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その他のテーマ
自分のトピックを作る
1141:
シェルン [×]
2015-01-18 21:49:15
円盤型のプラスチック、パックは勢いよく壁にぶつかり、ちょうどいい角度でそのままゴールインした。
「くそぉ~!?なに今の!?」
「ふふふ、エアーホッケーの達人、紺堂月漓参上。」
月漓は珍しく決め顔だった。眼鏡のピカッと光らせ、まさに達人のオーラを出していた。そこからすぐに、二点、三点と点を奪い続けた結果、月漓が圧勝した。
「む、無念 ……ガクッ……」
「す、すげぇ~!」
「神、降臨!」
「ヒューヒュー!月漓ちゃん強~い!」
「流石、伊達にエアーホッケー日本一やってないね~!」
「「「「……え?」」」」
唯の一言に、月漓意外の全員の目が点になった。いつも一緒にいる優美子ですら唖然としている。
「あ、知らなかった?月漓はね、全日本エアーホッケー選手権で5年連続で優勝してるんだよ?」
「ふむ。」
「「「「マジでッ!?」」」」
いい感じに皆でハモった。
*
*
*
なんなかんやで、優美子敗北、美花も敗北、唯敗も北、残るは一鷹と小癒希だけとなった。もうすでに買い物の金払いなど関係無くなっていた。それに何故か周りには大勢の人々が集まっており、注目の的となっていた。たまに「おい、あの子ってエアーホッケー日本一の紺堂月漓だよな?」だの、「日本一には勝てないな……」などの声が聞こえてきた。一鷹を緊張させるのには十分な雰囲気となってしまったようだった。
1142:
シェルン [×]
2015-01-18 22:24:59
「一鷹~、頑張れよ~!」
「お、おうよ!」
「ありゃだめだね。無駄に固まってるし。」
「むぅ」
そしてついに勝負が始まった。先手は月漓、素早く打ち放った。それを一鷹が返す。しかし、打ち込みが甘く、物凄いスピードで返された。
「ぬぅ!!まだまだ!!」
「む」
物凄いスピードのそれを一鷹は何とか打ち返した。油断していた月漓は対応が僅かに遅れ、ゴールインを許してしまった。
「いよっしゃぁぁ!!!」
「ナイス一鷹~!」
「わぉ!先手とったよ!!」
「一鷹君頑張れ~!!」
周りは一気に盛り上がりをみせていた。しかし、対する月漓は悔しがるでも狼狽えるでもなく、月漓の余裕の表情、つまり眠そうな真顔のままだった。
「いくよ」
「ばっちこい!!」
そして二発目が打ちだされた。今度は安定した打ち返しをしていた。が、意外な感じで決着がついた。
「あ」
「え?」
「む」
「は?」
「へ?」
「えぇ?」
ラリーが安定していたのは良かった。だがしかし、タイミングをミスした一鷹が自分で自分のゴールにパックを入れてしまった。その場が静まりかえった。
「ぷっ!!くくくくく!!あはははははははは!!い、一鷹、今の何?はははは!!ヤバイ!!面白い~!」
「あっははははは!!」
「ぷっ!」
「あははは!」
その場全てが笑いに包まれた。
1143:
シェルン [×]
2015-01-18 23:18:43
その後、一鷹はあっさり点を取られて無惨に敗北した。
残るは小癒希ただ一人だけとなった。
「さっちーがんばれー!」
「誰がさっちーだ!」
「頑張ってくれ、小癒希」
「弟君ファイト~!」
「私達の仇をとってね!」
様々な声援を受けながら小癒希は台についた。小癒希と月漓、両者共に負けられない戦いが始まろうとしていた。小癒希は敗れた皆の想いを背負い、月漓は日本一という誇りを背負っている。
「手加減なしです」
「上等だ!」
そして今、最後のエアーホッケー勝負が始まる。意地と誇りを懸けた勝負が今、
「よーい、スタート!」
始まった。
先手は月漓、じっくり狙いを定め、パットを打ち出す。それに対し、小癒希は打ち返しに出た。しかし
「ッ! 速い!?」
「見てるのとは感覚が違うよ」
いざ自分がやってみると、予想以上に速さがあり、一本目の先制点を許してしまった。
“くそっ、何だよ!?速すぎだろ!!…でも……!!”
自分は負けられない。そう自分に言い聞かせて再度構え直した。それを確認して、月漓は再び素早い打ち込みをした。
「やぁ!!」
「む」
しかし、今度はしっかり返した。そこから次々にラリーが続き、戦いはヒートアップしていった。
「せい!!」
「ふ!」
「はッ!」
「しゅ!」
「ぜぃ!」
「つぁ!」
「とう!」
「てや!」
次々に素早い打ち込みが繰り返され、両者共に互角に渡り合っていた。それを見ている側も緊迫した雰囲気に呑まれ、皆試合に見いっていた。ラリーが続くこと数分、遂に点が入った。
「えい!」
「てぁ!」
「甘い!!そこぉ!!」
「む!?」
月漓が出遅れた一瞬の隙をつき、小癒希が思いきり打ち込んだ。月漓は対応しきれず、あと一歩のところで防げなかった。
「……強い」
「ハァ、ハァ、そ、そっちこそ……」
あまりの激しさに、周囲は唖然としていた。たかが一人の、名も知らぬ少女(元・男だが)が日本一を相手にここまで激闘を繰り広げるとは誰もが予想していなかった。
1144:
シェルン [×]
2015-01-19 00:10:29
小癒希自身、勝負をしていて驚いた。まるで体が今までの3分の1くらいまでに軽く思えるのだ。それだけではない。反射神経も男だった時と比べて倍になり、動体視力も良くなったように感じる。故に月漓とも互角に戦えていた。
「油断は禁物だな…」
「その通り。行くよ」
「おう!」
そして再び打ち合いが始まった。実際、ここまで何度か制限時間が過ぎてしまったりもしたが、その度に100円を入れて再開していた。なかなか決着が着かない。周囲の野次馬はどんどん増え続けた。
「つぇぁ!!」
「むぅん!」
「ほっ!」
「はぁ!!」
「んにゃ!?」
「つぇぃ!」
「まだまだぁ!!」
「ふぇい!?」
「ふん!」
「むぅぅ!!!」
「ぬぅぅ!!!」
右へ回り込み、左へ回り込み、ストレートで打ち込み、壁を利用して打ち込む。凄まじい激闘を繰り広げ、両者とも一歩も引かない。
「そこ!」
「うぅ!?」
「ふ!」
「まだぁ!!」
月漓が小癒希の、空いた左側へ素早く打ち込む。それを間一髪で打ち返す。再度月漓が打ち込み、今度は右へ振る。
「くっ!」
「えゃ!!」
しかし直ぐに打ち返され、小癒希はなんとか打ち返しているという状況だ。素早く右へ移動し、そこから直ぐに左へ戻る。女体化して体が小さくなった小癒希は腕を伸ばしてもギリギリ届かない箇所がある。そこを見抜いた月漓はその死角を重点的に攻めた。しかし、転機は訪れた。
「ぬぅぅぅ!!なめるなぁぁぁぁ!!!!!」
「なっ!?」
小癒希がまるで流れるような動きで回転しながらパットを打ち返したのだ。
そこからが逆襲の始まりだった。
「よし!これなら!!」
「くぅ!?」
今までとは違う、流れるような動作で遠心力や移動した勢いに乗じて、次々に打ち返す。その動きはまるで、華麗に踊る一人の少女だった。元・男なのだが。
「むぅ!」
「はっ!」
「しゅ!」
「ほっ!」
「てぃ!」
「せぁ!」
「ぬぅ!?」
「そぉれ!」
「はぁ!」
「ザシュっと!」
「ふ!」
「とや!」
「!?しまっ…!?」
次の瞬間、パットが上へ飛んだ。制限時間はあと3秒、点数は4対4で互角。誰しもがまた引き分けで終わると思った。しかし
「ッ!!!!!!!!!!」
“まだだッ!!!”
小癒希の体が動いた。否、動いていた。そして
「ぜぇいあぁぁぁぁッッッ!!!!」
力一杯打った。むしろ打ち落とした。卓球のスマッシュが如く。
パットは一直線に進んだ。そして……
ゴールした。
その瞬間その場が歓声で包まれた。月漓は方膝をつき、「この私が…負ける…!?無念……ッ!!」と、負けを悔やんだ。一方の小癒希は、その場に経垂れ込んだ。
「か……………勝った……?」
「やったね!お嬢!!月漓に、日本一に勝ったよッ!?」
「すげぇじゃん!!!」
「流石は弟君!!!」
「仇撃ち成功じゃ~!!」
「ぐすん……まけた……この私が………」
その後、一番弱かったということで一鷹が支払いの半分を受け持つこととなった。
1145:
シェルン [×]
2015-01-19 00:24:19
ドヤァ
1146:
シェルン [×]
2015-01-19 01:47:29
「よし、運動もしたし早速買い物するよ!」
「買い物って何を買うんだ?」
「決まってるでしょ?弟君の服を買います!」
「やっぱりか………」
見たくもない現実が目の前にあり、今すぐにでも逃げ出したい気分だった。
「俺的には小癒希のスリーサイズを知れればいいなと思ってたり」
「殺されたいのか?」
「全力で遠慮します」
*
*
*
午後5時32分現在、一通りの買い物を終えた一行は、どこでご飯を食べるか話し合いをしていた。
「やっぱり吉野家だろ!」
「いいや、近くのファミレスに行こう。」
「あ、じゃあ私ジョイフル!」
「うーん、あたしはココス?」
「私はどこでも良いけど」
「同じく」
「もうファミレスで決定かよ!?」
何やかんやでいろいろ意見があってまとまらない。こうして10分ほど言い合っている。結局、近くのファミレスへ行くこととなった。
「…………」
「ん?どうした、そんなにもじもじして?」
「いゃ…さ、ちょっとトイレに……」
「あらそう、やり方は教えたよね?」
「大丈夫だ、と思う……」
実際のところ、初めてなので自信はたかった。しかし我慢するのにも限界がある。すぐに行くほうが適切であろう。
「じゃ、じゃあちょっと行ってくる……」
「変な人に絡まれないようにね~?」
「絡まれたらぶっ飛ばす!」
かくして小癒希はトイレへと急いだ。
まさか自分が女子トイレに入ることになるとは思う訳がない。しかし、その現実が今目の前にはある。絶望という名の現実と共に。
*
*
*
「…………はぁ」
しばらくしてトイレから出た。なるべく下を見ないようにした。思ったより簡単に出来たことに安心しながら、皆の元へ戻ろうとした。その時
「よぉ、そこのお嬢ちゃん」
「…え?」
不意に声を掛けられた。横を見ると、チンピラ風の男が三人、にこにこしながらこっちに歩いてきた。内心、無視して行きたいが、そうすると逆に面倒になりそうなのでしない。
「…何の用だ?」
「いやさぁ、ちょっと俺様達と遊んでかねぇか?」
“うわ、『俺様』とかマジキモイ。ナルシかよ、コイツ”
内心そう思いながらも、声をには出さない。代わりに断りの返事を返す。まぁ、どうなるかは予想できるのだか。
「遊んでる暇はないんだよ。悪いけど行かなきゃなんねぇんだよ。」
「へっ、髄分強気だなぁ?まぁそうゆうのも嫌いじゃないぜ?」
「失礼するぞ。」
「おっと、そう簡単に逃がすと思うか?」
すると、残りの二人のチンピラ風の男が小癒希を取り囲んだ。結局は予想通りの結果となった。
「……何だよ?俺をどうする気だ?」
「きまってるだろ?お前みてぇな良い女は滅多にいねぇ。たっぷり可愛がってやるさ。」
「………………」
もう限界だった。通常、このパターンだと、小説などでは助けが来るか、このままやられるかのどちらかだろう。しかし、所詮それは本やアニメの話だ。なら、現実はどうなるだろうか。わからないなら殺ってみよう。
「なぁ……」
「あぁ?」
「アンタさっきから気持ち悪いしウザイんだけど。」
「………はァ?」
「いい加減そこ退いてくれないか?言ったよな?俺は行かなきゃいけないって。」
この発言を聞いて、チンピラ風の男はキレたみたいだ。一瞬でわかる。こめかみに血管を浮き出させ、血走った目をこちらに向けている。誰がどう見てもキレている。
「テメェ……このクソ女ァッ!!調子に乗ってんじゃねぇぞぉッッ!!」
「ふん、そんなすぐキレてるようじゃあなぁ。彼女が居ねぇのも納得だな。」
「お前らッ!そいつ捕まえろッ!!!」
すると、残りの二人は小癒希を捕まえるために近付いた。しかし、二人の間を素早く移動し、小癒希は三人に向かって挑発した。
「おーい、何やってんだ?俺はここだぞ~?」
「~~ッ!!!何ボサッとしてやがる!!さっさとつかまえろ!!容赦するとたぁねぇ!!」
そして、三人で一斉に小癒希に向かって走り出した。それに対して小癒希は、曲がり角を曲がってにげた、と思わせて角のすぐのところに隠れた。そして男の一人が目の前を通った瞬間、片足を出した。
「えっ!?ぬがぁぁ!?!?」
そして情けない声を出して転んだ。すると、まるで逆ドミノのように残りの二人も転んだ。
「あははは!いやぁ、目の前を走られると足引っ掻けしたくなるよねぇ!!」
それだけ言って、再び小癒希は走り出した。三人のチンピラ風の男はさすがにマジでキレたらしく、なりふり構わず走り出した。そして小癒希はまた曲がり角をへ隠れた。たが、二度も同じ手に乗るチンピラ三人ではない。こんどは大幅に外側を全力で回った。
「オラァ!!今度こそ捕まえ……たぁぁぁぁぁッ!?!?」
「バーカ、そっちは行き止まりだっての。お前らアホか。」
今度は目の前が行き止まりで、止まろうにも勢いを殺し切れなかった三人は綺麗に重なって壁に激突した。
「がはっ!?」
「うげぇ!!」
「あぐぇ!?」
それぞれまた情けない声を出して倒れた。さすがに今度のは効いたのか、三人はしばらくの間、床を転げ回っていた。するとそのうち、騒ぎを聞き付けた警備員が来たので、小癒希が事情を説明したところ、間抜けなチンピラ三人組は連行されていった。
1147:
匿名 [×]
2015-01-19 21:00:40
なんか1日見ないだけでめっちゃ進んでる!
1148:
ぶー [×]
2015-01-19 21:11:30
今すごくエアホッケーやりたい気分♪
どうしてだろう?
1149:
ぶー [×]
2015-01-19 21:12:30
それはそこにエアホッケーがあるからさ!
1150:
ぶー [×]
2015-01-19 21:14:31
1148のコメントは俺のです!
1151:
ぶー [×]
2015-01-19 21:16:06
見よ!この短いコメントの連発!
1152:
ぶー [×]
2015-01-19 21:38:24
誰も居ないのか?
1153:
ぶー [×]
2015-01-19 21:40:34
真っ白な世界に一人の私、
1154:
ぶー [×]
2015-01-19 21:44:31
壁が心にささやくの、働けや、くそニート
1155:
karasu925 [×]
2015-01-19 21:51:58
とまどい、きづつき、親にも触れられずに、悩んでたそれももうやめよぉーう
1156:
karasu925 [×]
2015-01-19 21:53:02
ありのまま(ヒキニート)の姿見せるのよ~ありのままで~2chへ行くの~
1157:
karasu925 [×]
2015-01-19 21:54:29
何も怖くない~風邪ひ~い~た~割りとマジで寒いわ
1158:
ぶー [×]
2015-01-19 22:33:41
マジで?
1159:
ぶー [×]
2015-01-19 22:35:01
リアル?
1160:
ぶー [×]
2015-01-19 22:36:00
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