TOP > その他のテーマ

ひとりごと/6


▼下へ
自分のトピックを作る
■: 誰かの姉 [×]
2016-07-30 05:13:08 

まだ覚えてる あの日のこと


1: 誰かの姉 [×]
2016-07-30 05:13:56

私の弟がこのサイトを良く利用していたみたいなので、彼に習って私もここで今の想いを書き留めたいと思います。

2: 誰かの姉 [×]
2016-07-30 05:15:42

最初に。

私の弟は今年で16歳になる筈でした。

病死です。名前は出せませんが、今の医療技術での完治は難しいとされている病気です。

3: 誰かの姉 [×]
2016-07-30 05:17:57

彼は全てを悟っていました。

周りの人間がどれだけ励まそうと、優しい言葉を投げ掛けようと、彼はいつも微笑みながら窓の外を眺めていたのです。

4: 誰かの姉 [×]
2016-07-30 05:38:28


誰も気付く筈がありませんでした。

彼は優しく、賢明で、それでいて勇気のある子だったからです。


誰も気付けなかった、いいえ、気付かせてもらえなかったのです。

彼が心まで病魔に侵されていたなんて。



5: 誰かの姉 [×]
2016-07-30 05:49:12


幼い頃から身体が弱かった彼は、家と、病院と、学校の往復の毎日で、それ以外の世界をあまり知りませんでした。

なので、よく私に質問をしていました。

「姉さん、電車ってどうやって乗るの?」
「姉さんの学校はどんなところ?」

姉さん、姉さん、と私にくっ付きながら何でもかんでも不思議がる彼が、愛しくて愛しくて。
私は一つ一つの質問に対し、物語を話すように、彼に答えました。


そして、13歳の冬、彼は少しずつ変わっていたんだと、今になって思います。


6: 誰かの姉 [×]
2016-07-30 06:07:26


ある日のことでした。

後ろから、彼が私を呼ぶ声が聞こえたので、私は振り返って彼を見ました。

「姉さん、僕はなんで生まれてきたの?」

突然、そう尋ねる彼の右腕は、赤黒く腫れた切り傷がビッシリと並び、見るに堪えない程になっていました。

腕から顔に目を移すと、彼は眉間に皺を寄せ、目を腫らし、下唇を噛みながら必死に、涙を堪えていました。



▲上へ

名前: 下げ

トリップ: ※任意 半角英数8-16文字
※画像を共有する場合は、外部の画像アップローダなどをご利用ください

規約 マナー
※トリップに特定文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます

【お勧め】
初心者さん向けトピック



[0]セイチャットTOP
[1]その他のテーマ
[9]最新の状態に更新
お問い合わせフォーム
(C) Mikle