赤く染まる顔を見るとまた調子が悪くなかったのかと勘違いのまま下から覗き込むよう問い掛け)

27: 巻島 裕介 [×]
2016-10-08 02:07:58

…ー、此処にいたってウチにいたって何も変わらないっショ(好きな人の顔が傍に有って喜ばない人はいないだろう、覗かれるような問いかけに直ぐに反応できずぐ、と喉奥を鳴らしてから平生を装う様にすう。と短く息を吸い込んで。結果を聞く前だがすでに気持ちは帰宅する方向に向いており、荷物をまとめる為に長い腕を伸ばしては正に目の前の彼がインタビューに答えているその雑誌をグラビアで挟み誤魔化すようにして本棚から纏めて取り出し「薬飲んで安静にしてるだけなら何処でもできる」目を引く奇抜なデザインに鞄は一等にお気に入りの品、その鞄に雑誌を詰め込み「そのかわり、何か美味いもん作れっショ」片方の口角を少し上げれば飽く迄対等を好む間柄だからか、住処を貸す代わりにと条件を提示して。持ち込んだ荷物自体はそう多くないようで鞄の中が着々と荷物で膨れ上がる中、医者から許可を貰った先程のナースが戻り、傍まで来れば"確り通院をする事、薬を忘れない事、良くも悪くも進展が有れば直ぐに戻る事、感染に気を付ける事"といくつかの注意を前提に退院を認められたと説明を受け。説明を終えたナースが彼を見れば自分の応対とは明らかに違う、ポと顔を赤らめ熱を帯びる媚びたような声で挨拶をするものだから当然面白い筈も無く「着替えるから出てろヨ」俳優でも目の前にしたようなナースの反応が気に食わない、最後までご機嫌と”彼”に手を振り居なくなったナースの姿を見送れば、自覚があるほど完璧なる八つ当たり、お前は何も悪くないと分かっては居るが意識せずとも辛辣な声色になってしまって)

28: 東堂尽八 [×]
2016-10-09 15:29:33

(それもそうだけれど、心配に口を開くも確かにずっとこんなところにいた方が気が滅入ってしまうのではないかと口ごもってしまい。よく考えてみればこの休暇の間どうせ自分は彼から離れる事は無いだろう、それならば世話になってみるのも悪くはないかも知れないと提示された条件に思わず笑い〝こっちの料理はあまり美味しくないと聞いたからな、俺が腕によりをかけて和食を食わせてやろう〟これでも箱根の有名な旅館の息子、料理もそれなりに得意なのだと胸を張り。荷物を鞄へ詰めていく手元を見つめながら先ほど見つけた雑誌について尋ねようかと思考を動かせるが部屋へと入ってきた先ほどのナースからの説明に出遅れたと、どうやら医者からの許可が降りたらしい物言いに少し不安はあるもののホッと安堵に胸を撫で下ろしては当然相手の心中などは察する事が出来るはずもなく彼女から向けられる好意の含まれた笑顔にお得意のサービス精神宜しくにこりと微笑み返し〝すまんね気が回らなくて、外で待ってる〟辛辣な物言い、冷たい態度にも臆する事なく頷けば例によって自身の鞄ひとつを肩に掛けて部屋の外すぐ傍の壁へと背中を預けてこの数分溜めていた大きな息を吐き。緊張した。久しぶりに見る彼に、自分が思っていた以上に募った彼への感情はやはりあの頃とは違うのだろう。薄々気が付いてはいた胸のうちに確信を持ってしまえばどうしたものかと頭を掻き)

29: 巻島 裕介 [×]
2016-10-09 17:44:46

(扉が閉じると体中に張りつめていた糸がぷちんと途切れるように煩い程心臓がドクリドクリ脈を打ち、じっとりと背中に一筋の汗を伝わせた事で夢じゃないこの現実を信じ難く思っているかを自覚し、失笑一つ。東堂と一緒に過ごせるなんて、欲を言うならばあの夏をもう一度。もう一度だけその隣を走りたかったが今自分に振り翳されてるのは十分以上の状況じゃないかと身に纏う病院着を脱いで。入院した日着用していた良く言うならハイセンス、言い換えるなら奇抜なその服に着替えては頭の中を占めるのは追い払ったばかりのその姿ばかり。嬉しくない訳が無いのだ、病気を発症するほどに焦がれて捻くれた片思いをするその当の人物と共に時間を過ごせると言うのだから、それは冥土の土産と言えるほど嬉しいだけのはずなのだ。込み上げる吐き気に合わせて茎ごと散らしたのは青い薔薇を数輪、あいつに良く似合うその色を吐き出すとは皮肉も甚だしいと数回の嗚咽の後に乱れる呼吸を整えてその花を塵箱へ。荷物をまとめた鞄を持って、扉を開く前に備え付けの洗面台で手を洗い消毒をして「悪ィな、待たせたショ」痩せ細る面を隠す様にマスクを宛がい扉を開き「手続きしてくるからタクシー呼んどいて欲しいっショ」指先で待合室の方を示しつつ頼む様に言葉を添えて)

30: 東堂尽八 [×]
2016-10-11 21:24:42

(先ほどとは打って変わって自分には到底理解のし難いド派手な洋服を身に纏い部屋から出てきた相手に壁から背を浮かせて、頼まれた内容をふたつ返事で受けては待合室へと足を運びながらに尻ポケットに入れていた携帯を取り出し拙い英語で電話口へと話し掛け。まだ自分がイギリスの地に降り立った実感の薄かった意識がやっと落ち着いたように通話が終わると自分たちの間柄でまさか荷物を持とうかなんて言葉が口をついて出てきそうになるなんて、やはり私服になって更に分かる脂肪どころか筋肉すらも落ち薄くなった身体を見てしまったからか。頼りない腰を思い出してはもしもそんな事を言ってしまっていれば確実に相手を、自分をも傷付けていただろうと咄嗟に堪えた自分自身へよくやったと一言送り何台もの機種変更を重ねても唯一消すことの出来なかったかつて彼と競い登った山と、自分の次に山頂の景色が似合うと信じて疑わない緑色に揺れる長い髪の移り込んだ写真を見つめ。彼の兄から連絡のあった時からロクに取れていなかった睡眠がやっとのこと果たされた再会の安心からなのか微睡む視界に面倒な手続きをしているであろう彼の姿を思いながら少しだけと椅子に深く座り目を閉じて)

31: 巻島 裕介 [×]
2016-10-11 23:17:27

東――(退院手続きやら入院期間分の支払いやら加えて手続き中にも数人のナースから重ねられる一言一句同じ注意に耳が痛く成りつつそれらを終わらせて。キョロキョロと彼の姿を探すように視線の先を動かして。ちらちらと盗み見るような女性の視線、ヒソヒソとその面について話している声の向きを追いかける事で直ぐに座っている所を見つけ。反射的に名前を呼びかけ、そうして彼が目を閉じている事に気が付くとその言葉は途中で区切り、傍まで行けば改めて見る事で端正なその顔に疲れが出ていることに気づき。厄介事に巻き込んで悪ィなと、折角の休暇中だと言うのに電話一本で文字通りイギリスまで飛んで来たんだもんなァ、と、疲れているのも当然だと言う事を思い直し。それでも自分の事が可愛い自分勝手な脳味噌は目の前に彼がいる事実と自分の立ち位置だからこそだろう特別な扱いに喜び「…おめーどれだけ格好良いんダヨ」目の前の焦がれる男の優しさを噛みしめ、浸る嬉しさについ涙が出そうになるのは年齢を重ねたからだろうか。ボソリ、と周囲の話声にあっさりとかき消されてしまう程、掠れる小さい声で堪え切れずに言葉にし。そんな事を言葉にすること自体自分らしくないと羞恥を覚えては、誤魔化す為にも手を伸ばし指を使いムギューと目一杯に鼻先を摘まんで「東堂、行くショ」悪戯成功とクハッと息を漏らし笑えば摘まんでいた指を離し、先程途中で止めた言葉を言い直して)

32: 東堂尽八 [×]
2016-10-12 02:49:57

(聞こえるのは真夏の火傷をするくらいに熱くなったコンクリートの上を走るタイヤの音とお互いの荒い呼吸だけ。隣を走るのは勿論ニヤけた笑みを口元に浮かべるアイツの姿で、滴る汗はジャージを濡らしてとっくに限界の超えた脚はそれでも前へ前へとペダルを踏む。あの夏みたいだ、必死に山頂を奪い合ったあの夏、この世界にまるで自分たちふたりだけのような錯覚すら覚えた。プロになった今でもあれ程までに身を削り、胸のうちが沸騰するようなレースがあっただろうかと考え込むくらいにインターハイ一日目、山頂までのコースに格好悪くも執着しているのだ。日に照らされ透けた髪がキラキラと光る様子に巻ちゃん、と、いつものように名前を呼ぼうとした途端苦しくなる呼吸に勢いよく目を開き夢だったのかと目の前で悪戯に笑う相手に暫く思考を止めてパチくりと目を瞬かせ〝…寝ているところに悪戯とは、感心せんな〟疲れのたまった頭を遅れながらに覚醒させれば容赦無く摘まれた鼻先を人差し指で擦りながら厳しく言うつもりが無意識に柔らかくなる声色で呟き上目気味に相手を見上げ。それにしても随分と懐かしい夢を見たものだ、ズッシリと重量のある鞄を持ち上げ隣に並べば〝巻ちゃんの家にお邪魔するのは初めてだな〟と10年前の日本ですら上がったことも話題に出たことすら無かった彼の自宅へと胸を高鳴らせ、私服のセンスを見る限り家すらも個性的なのだろうかと安直な考えで歩き出し)

33: 巻島 裕介 [×]
2016-10-12 10:32:36

ちんちくりんな顔してたショ(鼻を摘んだ事でぼんやりと目を覚ました彼の告げる文句染みた優しい声に意地悪とからかいの言葉を返し、よもや目を瞑り浅い夢の中に自分が登場しているなんて霞とも思わず。印画紙に描いた夏の思い出は自分にとって生涯の物、肺が破裂しそうな程の苦しさとそんな事二の次に思える楽しさは何を言っても隣に彼が居たからなのだ。若い高校生の我武者羅たるぶつかり合いは思い出補正が無くとも掛替え無く一番の過去に違いない。でも、彼はどうだ?学生時代の本気なんて比じゃないプロの世界に生きているのだ、切磋琢磨と互いを高め合った自分なんて目じゃないと圧倒的な強さを誇る相手も数多く見てきたのだろう。そんな実力者である彼が、自分と同じく思い出が夏になるとでも言う様に心に置いているとは思えず。そりゃ少し位残して置いてくれれば嬉しいが、自分との比重は違う事位嫌になるほどリアリストな頭は割り切っており。先にタクシーへ乗り込むと先ずは自身の住まう住所を伝え、「期待するような面白いモノなんて置いてねーヨ。ふつーの家っショ」走り出すタクシーの窓越しに移り変わる景色を眺めては”そーだな”と人付合いが得意じゃ無い事を言い訳にしても呼んだ事が無かったか、なんて思いつつ少し身を乗り出せば運転手へ詳しい場所の指示を重ね「家、覚えとけよ」暫く滞在するならと注意をするように今度は隣の彼へ言葉を向けて”此処ショ”と決して大きすぎる訳じゃないが一人で過ごすには十分のマンションの前で車を降り)

34: 東堂尽八 [×]
2016-10-16 16:23:14

(この数年何百と参加して来たレースには勿論彼より、そして自分より遥かに速い相手に出会ったことも事実だが呼吸の仕方すら忘れてしまうようなあの感覚はきっと唯一彼と自分でしか作り上げることの出来ない空間なのだろう。たったの二年隣を走っただけで何を大それた事を、と言われるかも知れないがそれでも自分の中での彼の存在は気付かないうちにそこまで大きいものになっていた。何より人を一歩内へ入れることを許さないそんな彼が、自分の知らない期間過ごした自宅へと招いてくれたのだ。少しくらい浮かれても良いだろう、此処だと止まった車から運転手へ一言爽やかに礼を言い降りれば相手が住むというマンションを見上げて僅かに目尻を下げ。急遽取れた休暇は1ヶ月と少し、入院していた理由は分かったが自分がどうする事も出来るはずもなく珍しく世話になることに対して若干の引け目を感じていながら相手の横顔をチラリと横目に一瞥すれば込み上げてくる言い知れぬ感情にふ、と笑みをこぼしドンと軽く肩同士を触れさせれば〝よろしく巻ちゃん、世話になる〟あんな病院のベッドの上よりやっぱり、太陽の下がよく似合う。大好きだった光る髪に満足気な表情を浮かべると早く早くと急かし)

35: 巻島 裕介 [×]
2016-10-17 15:31:49

――ショォ(鍵を取り出し使おうとした時に肩をぶつけられると、今時中学生だって緊張しない些細な触れ合いにも関わらず自転車に乗っていないだけでこんなにも意識をしてしまうのだから情けない。ちょっとしたぶつかりなのに心臓をギュウと握り絞められたような羞恥に、大した言い訳もできない口下手が目立ってしまい少しばかり俯いてガチャリと鍵の音を一つ。扉を開ければ物自体は余り置かれていないが一つ一つが個性的な、本人曰く拘りの品が並んでいて。持っていた荷物も適当に放り投げれば「やっぱり家が一番ショ~」と革張りのソファにボスンと倒れこんで、絶句。寝室の一角、小さいデスクの上には諦めきれないと固めた現在の彼の頑張りを集めた切抜きや、プリントしたのはいつだったか、既に大分色褪せた試合後の若い写真、いつだって自分はキモイがあいつは勝とうと負けようと堂々とした顔のその写真が、倒れた体を飛び跳ねお越し冷や汗すら覚えつつ「東堂ぉ、座ってろ。絶対此処動くなっショ」普段以上に眉尻を落とし彼の事を指さしては自分が今飛び起きたソファを示しつつバタバタと慌しくそれらを隠すため寝室へ向かって)

36: 東堂尽八 [×]
2016-10-18 23:14:37

お邪魔します(帰ってきたばかりの自分たちしかいないだろうに律儀に軽く会釈をし相手に続いて部屋へと上がれば雑に放り出された荷物を持ち上げては自身の持っていた荷物と一緒に部屋の隅へと下ろし〝幾ら自宅だからと言ってだらしないぞ〟と早速ソファへ飛び込む姿に呆れたように笑い。なるほど確かに、家具から小物ひとつにも見て取れる彼の拘りに溢れた空間はちぐはぐなようで纏まりのある実にらしい部屋だ。倒れたまま動くことのない相手の様子にあの場所にいることが余程のストレスになっていたのだろうと、散る髪の隙間から見える白い首すじに無意識に目をやりゴクリと喉を鳴らして思わず手を伸ばし掛けたところで突然飛び起きたかと思えば早口で指示を飛ばし慌ただしく部屋を出ていく相手に遅れながら短く返事をすれば伸ばした手もそのまま必要以上に肩を揺らして驚いて。静かになった部屋の中困ったように〝…何やってんだ俺〟と小さく漏らすと赤く染まった顔を両手で覆い勢いよくソファへと腰を下ろして体を丸め。世話になることになったのは嬉しい、彼と一緒にいられることも嬉しい、だけど胸のうちに気が付いてしまってはこんなひとつ屋根の下大丈夫なのだろうか、中々と戻って来ない相手に幾分か冷静さを取り戻した頭でふらりと立ち上がり動くなという指示のため控えめに部屋の外へと顔を出せばその名を呼び掛け)

37: 巻島 裕介 [×]
2016-10-19 17:50:44

(デスクの上に並ぶそれらを一つ一つ焦げ茶色の有触れた紙袋の中に片づけて行きながら、雑誌越しにその努力も結果も見届けて来た筈なのに本物を目の当たりにすれば翳むのだ。雑誌では加工で消されているのか、笑顔の絶えない目元に年相応に刻む皺だって童顔な顔に渋みを与えている。惚れた弱みのフィルターだと言えばそれまでだが、自分にとっての全て、十代の彼の写真へ手を掛ければ未だ幼くてあどけないその面に、無意識と目尻を垂らし「おめー、すげぇ男前になったショ」本人には死んでも言えないそれを物言わぬ写真に語りフォトフレームに傷が付かないよう紙袋へ移動して。その紙袋は確りと閉じてからクローゼットの奥へ仕舞い込み、部屋のなかでも唯一本音を隠しこむ自分の城である寝室を今一度グルリと見渡して隠し忘れが無い事を確認してからガチャリと扉を開き「――黙って座ってろって言ったショ」顔を覗かせた所で直ぐに見つけたその顔にワザとらしく顔を顰めて意地悪く告げ、短い間ではあるが共に過ごす同居人なのだ、気を付けなければいけない事は指折り数えるのに足りるだろうか。この気持ちを悟られるな、絶対に感染させるな、何よりも大事なそれを今一度頭に刻み再びリビングへ戻れば「物の場所移動しなかったら好きに使って良いショ、あぁ、でもパソコンは弄んなョ」長い髪をグルグルと巻きつけるみたいに緩くお団子を作り下の方で括りつつ同居する上での注意を語り、「キッチンはそれショ。バスルームはあっち、後――そっち寝室だから、寝るときは自由に使え」丸める指先で生活の為に必要な部屋を案内し、問題は寝床だが独り暮らしにベッドが二つも有る筈が無く、加えてプロである彼を雑魚寝扱いさせる事も出来なければ前述の自分の城を明け渡し。上手に出来ているか、意識している事は誤魔化せているか、グルグルと頭は忙しく色々考えているのに結局は嬉しくて仕方がないだけなのだ。会いたくて仕方が無かった男が目の前にいる訳で、黙っていてはだらしなくニヤけ面を晒してしまいそうなのが本音だ。困り眉の垂れた目にその姿を映すこと数秒、くは。と息を漏らす様に笑えば「東堂ぉ~、おめー老けたなァ」先程写真に素直に告げた言葉とは大分意味合いの変わる言い方でからかい)

38: 東堂尽八 [×]
2016-10-25 14:54:11

(リビングに戻って来た相手が挙げるこれから暫くの間生活を共にする上での注意点と部屋の説明を頷きながら聞くもひとつ引っ掛かった寝室への使用許可にまさかこのひとり暮らしの家にベッドがふたつもあるはずが無いだろうと首をかしげ、それでも目の前の彼は何よりも自分が遠慮をすることを酷く嫌がるたちだろうと、実際彼の寝室をひとり占めする気は無いのだがこの場限りに素直に礼だけを述べ。自分のことを第一に考えた不器用な彼から与えられる優しさを嬉しくないと言えば嘘になるが時たまその優しさがどうしようもなく寂しく感じる、全てを見せて欲しいだなんてライバルでありよき友人として何とか保っている今の距離では絶対に言ってはならない我儘なのだ。懐かしい笑い方をする彼を前に、10年越しの再会、自分がそれ相応に歳を重ねたことは分かっていたつもりだが態々突っ込まれてしまっては黙ってはいられない〝んなっ…心外だぞ巻ちゃん!女子人気も未だ健在、この美形が衰える訳がないだろ〟事実先程のナース同様未だに頬を染め鼻にかかったような甘ったるい声で話し掛けてくる女や黄色い声を上げ応援してくれる女性ファンはプロとして活躍する今も高校時代に負けず劣らずいるのだと、半ばヤケになりつつ言葉を返し)

39: 巻島 裕介 [×]
2016-10-28 15:58:05

――(どうやら言い方一つ違うだけで地雷になるらしい、と躍起になって言葉を返すその様子に茶々を入れる隙を見失い。少しだけ眉山を上げて、そうして落とす。やんややんやと言葉を向ける様子は変わっていないと小さな発見を一つ、ぺしん。と手の平を使い痛みが出ないように、それでいて音は確り鳴らす力加減で額を叩けば「――喧しさも健在っショ」結局すべて聞き終えてからの突っ込みを。長い足を広げるようにソファへ座り込めば背凭れにズズズと体を沈ませて片手を使い目元を指先で抑え込めば"あ゛ー"と唸る様に短い掠る音を喉奥から鳴らし「疲れた」と心から漏れる様な一言を呟き、そうして己のそれは単なる体力が落ちた証拠の表れと言うだけで、傍に居る彼の方が本当の意味で疲れているのだと言う事を思い直し。ズルズルと目元に宛がった手の平を下ろせば「折角だからどーしてたのか教えろヨ」聞きたいのはインタビューに載るような有り触れた、当たり障りのない話じゃない。過去の栄光とは言え、ライバルだった己の立ち位置を利用する子狡いやり方と自覚しながら空白の期間を埋めるように話題を持ち掛け)

40: 東堂尽八 [×]
2016-11-01 16:39:52

アデッ!…ひでーよ巻ちゃん(言葉ひとつに対する文句をグダグダと言い終え間髪入れずに額を叩く手のひらに、大袈裟なリアクションを取れば痛みのない額を片手で軽く擦りながら唇を突き出しもうとっくに成人した男が見せるには寒いと言われても仕方無いだろう態とらしく拗ねた表情を浮かべ。疲れたと、こちらへ来て初めて直接的な言葉で聞かされる強がりな彼の本心を不謹慎ながらに嬉しく思いその流れのまま当然知るはずも無いと思い込んでいる現在の自分の活躍について、豪快に開いた長い足を押し退けるよう隣へ腰掛ければ〝今も走ってるよ。山神が山に不在と言う訳にもいかんだろう〟冷たく見えるとすら言われることもある目もとを引き下げ何よりも伝えたかったその一言を。続けて在籍しているチームについて、更にここ数年のレースを思い起こしながらメディア相手にも散々と語った所謂彼の思うだろう当たり障りのない話をするもふと言葉を止め、先程から緩みっぱなしだった表情を少し引き締めると〝お前と出会ってなければ俺は今も走って無かったろうな〟とぽつり、こちらはどこにも話したことのない自身の奥底にある本心からの言葉を落とし)

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