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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
21:
切裂 [×]
2016-09-17 08:09:18
優しい声で呼ばれた。そうしてゆっくりと抱きしめられた。ずっと一人ぼっちだった自分には感じたことのなかった温もり。死体のように冷たくならない温もり。それを早く感じていたらこんな手を汚すことなんてなかっただろうにと抱きしめながらも手を見つめた。
しかし温もりだけでなく彼は気持ちまでわかってくれた。そう思うと心の柱が崩れて今にも自分が壊れそうに感じた。
もうひとりじゃない…そんな言葉に嬉しいとお萌えたものの抱えた闇の大きさに涙は出てこなかった。
「…牢屋は、冷たいですか?…僕はまた一人ぼっちになってしまいますか?」
自首しようということではなく、なんとなく聞きたかった。
22:
立花 暁 [×]
2016-09-17 10:29:32
いきなり刑務所の話をされて驚くも、うーん、と小さく唸った。そのまま彼をあやす様に背中を何回か優しく叩きながらその質問に答え始めた。
「まぁ、当然ながら俺は入ったことないから分かんないんだが……今は設備も充実してきてるらしいし、寒くはないと思うぞ?後ほかの受刑者もいるだろうから、寂しくもないかもなぁ……。でも、」
そこで言葉が止まる。そのまま言おうとした言葉が、今の立場で言っていい事なのか。そう自覚してしまい喉で突っかかった。『でも、俺は寂しくなる』なんて、普通一端の刑事が殺人鬼に言っていい言葉ではない。いや、同居している時点でもう普通ではないのだが。けれども、彼にしてしまえばそれは建前で、本当は彼と離れることで『寂しい』と思ってしまうかもしれない、という自分の事実を認めたくなかった。だって、彼が自首してしまえば、捕まってしまえば、一生会えなくなるのは確実なのに。そこまで彼は罪を重ねすぎ、彼の罪は大きく膨らみすぎたのだ。
「まぁ、榛葉音を捕まえるのは俺の役目だし、もし自首したとしても毎日でも会うことになるだろうな。取調べとかで。」
暗くなった自分の考えを、気持ちを吹き飛ばすように小さく笑った。
23:
切裂 [×]
2016-09-17 11:00:07
「それなら安心ですね、立花さんの顔を見れるなら安心です。立花さんにならなんでも話しますよ…捕まれば助からないですけどね」
優しく叩かれる背中に安心感を覚え、捕まった時のことを想像しなんとも思っていないのか助からないと簡単に悟った。ここまで捕まらずにやってこれたのは奇跡なのだ。たくさんの命を摘み取り、命が消えゆくその瞬間をこの手で腕の中で幾度となく感じてきた。愛されなかったからこそ得られなかった暖かさを胸にしまい込むように抱きしめて。血に塗れるのは少し暖かくて心地よかった、など不謹慎なことを思い出せば頬が緩み微笑んだ。
しかし今は抱きしめてくれる人がいて、面倒を見てくれる人がいる。それが一般人には当たり前なのに、夜になれば今日が恋しくなる。
「もし、僕が捕まって刑を執行されるのならその時は…誰も僕を抱きしめてくれる事はないのでしょうね。誰もなくなった僕を知りえない…さみしい話ですね」
寂しい、とても寂しいけれども嫌ではなかった。何も感じることができなくなるから。世間も平和を望むから。また静穏な日常が、繰り返されるから。
24:
立花 暁 [×]
2016-09-19 15:14:52
「そうだなぁ…。お前がどんな顔して笑うのかとか、お前の好き嫌いとか、知ってるのは俺だけになっちまうなぁ…。」
人は、他人に何かを残そうとする傾向がある。それは物でも物でなくても同じで。他人の中に、自分の生きた証を、自分が此処にいたという証拠を、自分の体温を、感情を、行動を。もし自分が消えてしまった時、1人でもいいから、自分を覚えていてくれる様に、悲しまない様に、寂しくない様に。「お前の最期は俺の手で消してやりたいなぁ…。」なんて思ってしまうのは、刑事としてはあるまじき考えで、人としてももう堕ちてしまっているのだろうか。
「……俺は、覚えてるから。お前の事、ずっと。」
俺だけが、覚えていればいいんだ。お前の悲しい過去も、お前の体温も、お前との生活も、全て。何処か独占欲に似たその感情は、小さな塊となって心の中へと消えた。
25:
切裂 [×]
2016-09-19 21:16:03
「覚えておいてくださいね。僕はギリギリまで貴方に…全て教えますから。」
相手の言葉に嬉しそうに頬を赤めて微笑みより一層くっついた。ぬくもりだけでなく体の形…骨の形まで、ありとあらゆることを、自分も知りえない自分のことも全て覚えていてもらいたかった。自分が過去の人物になる頃には相手は僕のぬくもりを求め、涙を流してくれるのだろうか。もしかすると死刑の前に相手が僕のことを殺しに来てくれるのではないだろうか。そんなありもしない汚れきった希望を心の奥で温めておいた。「…出かける準備、しましょうか。心に残るように写真でも撮りながら。」我ながらいいアイデアだ、とひとりで頷き沈んでしまった2人の空間を無理やり明るくさせる。ぱっと相手から離れ自身の財布を見る。最近相手と暮らしすぎて金銭感覚が狂っていたのか所持金はまぁ、言うまでもない。金欠…その言葉が頭に響き渡るとなんとも情けない泣きそうな顔で相手をじっと見つめる。これは相手と暮らすようになってから身についた一種の甘えである。その目をぱちくりさせて口を開けばこう言う。
「今からお金稼ぎに行ってもいいですか…」
26:
立花 暁 [×]
2016-09-20 17:45:48
「お、おう……?」
何処か子犬のような顔をした彼の口からお金稼ぎ、なんて物騒な言葉が出るとは。戸惑い思わず目を丸くした所か首が傾いた。まぁ、気にしないとしよう、とひとりでに納得する。思い出作りに写真でも撮ろう、と言われたのを思い出し着替えつつカメラでも探すか、と自分の部屋へ向かって歩き出した。最近は携帯のカメラも画質が良くなってきて侮れないのだが、あれはどうも苦手だ。消えてしまう確率が高いし、どうせなら形に残したい。部屋着から私服に着替えれば、机の引き出しを開けカメラを探し始めた。
「お、あった……。よし、まだ使えるな。」
一度起動して使えることを確認すれば、それを持ってリビングへと向かった。
27:
切裂 [×]
2016-09-21 22:05:13
「1、2、3……少し足りないかもしれない。」
数分もの間に良からぬことをして手に入れたお金を数えていれば足音に気づきすぐさま財布に戻し優しい笑顔を振りまく。カメラを用意したのか、と目を見開くも初めての写真なんだよなぁと思えば思わず近寄り珍しそうにジロジロと観察をし始めた。いつも映らないようにと思って避けてきたこのレンズの中に自身の形が残ることが嬉しく頬をほんのり赤く染めて微笑んだ。
「かめら…僕、初めてです。間近で見るのも堂々と映るのも」鏡で見るものと違うその一時が、形となって現れる瞬間を想像しては心が高ぶり素早くカバンを取ればキラキラと輝く純粋な眼差しで
「はやく、はやく行きましょう…!」と腕を引っ張り玄関まで引きずった。
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