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4: 死神娘 [×]
2015-08-09 17:08:41

体育館

「たのもー! 矢崎さんは居ますか!」
部活中の体育館内。その中を大声で入ってくる七瀬。痛々しいような迷惑そうな視線が七瀬を貫く。
「何? 僕が矢崎だけど……果たし状? ……僕とバスケで勝負する気?」
「はい! 摩耶さんにかっこいい所を見せるんです! 先に点を入れた方が勝ちというルールで良いですか?」
「はぁ。俺何もやるって言ってないけど……いいよやろう。その代わり俺が勝ったらすぐさま出ていけ。皆の邪魔だ。」
「分かりました! よろしくお願いします!」










「ハァハァ始まってる? バスケ勝負とか……快人君に負けるだけだろ。」
どうも摩耶です。七瀬がバスケ勝負だーとか言って体育館に走っていったんで追いかけてきました。
七瀬を止めようしたけど残念ながら遅かったみたいです。
だけど……、
七瀬お前結構うまいな!
快人君と七瀬良い勝負ですよ!
私実況とか出来ないから説明出来ないけどとても良い勝負です。
ですが……。
「おい、七瀬。お前なんでそんなに朝霧を好きなんだ?」
「運命の人だからです!」
迷惑きわまりない言葉を大声で言わないで欲しいです。
「運命の人か……朝霧は迷惑してるのに運命の人とは可哀想だな。まっせいぜい頑張れよっ」
「あぁ!」
快人君が七瀬のボールを奪いそのままシュート。
「ということだ。朝霧ー! 七瀬を頼む。」
「わ、分かった。」
私は落ち込み七瀬を引きずるように体育館を出た。















教室
「……。」
「……大丈夫か?」
今私らは誰も居ない教室にいる。ちなみに七瀬は膝に顔を埋めたまま泣いてるのか何も発しない。
「………………。」
「おーい、なーなーせー?」
「……………………………。」
「………ちっ。」
まるで私がいじめたような雰囲気と何も発しない七瀬にイラついて舌打ちすると七瀬が突然動いた。いや……


















"抱きしめられた"
「うわぁっ! ななな何する七瀬ぇ!」
「朝霧さんに良いところを見せたかった。
朝霧さんにかっこいい所を見せたかった。
空振りばかりだけど……朝霧さんに振り向いてほしくて……。」
「な、七瀬?」
ぼろぼろと子供のように泣き出す七瀬。
「でも……格好悪い所ばかりで、それに……朝霧さんに迷惑だけかけてるなんて……

僕、片思い失格です。」
初めて見る七瀬に私はただ見ているだけだった。

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