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大学生・社会人・主婦・大人チャット
自分のトピックを作る
441:
風人 [×]
2016-06-13 06:02:25
加藤くんがね・・・・
それほどスカルマンのイメージが離れないのなら
それに似たイメージを探してみようってことで
昆虫図鑑を勧めてくれてね
バッタ・・・・
飛蝗か・・・・
バッタは自然の象徴とも言える
自然破壊に立ち向かうなんてどうかな
い・・・・
いいですね!!
エネルギーは・・・・
風・・・・風力エネルギーってのは?
じゃ・・・・じゃあ
ベルトの風車に機構があって それで変身するとか・・・・
いいね
先生!そろそろ締め切りが・・・・
もう少し
バッタとくれば跳躍力 落下する力でキックして敵を粉砕する!
おお・・・・
それなら予算がなくてもトランポリンで表現できる!!
スゴイ・・・・
スゴイものになりますよ・・コレは
・・・・
あら・・・・?
ス・・・・スイマセン
つい盛り上がっちゃって
じゃあコレ
すぐに各所にまわしますから!!
ありがとうございました!!
さてと
まったく子供みたいに興奮して・・・・
大丈夫なんですかね あの人で
「泣き虫プロデューサー」・・・・か
え?
人間は苦しい時せつない時そして嬉しい時に
涙を流す・・・・
でもそれは
現実の世界での話だ
しかし平山さんは
まだ生まれてもいない架空の世界に対して
それが・・・・できる
やれるよ・・・・
あの人とならやれる
漫画『仮面ライダーをつくった男たち』第一話 泣き虫プロデューサー 平山亨 加藤 石ノ森章太郎 より
442:
風人 [×]
2016-06-13 15:27:49
え?もう行っちゃうの?
ああ
沖縄の次は東北
戦いはまだ続いてるんでな・・・・
・・・・りょ・・・・
良さん・・・・気をつけ・・・・
?
良さん がんばって!!
アララ・・・・こんな年端もいかない子を
あなた 誰ですか
・・・・・
あらーーーー可愛い
ちょ・・・・ ・・・・
初めまして一条ルミさん
資料を読んでからずっとあなたに会いたかったわ
あなたと私には共通点があり過ぎるわね
え?
まったく 男供の身勝手を 待つのも女の勝手だけどさ
マスター お久しぶり
ああ……
海堂博士ですね
初めまして 緑川ルリ子です
カール博士と欧州科学の技術の粋を集めて造った「ABSシステム(アンチバダンシンドローム)」をお持ちしました
日本をバダンの悪夢から救うために
漫画『新仮面ライダーSPIRITS』3巻 第12話 荒廃 村雨良 一条ルミ 立花藤兵衛 緑川ルリ子 より
443:
風人 [×]
2016-06-14 04:49:40
父の演じたライダーマンをブラウン管で一番最初に観たのは、小学校3年生のときのお正月特番『10号誕生!仮面ライダー大集合!!』になります。
ライダーマンは、すごく人間的なキャラクターだと思います。改造も半分くらいで口もとが見えたり、裏切り者だったり。そんな、改造人間になりきれない部分が人間くさかったりするんですが、逆にそういう部分が、ライダーマンの「魅力」なのだと思います。ときには足をひっぱったり、一方では命をかけて仲間を救ったりする。弱くても敵に立ち向かわなければならない、そのときに自分の正義が問われる。だからこそプルトン爆弾と一緒に自爆し、最後には正義を守ることができたんじゃないでしょうか。
そんな、自分に対する葛藤があるキャラクターだからこそ、V3と比較されながらもい今なお強烈にファンに愛され続けているのだと思います。
村枝賢一先生の『仮面ライダーSPIRITS』を読んだときには、父だったら「こんなにカッコよかったかな」と、照れるんじゃないかって思いました。第6話で、ヘルメットが割れて血が流れたりしてますけど、こういうのって、ライダーマンでしかできないですよね。口もとが見えるので、怒りや微笑みもダイレクトに伝わり、読んでるほうも感情が入ります。
漫画『仮面ライダーSPIRITS』2巻 あとがき 私の父、ライダーマン。 女優・山口貴子 より
444:
風人 [×]
2016-06-14 05:13:48
あの、いま休憩中ですよね?よかったらサインをいただきたいんですけど
え?あなたたちは
ああ、すみません
私たちこの前のハロウィンライブを見て感動して
ありがとう。嬉しいわ。穂乃果、どう?
うん、もちろん!あたしたちでよければ
うわぁ〜、ありがとうございます!
実はあたし園田先輩みたいなスタイルに憧れてたんです!
そんなスタイルだなんて……
あたし、ことり先輩のスラッとしたところが綺麗だなって
ぜんぜん、スラッとしてないよ
私は穂乃果先輩の!
の!?
元気なところが大好きです!!
あ、ありがとう……
んん……。やっぱりみんなそう思ってたんだね
そんなことないよ。さっきのはたまたまじゃないかな
これでよりやらねば、と思えたでしょう
人間、そんなかんたんにはできてないよ……
アニメ『ラブライブ!(二期)』第7話 なんとかしなきゃ! 高坂穂乃果 園田海未 南ことり 絢瀬絵里 生徒たち より
445:
風人 [×]
2016-06-14 05:44:47
「…………」
堰を切ったように氷川はまくし立てた。
「あなたはどんな人間なんです?いつどこで、何をどうして変身できるようになったんですか?あなたの力の源はなんなんです?」
「なぜそんなことを聞く?」
「それは警察官として当然……いえ、たぶん……」
「たぶん何だ?」
「僕も、アギトのようになりたいのかもしれません」
(略)
「葦原さん……」
廊下の一方から声がかかった。
振り向く二人の前に佇んでいたのは沈んだ顔をした翔一だった。
「おれ、どうしたらいいかわからないんです」
思い詰めた表情で翔一が言う。
「……葦原さんがおれを裁きたいなら、裁いてください」
「何……?」
「津上さん、何を……?」
「お願いします……」
自分からやられに来るなんて……おかしなヤツとは思っていたが、正真正銘のバカだ……こいつ、本当に犯人なのか……?
涼の顔に戸惑いが浮かんだ。
涼はドアを開け、翔一と氷川を招き入れた。
岡村直宏『仮面ライダーアギト』第四章 津上翔一 氷川誠 葦原涼 より
446:
風人 [×]
2016-06-14 07:47:46
どうぞ
私 娘のフレイアです
俺 筑波 洋
日本人です
ワイも日本人
「がんがんじい」こと「矢田勘次」や!!
見ろ 固まってるよ
まさか・・・・
コレがホンマモンの顔 思いはりました?
あいてて
あっ ゴメンなさい
いや紅茶やあらへん
さっきSPと大乱闘したときのもんですわ
じっとして
え?
あったかーーー
これでいいわ
なんですねん 今の?
おまじない・・・・・・・・です
漫画『仮面ライダーSPIRITS』2巻 第13話 約束の蒼空(前編) 筑波洋 がんがんじい(矢田勘次) フレイア より
447:
風人 [×]
2016-06-14 08:46:18
がんがんじいは変身前の矢田勘次役も俺がやるはずだったんだけど、桂都丸さんがやることになって、でも彼を見たらがんがんじいそのまんまでしょ。自分でも都丸さんのほうがいいだろうって思ったもの。でも三枚目って演じがいがあるんだよね。役者として演技できる幅がひろいんだ。
だからがんがんじいはすごく楽しかった。でも出演が第34話からで、アッという間に終わっちゃって残念だったね。逆に鬼火司令のほうは着ぐるみじゃなくて顔出しで。人間に化けて子どもをさらったりとか、他の役者さんと違ってフリーで使えると思ったらしくてよく使われたよ。こっちは嬉しかったけどね。
漫画『仮面ライダーSPIRITS』巻末特別インタビュー 河原崎洋夫 より
448:
風人 [×]
2016-06-14 09:49:05
さて、この悪い流れをここらへんで断ち切ろうとして、僕は冷泉深雪を指さした。
「こちらが公衆衛生の実習で桜宮の死因究明制度について一緒に勉強した超絶優等生、冷泉深雪さんです」
「深雪さんという名前だと、あだ名はミユミユ、あたりかな?それにしても天馬クンてば、いつでもどこでも両手に花だね、ヒューヒュー」
白鳥は指笛を吹いた。いや、正確に描写すれば、指笛ができないものだから、両手の人差し指を口につっこんで、自分の口でひゅーひゅーと喋っただけだけど。
今時小学生でもそんなことはしないだろうに。げんなりして白鳥を見ると、田口センター長も、僕と同じような表情をしていたので、思わず笑ってしまった。
ふと隣を見ると、冷泉深雪のツイン・シニョンの髪型はか**ちんのシャーベットみたいに固まっていた。この手のラフ・ファイトはたぶん初体験だったのだろう。その戸惑った表情は新鮮で、何だかいつもより可愛く見えた。
海堂尊『輝天炎上』24章 田口センター長、登場 本文 天馬大吉 冷泉深雪 白鳥圭輔 田口公平 より
449:
風人 [×]
2016-06-14 19:48:11
「また焼き肉を食べてましたね。臭(にお)いますよ」
翌日、アンノウン対策本部の会議に出席するために警視庁の長い廊下をすれ違いざま北條透が話しかけた。
「これが私の香水なのよ。文句ある?」
澄子が立ち止まって言い返す。
澄子に同行していた氷川と尾室は『またか』というように思わず顔を見合わせてため息をついた。
北條と澄子は仲が悪い。
過去世で二人は犬と猿だったに違いない。
(略)
「そうそう聞きましたよ。またアンノウンによる犠牲者が増えたそうですね。私も心が痛みますよ。G3システムによる多大なる期待を寄せていたんですが。どうやらでくのぼうだったようだ」
「なんですって」
澄子の目が三角になった。澄子が怒るとすぐにわかる。
本当に目が三角になるのだ。
(略)
澄子のまっすぐな視線を外し、氷川はうつむいて唇を噛んだ。
「でも、北條さんな言ったことは間違ったことは言ってません」
「馬鹿ね。正しいか間違ってるかなんてどうでもいいのよ。男はね、気に食うか気に食わないかで判断すればいいの。わかった?」
岡村直宏『仮面ライダーアギト』本文 氷川誠 小沢澄子 尾室隆弘 北條透 より
450:
風人 [×]
2016-06-14 20:03:29
廊下がきしむ音。がらりと扉が開く音。規則的な機械音は、酸素供給ボンベの音か。
----あら……久しぶりね。
懐かしい声。でも私の姿が見えていないのが哀しい。
電波の状態が悪く、会話はとぎれとぎれにしか聞こえない。いらいらしながら耳を澄ましていると-茉莉亜叔母さまの口から思わぬ声が飛び出した。
----あなたの行く手を阻むのは、すみれちゃんよ。気をつけてね。
すみれは死んでしまったんですから、と小百合がとりあわないと、叔母さまは言う。
----それなら、すみれちゃんの想念に気をつけなさい。あなたの側にいるわ。
小百合が母屋から出てきた時には雨は上がり、雲間から薄日が差していた。小百合の後を、水たまりを避けながら、少し離れてつける。
(略)
小百合はどうして突然、茉莉亜叔母さまを訪問しようと思ったのか。一晩経って理由がわかった気がした。小百合は血族と会って、その血が指し示す方向を確認したかったのだ。それは小百合が私の存在に気づいていない証拠でもあった。
わかっていたら、小百合は茉莉亜叔母さまではなく、私に会いに来ただろう。
海堂尊『輝天炎上』第三部 透明な声 03 魔窟 本文 桜宮すみれ 桜宮小百合 三枝茉莉亜 より
451:
風人 [×]
2016-06-14 20:43:07
今また再放送でやってるじゃないですか。衛星放送とかでね。それでうちのホームページにもよう入ってくるんですよ、「見ました」いうて。スカイライダーは、初代に近い形でのライダーなんですわ、これ。そう言う意味では一番ととのってるもんなぁ。これパワーアップするんですよね。途中から、なんか強くなるんですよね。この仮面の色がドス黒い色から鮮やかになるんですねぇ。
(略)
枝雀師匠と一緒にやってたでしょ。番組に出てる時にね、よう聞かれましたよ。「今回、怪人は何て言う怪人が出るんですか?」とかね「アブンガーって言うんですよ」言うたら「アブンガー?」いうて頭ひねりよるんですわ。「アブの怪人やで」言うと「そのまんまやがなぁ」って思いきり笑ろてはったけどね。これが強いんですわ。仮面ライダーはんが、もうちょいでやられかけた。「0・5秒の死角をつけ」なんかやったね。ライダーのパワーが戻ってくる0・5秒ある。そこをライダーキックと同じ力でね攻撃するんですわ。もう一発やられたらっていう所で戦うんですね。オカッパ法師「カッパの皿が飛ぶ」っちゅうやつですね。がんがんじいはね、カッパの皿に乗せられてどっか飛ばされるんですよ。「助けてくれぇ」いうてどっか行くんですよ。後では、自分で皿の円盤あやつりよるんけど、最後に落ちてきよんねん。ウニデーモンま出て、佐々木さんがゲストの時でね。
ぎょうさん、えぇシーンありましたなぁ。面が取れて顔が出てしもた時に、筑波洋が立ってるわけですよ。「わかった、誰にも言わないから」いうて行くんですよ。おばけやしきのところどクチユウレイかなにかやったかなぁ。
(略)
塚本さん(谷源次郎役、塚本信夫氏)ねぇ、お亡くなりになって・・・・。ほんまいい人でした。残念ですねぇ。
まず、きっとこんな仕事はけえへんやろっちゅうか、この仕事は、噺家になって一番最初のレギュラー番組だっていうのは、そりゃ誇りに思っていますよ。良いキャラクターに出させていただいたちゅうかね。今、こないして二十年も経ってんのにうれしいですよ。枝雀師匠も、昔ロボコンいうてね、あれでなんかアフレコで出てはるんですよ。おそらくもう、こんな経験はないんじゃないですか。仮面ライダーは、永遠に不滅でっせぇ。わいもまだまだ、がんがん行きまっせぇ。
漫画『仮面ライダーSPIRITS』8巻 巻末特別インタビュー 桂都丸 より
452:
風人 [×]
2016-06-15 04:47:29
!!・・・・・・
なぜ・・・・なぜ・・・・俺は
!!・・・・・
チイイイイ エレクトロファイヤーーーー!!
うう おおおおお
そうだ・・・・
良クン・・・・
戦え・・・・
博士・・・・
何よりも自分自身と
たとえ数えきれない程の犠牲者の上に成り立ち
いつか人類を滅ぼすかもしれない体だとしても・・・・
その時には・・・・
その時は
俺たちが総力をあげてZX(あいつ)を破壊する
・・・・・
そうだな
その時まではあがいて・・・・そして生きるべきだ
それが村雨しずか・・・・ 彼女の願いかもしれんのだ
え?
もし・・・・ニードルの話が真実だとすれば
しずか君は・・・・
良クンが選ばれる直前にZX改造の被験者になっている・・・・
!!
そんな
じゃあ お姉さんもあの体に・・・・
私はずっと考えていた
数ある犠牲者の中で なぜ良クンが選ばれたのかを・・・
単なる可能性か
だが・・・しかし・・・・
もし・・・・あの体(ボディ)に残留した しずか君のデータが
良クンの精神を拒絶反応から守り
JUDOの支配をも 封じているのだとしたら
海堂教授!
今度の合宿 もう一人誘ってもよろしいですか?
「良」です
私の弟----
科学的根拠はないのだが・・・・
私にはそう思えてならない
う おお
博士・・・・
博士・・・・
あれ
(略)
・・・・・・
グッ グホォ うえ・・・・うえええ・・・・
うえええええ
うわあああ
なっ なんで死なせてくれなかったんですぅっ
どうせ生きてたって人間は・・・・もう
あんな恐ろしいめにあうぐらいなら いっそ死んだ方がましだ
ダメだよ!!
!!
死んじゃ・・・
ダメだ・・・・
死んじゃダメだよ!!
僕・・・・・
ばだんなんか怖くないもん
だから・・・・
ねえ・・・・
死なないで・・・・
茂・・・・
あいつが「村雨良」という人間に戻れず
JUDOの器としても
生きられないのならば・・・・
仮面ライダーとして生きればいい
仮面ライダーZX・・・・として
漫画『仮面ライダーSPIRITS』8巻 第32話 称号 仮面ライダーZX(村雨良) 村雨しずか 仮面ライダーストロンガー(城茂) 立花藤兵衛 海堂博士 一条ルミ 本郷猛 ZXに助けられた家族と子ども より
453:
風人 [×]
2016-06-15 07:55:01
「艦長とミナトくん。どっちが勝ったかのう」
グイと湯のみをあおって、フクベが言った。湯のみの中身は、いつのまにか、お茶から酒に変わっている。
「艦長だろうさ」
空になったフクベの湯のみに、酒をつぎながらホウメイは答えた。
「ほぅ、どうしてかね?」
「家柄、権力、資金……どっちに転んで間、艦長が勝つようにしたんだろうさ。プロスさんのことだから」
ホウメイの読みは当たっていた。
プロスペクターはユリカが……というより、ミスマル家が引き取る方がよいと考えていた。しかし、ミナトの気持ちも大事にしたい。大岡裁きという面倒な方法を取ったのだ。これなら、どっちに転んでもユリカの勝ちにすることができる。一応、皆にも理由を説明できる。
「ところで……」
ホウメイのついだ酒を飲みながら、フクベが聞いた。
「本当に、ミナトくんがあんなことを?」
「さあ」
ホウメイが悪戯っぽく笑った。
「嘘も方便……というわけかね」
「嘘じゃないさ。ただ声に出して言わなかっただけで、心の中はそうだったはずだよ」
「なるほど。それなら嘘じゃないか」
愉快そうに、フクベが目をほそめた。
「ま、今回はちょっとおせっかいだったかもしれないけどね」
ホウメイは湯のみについだ日本酒を、一気に仰いだ。
今日の酒は、格別にうまかった。
ノベライズ『機動戦艦ナデシコ ルリAからルリBへの物語』本文 ホウメイ フクベ・ジン より
454:
風人 [×]
2016-06-15 16:42:55
純は佳代に眠っている遥を手渡すと、一礼して公道へと駆け出した。
「あ……待って!あなたは……あなたは一体……」
純の背後から佳代は声をかけた。
「せめてあなたの……あなたの名前を教えてちょうだい」
「ボクは……ボクの名は……か……」
佳代の問いかけに『門脇純』という言葉が咽喉から出かかった。
「か?」
と佳代は復唱する。
しかし純は自分の名前を飲み込まざるを得なかった。かつての恋人にはそれを告げるには、三〇年という歳月はあまりに長すぎた。
「……か……仮面……仮面ライダー。そう、ボクは仮面ライダー……だ!」
「仮面ライダー!?」
意外な言葉に佳代は目を丸くしている。しかし、その後、佳代は妙に納得したように言葉を続けた。
「……そう……あなたが仮面ライダーだったの……なら、あのバイクをあげなくちゃね。主人の造っていたあのオートバイを……」
「え?それはどうして……?だってあのバイクは形見だから、誰にも渡せないって言っていたのに……」
純はわけがわからなかった。
「……主人は、子供の頃に仮面ライダーに救けられたことがあるんだって……だから、そのお礼にライダーのための新しいオートバイを造るんだって言ってたの。私、本当にそんな“正義の味方”がこの世にいるなんて信じちゃいなかった。全部、主人の冗談だって思っていたの。でも、遥の言ってたヘビの化け物だってホントにいたんだし。今なら……今なら私にも信じることができるわ……」
----純は奇妙な因縁を感じていた。
「主人は本気で、このバイクをライダーのためにと考えていたのかはわからない……。ひょっとしたら、あの人自身が仮面ライダーになりたかっただけなのかもしれないけれど……でも……きっとこのバイク、あなたに乗ってもらった方があの人も喜ぶに違いないわ」
特撮ノベル『仮面ライダーEVE 誕生編』ACT.3 昨日はもう来ない、明日もまた 本文 門脇純 佳代 より
455:
風人 [×]
2016-06-15 19:46:05
突然、アギトに異変が生じた。
激しく胸を掻きむしり、頭を押さえ、なにかに抵抗するように手足をやみくもに動かした。
拳を叩きつけてアスファルトの道路を割り、ヘッジホッグロードを薙ぎ払い、廃ビルの分厚い壁を蹴って粉々にした。
アギトの中で翔一の意識がアギトの意識を抑えこもうと戦っていた。
『だれの未来も奪わせない』
記憶を失っている間もその思いは意識下で息づいていた。
アンノウンとの戦闘に駆り立てたのもその思いだった。
翔一はわけもわからずにアギトに変身して戦っていたが、心の奥底には人を守るという強い思いが秘められていたのだ。
苦しみもがくアギトの姿を呆然と見つめていた真魚はしかし、偶発的に働いた力によって翔一の意識を感じ取った。
同時に、蘇った翔一の記憶が手で触れたときのように流れこんできた。
真魚は見た。哲也があかつき村で見た光景を。
そして知った。村の人たちを、父を殺した犯人がだれであるかを。
真魚の目には涙が浮かんでいた。
「もぅ……まぎらわしいよ……誤解してたあたしがバカみたいじゃない……箱いっぱい折っちゃったじゃない……五百五十六個体だよ、新記録だよ、指にマメできたよ……翔一君のバカ……アホ……マヌケ……トマトに頭ぶつけて死んじゃえ----」
岡村直宏『仮面ライダーアギト』第四章 本文 津上翔一 風谷真魚 より
456:
風人 [×]
2016-06-15 20:45:38
涼を最後に見たのは真魚が翔一をかばった土手だった。
その後翔一への誤解が解けてからアパートを訪ねてみたが、涼はどこかに引っ越していた。
葦原さん、どこ行ったんだろう……?
わたし、嫌われちゃったかな……?
高架下のトンネルを抜けて真魚はとぼとぼ歩いていく。
そのときトンネルの闇の中には真魚の背中を見る殺意を秘めた目が光っていた。
蛇タイプのアンノウン=スネークロードだ。
アンノウンは氷川と別れた真魚のあとをつこて徐々に距離を縮めていた。
だがその歩みを男の声が止めた。
「その女に手を出すな」
呼び止められてスネークロードが振り返る。
トンネルの入り口に外の光を背にして立つ人影が見えた。
スウェットのフードを目深にかぶって顔を隠しているが、その男はまぎれもなく葦原涼だった。
涼には真魚に起きたことがわかっていた。
あかつき村事件の真犯人を知ったこと、翔一への思いに気づいたこと。
以前真魚に触れその記憶を覗き見たとき以来、涼の心はずっと真魚とつながっていた。
たとえ離れていても真魚の気持ちが涼の琴線に伝わってくる。
涼は、真魚が翔一といっしょになって幸せになることを望んだ。
そのために自分がすべきことはひとつしかない。
そう決意して何も告げずに姿を消したのだった。
涼は小指を見つめた。
約束を守れなくてすまない……。
スネークロードに鋭い眼光をむけて涼は駆け出した。
涼は人知れずアンノウンと戦い、真魚を守り続けていた。たび重なる戦いとその体は傷つき、老化し、醜く変わり果てていた。
今、もし、真魚が涼を見てもそろが涼だとはわからないかもしれなかった。
真魚さえ幸せでいてくれたらそれでいい……。
それで俺は生きていける……。
「俺が俺であるのは、真魚を守るためだっ!」
変身した涼の咆哮がトンネル内にこだました。
岡村直宏『仮面ライダーアギト』エピローグ 本文 葦原涼(仮面ライダーギルス) 風谷真魚 より
457:
風人 [×]
2016-06-15 21:28:28
いくら人格者といえども、自分の半分くらいの年齢の小娘にそこまで言われたらブチ切れて当然だ。だがプリティ清川の人格者っぷりときたら、常識の範疇を超えていた。
穏やかな口調に微塵の乱れも見せずに言う。
「そうではない。少なくとも私にその考えを叩き込んだ先生は腰抜けではなかった」
「誰ですか、その人は?」
清川教授は僕の目をのぞきこんで、臟腑をえぐるように言った。
「碧翠院桜宮病院の桜宮巌雄院長だよ」
反射的に僕は叫ぶ。でも冷泉より年を取っている分、その叫びを心の中で押しとどめるという嗜みはある。だけど心中の罵倒は、冷泉よりも辛辣だ。
隣では冷泉が、清川教授の判断の誤りについて、そして自分の判断を考慮しない学術的姿勢について糾弾し続けている。その時、彦根先生の言葉が煌めいた。
----百人には百の信念があるように百人いれば百の真実がある。
この時にやっと、彦根先生の言葉の真意が理解できた気がした。
清川先生は、巌雄先生からひとつの言葉を受け取った。そして、その言葉をロザリオみたいに、胸に抱きしめて生きてきた。だとしたらそれもまたひとつの真実なのだ。
清川先生が凍結保存していた言葉は、僕が受け取った言葉とは正反対に思えたけど、案外、僕のロザリオを裏返してみたら、ぴったり重なるかもしれない。
それは光と闇の伝説に似ている。
光には分かちがたく闇がよりそう。だが闇は違う。闇は闇のまま、あまねく存在する。ただ、闇の存在を明らかにするには光が必要になるだけだ。
巌雄先生の言葉は闇の真理だ。光を当てても切り取れる部分はひとかけらにすぎない。だとしたらそのかけらのどちらが正しいかと言い争っても意味はない。
海堂尊『輝天炎上』14章 プリティ清川、再び 本文 天馬大吉 冷泉深雪 清川司郎 彦根新吾 より
458:
風人 [×]
2016-06-16 06:52:38
「----仮面ライダー……本郷猛め!また一文字隼人を救けるために現れたのか!?愚かな奴め!飛んで火に入る夏の虫とはオマエのことだ!!今こそ積年の恨み晴らしてくれる!!」
そう言って、ビッグマシンは単眼(モノアイ)からメカニズムを狂わせる特殊音波を放射した。
「あの時は私の放射する特殊音波が『ショッカー』の電子頭脳(コンピューター)を狂わせて、ショッカー大要塞を爆破させてしまったがな……。だがな、ここはもう廃墟なのだ。つまりもう電子頭脳を狂わせる心配もない。誰に遠慮がいるものか!!片っ端から超音波を浴びせてやる!!」
ビッグマシンは怒濤の勢いで超音波を放射した。始めのうちはその攻撃をかわしていた1号ライダーだったが、執拗なビッグマシンの攻撃にあえなく超音波を全身に浴びてしまった。
「ああ……本郷!!だめだ……!!」
これでもう、ビッグマシンの勝利は確定である。そう悲観する2号ライダーだったが、どうしたわけか1号ライダーはその超音波をものともせずにビッグマシンに向かって行った。
ビッグマシンも驚愕している。
「バ、バカな……改造人間(サイボーグ)のオマエがどうして平気でいられるのだ?私の超音波を喰らって動けるなんて……。そんなことはありえないはずだッ!!」
大いにうろたえるビッグマシンの前に、1号ライダーは悠然と立ちはだかった。
「ビッグマシンとか言ったな……。その自慢の眼で私を良く見るんだッ!」
「な、なんだと?」
そして1号ライダーは大きく右手を振り上げた。
「----ロープアームッ!!」
右手から伸びたロープの先の鉤爪が唸りをあげて、ビッグマシンの単眼にぶちあたった。その衝撃でゴーグルは四方に砕け散り、その奥に潜む内部メカをも粉砕した。
「ギャッ!!」
ビッグマシンの悲鳴と入れ替わりに、2号ライダーは自由を取り戻した。
「チクショウ。よくも今までやってくれたな!!」
そう叫んで2号ライダーは渾身のチョップをビッグマシンの胸板に叩き込んだ。
「喰らえ!!ライダーチョップッ!!」
ビッグマシンの強固な身体に亀裂が走った。
「ギャーッ」
断末魔の叫びをあげながらビッグマシンは爆発炎上した。その影響で地下室は一転、暗闇から昼間のような明るさを取り戻した。
爆炎に照らされる1号ライダーの顔----。
それを見た2号ライダーは驚きの声をあげた。
「お、オマエは……?」
青い仮面に黄色いマフラーがなびき、剥き出しとなっている口元からは優しい笑みがこぼれている。
なんと彼は『ライダーマン』だったのである。暗闇がライダーマンを仮面ライダー1号と見誤らせていたのだ。
ならば機械を狂わせるビッグマシンの超音波攻撃を浴びても、動くことができたのは道理である。ライダーマンは他のライダーたちとは異なり、改造手術を受けていない生身の身体なのである。
「----どうしてここに?」
2号ライダーの問いにライダーマンは、
「立花さんに呼ばれたんです。日本が大変なことになりつつあるからと……」
「そうか、なるほど。立花さんが……」
「私にも協力させてください」
と、ライダーマンは白い歯を見せて微笑んだ。
特撮ノベル『仮面ライダーEVE 哀哭編』ACT.10 似ている男 仮面ライダー2号(一文字隼人) ライダーマン(結城丈二) ビッグマシン より
459:
風人 [×]
2016-06-16 13:30:17
薄暮の中、桜宮岬から燃えさかる塔が見えていた。五階の窓から炎がちろちろと顔を出していたが、やがてどさり、どさりと音がして、三階と四階の窓から真っ赤な大蛇が顔を出し、建物にまとわりついていく。
ケルベロスの塔は、熱を加えた飴細工のように、ぐにゃりぐにゃりと崩れていく。
炎に包まれた姿は碧翠院に瓜二つだったが、その怨念の塔が崩れ落ちていく様を、田口たちは呆然と見つめていた。隣では、跪いた銀縁眼鏡の彦根がうつろな目で虚空をにらんでいる。
昂然と顔を上げた別宮葉子の隣では冷泉深雪が泣きべそをかいている。そして田口の隣には、影のように高階病院長が佇んでいる。
白光が夕空を貫いた。
ひと呼吸を置いて、大音響の爆音が轟き、夕闇に白煙が立ち上る。
Aiセンターの塊、リヴァイアサンの心臓である9テスラの高磁場誘導ニオブチタンコイルが、クエンチを起こした瞬間だった。
冷泉深雪が、身体を震わせる。
「天馬先輩は大丈夫でしょうか」
別宮葉子は冷泉深雪の肩を抱いて、言う。
「私と天馬君はは腐れ縁。ふたり一緒の時は酷い目に遭うけれど、最後は不運のカードがひっくり返る。私が無事なら天馬君も大丈夫。だって天馬君は私のラッキーペガサスだもの」
冷泉深雪は、目を見開いて別宮葉子を見た。やがて燃えさかる炎にきっぱりと視線を向けた。
「そうですよね。天馬先輩は無敵の落第王子ですものね」
冷泉深雪と別宮葉子は身を寄せ合い、燃えさかる炎をいつまでも見つめ続けていた。
海堂尊『輝天炎上』31章 炎の祝福 本文 別宮葉子 冷泉深雪 田口公平 彦根新吾 高階権太 より
460:
風人 [×]
2016-06-16 14:07:34
シンポジウムの翌々日。
“八の月”が終わろうとしている。
Aiセンターの焼け跡を、俺は高階病院長と公用車の後部座席から眺めていた。東堂スーパーバイザーを成田まで見送った帰りに、桜宮岬に立ち寄ったのだ。リヴァイアサンを破壊され、Aiセンター存続が不可能になったため、東堂は帰米を決めた。
「マイボスには申し訳ないが、職場がなくなってしまってはねえ」と淋しそうに呟いたのが意外だった。誰が見ても当然の判断に思えたからだ。
どうやら東堂は思いのほか、Aiセンターを気に入ってくれたらしい。別れ際に、Aiセンターが復活すれば、即座に戻ってくると約束したくらいだ。
だが、その約束が果たされる日がもうこないということも、お互いわかっていた。
海堂尊『ケルベロスの肖像』27章 飛べ、綿毛 本文 田口公平 高階権太 東堂文昭 より
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