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(アニメ/マンガ)BL・GL・NL(オリジナル) 小説集/131


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23: ブラック [×]
2015-02-21 17:45:01

「寒い」に隠された(ルパン三世/オリキャラ)


「だーかーらー、寒いから嫌だって言ってるだろ」

 先ほどからこの調子である。
 布団を頭まで被った恋也とベッドに腰掛けるルパン。
この画だけを見れば、恋也を看病するルパン、と見ることも出来るのだが、実際のところはルパンが恋也に『良いじゃないの』とか『すぐに暖かくなるって』などを言っている。

「寒い」

 何故こんなにも恋也は嫌がるのか、ルパンはそう思いながらもため息を吐いた。
 赤いジャケットの懐からマッチを取り出して、煙草に火をつける。
電気をつけていない為、薄暗い部屋に煙草の煙が白く良く見える。

 恋也は紺色の掛け布団を頭まで被り、目の前の壁を見つめた。
 壁はやっぱり壁で暖かくなるわけも無いので、恋也は溜息を吐きルパンの方に向く事はせず、ただぼんやりと布団の中で、丸くなっていた。

「……そんなに俺とするのが嫌か?」

 ルパンが不意に問いかける。
 その瞬間、先ほどから少し赤く染まっていた恋也の頬が一気に赤くなる。
理解すれば誰だって赤く染まるだろう。
 例え何度も体を重ねあっても、恥ずかしいものには変わらない。
 だからと言って嘘を言うほど、恋也は嘘吐きではない。
実際、恋也の体は、凍えそうなほど震えている。

「嫌って言うより、今日は本当に寒いからまた今度で良いだろ」

 ヘクシッ、言葉を言い終えた直後、布団の中からくしゃみが聞こえた。
当然恋也が放ったものなので、大体予測がつくと思う。
 恋也がどんな状態なのか、この時点で気が付けばかなり観察力があると思う。

 恋也はただ普通に寒いと言っているわけではない。
ルパンはいつものジャケットだけでいるのに、恋也は寒いと言って布団から出ない。
 朝食も食べなかったので、ルパンと次元と五右衛門は恋也の様子を不思議に思った。
ルパンが様子を見に行くと言って恋也の部屋に来れば、ルパンの第一声が『また啼きたいのか?』と冗談で尋ねた。
 それを間に受けた恋也は冒頭のような返事をして、お互いその先から進んでいないのだ。

 ただの風邪と言い切って良いだろう。
恋也は今朝方から熱を出している。
 本当にそれだけの事だ。

「くしゃみなんかしちゃって、よっぽど熱があるみたいだな」
「おまっ! 知ってたな……!」

 自分が熱を出しているのを見破られており、恋也は怒りを含めながら上半身だけを起し、ルパンに怒鳴る。
 だが、その怒鳴りは意味もなく散っていくのだが。
 恋也は体力が落ち、まともに体を動かす事が出来ないでいるため、そのままベッドに沈む。

「ヌフフフ。ルパン様は何でもお見通し」

 あっそ……、その返事だけをして恋也は目を閉じる。
寒さは変わらない。
 だから布団を被って、出来るだけ暖をとろうとしていれば、急に布団が剥がされた。
何事かと思ったが、何かに抱きつかれる感覚がし、身体を大きく震わせて、首だけを後ろにして振り返る。

「何してんだよ」

 後ろに居た男に問う。
ジャケットはその辺りに脱ぎ捨てられ、ネクタイも外されている。
 そして、同じ布団に入り、抱きしめれている。
 その状態に恋也はとてつもなく羞恥を覚え、顔を真っ赤に染める。

「これ以上の事してんのに、恥ずかしがるのか?」

 いつもの様にふざけて言うルパンに恋也は溜息を零しながらも、後ろから伝わる体温に身を委ねようとし、だけどルパンの方に寝返りを打ち、正面から抱きつくような体勢になる。

「……明日までには、治すから」

 そのセリフは前にも顔つきは違うが、同じ『ルパン』に言ったものと同じセリフだった。

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