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個人用・練習用
自分のトピックを作る
41:
xxx [×]
2017-03-28 03:33:25
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(/ 女教師さん良い人設定にしちゃいました←
むしろどんどんモブ登場申し訳ないです(´;ω;`)
管理がしずらくなったら外国行かせたり姿消したりさせますんでwwwwwwwww((
わ、私も実は先のことは考えてなi((
42:
yyy [×]
2017-03-28 19:06:48
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(女教師が見せてきた焼印に相手のもの(焼印)が重なり、相も変わらず女.子どもに情けのない扱いにやはりこの世は腐っていると微かに表情を歪めるも、事情を話してくれた女教師には礼を言い。
「まあ黙っていたのは此方も同じだからな。それで俺が裏と関与してると分かった上で、あの寺子屋で教師を続けてくれる気はあるのか?」
『もちろんよ!こちらからお願いしたいくらいよ』
(二つ返事で頷く女教師とその後は軽い世間話をするも、緊張がとけ安心したのか酒の回りがはやくお開きの頃には立つことすら困難になっていて。
放おっておくわけにもいかないため、酒冷えしないよう自分の羽織を被せてやってから肩を貸すとゆっくり立ち上がり酒屋を出る。
瞬間、上方…屋根の上に気配を感じてはさっと振り返り目を細め睨むも、広がるのは宵の闇。
気のせいかと前に向き直っては女教師を以前別れた曲がり角まで連れていき。
『ごめんなさい。これもお借りしちゃって。もう大丈夫よ!』
「本当か?あんたさえ良ければ家まで送るが…」
『大丈夫!もう覚めたわ。それじゃあおやすみなさい』
(まだおぼつかない足取りながら視線はしっかりしていたため大丈夫と判断し、遠くなっていく背を暫く見送った後、自分もその場を去り。
(寺子屋付近にもどる頃、待ち受けていたかのように組織の者が現れ、そのまま集会場に連れて行かれてはやや乱暴に部屋に押し込まれて。
『菊、やってくれたな。敵対組織が銃の取引の場所を仕入れた。取引先は出どころはお前だと言っている。今回のことで信用がなくなったから本邸の場所を教えるのは見送るそうだ。』
『どう責任とるつもりだ?』
(男達の言葉にやはり相手はしっかり取引場の情報を仕入れていたかと呑気に感心するが、それと共に再び相手に切りつけられそうになったショックがぶり返し無意識に腕に触れては、怒鳴りつけてくる男達の言葉をどこか遠くに聞いていて。
(/女教師いい人了解です!
そしてモブ扱うの好きなのでどんどん来てください!
むしろモブなきゃ成り立たないロルになりつつある笑
姿くらまし最強ですねw
ではでは今後も行き当たりばったりになるかと思いますがよろしくです。
43:
xxx [×]
2017-03-29 02:24:36
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( 空が完璧に闇に包まれた夜、漸く相手と女教師が酒屋から出て来るのが見えてはその仲睦まじい様子に胸の奥がもやもやとする。
あの女教師が相手を慕い尊敬していたのは面識の少ない自分にさえ分かる程だった。
息を飲み相手と女教師の後を追い、曲がり角まで来た所で相手と女教師が向かい合い何かを話してる様子に息を殺して。
漸く相手と女教師が別れ、女教師が帰路を行く途中に女教師の数歩前に屋根から降りてはきょとんとこちらを見詰める女教師に歩み寄り。
『え、…な、何?』
「面倒だから騒ぐな」
( 瞬時首筋にトン、と手刀を落とし音もなく倒れ込む女教師を肩に抱えてはそのまま狼化し組織の仲間がいる拠点へと夜の街を駆け抜けて。
( 丁度拠点へ着き着替えを済ませた頃、女教師は目を覚まし拘束された身に頭がついていかないと言った様に騒ぎ出すも組織の者に刀を向けられては唇を噛み。
『相手組織が何やら揉めてるそうでな、こいつ(女教師)を餌に銃を一丁ばかし取り引きに出す予定だ。丁度相手組織の集会場も見付けてある』
「…………は?今から飛び込むってのかよ」
( 急過ぎると声を上げたところで女教師と目が合えば女教師は目を見開き面識のある自分に驚いた様子でいて。
どこから仕入れたのか、相手組織が今集会を開いてるであろう場所の地図を見せられれば『お前も来い』と強引に言われ、女教師の身を預かる役目を負わされて。
馬車へと押し込む様に入れられては面倒臭そうに溜息をつくも女教師は敵意剥き出しに自分を睨み『貴方、菊さんの敵と見なして良いのよね?』と聞いてきて。
「あー好きにしな」
『寺子屋にいたのは何しに来てたの。子供達に手を出そうとかなら菊さんより先に私が黙ってないわよ!!!』
「どうでもいいけど騒がないでくんね。安心しな、俺も子供は嫌いじゃない、手は出さねぇよ」
( 本心の言葉のつもりだったが女教師にはそれが煽り言葉の様に感じたようできつい目線でこちらを睨み付けていて。
44:
yyy [×]
2017-03-29 20:50:17
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(男達にしつこく今回の失態を責められていると、襖の奥が騒がしくなり何事かと身構えるよりも前に相手組織が立番を蹴散らし部屋に乗り込んできて、その中に女教師と相手の存在を確認しては目を見張り。
一気に殺伐とする室内、各々が刀や銃に手をおく中、相手組織のリーダー各の男が悠々と前に出てきて女教師を顎で指し。
『この女が誰だか分かるな?こいつに何かあればお前たちの信用はなくなる。こいつを傷つけられたくなければ銃を寄越せ』
『はっ、礼儀もしらねぇ猿どもにくれてやるもんはねーよ』
『何だと?いいだろう。__おい』
(相手組織の男は見せしめに女教師を傷つけるよう部下に指示を出し、部下が相手が拘束する女教師に刀を向けたところ、流石に放っておくわけにいかないと一つ息を吸い。
「待ってくれ」
『なんだ、銃を出す気になったか?』
「いや…、それは俺の一存で決められることじゃない。それよりいいのか。そこの女を傷つけて困るのはあんたらも同じだと思うが?」
『何が言いたい』
「女を傷つけたのがあんたらだと知られれば、取引先はあんたらを信用せず銃は渡さなくなる。…少ない銃を危険を伴ってまで此処で得るより、取引先と良好な関係を築き多くの銃を得た方が利口だと言ってるんだ」
『そんなもの、女に手出したのも全部お前たちがしたことにすれば良い!!』
(いきりたつ男に“そんな嘘すぐばれるだろうに”と呆れた目を向けつつ、もうこの話はこれで片がつくだろうと、男の横を通り過ぎ、相手のほうへ近づけば一度怯える女教師を一瞥した後、相手を見て。
「その手を離せ。もう拘束する必要はないだろ」
(声を低くしあくまで今は仕事上の関係として対峙して。
その後ろで相手組織の男がわなわなと青筋を立て怒りに震えていることには気づかずに。
45:
xxx [×]
2017-03-30 01:41:02
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( 声を荒らげる自分組織の男達をどこか他人事の様に見詰めては男達に正論を並べる相手をじっと見詰め煙管を咥える。
近付いてきた相手に女を離せと言われ、そりゃ確かにもう拘束する理由もないわなと離そうとするも怒りに狂った自分組織の者に『爛、離すな』と言われてしまえば従うしかなく。
「悪いな、上からの命令なんでね」
( 小憎たらしい笑顔でへらりと態とらしく笑えば女教師が歯を食い縛りこちらを睨み付けて来て。
「怖い怖い」だなんて煽り文句を言いながら煙管の煙をふうっと吐き出しては自分組織のリーダー格の男がズカズカと自分の横に来て。
『ここまでコケにされて俺達が黙ってると思うか???別にこんな女殺したって構わない、困るのはお前達の方だろう』
( “斬れ”と顎で命じられるも女を斬るのは流石に気が引けるなと思えば「あー、今日手入れしてないから切れ味悪ぃんだよ」だなんて巫山戯た言い訳を述べ、こちらの様子を伺いながら銃を構える相手組織の男へと目を向ける。
女教師の手を引きながらその男の元へと歩み寄ればすっと手を出し「それ(銃)、貸してくんね」と無表情で言って。
固まる男から強引に銃を奪い取り、死角で銃の弾を抜いては自分組織のリーダー格に向き直り「痛め付けるだけならこれ(銃)でもいいだろ」と。
静止の言葉を相手組織の男達が叫ぶ中女教師の足元に銃を向けては引き金を引き、室内には大きな銃声が鳴り響くも勿論弾は入ってない為女教師は無傷のままで。
涙をボロボロと零す女教師を無表情に見詰め、内心僅かに胸は痛むも相手組織と自分組織の揃うこの最悪な状況。
その上自分組織のリーダーさんは怒りに染まりきってるときたら打開策は中々生まれず。
『なら貴様等には時間を与えよう。一週間、この女は我々で預かる。それまでに大人しく銃を渡せば女は返してやる』
( さっきの相手の話を聞いた上で尚も銃を求めるリーダー格は馬鹿なのか、それとも何か他に考えがあるのかは自分にもまだ分からずに。
ガタガタと震える女教師を肩に抱え自分組織達の立場に戻れば興味無さそうに一方的な要求をする自分組織のリーダーを見つめていて。
46:
yyy [×]
2017-03-30 19:47:38
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(相手の機転のおかげでその場で女教師が斬られることは免れるが、話は一転せず足踏み状態の脅迫に半ば呆れ、此方の組織の男も苛立っていて。
『一週間だ?貴様らが一週間大人しく待つわけがない。どうせ何か企んでるんだろ』
『折角下手に出てやったら言いがかりか?…そうかお前たち、俺達が銃を手にして負かされるのが怖いんだろ』
『怖い?まさか。貴様ら猿が銃を手にしたところで何の武力にもならんわ。兎に角、此処に貴様らにやる銃は一挺もない』
『女がどうなっても良いのか?』
『ああ、もう好きにしろ。貴様に銃をやるくらいならそんな女どうだって良い』
(大の大人が二人して意地を張り合い子どもの喧嘩を繰り広げるさまにこの組織は大丈夫だろうかと心配になるも、それよりこのままでは女教師の身柄が危ない。
しかしこの場でリーダー各の男に逆らうこともできず、悔しいが相手組織と共に女教師が連れて行かれるのを見ることしかできず。
一難去った室内、すぐに男に女教師を救出すべきだと説得するも『別の取引先を探す』と聞く耳を持たれず、加えて『全てお前の失態が招いたことだ』と責められれば何も言い返せずに、これは個人的に女教師を救うしかないと。
(組織に開放されたのは明け方、すぐにでも女教師を助けに行きたかったが寺子屋もあるし、流石にあの馬鹿な男(相手組織の男)でもすぐには手をくださないだろうと踏んで今夜決行することにして。
(そして宵、仮眠を取った後、黒いコートを羽織りフードを被って闇に身を包んでは、相手組織の拠点へ赴き、牢があるであろう地下へ忍び込む。
正直、潜入は苦手で相手ならもっと上手くやれるのだろうなとこんな時まで相手のことを考える自分に苦笑が漏れるも、今は集中せねばと見張りに気付かれぬよう女教師の居所を探して。
47:
xxx [×]
2017-03-31 17:48:30
>
( 拠点へ戻るなり女教師の管理や世話を命じられては“早く帰りたかったのに”と内心毒を吐き牢の中に女教師を放り込み自分は牢の外に腰を下ろし腕を組んだまま考え事をしており。
『ちょっと!あなた、ただじゃ置かないから!』
「………」
『聞いてるの!?!?』
( そう言えば地下は冷えるな、だなんて呑気な事を考えては一度地上の部屋へと戻り毛布を数枚取っては牢の中にぶん投げ入れ先程の定位置へと戻り再び腰を下ろしてはこくりこくりと居眠りし。
( 騒動翌日、拠点内で1日を過ごし朝に風呂や着替えを済ませては女教師の元へ食事を運ぶ。
頑なに食事を口にしない女教師に溜息を零しては「何なら食うんだよ、飯食わなきゃ死ぬぞ」と面倒臭そうに言い放ち。
口を開かない女教師に疲れを切らし鍵をしっかり閉めた上で地上へと戻り昼間の依頼をこなすべく街へと出れば、仕事ついでに和菓子やらを適当に買い。
( 夜、仕事を終え牢へと戻れば女教師は食事に少しは手を付けてくれたもののやはりちゃんとは食べてくれずにいて。
困った様子で牢の外に座っては胡座をかき頬付を女教師をじっと見詰める。
『今日…私1人で初めて授業する筈だったのに』
「…あ?」
『英語の………すごく楽しみにしてて、徹夜で問題文考えたり頑張ってたのに』
( 女教師は膝を抱えしくしくと泣き始めてしまい内心少しばかり可哀想な事をしたななんて思えば昼間買った和菓子を持つ手を牢の中にすっと入れ。
『何よそれ』
「あんたが飯食わないから。菓子なら食うかと」
『馬鹿にしてる?』
「良いから取りに来て。これ投げたら折角花形になってるのにぐちゃっとなるし」
『なによその理由、そんな外見してて』
「いいから早く」
( 警戒心剥き出しの女教師が漸く牢の近くに来て花形の和菓子を受け取る。
背を向け再び見張りを続けようとしてた所、小さな物音がしては立ち上がり刀に手をかける。
まさか相手組織が女教師を諦め相手が一人で来ただなんて知る由もなく近付く足音に意識を集中させていて。
薄明かりの中、人の気配を感じ取り刀に手をかけたまま「銃はもってきたのか」と。
返答は帰って来ず、牢の中で不安気な表情をしている女教師をちらりと見ればその気配に「いつまでそこにいんだよ。いきなり切りかかったりしねぇからさっさと出てこい」と。
48:
yyy [×]
2017-03-31 20:21:52
>
(何とかたどり着いた牢、しかし聞こえてきた話声は女教師と相手の物で僅かな動揺で音を立ててしまっては、案の定鋭い相手に気付かれ観念したように闇の中から姿を晒し深く被っていたフードを取って。
『菊さん!!助けに来てくれたの?!』
(声を上げる女に“静かに”と目配せし、その元気そうな様子に見張りが相手なだけに悪いようにはされていないようだと安心するも、厄介なのはここから。
見張りが相手でなければ気絶でもさせてさっさと女教師を救出できたが、それが相手となると相手の組織上の責任やその後の処遇を考えると手は出せなく、どう切り出そうか考え倦ね視線を微かに彷徨わせたあと相手を見て。
「…うちの組織はその女を捨てた。銃があんたらに渡ることはない」
(声に重みを乗せあくまで義務的に述べるも、他の組織の者がいない中で演技するのも面倒だと緊張を解いて短く息を吐いて。
「今回は俺の独断なんだ。…その女がいないと困るから。それにこのままだとそいつは…_」
(“殺されるだろ”と言う言葉を飲み込み一度目を伏せ、意を決すると相手に歩み寄り真剣な眼差しを向け。
「今からすることを見逃してほしい。…あんたの立場が悪くなるのは分かってる。でも俺個人の力ではここで強引に出るしかないんだ。もし報酬が減るってなら後でいくらでも援助するし、必要なら密会の情報も渡す。……だから、頼む。」
(自身の狡猾さや相手への迷惑を考え語尾が僅かに震えるも、決意はかたくそれを伝えるように無意識に相手の手に片手を添えていて、内心ではもっと話したいことが別にあるのにと情が漏れては瞳が揺れて。
49:
xxx [×]
2017-04-01 22:31:20
>
( 自分が気付くより早くに女教師が声を上げては、助けに来たのは相手だったのかと苦虫を噛み潰した様に歯をギリッと食い縛る。
相手組織の行動を話す相手に“しかし相手が嘘を付いてるかもしれない”という疑念が浮かぶもやはり長年連れ添った仲、その瞳に嘘は伺えずこのままここに置いていても女教師はただ殺されるのを待ってるだけになる。
自分の手に添えられた相手の手、しかしこんな時でもやはり自分はどこまでも愚かで。
組織に見捨てられた女を独断で危険を犯してまで助け出そうだなんてやはりこの女に気があるのか、と曲がった考え方をしてしまい。
相手の手をブンッと振り払いガチャガチャと音を立てて牢屋の鍵を外してやれば無言で地上への階段を上る。
『ちょっと…逃がしてくれるの!?』
( 声を上げる女教師に、冷ややかな視線を向け静かに「何でかい声出してんだよ、殺されてぇのか」と低い声で告げる。
相手に寄り添う様にする女教師と相手に冷たい視線のまま「勘違いすんな、俺はあんたらの敵だ。早く行かないなら遠慮なく殺すぞ」と。
そのまま相手と女教師が裏口から出てくのを見やればどことなく苛立ちがつのり髪を掻き乱して。
( 翌日、消えた女教師の姿にこちら組織は大慌てするもこちら組織の情報屋が、あちらは女教師を見捨てたと言う事を知っており己の独断で逃がしたものだと決め付けられ。
『貴様の独断だな、外国人の女なんぞ売っぱらえば相当な金になったと言うのに勝手な事をしおって…!!!』
「知らねぇな、寝てて起きたらいなくなってた」
( すっとぼける自分に青筋を立てるリーダー格の男、しかし自分を組織から外すという事は考えてないらしく一発殴られるだけですんで。
『組織の犬が!!!図に乗るなよ!!!』
「その犬を離さねぇのはどこの誰なんだか」
( 悪態を付きながら切れた唇を拭うも組織は既に次の作戦を立てることに必死なようで。
銃の仕入れ先を調べるべくまた1から動く事になった事に苛立ちを顕にしながら次の作戦を話し出すリーダー格に軽く溜息を漏らしては相手と女教師の事ばかり考えていて。
50:
yyy [×]
2017-04-02 14:43:14
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(相手の協力のおかげで女教師を救出でき地上に出ては、そのまま一人になるのも怖いだろうと今夜は自宅の空き部屋に泊めてやることにし、部屋を準備して空腹も考え軽食を用意して。
『ありがとう…。ねえ、さっきのあの人。変わり者なのかしら』
「…え?」
『だって、ほら。これね、私が食べるのを拒否してたら持ってきてくれたのよ』
(そういう女の手には綺麗な花形の菓子。子供向けにしては上品なそれは孤児荘の子どもたちのために買ってあったとは思えなくわざわざ買ったのだろうと推察し、「不器用なんだよ」と僅かに眉を下げ小さく笑んで。
『……ねえ、菊さんとあの人って敵同士なのよね?』
(女教師の問いに先程の相手の言動を思い返し、自分の中で徐々に膨れ上がっている相手に対する疑念がまた濃くなり表情を険しくして。
『菊さん?』
「いや、何でもない。食べたら今日はもう寝るといい。明日の授業は休んですぐ自分の組織に報告に行けよ」
『いやよ。私から組織に菊さんにも迷惑掛からないようにうまく言っておくわ。私これでもお気に入りだから大丈夫よ。だから授業はやっていくわ』
(まっすぐ此方を見てくる女教師。こうなったら意見を変えないというのはこの短期間で熟知したため渋りながらも頷いては「おやすみ」と一声かけ自室に戻るも、考えるのは相手のことばかりで。
(翌日、授業も全て終えて女教師を無事に送り出し明日の準備に取り掛かろうというところ、組織の者が来て招集をかけられては仕方なく拠点へ向かい。
てっきり女教師を勝手に連れ出したことを咎められるかと思ったが、なぜか組織の男は上機嫌で『取引先が女(女教師)を連れ帰った礼に、本邸の場所を教え取引を継続してくれるそうだ』と。
どうやら本当にあの女教師が上手く話を進めてくれたらしく、相手がそのせいで殴られたとは知らず少し安堵して。
『にしても、あの野郎(相手組織のリーダー各)勝手に乗り込んできやがって。まだ腹の虫が収まらん』
(苛立たしげに声を荒げかと思えば乱暴に一枚の紙を渡され、開いてみると見慣れない銃の取引先が記されていて。
『そこは相手組織が目をつけてる新しい取引所だ。そこの所有主が護衛を探しているから、お前が先に取り入って相手組織との契約を阻止するんだ』
(また面倒な意地を張って…、と内心呆れるが断ると更に厄介なため仕事を引き受けると早速紙に記された場所へ向かって。
51:
xxx [×]
2017-04-02 21:55:18
>
( やはり女教師を逃がしたのは自分の責任等と言われては次の依頼を断る訳にも行かず、夜、依頼内容の書かれた髪をやや苛立たしげに渡されれば面倒臭そうにそれを受け取る。
新しい取引先が見付かった様で、今日はその取引先との取り引きを完了させるという仕事。
ならこちら組織の一番のリーダー格であるお前が行くべきだろうに等と思うもそんな事口にした所で今回は女教師との一件がある。
紙を受け取るなりさっさと行こうとするも呼び止められては『その身なりで行くつもりか』と。
強引に正装にされ、愛想と言葉遣い等に気を付け気に入って貰える様にしろと命じられては聞いてるのか聞いてないのか分からぬ様な態度で拠点を後にして。
( 訪れたのは町外れの豪邸、客間の奥の大きな椅子に腰掛ける取引主は自分を物珍しげに見詰めては『随分若い餓鬼が来たものだ』と。
「組織の命により本日は私が仰せつかりました」
『ほう、その理由は』
( 一言話しただけでもやはり猫被るのは面倒、どうせいつかボロが出る様なら最初から猫被る必要なんぞないかと判断しては白い鞘の刀を出す。
「さぁ、俺は組織の考えなんぞ知らねぇから理由は知らねぇな。ただ俺も組織の犬、組織が命じるならあんたとの取り引き完了させなきゃだし…」
( 刀をだしたままそのまま無表情で取引主を見詰めては「あんたの犬にもなるぞ」と。
刀を咥えそのまま能力を解放しては銀毛の狼へと姿を変える。
周りの召使や護衛などが銃を向ける中、取引主の男が『おお………なんと………』と驚きの声をあげこちらへ歩み寄る最中、他の召使の者がノックと共に部屋へと訪れては何故かその召使の背後には相手の姿があり。
52:
yyy [×]
2017-04-03 00:39:00
>
(豪邸に着き案内された部屋に入った瞬間、目に飛び込んできたのは狼姿の相手。
驚きと共になんてめぐり合わせが悪いんだろうと自分の運の悪さを恨む。
加えて、取引主は相手の姿に釘付けで此方に気づいても『後にしてくれ』と全く見向きもせずに。
正直この仕事も組織の男の我儘。相手の仕事をこれ以上邪魔したくないしこのまま帰ってしまおうかと半ば思うが、部屋のあちこちに飾られる数多くの鹿や狐の剥製、趣味の悪い獣皮の絨毯、男の纏う毛皮の服、そして相手を嘗めるような視線。
はっきり言って嫌な予感しかせず、身勝手ながら“その目で相手を見るな”と独占欲が沸いては、相手に疑念を抱いていたことなど忘れてスタスタと前へ出ると、相手を背後へ隠すように取引主の前に跪いて。
「お取り込みのところ申し訳ありません。私は貴方様の護衛をしたく組織から参った者です。失礼を承知で申し上げますが、今なさろうとしている取引、辞めておいたほうがいいですよ」
(外向きようの笑顔を貼り付け普段より2割増しで声に色を乗せては、まだ煙たそうにする取引主に一枚の紙を渡す。
そこには相手組織をこの取引から失脚させるために調べ上げた相手組織のこれまでの失態や悪行が記されており。
「そこに記されている通り、その組織の幹部は頭が弱い。此処に危害が及ぶのは時間の問題です。私は貴方様の築き上げた美しい名声に泥を塗りたくない」
(心から願うよう切なさを滲ませ述べるも、内心は取引さえ破棄できれば相手は取引主と関わらずに済むというあまりにも身勝手な私情。
再度取引の決定を考え直すよう願い出て跪いた状態で頭を下げるも、取引主の視線がいまだに相手にあることが嫌でもわかり、見えないのをいいことに唇を噛み締めて。
53:
xxx [×]
2017-04-04 00:44:55
>
( 突然現れた相手の姿に瞬時人姿へと戻り怒りに表情を歪ませるも相手がふと顔を上げた途端取引主の男はその美しさに自分から相手に視線を移してしまい内心少しばかり慌てる。
相手の顎を持ち上げ端正な顔立ちを確かめる様に見詰める取引主に「あんたと取引しに来たのは俺だろ!?良いのか、数少ない能力者をみすみす逃がしちまっても」と声を荒らげる。
取引主も取引主だが相手がこんな男に媚びる様な姿を見てしまった事に苛立ちは拭えず相手の頬に滑らせる取引主の手をグッと掴んで。
『これはこれは、随分良いのに取り合いされたもんだな』
( 愉快そうに笑う男は自分の髪をぐしゃりと掴むと首を傾げ『ほう、自毛だったか』と。
どうやらこの男、相手も自分も離すつもりはないようで自分の腕を掴んだままもう片方の手を相手の腰に回すと先程この男が座っていた座席の元へと連れられて。
『本来なら殺し合いでもして貰うところだったが…色男に傷でもつこうものなら堪らぬ』
( 相手を見詰めニヤリと笑う男に苛立ち、歯をギリッと噛み締めた後に「は、良いのかよ。俺の能力みすみす逃して」と追い打ちをかける。
「こいつを雇うってんなら俺は手を引くぞ」
『おぉ、それは困るな。だがお前も銃を仕入れられなくなったら困るんじゃないのか?』
「…っ!!!」
( 一息置き、男はニタリと微笑むと『明日の夜、街の中心で祭りが行われるのはお前達も知ってるな?私も祭りの中心人物だ。そこに付き添え、目を引く色男と銀色の犬を飼ってるなんて街に広まったら私の株は大上がりだからな』と。
必然的に自分は能力を解放した姿での参加になるのかと呆れるもここで男の機嫌を上げ上手く自分のみとの交渉に持ち込もうと考えては口角を上げ、「しっかり手網引いてくれよ、飼い主さんよ」と。
54:
yyy [×]
2017-04-04 20:03:16
>
(何とか男の気を引くことは出来たがそれは相手も同じ。
相手の態度に気をよくする男もそうだがどこか乗り気の相手に苛立ち、これ以上男に近づかせるものかと男に身体を少し密着させ「ではこの後、祭りの手筈について共に話し合いませんか?」と“共に”を強調し甘みを含ませ言うと意味ありげに男の肩に指先を置いて。
勿論酒を飲み交わすだけのつもりだが、男が迷いつつ頷くのを見てはさも嬉しそうに微笑み相手を除け者にするようにして。
その後、相手だけ翌夜の祭りの時間に落ち合い、ひとまず自分は屋敷に残ることになれば他の護衛が相手を戸口まで送り出すのに自分もついていき、護衛が中に戻ったのを確認したところで帰ろうとする相手の腕を掴んで無理矢理近くの路地に引き込むと壁際に追い込んで。
「あんたはこの取引にこれ以上関わるな」
(単刀直入に先程の色など微塵も感じさせない冷たい声で言い放っては、「だいたい…、」と何か言いかけ頭を抱えるように額を抑えて苛立たしげに表情を歪め。
「…あんな見せ物みたいに能力を使うなよ」
(額から手を離し視線を地面にやっては力なく述べる。
相手が能力をどう使おうと勝手だが、相手が過去に見世物小屋で苦しんだ経緯を想うとやぶさかではなく、増して下心のある男がこれ以上相手に近づくことは心配で。
しかし本心を明け透けに語れるほどの素直さは持ち合わせておらず、鋭い視線を相手に向け。
「兎に角、あんたに取引はさせない」
(冷ややかな声ではっきりと告げては、踵を返して屋敷に戻っていき。
(その夜、男との話し合いを終えた後、やることがあるからと自宅に戻っては、祭りの夜どうにか相手を男から避けられないか考え、身勝手な感情が相手の仕事を邪魔していることを自覚しつつ、隙を見て相手を眠らせるための身体には無害の睡眠薬を用意して。
(一方、自分の組織。祭りの朝になって相手が参列することを知っては、相手が問題を起こせば取引が破断になると考え。
すぐに脳を麻痺させ錯乱させる薬を用意するとそれを飴に見立たせ街へ出ると犬と遊んでいる子どもに声をかけ『お嬢ちゃん、この飴、今日の夜に見られる狼さんに上げてごらん。面白いものが見られるから』と。
55:
xxx [×]
2017-04-06 00:09:36
>
( 屋敷を出た後、先程の相手が取引主の男に擦り寄る姿や自分に対してのあの冷たい視線などが再び脳内に流れて来ては行き場のない苛立ちとやり切れなさが溢れて。
“見世物みたいに能力を使うな”と切なげに言ったあの時、相手はどんな気持ちで何を思ってその言葉を言ったのだろうか。
只の哀れみかそれとも、等と淡い期待を振り払う様に首をぶんぶんと振っては明日の為にも早く逸早く孤児荘へと戻り身体を休めようと。
( 翌日の夜、取引主と屋敷にて今宵の流れなどを説明されている最中も取引主は相手がさぞお気に入りの様子。
しっかりと相手を隣に付き添わせては相手と自分が話す瞬間などある筈も無く、姿を変えるように命じられれば大人しく言う事を聞く。
まだ若干怯えた様な態度を見せる使いの者に首輪を付けられては取引主は相手を連れ先に派手な馬車へと乗り込み。
高い位置から見下ろされながらも手綱はしっかりと男の手の中にあり、好奇の目を向けられながら街の大通りを歩かされるのにはやや屈辱を感じるもここは早く取引を済ませるのが優先だと堪えて。
( 祭りも始まり主催者の挨拶等が一通り終わった後、この祭りの資金等に多く関与してる取引主の挨拶(と言っても相手と自分を見せびらかす為だけの演説)が始まっては自慢げに話す男のその姿をつまらなそうに見詰める。
長い話の中盤、不意に壇上に幼い少女が上がってくるなり自分の目眩に立ってはじっと見詰めて来て。
取引主は壇上に庶民が上がってきた事に一瞬むっとした表情をするも、目線で『愛想でも振りまいとけ』と伝えられては再び少女に目をやる。
『あのね、狼さんが好きな飴私持ってるの。あげるね、はい、あーん』
( にこやかに飴を口元にやってくる少女を拒むにも拒めず仕方無しにぱくりとそれを咥えれば口の中で一瞬で溶け、それは舌を痺れさせる様な感覚と共に頭に激痛が走って。
自分の様子に取引主の男が『爛、どうした』と声を掛けるも今自分の目に移っているのは“取引主”ではなく過去に自分を見世物として弄んでいた“見世物屋の店主”の姿で。
様々な感情が流れ込んで来るも一番の感情はやはり恐怖、狼姿のまま離れようと後ずさるも手綱がそれを許してくれずがむしゃらに暴れては能力が中途半端に解けてしまい、長く鋭い牙と獣の瞳をそのままに人姿に戻ってしまい。
観客の悲鳴が飛び交う中取引主の使いが自分を取り押さえようとするも恐怖に囚われた思考はまともに働いてくれずに。
56:
yyy [×]
2017-04-06 20:53:23
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(祭りの少し前、相手に睡眠薬を飲ませる期を伺うも男の存在がそれを阻み、とうとう祭りを迎えてしまっては、能力を開放し町衆に晒される相手を苦い想いで見る。
こうなったら祭りの後半だけでも眠らせ、男の機嫌を損ねさせることで相手から遠ざけさせようと目論んでいたところ、当然壇上に上がってきた少女が与えた飴により苦しみだす相手に何事かと焦り。
飴に細工があるのは確か。相手の変貌に涙する少女にできるだけ優しく飴をどうしたか問えば『黒のおじさんがくれたの。狼さん喜ぶって言ってたもん』と。
その言葉に少女の頭を撫でながら混乱する町衆の奥に目をやっては、丁度組織の男達が路地裏に身を隠すところ。
その口元に浮かぶ不敵な笑みに状況を悟ると焦る気持ちを抑えて少女にその場から離れるように言い母親の胸に飛び込んでいくのを確認してから、相手と取引主の方を向き。
苦しげな相手を『どうしたんだ。落ち着け』と手綱を引っ張るだけの取引主。
加えて町衆に『あ、あんたそんな化物を祭りの日に出してどういうつもりだ!』『いくら裕福だからって…_』と責められ狼狽えるばかりの様にギリッと奥歯を噛み締めては、無礼など構いなく男から手綱を乱暴にひったくると相手に近付き嫌がるのを無理矢理肩に担ぎ上げて壇上を降り立ち男を一瞥して。
「こっちは何とかするから、そっちは自分で何とかしろ」
(飾った口調を使う余裕もなく告げては、未だに混乱する町衆の声を背になるべく人気ないところを探して。
(微かに祭りの音が聞こえる人気のない路地、相手の背を壁にもたせ掛けるように座らせては、状態を見るため相手の両頬を包んで顔を固定しぐっと顔を近づけ瞳を見て。
未だに身体は震え焦点も合っておらず、自分のことを認識しているかも危うい様に険しい表情をしては、手持ちの睡眠薬を使うかと考えるがそれでは中和できないまま眠らせることになり逆に危険。
かと言って中和薬も持ち合わせておらず、少々荒療治になるが致し方ないと元々睡眠薬と混ぜて飲ませるつもりだった竹筒に入った普通の水を相手の口元へ持っていき、無理矢理一気に飲ませ。
「少し苦しいが我慢しろよ。すぐ楽になるから」
(優しく声をかけつつ、抵抗されては困るため力尽くで相手の頭を押さえつけ低く下げさせるともう一方の手を相手の口元へ近づけ、牙が当たるのも厭わず口内に指を入れては体内にはいった薬を水と一緒に外へ出すのを促して。
57:
xxx [×]
2017-04-07 05:28:29
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( 相手でさえまともに認識出来ず、只取引主の隣にいた事から“見世物屋の店主の仲間”と判断しては担ぎ上げられるのに激しく抵抗するも薬による頭痛のせいでちゃんと動けずにいて。
路地裏に連れられ頬に手を添えられては恐怖にビクッと肩が震えるも先程の唸りや警戒は僅かに解け相手の名前などこの状況で思い出せる筈も無いのに無意識に「……………き、」と言葉に出ていて。
その刹那、竹筒の水を一気に流し込まれたと思えば喉元を掻き乱される様な感覚にのざえながら何度も何度も咳き込む。
水と一緒に吐き出されたのは先程の飴の色でもある独特な緑色の液体。
頭痛はまだ残る物の興奮状態が解けたせいか姿もちゃんとした人の姿で、ハアハアと呼吸を整えながらもゆっくりと顔を上げる。
先程の事が頭から抜けてる訳では無く、今この状況に見世物屋の店主がいる筈もない事を冷静に思い出しては錯覚か何かに合っていたのだろうと瞬時理解して。
自分の顔を覗き込む相手の手は鋭い牙により血だらけ、僅かに慌てた様に表情を歪めながら相手の腕をぐっと掴んだ所で腕に巻かれた包帯に気付き眉を潜める。
無言で包帯を乱し目に入ったのは刀傷、これは確かに以前自分が依頼の時あの“人影”に付けたもので位置も全く同じ。
目を見開き、血だらけの指とまだ痛々しく残る刀傷を目にしては薬の成分が完全に抜け切ってない事もありわなわなとしては相手から距離を取る。
「あ、……………俺…あんたの事……………、斬っ………」
( 言葉にならないままズルズルと後ずさるその様子は悪い事を仕出かしたのがばれた餓鬼のようなもので。
謝罪の言葉が頭にあるものの言葉になってくれずに立ち上がっては逃げる様に駆け出して。
( 翌日、あのまま逃げ帰ってくるなり孤児荘の自室にてすぐに眠ってしまった様で。
目が覚めるなりツキンと頭痛が走るも大したものでなく風呂に入り身体を流してはぼんやりとして。
取り引き先には見離されただろうか、それなら自分の組織の者はご立腹だろうな、何よりまず相手に会わなければ、謝らなければ。
しっかり順序も決めずどこか気持ちが不安定なまま孤児荘を後にしては無意識に寺子屋へと足を急がせていて。
58:
yyy [×]
2017-04-07 19:42:05
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(駆け出していく相手をすぐに追おうと立ち上がろうとするが、地面に手をついた瞬間傷がズキリと痛み一瞬動きがとまってしまい、それが大きな遅れとなって路地から出る頃には相手ははるか遠く、追いつけそうにないと諦め一度取引主のところへ戻ろうとしたところ黒い影が前に立ちふさがり、顔を上げれば自分の組織の男達がいて。
『どういうつもりだ』
「なにが…」
『とぼけるな。たった今、敵対組織の男を助けただろ。もっと暴れさせればいいものを』
『まさかお前、まだあの餓鬼と仲良しごっこしてるのか?』
「さあ…。でもあのままにしておけば町民はもっと混乱していた。俺は今あの取引主の護衛だから騒ぎを収めて当然だろ。何もしないほうが問題だ」
『はっ、それで言い逃れできるとでも?……いいだろう』
(そう言うやいきなり胸倉を捕まれ引き寄せられれば耳元で『子ども…』と囁かれピクリと反応し男を睨むも、男は意に介さず不敵に笑み『身寄りのない孤児荘の餓鬼は売りやすいんだよなァ』と嫌味ったらしく述べては乱暴に突き放され『監視、つけるからな』と言い残しその場を去っていき。
一人になった路地、男の言葉や先程の相手の困惑したような辛い表情が浮かんではやりきれない想いがこみ上げてグッと拳を握る。
動物が持つ特有の毒のせいか、指先がドクドクと熱を持ち始め痛みが増していきジワジワと胸の奥に響いてきて。
(簡単に指の手当てをした後、取引主の元へ戻ってみれば既に騒ぎは収まっていて、自分の姿を確認するや否や肩を捕まれ、相手はどうしたかと凄い剣幕で聞かれ。
『そうか…、では身体は無事なんだな。……しかし誰がこんなことを』
「___。怒ってないのか?……俺のことも」
『フン、あれしきのことで名声が下がるわけあるまい。それに猫被りは元々気づいてたわ。見くびるな』
「……。あいつを手放す気はないのか」
『当然だ。あれほどの美しく珍しいもの、儂の手にあってこそだ。ああ、取引なら心配するな。爛さえ戻れば平等にやってやる』
(先程の騒動で狼狽えていたのが嘘の様で、相手が孤児荘を切り盛りしていることを知っててか部下に明日にでも孤児荘に大量の食料と生活用品を送るよう指示していて、このままでは相手が男の手に落ちてしまうと焦るも、ついさっき組織に釘を刺されたこともあり止める気力は起きずに。
(翌朝、自宅で目を覚まし寺子屋の準備をしていると女教師がやってきて手の怪我を酷く心配されるが本当に大したことがなかったため大丈夫と微笑み返すも、相手の昨夜の様子が頭にこびりついて離れず、体調も心配でずっと浮かない表情をしていたのは気づかず。
そして子供たちを出迎える時間、門の入口に立っていると現れた相手の姿に目を見開く。
その何処か憔悴した様子にやはり薬が抜け切れていないかと思わず身を案じようとしてしまうが、組織の“監視している”という言葉がチラついてはグッと堪えて。
「何しに来た。……あんたは俺の敵なんだろ?…こんなところまで来られては迷惑だ」
(子供たちに聞こえないよう小声で、しかし突き放すように冷ややかに述べる。
急変する態度は違和感そのもの。目を見ると本音が溢れてしまいそうなため視線はずっと地面に向けられたままで。
59:
xxx [×]
2017-04-09 00:43:33
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( 冷たい言葉で突き放す相手をぼんやりと見詰め、子供達が相手を呼ぶのに気付き其方へ向かおうとする相手の手を咄嗟に掴めば眉を寄せ小さな声で「……………傷、と指………ごめん」と呟き。
そのまま寺子屋を急ぎ足で後にしては孤児荘の入口付近にて自分の組織の男が立っており何事だろうと駆け寄る。
『おお、爛、出来したな。組織の頭領はお前を褒め称えていたぞ』
「なんでだよ…取り引き失敗したってのに」
『逆だよ、今回の騒動でお前を化け物だと恐れた者も居ればその逆もいるという事だ。取り引き先のあの男はお前を気に入ったみたいだぞ、今日の宵屋敷に来いとの事だ』
( 男が懐からチラリと見せたのは1丁の銃、どうやら取り引き先の男がこれから長い付き合いになるからと1丁だけ売ってくれた様で。
組織の男と別れ取り引きが破談にならなかった事に安堵しながら孤児荘へと入れば子供達の騒がしい声が聞こえ何事かと。
『あら兄さんお帰りなさい。見てこれ!素敵なお着物に…わぁ!外国のお菓子よ!』
『美味しそう!僕これ食べたい!』
『今日の夕飯は豪華だぞ!』
( 大量の食料や衣服、文房具やらが詰められてた大きな箱の送り主を見ればどうやら送り主はあの取り引き先の男。
“そういう事か”と子供達が人質に取られてる様な感覚を覚えるも組織の事もあり逆らえる様な立場には無く一度部屋へと戻ればそのまま夕方まで眠りに付いて。
( 夜、言い付け通り屋敷へと訪れてはまだ自分を気持ち悪そうに接してくる使いの者や護衛達に嫌気を感じながら中へと入る。
取引主はどうやら相手の事も呼んでいる様で『揃うまで待て』と言われては大人しく腰を下ろし俯いていて。
『体調はどうだ』
「………あの、」
『昨夜の事なら気にするな。何、庶民になんぞ好き勝手言わせておけ』
( 言葉を遮る様に言われてしまえばそれ以上何を口にする訳でも無く、再び俯いて。
60:
yyy [×]
2017-04-09 18:39:34
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(普段からは想像が付かない弱々しい態度で謝罪され、少しでも相手のことを疑っていた自分が間違っていたのかと罪悪感で胸が締め付けられる。
去りゆくのを引き止めそうになるのを堪えるが、その後は子供たちに指摘されるほど上の空で。
(夕刻、呼び出されていた組織の元へ行けば、リーダー格の男は大層ご立腹で、取引主が相手組織との取引をほぼ決定したことをなじられる。
あんた等だって余計な手出しをしただろと反論の言葉を飲み込み大人しく愚痴混じりの罵詈雑言を聞き入れていると、突如目の前に先日相手を苦しめた飴に見立てた薬をばらまかれては眉を顰め。
『それをまたあの餓鬼に飲ませろ。何、水にもすぐ溶ける代物だ。飯にでも混ぜれば良い。それは飲めば飲むだけ中毒性も脳への影響も強くなる。見境がなくなり問題が続けばさすがのあの取引主も手を引くだろ』
「そんな…_、もし町民にまで影響が出てこの薬を仕込んだのが俺達だとバレればこの組織の評判が下がる」
『そんなもの、お前の能力を持ってすればどうとでもなるだろ』
「…能力は使わない。組織と契約するとき、そう約束した」
『どうだか。本当は能力を使って俺達を良いように扱ってるんじゃないか?……まあ良い。兎に角今回の計画は実行して貰う。見張りとして取引先の護衛の中に組織の者を侵入させておいたから下手なことは考えるなよ』
(絶対に受けたくない仕事だったが孤児荘の子どもを人質に取られている以上逆らえずに、床に散らばる薬をザッとさらって内ポケットにしまうと部屋を出て、気の進まないまま取引主の屋敷へ向かって。
(取引主の部屋に着くと既に相手は居て、一瞬目が合うがいたたまれなさからすぐに逸してしまい、取引主に指定された場所に座って。
『遅かったな。…それにしてもその暑苦しいコート、脱いだらどうだ』
「見た目より通気性が良い」
『見てるこっちが暑苦しいわ』
(脱げと言われ、至極面倒そうな顔を隠さず立ち上がっては仕方なしにコートを脱ぎ簡単にたたむも、その際に内ポケットにしまっていた薬が一つ転げ落ち相手と取引主の丁度真ん中あたりで止まり、ヒヤリと冷たい汗が流れる。
取引主は始めなにか分からなかったようだが、すぐに何か悟ったのか厳しい顔つきになって。
『まさか、お前だったのか?爛を陥れて騒動を起こしたのは』
「…だったら何だ」
(白を切っても仕方ないだろうと無表情で言いながら、薬をあまり相手の目に触れさせてはいけないと床に落ちた薬に手を伸ばして。
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