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(アニメ/マンガ)BL・GL・NL(オリジナル) 小説集/131


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40: ブラック [×]
2015-03-10 00:31:19

二重変装2(ルパン三世2nd/オリキャラ)


 あれから数時間と言って良いだろう。
ルパンと次元は酒を煽りつつも元に戻る方法を話し合っていた。
 そんな普段誰もが目にする光景を見ていれば、酒が無くなった事に気付く。

「おいルパン。もうねぇから買って来いよ」

 次元がバーボンのボトルを持ってユラユラと揺らしながら恋也に言う。
当然、入れ替わっているのだから見た目がルパンの恋也が買いに行く事しかできなのだが……。

「――って、大分酒回ってるけどまだ飲むのか?」

 恋也の目の前には既に5、6本のボトルが空になっているのが見える。
それはバーボンだったり、ジンだったり、ウォッカだったりと様々なのだが、幾らなんでも飲みすぎなんじゃないかと疑える。
 ルパンというと体が高校生なので酒の回りも速いのか、ソファにだらしなく横になりつつも頭に濡れたタオルを乗せていた。

「ルパンだってこんな状態で、次元も俺をルパンと間違えてるんだからもうそうあたりにしておいた方が――」
「うるせぇ!!」

 ダンッ、テーブルを次元が叩いた。
その瞬間グラスの中に入っていたバーボンが少量零れるのだが、気にした様子はなく次元は酔った勢いで感情任せに言葉を紡いでいく。

「ルパンが……酔ってダウンだぜ? こんな、事今まで……なかっただろ」
「お前も相当ヤバイけどな」

 取り合えず買ってこない限り何か面倒ごとを聞かされそうだった雰囲気だったのだ。
恋也は軽く溜息を吐けば、次元に片手を振り、そんなに時間は経っていないと思っていたが実際は夕方の17時を時計が差している事に廊下の時計を見て気が付いた。
 五右ェ門が今まで花を生けているのだろうかと、和室に向かってみる。

「ごえもーん。まだ花を生けてんのか?」

 見た目がルパンなので、ルパンで話しかけながら障子をゆっくり開く。
 恋也の目の前に確かに立派な生花がそこにあった。

「五右ェ門ちゃん意外と器用なのね」

 取り合えず褒めておく。
そうしておかなければルパンではないとバレる可能性があるのだ。
 生花の傍で何かをしている五右ェ門に声をかけたのか、生花に夢中なのだろうか返事が返ってこないことにも気にすることなく、和室から去ろうとすれば「立派でござる」と独り言が聞こえた。

 
 それから、酒屋に行きルパンと次元が好みそうな酒を何本か購入してアジトに戻る時だった。
会いたくない人物に出くわした。

カシャ。

 聞いたことのある、金属音だった。
ゆっくり手首を見てみると確かに手首には手錠が掛かっている。

――今見つけるなよ。

「あれとっつぁんじゃないの? 元気にしてた?」

 心中で溜息を吐きながらも恋也はルパンを演じながら手錠を掛けた人物――銭形幸一に、苦笑いを浮かべる。
 厄日と言っていいのかは分からないが、確かに今日は今のところ良いことが起こっていない。
どちらかと言えば不運な事しか起きていないのだ。

「ルパン、まさかこんな所でお前の逮捕するとはな!」

 嬉しそうである。
 そんな事を思いつつも手錠を掛けられた右手を外す。
手錠の外し方はルパンから伝授したのだ。

「おいコラ! 目の前で手錠を外す奴があるか!」
「わりぃなとっつぁん。俺まだ刑務所には行きたくないのよ、じゃーねー!」

 手を振りつつ、片手に袋を持ちながら人気のない路地裏に恋也は姿を消した。
暫くの間銭形の叫びが聞こえるのだが、不意に「アレはルパンのファンか?」と薄々、ルパン本人ではないことに気が付いていたとは恋也は知らない。

 **

「買ってきたって、やっぱり寝たな」

 いい歳した大人2人がソファでだらしなく、睡眠をしていた。
1人は見た目高校生なのだが。
 恋也は買ってきた酒をテーブルの上に置き、自室に戻った。

そのまま恋也も寝ていたのだろう、気が付けば18時20分を時計が差していた。
 アジトからは音が聞こえてくることはなく、まだ寝てるのかと思ってリビングに歩いていけば、確かにそこには高校生と大人が頭を抱えてどんよりとした空気を放っている。

「……次元ちゃん」
「ルパン……」

 確かにお互い口を開いた。
次元が先に口を開き、ルパンが後に口を開いたのだ。
 まさか、と恋也が思って奥のソファで寝ていた次元の頭を叩く。
その瞬間絶普通なら次元が頭を押さえるだろう、だがしかし、頭を押さえたのは紛れも無く恋也の姿をした人物だった。

「いってぇ!!」

 ルパンと次元もまた入れ替わっていたのである。
こうなってしまうと色々とややこしくなってくるのだが考えている暇はないだろう。
 緊急会議が開かれる事になる。

「でだ。何故俺と次元まで入れ替わったかだな」
「おい……」
「酔って何かしたとかじゃないのか?」
「おい……」
「いーや。俺はずっとソファで横になってたけどよ、全く何も無かったぜ」
「おめぇ人様を殴っておいて謝罪ぐれぇしろ!!」

 ルパンと恋也の会話の間に次元が声を掛けているのだが、ルパンと恋也は敢えて無視をしていれば恋也は次元に怒鳴られるという羽目になる。
 そんな事を気にする事はないのか、恋也は作り笑いを受けベながらも次元に謝罪し、これからどうするのかと考えているところに五右ェ門がドアを思いっきり開けて現れた。
その姿は少女漫画の主人公の女の子が、怒ってドアを思いっきり開けて登場する1コマとシンクロしていた。

「あら五右ェ門ちゃん、生花はどうしたのよ?」

 1番初めに恋也が口を開く。
五右ェ門は片手に斬鉄剣を持ちながら今現在、ルパンが座っている隣に腰掛ける。

「疲れたでござる」

 はぁ、と肩の力を抜いているのだろう、深呼吸を何度も繰り返していた。
さすがに五右ェ門の前で出来る話ではなく、また酒を飲んで面倒なことにならないようにと、買ってきた酒を片付け、テーブルの上を片付けてトランプをしていた。

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