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(アニメ/マンガ)BL・GL・NL(オリジナル) 小説集/131


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20: ブラック [×]
2015-02-21 17:09:14

ルパン大集合(ルパン三世1st/ルパン三世2nd/ルパン三世partⅢ/LUPIN The third~峯不二子という女~/LUPIN The third 次元大介の墓標/新ルパン三世/2016年放送予定ルパン三世/ルパン三世 ファーストコンタクト)


「おつかれー……」

 ギィィとドアを開けて、リビングに入る。
そろそろ皆帰ってきているだろうと思う時間帯に部屋から出てきた恋也は、リビングで行われている戦争に目を疑う。
 ただの言い合いなのだが、信じられない光景が目の前で繰り広げなられていた。

 まず、同一人物が何人も居る。

「つか誰だ!? 特にそのピンク!? と青!?」

 恋也が叫ぶと同時に新聞を読んでいた次元が、「どうにかしてくれよ……ルパンは1人で十分だぜ……」と自ら解決しようとはしなかった。
 ソファに座り、酒を飲み、新聞を読んでいる時点で自分で動く気は無いようだ。

 五右衛門は今は居ない為、この煩い騒ぎを聞かなくて済むと思うと、憎くなってしまう。
 それはさておき、何故か人数が増えたルパンにどう接しようかと悩んでいれば普段組んでいる、赤ジャケに白スラックスのルパンが見当たらない。

 代わりに赤ジャケ、黒スラックスのルパンが存在している。

「恋也ちゃんは俺がつれてくの!」

 黒スラックスのルパンが叫ぶ。
 それに対抗するかのようにピンクジャケットが、叫ぶ。
 一言で言い表すと、煩い。
恋也はそう思った。

「恋也ちゃーん!」
「煩い!」

 ピンクジャケットを着たルパンが恋也に飛びついた。
その瞬間、恋也はルパン(ピンク)の襟元を掴んで窓から放り投げた。
 一匹駆除である。

「……ま、ピンクは関わりが無いからどうでも良いけどよ」

 赤と緑と青の戦争など、恋也は見たくない。
 溜息を吐いてクローゼットの方に向くと、隙間から赤い何かが見える。
見たところ、ジャケットの色と似ているので、近付いてクローゼットを開けると、なじみのある赤ジャケに白スラックスのルパンが閉じ込められていた。

「おめーら! 人様をクローゼットに閉じ込めるとなどういうつもりだ!!」
「お前も同じことしてるだろ」

 ルパン(白スラックス)の叫びは、次元によって終了した。

「……つかなんで、こんなに増えたんだ?」

 恋也が首を傾げても、誰にも理由は分からない為、沈黙が訪れる。
 カランッ、氷が動いた音がして視線だけを送ると青ジャケットと緑ジャケットが酒を飲んでいた。

 もう1人の緑ジャケットは黒スラックスと何やら揉めている。

「あれ? そう言えばピンクは?」

 ルパン(白スラックス)が次元に尋ねると、次元は新聞を読みながら「恋也に投げ飛ばされた」と見たままを答えた。

「……そこの緑」

 恋也が緑ジャケットのルパンを呼ぶ。
 酒を飲んでいない、今組んでいるルパンよりどこか大人の雰囲気があるようにも見えるルパンを呼び、ルパンが近付いてくれば香水をルパンの顔に掛けた。

「お前も会ったことないから、来なくて良いだろ」

 恋也のセリフと共に、窓から投げられる。

 そして恋也にはあった事もないルパンが他にもいた。
青ジャケを着て、酒を飲んでいるルパンと、緑のジャケットを着た、今組んでいるルパンと似ているルパンと、少しイケメンになったんじゃないか、と思う青ジャケットのルパン。

 その他は会った事はある。
 ただ、別の世界で。

「つかさ……アイツら2人誰?」
「酔った振りして恋也ちゃんを連れて行く気!?」
「お前らは何の話をしてるんだ!!」

 取り合えず、緑(酒を飲んでいない方)と青(酒飲んでない方)を捕まえて窓から投げ飛ばす。
残りは4人である。

 姿が良く似ている者と、似ていない者。
会った事は無い者が1人。

 恋也は再び溜息を吐いて辺りを一通り見渡してもう一度溜息を吐く。

「……どうでも良いと思う奴は退室してください」

 一応声を掛けてみた。
恋也の声を聞いて酒を飲んでいた青ジャケットルパンは「またいつか攫いにくる」と言い残して、窓から飛び降りていった。
 いつか会えば酒の相手でもしてもらう、と思う恋也は残り3人特に赤ジャケに凄い視線を感じた。

「お前ら2人は似てるからどれかに統一しろ!」

 恋也が叫ぶと、黒スラックスのルパンが恋也に近付いて「次の予約は俺だからな、恋也ちゃん」と耳元で囁いて窓から飛び降りて行った。

 残ったのは2人である。

 赤と緑。

「お前さんはどっちを選ぶんだ?」

 緑ジャケットにそう聞かれて、何を選ぶのか全く分からずに、戸惑っていると緑ジャケットルパンが立ち上がり恋也の元まで行き「俺はまだお前を抱いていない」と耳元で囁かれる。

 赤を選べば、未遂だろう。
 緑を選べば、実行されるだろう。

「高校生にそんな事教えたらダメっつうの!」

 赤ジャケのルパンの叫び声など知らずに、緑ジャケは見下すような笑みを浮かべ、恋也を姫抱きし窓から飛び降りていった。

「恋也ちゃーん!!」

 赤ジャケットルパンの叫びは夜の街に消えていった。

 ちなみに、恋也によって窓から投げ飛ばされたルパンたちは無事に元の世界に帰ることが出来た。

「しかしまぁ、何だったんだ……?」

 次元と自分しか居ない部屋でルパンはぽつりと呟いた。


 恋也は目が覚めたら、赤ジャケットルパンのアジトにいたとさ。

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