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(アニメ/マンガ)BL・GL・NL(オリジナル) 小説集/131


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18: ブラック [×]
2015-02-21 16:53:10

とある家のとある風景(ルパン三世2nd/名探偵コナン/オリキャラ)


「だから俺が行ってやるから、大人しく寝てろって」
「今日が最終日なんだよ! 最後ぐらい行かせろ!!」

さっきからこの調子だぁ~っと、メガネを掛けた少年――江戸川コナンは思う。
朝起きて、朝食を食べていれば奥の部屋から何やら言い争いが聞こえてきたので、丁度目の前に座っている帽子を被った男――次元大介に何があったのかと問う。
返答は「朝っぱらからあんな調子だったから俺も知らねぇな」だった。

元々コナンは毛利事務所、ルパン一味はとある廃ビルを根城としてた、が。

とある事件があり、そこにたまたま偶然を装ったルパン一味がおり、そこにたまたま名探偵が居てそして、本当にたまたま偶然、一般市民の――六条道恋也(ろくじょうどうれんや)がそこに居た。
 何故、この3組が1つ屋根の下で暮らしているのかというと、それはルパン側から言えば『気が合うから』、コナン側から言えば『捕まえやすい』からで、恋也にとっては『ただの気まぐれ』である。

 時にルパンが恋也を頼る事もある。
 そしてその逆もまた存在する。

「昨日夜中に高熱出てたでしょ! また熱出たらどーすんの?」
「薬で下げてれば、3日で治るから」
「治るワケねーっつうの!」

 あはは……とぎこちない笑みを浮かべる事しか出来ない内容だった。
恋也は本日学年末考査最終日な為、学校を休む訳にはいかない。
 だがしかし、昨夜高熱が出ていた為、学校に行くのではなく休んでいろと赤ジャケットを着ている――ルパン三世に言われても、意地で学校に行こうとする恋也と、朝の早い時間帯から揉めていたのだ。

 無論、この事はルパン、次元、五右衛門は知っていた。

「次元ちゃんだって昨日言ってたでしょ。明日はルパンが変装してやるって」

 ルパンのこのセリフを聞き、朝食の食パンを食べていたコナンは、次元を真っ直ぐどこか呆れた表情で「パパ知らないって言ってたよね?」と、『江戸川コナン』で次元に首を傾げて問う。
その瞬間、次元にはなんとも言えない、空気が漂って、鼻を鳴らしてから告げる。

「誰もアイツが熱を出してるなんて聞いてこなかったろ」

 あくまで最初から自分も知らなかった様に、返答してもコナンには呆れしか出てこないようだ。
 溜息を吐いているコナンとは違い、次元は余裕を取り戻したのか、フランス文字で書かれている新聞を読み直している。

「だーかーら! 頼むから寝てて頂戴」
「別に熱も出てないし、体調も悪くないから問題ないだろ!」
「テスト中に倒れる方がいけないでしょ!」

 いい加減終らないかな、と心の中で呟いては、食パンを食べ終えて、キッチンに食器等を持って行き、ルパンと恋也が言い合いをしている部屋に向かうと「恋也ちゃんが怒鳴るから、ガキンチョ起きちゃったじゃないの」と自分も相当怒鳴っていたと言えるのに、人のせいにするルパンを差し置いて、コナンは恋也の元に近付き「熱出てたなら、休んだ方が良いと思うよ」っと、子供らしい高い声で恋也に伝える。

「…………」

 無言。
 聞いていないのかな、と一瞬思ったコナンだが、恋也は聞いているようでコナンの言葉にどう返せば良いのか悩んでいる。
さすがに子供相手に怒鳴るわけにはいかない。
だからといって無視することも出来ない。
その為、無言でいることしかできていない。

「いや、まぁ、そうなんだけど……」

 ぽつりぽつりと口を開いていく恋也。

「何ていうか、世紀の大泥棒ルパン三世に変装してもらい、学校のテストを受けてもらうというのが、申し訳ない気持ちで……」

――あぁ、なるほど。

 コナンはすぐに理解し、ルパンは知っていたのかそうじゃないのか、さっきから口角を上げて笑みを浮かべているばかりだ。
 自分から変装すると言っているので、申し訳ないと思う気持ちは必要ないのかも知れないが、六条道恋也という少年は、誰かに頼るというのを基本的に避けてきていた為か、自分の代わりに何かをされるという事に抵抗があるようだ。

「って、言うより。僕は良いけど、恋也兄ちゃん行くなら早く準備しないと間に合わないんじゃない?」

 ほら、と時計を指差しながら言うコナンの先には6時45分と示されている、現代的なデジタル時計が日時を表示しており、今まさに46分の文字に切り替わった。

「ありゃりゃ……此処は俺様が行くしかねーな」
「……満点取らなかったらタコ食わすからな」
「あらま、結構厳しいねぇ~」

 茶化すように手を広げては、表情が悟られないように笑みを繕っているが、恋也にしてみれば結構脅せているのだと、実感している。
その時の表情は出さず、日本で建っている割りにはどうにもアメリカや外国をイメージする家の内装の中に居る、ルパンを見つめて、恋也は人を騙す時に使う笑みを浮かべる。
 自身に親指を向けて、勢いよく、胸のど真ん中に突き刺すように持ってくれば、笑みを浮かべながら、こう告げる。

「騙しは俺の特権で、指輪みたいなもんだ」

 っと。

 その時の表情は狐に似ていたと、後々コナンとルパンが話しているのは、恋也は知らない。

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