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恋愛小説書きます/28


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■: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 19:56:59 

先輩にはいろんな名前がある。


ある時は 総長

ある時は ボス

ある時は ポーカーフェイス

ある時は 無口野郎

ある時は 片瀬 翼



先輩には
誰も知らないことがたくさんあって。


でも
それを絶対に教えてはくれない。



お願い。

“笑って、先輩。”


1: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 19:57:21

朝は好き

太陽が少しずつ私に生きる力をくれるから

2: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 19:57:39

昼も好き。

みんなと会えるの。

私はそれだけで胸が暖かくなるの。

3: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 19:58:04

でもね?


やっぱり夜が一番好き。

優しい月の光は、ソッと私を包んで。

散りばめられた星々は、宝石みたいで。

それを見るのが私は何より好きだった。




それに、星が降る夜は美しい夜。

美しい夜を見ると、あの子は笑うの。




だから………

4: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 19:59:08
















─────『私は嬉しくなって、心の底から笑顔になるの。』

5: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 19:59:27

「なにそれ。」

『ん?俺のアヒルの名言。』

6: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 19:59:38


「お前アヒル飼ってんの?」

7: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 19:59:59

その日はたしか10月13日


私はいつもと何も変わらない生活を送っていた









…はずだった


8: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:00:20

──────








「しの!おはよう。」

『おはよう。』


朝、いつものように、いつもの場所で、親友の亜由美と合流して学校へ向かう









「今日、文化祭の買い出しだっけ?」

『うん。100均に。』



私と亜由美は文化祭実行委員

その日の放課後は、クラスで出す模擬店の買い出しに行くことになっていた





「でもさぁー…」

『何?朝からうかない顔して。』

9: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:00:42

「文化祭。しの、午後からずっと放送室にいるんでしょ?」

『うん。』

「うんって…

あんたは納得できてもね、私は納得いかないのよ!

たしかに、放送係は一番めんどうだけど…

不幸体質のしのとじゃんけんして、負ける人なんているわけないじゃない!」




たしかに…

私の記憶が正しければ、私はじゃんけんで勝ったことがないけど…




『そんなあからさまに言わなくても…』

「あ、ゴメン…」




まぁ、私の不幸体質は折り紙つきだし



『じゃんけんで決めるって言われた時点で、結果はわかってたよ。』

「もう。そのあきらめ癖、よくないよ?」

『はいはい。』




ちょうど会話が終わった頃、学校についた



10: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:01:04

そして私は、そんなどこにでもありそうな高校の、どこにでもいそうな女子高生




美人じゃないけど、ブスでもない。

地味じゃないけど、目立ってるわけでもない。

みんなより、ちょっと勉強ができて、ちょっと童顔なくらい。




ホントどこにでもいる高校生





「しのっ! シャツのボタンかけ違えてる!」

『あ…』
 

少しドジなのは許容範囲内



11: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:02:03

「まったく…」

『いやー。朝急いでて。』



ボタンをなおしていると、

「しのー!」



そんな声が廊下から聞こえた



目をやると、廊下にいたのは違うクラスの男子



『なにー!?』


小走りで廊下まで向かう



「借りてたCD。」

『あー!わざわざありがとう。』

「また借りていい?」

『うん!ぜんぜんいいよ!』

「ありがとう。」



そう言って颯爽と去っていく男子


あの人モテるだろうな…



12: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:02:38

私はかなり友達が多いほうだと思う





さっきも廊下ですれ違った先輩に



「しのちゃん、1-Dって何の模擬店だすの?」


ってきかれた



けど…



『私、あの先輩知らないんだよね。』

「しの、有名だから。お人好しも大変だね。」

『たこ焼きですって言ったら、しのちゃんのたこ焼き食べに行くねって。私、ほとんどいないんだけど…』

「先輩ガッカリするね。」




そう言うのは、クラスメイトの中では一番仲のいい静香



『なんで?』

「しのはモテるから。」

『美人じゃないし。ちんちくりんだし。』

「そうゆうことじゃないのよ。女は見た目じゃないんだから。」

13: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:03:10

『うそー。』

「本当。うちの学校で“しの”って名前、知らない人はいないよ?」

『“しの”は名前じゃないよ。』



“しの”はあくまでニックネーム

本名は篠原美夜

篠原の“しの”なのに、みんな“しの”って名前だと思ってる





『名前知ってる人だけでも、“みや”ってよんでくれたらいいのに。』

「それだけ、“しの”が有名で“みや”が知られてないの。」

『まぁいいけど。』


自分でさえ、みや”って呼ばれても振り向かない気がする



14: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:03:29

「まぁ、しのはやっぱりしのだよ。」

『うん。』

「じゃあ、また明日ね!」

『じゃあね!』




ホームルームもおわって静香と別れ、亜由美のクラスへ向かった



15: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:04:13

亜由美のクラスは1-B


2つ隣の教室に入ると、そこには亜由美のほかにもたくさん人がいて、みんなで何か話してる



「あ、しの!こっちこっち!」


亜由美に手招きされ、向かった先にあったのは一枚の写真

みんなそれを囲むように立っていた



『なにこれ。』


写ってるのは男の人が4人


それもみんな派手な

16: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:04:33

「やっぱりしのは知らないか。」



どうやら、私以外のみんなは知ってるらしい




「黎明(れいめい)の幹部の人たち。」

『黎明?』

「暴走族。」


ぼ、暴走族…



『亜由美、暴走族好きなの?』

「そんなわけないでしょ。アイドルみたいなもんよ、この人たちは。」



たしかに、整った顔ばっかりだけど

17: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:04:54

「でも、かっけーよな!」



そう言ったのは確か…浜野君



「暴走も喧嘩も、この辺じゃ敵なしだ。全国クラスだよ。」



そんな暴走族がこの辺で活動してる…

背筋がゾッとした




『亜由美。行こう。』

「うん。」


もう聞きたくない




早足で校門まできていた



「しの、そんなに暴走族嫌なの?」

『大嫌い。』


暴走族って言葉すら聞きたくない

18: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:06:07

「しの、怖い人とかチャラい人嫌いだよね。」

『嫌い。』

「人は見た目じゃないよ?」

『でも、嫌い。』

「…相当ね。」



亜由美がなんといおうと、嫌いなものは嫌いだ




『そっちのクラス、カフェでしょ?』


話題を変えようと、そう話をふった



「うん。今日の買い物は食器とか。そっちは?」

『うちは、パックと爪楊枝と持ちかえりの袋とか。』



材料は直前に買いに行くことになってる




「そしたら、少し遠いけど大きい100均まで行こうか。」

『そうだね。』



そう決めて、電車に乗り込んだ

19: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:06:24

けど…




『なんか、怖い人多くない?』

「多いね。」


電車の中が妙に張りつめてる


それに、金髪率がすごい



これは…



「黎明の人達だ。」

『げっ…』

「誰かつけてるのかもね。静かにしてよう。」

『え、違う車両に…』

「どこも同じよ。」



そんなぁ…



「大丈夫。黎明は一般の人には何にもしないから。」

『うん…』


今はその言葉を信じるしかない

20: ももか(๑→‿ฺ←๑) I Lᵒᵛᵉᵧₒᵤ宿題 [×]
2014-08-03 20:07:28

はやく降りてと願ながら、亜由美の隣で縮こまっていた





「あ…」



亜由美の声に顔をあげると、黎明の人たちぞろぞろと電車を降りていた



『げっ…』



この駅、私たちが通学にいつも使う駅だ



私と亜由美の家はこの駅から歩いて10分くらい

いつもこの駅から電車に乗って高校に行ってる


でも、よりによってなんでこの駅で…



「最近この辺治安悪いからね。」

『あんな人が来るから治安悪くなるんじゃないの?』

「私もそう思う。」




沈んだ気持ちのまま、電車はまた走り出した



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