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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
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2016-07-21 03:34:54 ID:e7358f141
天使と魔女、そして悪魔と_。
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ID:e7358f141 2016-07-21 03:45:10
紅茶で染めたような胡桃色の封筒。そこには桃の花と兎で形作られた封蝋に洒落た金のインクでMs.Mary・Gothと飾られている。
手紙なんて小さい時に一度きり。でもどうしてかしら、この封蝋、どこかでみたことがある気がするわ。
「あら、そんなのきのせいよ。だって私はあなたのずっとそばにいたのにそんな模様見覚えないもの」
それより早く開けてご覧なさいよ、こんなに可愛らしい封筒で手紙を送るなんて一体どんな殿方なのかしら。艶めかしく囁く姿はまるで悪魔。急かされるように封筒を開けると中にはカードと小さな可愛い鍵がひとつ。繊細な模様が施された手紙には満月の晩に、とだけ。
「なあんだ招待状? ようやくメリーにいい人ができる機会だと思ったのにぃ...」
でも一体誰がこんなカードを送ってきたのかしら? 心当たりがないわけではないけれど、でもどうしてこんな事を?
「どうだっていいじゃないの。楽しみましょう。今日はお昼から空いてるんだから街に行って、素敵なドレスを買って、新しい靴も買わなくちゃ」
ずいぶん乗り気ね、招待状って決まったわけでもないのに。まあ、たまにはいいかしら。ドレスを買って靴も買ったら、ベリーを摘んでパイを作りましょう。私が街に行くと怖がって家にこもってしまう人もいるから帽子で顔を隠さないとね。ああ、お買い物なんて久しぶり。
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ID:e7358f141 2016-07-21 12:55:20
「ねぇ、バーバラ。このドレス素敵じゃない?」
少し派手ね。頭の中で声が響く。
「そうかしら? 薔薇のコサージュが可愛らしいと思うんだけど」
気に入ったならそれにしたら? 不服そうな顔で口を尖らせて真っ赤な薔薇のコサージュがついたドレスをねめつける。
ああ、天使とお買い物するのはなんて不便なのかしら。魔力のある者にしか見ることもお話することもできないなんて。お店の人はきっと私を頭の湧いたおかしな女だと思ってるんでしょうね。
「ならバーバラが選んでちょうだいよ」
そうね.....どれが似合うかしら、.....ああ、これね、あなたならこのドレスが似合うわ。
「まぁ、とても魔女的で素敵ね...」
でも、あなたは天使様なのに。闇よりも深い漆黒のドレスは我らのあるがままの姿のよう。昔人々を恐怖に陥れ、弄び、堕落させ、災害が災悪を呼んだそんな時代の色をしている。ここの仕立て屋は腕がいいのね。
「これにしちゃいましょうか」
お気に召したようで何よりだわ。それより、ねぇ、値段は見なくてもいいのかしら。意地悪気な声に微笑みで返す。
この世で純金に勝るものはないのよバーバラ。大きなつばの帽子に隠された瞳を見ると、とっさに店主は震え上がった。
「あら、そんなに緊張しなくていいのよ」
帽子から杖を取り出すと、ひとふり、ふたふり。
杖を振るうたび、そこから金が溢れ出す。
「これくらいかしらね。足りるかしら?」
「そ、そんな、魔女様からお代をいただくなんて...!」
まあ、そんな追い詰められた子羊みたいな瞳で見つめないで、私が悪いことをしたみたいじゃない。
魔女は生きているだけで害悪なのよ、メアリー。
判決の時を思い出す。もっとも辛く、孤独な時を。
「それじゃあ店主さん。また来るわ」
「ひ、ま、またのお越しをお待ちしております!」
帽子を深くかぶりなおして杖を振るう。
「さぁ、あとはベリーを摘んで帰りましょう」
靴は買わなくていいのね。
「ええ、いつまでも魔女が街にがいてはあの店主も気が休まらないでしょうし」
なんだか無性にベリーパイが食べたくなったの。
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2016-07-27 15:07:17
2day
「ねぇ、バーバラ。あの招待状は誰からだと思う?」
こんがりと焼き目のついたパイをオーブンから取り出して、テーブルにのせる。ベリーだけだとなんだか地味だったから野いちごも載せてみたけれどいい感じね。
あら、美味しそう。
「もう、聞いてよ。私やっぱりあの事が気になるの」
あの事...? ああ、あの招待状のことね。
ねぇ、あなたは誰が送ってきたんだと思う?
さあ? カトレアかアレグラあたりじゃない。
ミトンを外して小さな金の装飾のお皿を2枚棚から取り出す。バーバラはベリーが好きだから少し大きめに切りとる。
ああメアリー、ベリーを多めにね。
わかってるわよ。言われた通りバーバラのお皿にたくさんのベリーをのせたパイを載せて。さあ、いただきましょう。
「ああ、私ったらうっかり。ロテナから貰ったハーブティーも入れなくちゃ」
シュガーはたっぷりね。
甘党なんだから。でも、カトレアはヴィヴァエレが見張っているからそんな暇ないんじゃない?
なら、アレグラね。あの魔女はイタズラと嫌がらせを得意としているから。森が騒がしくなるときは必ずあの子のせいって決まってるわ。
そうだけど...。
杖を振るってティーパックを取り出し、お湯につける。
魔女って便利ね。杖を振るうだけで何でもできるんだから。
「私は何でもはできないわ。カトレア並の魔女ならできるかもしれないけれど」
あのババアは伊達に長生きしてないものね。
「まぁ、カトレア様に失礼よ」
それにただの魔女を囲ってるとか。
「一体そんな下世話な話をどこから聞いてくるのかしら? あなた実は分身がいるんじゃない?」
堕ちても天使だもの。それなりのツテはあるのよ。さぁ、もう十分にいい色になってるわよ。ティーカップを出して。
「あら、ほんと。でもバーバラ、あなたちょっとは動いたら? 食べるだけなんていつか豚になるわよ」
ほんとうになってしまってもアナタが面倒を見てくれるでしょう?
「もう、バーバラったら」
さぁ、はやく私のために動いてちょうだい。お腹がすいて仕方がないの。
楽しい楽しいお茶会のはじまりよ。
バーバラの楽しげな声が響いた。
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ID:fef322984 2016-07-27 15:14:16
アレグラ
悪意を司る魔女。
カトレア
時を司る魔女。
ヴィヴァエレ
太陽を司る魔女。
マチェーテ
成長を司る魔女。
ロテナ
知恵を司る魔女。
カッツェ
蘇生を司る魔女。
アドリアーナ
慈悲を司る魔女。
メアリー
精霊を司る魔女。
バーバラ
堕ちた天使。
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ID:fef322984 2016-07-27 16:48:12
__________________
「カトレア様起きてください...カトレア様...」
「ふわぁ...まだ眠かせてよ...」
名目はあくまで秘書だと言うのに。いくら揺すって声をかけても目覚めぬ上司についため息が漏れる。
別に身の回りの世話をしろと命じられた訳では無いがこの魔女は突き放し自由にさせれば喜んでサボるだろうし、結果的にエルフのお小言をくらうのは自分だ。嫌でも面倒を見ざるおえない訳だ。
「仕方ありませんね...」
杖の先でトントンと2回床をつき、カトレアに軽い電流をはしらせる。「いぎゅう!!」となんとも間抜けな悲鳴を上げ王族でさえももっと質素な素材を使っているであろう豪勢なベッドから転がり落ちた我が上司を冷え冷えとした視線で見つめる。ようやく目覚めたかクソヤロウ。私はろくに眠れてもいないと言うのにいい身分だ。
「お目覚めになられましたか」
「まったくヴィヴィーは手荒だなぁ...いててて。でも、おかげで目が覚めたよ」
「カトレア様がお声かけでお目覚めになられていたら手荒になどしませんわ」
むしろ私はよく耐えたほうだ。それに、こいつの好きにさせていたらいつになっても目を覚ますことなどないだろう。時の魔女_カトリアナ・ウールロック
我ら魔女の生ける時などこの魔女にしたらほんの数刻にもみたないのだから。
「カトレア様、ロテナ様よりお手紙が届いています」
「ロテナから? おかしいな、アイツは私を嫌っていたはずなんだけど」
物思いに耽るのを中断し、本来の目的に目を向ける。今は引きもっているとはいえその魔力の程は五本の指に数えられるほどの魔女からの手紙だ。我ら魔女全体に関わる内容かもしれない。あるいはただの嫌がらせか。半々だな...。
「.....」
しかめっ面で手紙を見つめるカトレアは珍しく真剣な表情だ。いや、真剣なのだろうか? お気に入りのプリンをアレグラに奪われた時もこんな表情だったかもしれない。
「ヴィヴィー準備をしろ! ロテナの所へ行く!!」
「はい? 一体何の要件でですか?」
「あいつ! ヴィヴィーを寄越せとのたまりやがるんだ! もちろん断るぞ!!」
「まさかそれだけのためにあの城に乗り込むおつもりですか?」
「ああ、そうだ!大事な秘書をやるわけにはいかんからな!」
ああ、二つとも予想が外れるだなんて、それもより厄介なことになりそうだ。荒ぶり、杖もなしに暴風を巻き起こしているカトレアに本日2度目の溜息を吐いた。
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ID:fef322984 2016-07-27 22:41:46
「ああ、よくきたね。それでヴィヴァエレは譲ってくれるのかい?」
カトレアの殺気が目に入っていないかのように優雅で悠々自適にそして挑戦的に、ロテナはカトレアに視線を送る。ああ、胃が痛い。半場無理やり連れてこられたヴィヴィーは五本の指に入る魔女の圧に挟まれて今すぐこの場からいなくなりたいと出口に目を送った。
「もちろんタダではとは言わないよ。あなたの欲しがってた剣もやるし、必要ならば新しい秘書も送ろう」
「あれは元々私のものだ! それをヴィヴィーと引換に今更返そうなんてなにが狙いだ...」
噛み付くようにそう返したカトレアに馬鹿にしたようにロテナは言葉を続ける。
「なにが、ね。そうだな半分は個人的な興味のため、半分はあなたへの嫌がらせってところかな。それと、あれは私が正規の取引で手に入れた私の剣だ」
カトレアの怒りに大地が共鳴する。地が揺れ、シャンデリアについた宝石がカツンと鳴った。ああ、ロテナ。こいつは短気なんだ。煽らないでくれ。しかし言葉はカトレアの圧に押されて口を噤んでしまった。
「個人的な興味だと?」
「ええ、そうよ。人嫌いの孤高の魔女さんがたかだ下級魔女を側に置いておく理由を知りたいの。あなたもわかってるだろうけど長生きな吸血鬼ほどお喋りなものよ。夜会で色々な噂を聞くのよ...もちろん君のことも、ヴィヴァエレのこともね...」
私のこと...? 「ミスティアか...」そう呟いて、爪を噛むカトレア。あいつとロテナは一体何を隠している? 私の噂...?
「ヴィヴィー、あたしの元についたら教えてあげるわよ。あいつが隠してきた秘密を、なぜカテリナがあなたを離さないのかを...」
「ロテナ!!!」
隠しきれない動揺に視線をうろつかせるヴィヴァエレにロテナは甘く囁く。知りたい、好奇心が手を差し出しそうになるのを理性がおさめる。知ってどうなる? 知ったらきっと悪いことになる。怒ったようにも、焦ったようにも、怯えているようにも見えるカトレアの横顔を横目に思考を巡らせる。私は...。
「私は、」
「ダメだ!」
悲痛の声。一体あなたは何を隠しているんですか? そんなにも私に知られたくないこと? 最強と言われたあなたがそんな顔をして繋ぎとめておきたいこと? なら、私は知ろうとしません。あなたが隠したいことを私も隠し続けましょう。
「大丈夫です、私はあなたから離れません」
「ッ...」
「おや? 君は乗ってくれると思ったのだけどね。知りたくないのかい真実を?」
嘘つきは魔女の特権ですから、聞いたって仕方ありませんわ。自分に言い聞かせるようにカトレアを不安にさせないように動揺を悟られないように真っ直ぐにロテナを見る。
「カテリナ様が隠しているのには理由があるのでしょう。詮索しようとは思いませんわ。それに私以外にカテリナ様の面倒を見れる方はおられないでしょうから」
「ククク...そりゃ残念。カテリナのお気に入りを奪ったらいい嫌がらせになっただろうがあたしは無理強いしない主義なんだ」
わざわざ手紙を送ってきたのに白々しい。
「ううぅ...ヴィヴィー!」
「ほら、さっさと帰りなさい」
瞳を潤ませてヴィヴィーに抱きつくカトレアにロテナは興が醒めたのか冷たくあしらうようにしっしっと追い払うような仕草をすると踵を返してさっさといなくなってしまった。今も腰にしがみついて離れない上司に安堵からかため息が漏れる。
「ほら、いつまでも泣いていないで帰りますよ。今日の分の書類が溜まってしまいます」
ぶーぶーと不満を漏らす上司にほら、私がいないとダメでしょう、なんて
梅に鶯___
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ID:fef322984 2016-07-28 00:42:51
魔女
古くは人々を恐怖に陥れ、傍若無人に生きていたが、時代の移り変わりや魔女の短命化、その個体数が減ったこともあり、今では人間との盟約を結び、法を定め、魔女同士の制裁、粛清を行い、お互いに関与せずを通している。エルフとは交易により繋がっているが良くも悪くもない微妙な関係だ。
吸血鬼、妖怪、精霊、神獣などは魔女とはまた違った種族だが多くの知識のない人間に魔女と混合されることが多い。吸血鬼や神獣とは特に関わりが深い。
魔力を持たない者と交わると多くの場合魔力を持たない子が産まれる。稀に微小に魔力を持って産まれる子もいるが、その殆どは魔女とは切り離され、人間やエルフの里親の元で暮らすことになる。
魔女は古きやしきたりを重んじることが多く、帽子の着用もその一つである。魔女は杖の次に帽子を大切に扱い、魔女集会、冠婚葬祭、どんな時でもそれを忘れたりはしない。
杖
多くは魔女の魔力を増強させるものであり、魔力を込めた宝石を埋め込むことによって苦手な属性の精霊との仲を取り持つものである。中にはあまりに強すぎる魔力を杖を通すことによって落ち着かせる者もいる。
その形状は魔女の杖と言われて想像するようなものからマグカップや怨念のこもった頭蓋骨、人の形をした器など様々だ。一部の杖には意思があり、その杖自体が非常に強力な場合もある。
瞳
人間の多くは髪色に関係なく、黒や茶、青の瞳を持つことが多く、エルフは茶、青、緑、魔女はそれを含め更に赤、紫、黄、白などの瞳を持ち、特に赤は血の色で不吉とされ、過去のことを含め魔女が敬遠されやすい理由になっている。
神獣
古くを生き、古くを知る。この世の監視者である。その二つの目はこの世の全ての出来事を見通し、慈しむ。もう一つの第三の目はこの世の全ての悪意を見抜き、罰を与える。清らかなる魂を成仏させ、天へと導く定をもつ。
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ID:fef322984 2016-07-28 16:23:17
「アドリアーナ様! 大変です!」
「あら、いい所に来たわね。マチェ、そこのベラを取ってくれるかしら」
「そんなことやってる場合じゃありませんよ! 大変なんですから!」
「ああ、ほら、焦げ付いちゃうから早く取って、話しなら後で聞いてあげるから」
「急ぎでお願いしますよ! ええっと、これですね...はい、アドリアーナ様!」
「ありがとね...それで、何があったの?」
「神獣様がお越しになってるんです!!」
「まぁ、おバカさん。どうしてそれをはやく言わないの? 鍋が焦げ付いたって神獣様のおもてなしを優先しないと」
「だ、だって! アドリアーナ様が!」
「言い訳はお止しなさい。さぁ、はやく神獣様のところに案内してちょうだい」
「わ、わかりました。こちらです!」
______________
「アドリアーナ! お久しぶりね!」
「ええ、お久しぶりですわ。ああ、マチェ。神獣様の喉を潤せる飲み物をなにか持ってきてちょうだい」
「はい! 今すぐに!!」
「あはは、とっても元気だね! あの子アドリアーナのお気に入り?」
「神獣様の前で走っていくなんてまたお説教ね...。それと、神獣様は心を見透かしたのでしょう? 」
「お説教は嫌いだな。心を見透かしたって偽物ばっかりさ! ね、言ってよ、お願い! 心は言葉にしなきゃ!」
「神獣様にお説教をできるような方がいるのかしら? ...そうね、あの子は私のお気に入りよ。少し融通がきかないところがあるのだけれどね...
...ねぇ、神獣様はどうしていつも心を聞きたがるの?」
「第三の目なんてただの役立たず! 心に閉じ込めていたらいつか風化しちゃうの! 助長させてるだけ! だから聞きたいの偽りじゃない心を!」
「そう...古きを生き知ることのできる神獣様ならではの苦悶と言う訳ね...」
「アドリアーナ様! 神獣様! お飲み物を用意してきました!」
「あら!はやかったわね。...これは アッサムね。神獣様、ミルクとお砂糖はどうしますか?」
「ミルクはちょっと! 砂糖はたっぷりがいい!」
「これくらい?」
「もっと! もっと!」
「お体に触ってはいけませんからね、これくらいにしておきましょう」
「うん!」
「ほら、マチェ。座りなさい」
「わ、私もですか!?」
「ええ、そうよ。当たり前じゃない」
「恐れ多くてそんなこと...」
「いいよ、アドリアーナのお気に入りだからね!」
「神獣様も言ってくれてるじゃない。神獣様のご慈悲を台無しにするつもり? それともなにか不服でもあるのかしら?」
「い、いえ! そんな滅相もありません!!」
「なら、お座りなさいな」
「は、はい。ではご一緒させていただきます...」
「あはは! この子アレグラとはまるで真反対なのね! すべてを吸収してしまうわ! 大事にしなきゃ!」
「あのイカれた魔女とは似ても似つかないでしょう。ええ、ですからわたくしの手元に置いているのですよ」
「...? あの、お2人は一体何のお話をされているのでしょうか...?」
「...? あなたの話よ」
「それは存じております!」
「気にしないで! ただの秘密のお話よ!」
「むむむ、私だけ話を理解出来ないなんて。やはり精進が足りないのでしょうか...」
「あらあら、気にしなくていいのよ。あなたはまだ産まれたての少女なんですから」
「cuteベイビーだね! 黒に染まっちゃダメだよ!」
「なっ! 私は産まれたてでも赤ん坊でもありませんよ!! もう60になるんですから!!」
「あら、まだそんな歳だったのね。私はそろそろ...? 幾つだったかしら?」
「あははははは!もう結構な歳なのね! 魔女にも呆けなんてあるの?」
「黙らっしゃい。まだカトレアやロテナに比べたらピチピチなんだから! ええと...魔女裁判の...」
「魔女裁判ってもう何千年も前のことじゃないですか! いったい何年生きてるんですか!?」
「もう、いま思い出してるんだから静かにしていてちょうだい」
「僕はもう覚えてないな! 年なんて数えるだけ無駄じゃない! 死ぬまでの月日を数えるなんて不毛よ!」
「よく考えたら神獣様は私よりもずっと長生きしているじゃない。結構な歳なんて言われたくないわ」
「あわわ、アドリアーナ様が珍しく怒ってらっしゃる...!」
「不死者に老化は関係ないからね! アドリアーナと僕は違うよ!」
「まぁ、小憎たらしいこと」
「それじゃあそろそろ行くよ! 数年以内には来るからさ、それまでには機嫌をなおしておいてよ!」
「あ、神獣様待ってください!」
「ん? なあに? ...あ! そう言えば祝福を忘れていたね! 君んとこにはずいぶんおもてなしされてるから! ちょっと頑張っちゃおうかな! えーい!!」
「アドリアーナ様...あれは頑張ってるのでしょうか? 私にはただえーいと言ってるだけに見えますが...」
「そう言えばマチェは初めてね。いつもこんなものよ。長っだるくて言いづらい呪文は力のないものが唱えるものよ」
「そういうものですか...」
「それじゃあ、またねー!!」
「はい! 神獣様また来てくださいね!!」
「うふふ、元気だこと」
「あっ!」
「どうかしたの? そんな大声を出して」
「鍋ですよ! 鍋! 火がつけっぱなしで!」
「...そう言えば消して、ないわね」
「か、火事ですよ! 火事になっちゃいます!」
「お、落ち着きなさいマチェーテ! 魔法製の炎だから他に移ることはないわ!」
「急ぎましょう!」
_______________
「うっ、焦げ臭い...」
「あらら、全部ダメになっちゃってるわ。鍋が焦げ付いたって神獣様のおもてなしを優先しないととは言ったけど本当に焦げ付かせちゃうなんて...」
「新しく買い替えなくちゃなりませんね...」
「はぁ...神獣様にああは言ったけど私ももう歳ね...」
アドリアーナの憂鬱
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ID:fef322984 2016-07-31 00:25:12
個人用トピに移ります。
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