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あなたに 会いたい/27


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自分のトピックを作る
■: カリン [×]
2013-01-18 16:53:41 

このお話はフィクションです。

実在の人物は登場いたしません。



1: カリン [×]
2013-01-18 17:10:26

今日もまた、いつもと同じ一日だった。
毎日毎日同じことの繰り返し。

夜遅くまで起きてるから朝はなかなか起きれない。
6時にセットした目覚まし時計も子守唄に聞こえてくる。
1階のリビングからはお母さんの「時間よ!早く起きないと間に合わないわよ!」
と言う大きな声と共に、愛犬のチョコが部屋に入って来て顔中舐めて起こしてくれる。

「ちょ・・・チョコぉ~・・・やめてよぉ~・・・」

私は、布団の暖かさに名残惜しみながらモソモソとベッドから出て
おもむろに制服に着替えた。

下に降りて行き、一応お母さんに朝の挨拶をする。

「おはよ~・・・」
「ご飯できてるからさっさと食べちゃいなさい」

いつもと変わらぬ母の第一声だ。

最近、そんな母に少し反抗を覚える。

(あぁ~うっさいなぁ・・・もぅ・・・。ゼンマイじかけの人形みたいに毎日毎日同じ事ばっかり言ってさ。うざい、うざい、うざい!)

これを反抗期というなら、いったい何回目の反抗期だろう。


2: カリン [×]
2013-01-18 17:25:33

朝食が終わり、歯を磨き、顔を洗い終わって鏡を覗き込むと
そこには無表情の自分が映っていた。
生気の抜けきった顔をした自分が映っていた。

「はぁ・・・・」

目標もなく、やりたいこともなく、ただみんなが行くからと高校に進学した。

中学の時は、部活をそれなりに楽しんでいたけど、高校では部活には入らなかった。
朝練するくらいなら寝てたほうがいいし、土日も祝日もなしの部活は私にとってありえないことだったからだ。
勉強だってする時間がなくなるし、友達と遊ぶ時間もなくなる。
かなり身勝手な言い訳だと思う。

だって、勉強なんてテスト前にしかやらないし、友達と遊ぶといっても
仲の良かった子は違う学校だ。
お互いに学校が違ってしまえば、卒業するときに交わした

「違う学校に行ってもずっと友達だからね!
 メールも毎日するし!電話だって毎日するからさ!
 だからそんなに泣かないでよ・・・私たち親友でしょ?
 約束だから!!」

約束・・・・したっけねぇ・・・そんな約束を・・・。



3: カリン [×]
2013-01-18 17:29:59

入学して3ヶ月。
季節は初夏。

あの約束はどうなった?
私たち親友だったはずのあの約束は?

最初のうちは約束通り毎日メールが来たけど
ひと月も経つと、テスト前だからちょっとメール控えるね。
と言うメールが来て、それから少しづつメールの回数が減っていったっけ。

いまじゃ、思い出したかのように時折メールが来る程度になってしまった。

4: カリン [×]
2013-01-18 22:08:50

学校の授業はつまらない。
真顔でただ教科書を朗読してるようにしか聞こえないから。

新しい友達も少しは出来た。
でも、どうせ今だけだろうし、クラスが変われば交流もなくなるだろう。
ただ周りに合わせて嘘で塗り固められた笑顔をふりまいいる自分がいる。

疲れる。
偽りの自分でいることに疲れ始めてた。

心底楽しくないのに楽しいふりをする。
だれかの陰口を聞かされ
「ねぇ、そう思うでしょ?」
と言われて
「そうかも・・・」
などといったら最後、その悪口は私が言ったことになってたり。
世の中理不尽なことが多すぎる。



5: カリン [×]
2013-01-18 22:26:39

かと言って、
「私が言ったんじゃない。あなたが言ったんじゃない」
などと言おうものなら、仲間はずれにされて
次のターゲットは私になることは確実だろうしね。
だから笑ってやり過ごす。

そんな日常にはもううんざりしてた。
周りの人間すべてがうざい。
一人になりたい・・・・でも一人じゃ寂しくって生きていけない。
私は弱い・・・。

もっと強くなりたい。
でも勇気がない。
自問自答を繰り返す日々が続いた。

6: カリン [×]
2013-01-18 22:38:41

夏休みに入った。
あまりにも暇なもので、暇つぶしに課題をやってたら1週間で全て終わってしまった。
何もすることがない・・・。

私はおもむろにパソコンを開き、なにか面白いことでも書いてないかと
あちこちのサイトを観て回った。
そこで少し興味の引くサイトを見つけたのだ。
サイトというか掲示板なのだが、書き込みを見る限り歳が近そうな気がした。

それは掲示板というよりはチャットの近いものだった。
リアルタイムで会話をしとぃる。
名前も、住んでる所も知らないはずなのに、なぜかみんな昔からの友だとのように話してる。
不思議な感覚だった。

7: カリン [×]
2013-01-19 23:55:27

目を引く題名のトピックを覗いてみたけど
その中に入っていく勇気が無い。

No256:チョロス

ただいまぁ

No257:マロン

チョロスおかえりぃ~♪


この中に入っていくのは無理だ・・・。
新参者が入っていっても浮くだけだし、そもそも私は人見知りだ!

どこかに入りやすいトピックは無いものかと思案していた。

8: カリン [×]
2013-01-20 00:05:16

前からあるトピックじゃなく、最近できたものなら?
それなら私も仲間には入れるかもしれない。
そう思い、何個か探してみると、出来立てのトピックを発見した。

ーーーー 暇人の集会場 ----

恐る恐る中に入ってみる。

NO9:名無しさん

はじめて!

たった4文字を書くのが精一杯だった。



9: カリン [×]
2013-01-20 00:26:26

仲間になれるかな?
受け入れてくれるかな?
そんな不安と期待に胸を膨らませて返信を待っていた。

すると、

NO10:流れ星

名無しさんいらっしゃいw
はじめまして☆




と言う歓迎の言葉をトピ主からもらった。
しかし、その後のコメントで私は言葉を失ったのだ。


NO11:寧々

流れ星!
そいつきっと荒らしだよ!

ニック付けないで来るやつなんてたいがい荒らしなんだから
仲間に入れる事はないよ!!






愕然とした。
いま始めて会ったばかりの人に勝手に人格を決め付けられ
話したこともないのに、荒らしと断定され
拒否されたのだから・・・。

「偉そうに・・お前は何様だよ・・」

画面の前でポツリとつぶやいてしまった。

すると、トピ主である流れ星が

「まぁまぁ、そんなに警戒しなくても大丈夫だと思うよ?
 ちゃんと挨拶してくれたし、荒らしじゃないと俺は思うけどな」

かばってくれた・・・うれしかった・・・・。
早速2回目の書き込みをした。

「ありがとう。荒らしじゃないんで安心してください」

精一杯の感謝の気持ちだった。

すると寧々からの書き込みがあった。

「荒らしじゃないならニックくらい付けなよ!」と・・・。

あぁ~・・・・・この子と私は永遠に合いそうもないや・・・・
そう思った瞬間だった。

10: カリン [×]
2013-01-20 00:48:35

寧々という子とは気が合わなかったが
他の人たちとはなんとか打ち解ける事ができそうだった。

私は夏休み期間、毎日そのトピックに顔を出した。
私を含め集会場の仲間は5人。
友達の事や家族の事、色々な話をした。

もっぱら私と流れ星は聞き役で、他の子が愚痴や悩みを言ってるのを
聞いてはなぐさめる役になっていった。

(リアでもここでも同じ役かぁ・・・なんか疲れるな・・・)

などと思っていても決して口には出さず
いつもニコニコと[^^]とか[w]を語尾につけ
明るい子を演出していた。

時には無性に泣きたくなる時もあったけど
文字の世界でだけは笑っていた。

色々考えすぎて苦しくて、でも答えは見つからなくて
考えれば考えるほど涙が出てくる。
それでもネットの中では笑っていた。

自分でもかなり矛盾してる行動だと自覚もしていた。

11: カリン [×]
2013-01-20 11:49:41












プロローグのようなものが終わり
いよいよ本編に突入です。





では、本編スタート!!












12: カリン [×]
2013-01-20 14:25:23

*第一章 偶然*









ーーーーー ジリリリリリリリリリリリリリ 

けたたましく目覚まし時計がなっている。

「ん・・・・」

まだ覚醒しきってない体で、目を瞑ったままパタパタと腕だけを動かし
そのうるさい雄たけびをかもし出してる物体へと手を伸ばした。

(ん・・・?なんで目覚まし時計が・・・?わたしセットしたっけ・・・・?)

夏休みなのにわざわざ目覚ましをかけるやつはいないだろう。
自分じゃないとしたら、いったい誰が?
朦朧(もうろう)としている頭で考えてた。

しかしその正体は直ぐにわかることになった。

ーーーーー ペロペロ・・・ペロ

(チョコぉ~・・・・・お前か!!犯人は!!!)

そう。
愛犬のチョコであった。

いつまでも寝ているご主人様を起こしに来たのだ。
犬語が解るなら「ご主人様~ 遅刻するよ~」
とでも言ってるんだろうな・・・。

チョコ君。今は夏休みと言って、学校が休みだから
早起きしなくてもいいんだよ・・・
チョコの親切は嬉しい・・・嬉しい・・・が!
お願いだからもう少し寝せて・・・・・・まだ6時じゃ・・・ん・・・。

半分夢の中でそう答えてた。

でも、いっこうにチョコの起きて攻撃は収まらず
とうとう根負けした私はベッドから起き上がった。

まだボーッとしてる頭でベッドから立ち上がり
部屋のカーテンを開けたら、あまりに天気がよく、窓を開け
雲一つない空を見上げながら、伸びをし、大きく深呼吸をした。

「んん・・・・・・・。
 いい天気だなぁ・・・」

その時、何気に視線を感じたので、その方向に視線を向けてみると

(!!!!!!!!!!!!!!!!!)

隣に住んでる幼馴染の雄太と目が合った。

(ぎゃあああああああああああああ)

声にならない声が出た。

なぜなら私は今、キャミに短パン。
そしてノーブラだったからだ。

慌てて部屋に戻り、今開けたばかりのカーテンもびっちりと閉めた。
私はヘナヘナと床に座り込み

「なんで雄太がこんな時間に起きてんのよ・・・
 見られたし・・・・・・
 はぁ~・・・・・・」

ガックリと肩を落としてため息を一つついた。




13: カリン [×]
2013-01-20 14:53:25

先ほどの一件ですっかり目が覚めてしまった私は
どうせ誰も来てはいないだろうと思いながら
集会場に行ってみた。

やっぱり誰も来ていない。
昨日落ちた時のままだ。
とりあえず書き込みだけしてみるかとコメントを書いた。





No457:チョコ

 おはよ~♪
 今日は朝から散々な目にあっちゃったw
 愛犬に目覚ましセットされてぇ~
 天気がいいから空眺(なが)めてたらぁ~
 幼馴染にキャミ姿見られたぁwwwwww(涙目







動揺してるせいか少々意味不明である。

そして私のニックは愛犬チョコから貰い「チョコ」にした。

誰かくるまでの待ち時間に雄太の事を考えてた。
そういえば雄太って高校に入ってから部活してないよなぁ
中学まではサッカー小僧だったのに、なんでかな?
私みたいにめんどくさくなっちゃったのかな?

あいつ昔っから面倒見が良くて後輩達にも慕われてたし
結構サッカーも上手かったような気もしたんだけどな
そういえば、女子にも人気会ったっけ。

あっ。でも、今でも女子には人気あるんじゃないかな?
雄太ってめっちゃ優しいやつだし、顔だってまぁまぁカッコイイと思うし。
そうだ、頭も良かったよ。
サッカー推薦蹴って進学校に行ったんだもんな・・・。

天は二物も三物も与えるんだね・・・
一つでいいから分けてください・・・・。

そんな事を考えてると10分後に集会場の更新があった。






14: カリン [×]
2013-01-20 15:09:59

No458:流れ星

おはよ~チョコw

なになに?
朝から露出狂したって?(笑)

と言うのは置いといて
ダメだよ~
外出る時はちゃんと服着ないとw








流れ星と私は同い年でもあるということから
かなり親近感があった。
それに、彼は常に紳士的だ。

他の男子のようなエロい発言やからかうような言葉は決して言わない。
もし言ったとしても、必ずフォローを入れてくれてる。

私はそんな流れ星に少しずつ興味をひいていった。

15: カリン [×]
2013-01-20 21:31:45

集会仲間の杏里(女・14歳)が

「先生うざぁ~い!
 このクソ熱いのに10㌔も走れとか
 バカじゃん!!」

集会仲間:ハイド(男・16歳)

「教育委員会に訴えろ!
 俺たちを殺すきかってw」

杏里

「私は女だ!!ばーか!」

寧々(女・17歳)

「大丈夫!
 杏里なら十分男らしいからw」

杏里

「ちょwwwww
 それ酷くないか?wwwww」

寧々

「^^」

流れ星(男・16歳)

「杏里にだって女の子らしいとこあるじゃんかw」

杏里

「どこどこーww
 流れ星。
 私のいい所を10個言ってみて~w」

ハイド

「一つ探すのも精一杯だろwwww」

寧々

「それ言えてるぅ~(爆)」

杏里

「・・・・・・・・・・・・」

流れ星

「杏里のいい所は
 優しい 気が聞く ・・・・・あとは・・・」

杏里

「ひでぇwwwww
 2個しかねぇwwwww」

チョコ

「杏里は優しくて人の痛みがわかる人だと思う
 悲しい事があっても笑ってみんなを和ませて
 癒してくれる
  
 私にとっての杏里はそういう存在かな?」

寧々

「でた・・・良い人ぶりっこのチョコ」

流れ星

「寧々~
 チョコは良い人ぶりっこじゃなくて良い人なんだよ^^」

毎日がこんなくだらない会話の繰り返しだった。


16: カリン [×]
2013-01-21 17:53:15

8月の半ば、世間では一般にお盆と言う日の事だった。
両親が、田舎の祖母の家にお墓参りをかねて2泊で行くと言い出した。
妹はまだ小学生なので喜んではいるが
私は行きたくはなかった。

親戚様ご一行が大勢いて、とても賑やかなのだ。
賑やかと言えば聞こえはいいが
はっきり言ってうるさい。

下は小学校1年生から上は高校生まで。
去年は、高校生組みは来てなかったな。
部活で合宿がどうのこうのとか言ってたっけ。
あれ・・・絶対ウソだね・・・
めんどくさいし、うざいから来なかったんだと思う。

だから私も行かない事に決めた。
でも、なんて言って誤魔化そうか考えるも一向にいい考えが浮かばなかった。

まず、部活に入ってないから合宿は無理。
補習があるといおうとも思ったが、それは私のプライドが許さない。(笑)
なんともちっぽけなプライドだが、これは譲れないのだ。

集会場のみんなにいい案はないかと聞こうかとも思ったけど
寧々にまた何か言われるのはしゃくに障る。

部屋であれこれ考えるよりも
外の空気を吸いながら1度頭をリセットして考えよう。
そう思い涼しくなった夕方を見計らい
1人散歩に出かけた。

17: カリン [×]
2013-01-21 18:23:49

住宅街を抜け、河川敷に出てみた。
河川敷では昔から小学生の遊び場になっていた。
野球をする子やサッカーをする子などが
河川敷の広い空き地でおもいおもいに運動している。

小学生の頃は、私もよくこの場所に来たっけ
別に野球やサッカーがしたいわけじゃなく
ただ、みんなが遊んでるのを土手に座り見てただけだったが
なにが面白かったのか1時間以上も見てたときもあったっけ。

そういえば、小学生の時は雄太も良くここでサッカーしてたな・・・。
雄太が一番上手合ったような気もする。

懐かしさのあまり、そのまま土手に座り込み
ボーッと子供たちが遊んでるのを眺めていた。

すると、後ろから突然声をかけられた。

「結衣(ゆい)?」

振り返ってみると雄太だった。

「なにやってんだよこんなとこで」

軽く笑いながら近づいてきた。

「なにって・・・別にぃ~・・・
 ちょっと考え事してただけだよ」

少し頬を膨らませながら
ばつが悪そうに答えた。

「てか雄太さぁ~
 その前に言うことない?」

「言う事って?」

「お久しぶりぃ~とかぁ~
 綺麗になってわかんなかったよ
 とかぁ~」

後者の綺麗になってわからなかったは
思いっきり照れ隠しである。
自分で言っておいてなんだが、バカじゃん・・・
言うにことかいてその台詞はないだろう・・・
と、穴があったら入りたい気分だった。

そんな私を見ながら雄太は大笑いをし
隣に腰を下ろした。

「なぁ。お前なんか悩みでもあるのか?」

不意に雄太に聞かれた。

「え?どうして?」
「だってお前むかしっからなんか考え事するときや
 悩んでる時って必ずここに来てるだろ」

驚いた。
なぜ雄太がそんな事を知ってるのかが。
確かに少し前までは、考え事に集中したい時は
良くここに来てはいたけど、なぜそれを知ってる・・・?
恐るべし雄太!

18: カリン [×]
2013-01-21 18:47:42

「ん~・・・悩みって訳じゃないんだけどね・・」

と切り出し、お盆に家族で田舎の祖母の家に行くことになったが
親戚も大勢集まるし、子供も大勢来る。
どうせ行ったって、子守役にさせられるのがせきのやまで
甲高い声で、泣くはわめくはの多重放送が苦手な事と
叔父さんや叔母さんに、学校の事とか色々聞かれるのが
めんどうな事などを話し、行きたくないのだと言った。

「そっか・・・
 じゃさ、一緒に口実考えようか?」

ニコリと笑った。
相変わらず爽やかな笑顔である・・・。
やっぱこいつモテるんだろうなぁ~・・・
などと思いながらも二人で知恵を絞る事にした。

しばらく土手に座り込み考えてはいたが
なかなかいい知恵は浮かばなかった。
そのうち夕飯の時間になり、いったん家に戻る事にし
晩御飯の後、雄太の家に行って再度知恵を出し合おう
と言う事になった。

19: カリン [×]
2013-01-21 19:03:46

ご飯を食べた後さっそく雄太の家へ行くと
久しぶりに会ったおばさんにいたく喜ばれ
もっと頻繁に遊びにいらっしゃいよ
と言われ、雄太が先に言っておいてくれたのか
ジュースとクッキーの乗ったお盆を手渡された。

それを持ちながら
勝手知ったる他人の家のごとく
まっしぐらに雄太の部屋まで直行した。

当然ノックはしない。
いきなりドアを開け

「やっほー
 来たよー」

と言いながら中に入っていった。

雄太は机に向かいパソコンをいじっていたようだったけど
私が入るなり慌ててパソコンの電源を落とした。

「なに慌ててんのよ」

私はニヤニヤしながら雄太を覗き込み

「あっれ~?もしかしてエロサイト見てたりしたぁ?」
「ばっ・・・・違うよ!
 ちょっと調べ物してただけ!」

私のニヤニヤは止まらず
ちょっとあきれたような表情をした雄太は
大きなため息を一つついた。

私だって本当は雄太がそんなもの見てないくらいは知っている。
晩御飯後に行くといってるのに
わざわざそんなものは見ないだろう。
ちょっとからかっただけだ。



20: カリン [×]
2013-01-21 21:09:40

おばさんから預かったジュースとクッキーを囲み
初めのうちは真面目に考えていたが
そのうちジッと座ってるのにも飽きてきた私は
つい昔のように雄太のベッドへとダイビングし
枕元に置いてあったジャンプのページをぱらぱらとめくり
読み出してしまった。

興味のあるものだけを読み終えると
そのままベッドにうつぶせ状態になり
目を閉じてみた。

(あっ・・・男くさ・・・・・)

とても失礼なやつである。
でも、目を閉じていると
聴覚と臭覚だけが異様に鋭くなるのが分かる。

雄太が少しでも動くと
布のすりこすれる音や
クッキーの甘い匂いなどに混じり
布団から微かに雄太の匂い。

昔とは違う匂いがした。
子供の頃は、土と太陽の様な匂いがしてたのに
いまは、大人の男のような匂いがする。

私が布団をクンクンしてると雄太が笑いながらそばに寄ってきて

「おまえwww
 なにやってんだよwwww」

上から両手で押さえつけられた。

「ギブギブ!雄太ギブ!!!」

あっけなく降参。
別に私は何も悪い事はしてないとは思ったが
こういう時は早めに降参するのがセオリーである。
抵抗すればするだけ羽交い絞めにされ
くすぐられるのだ・・・・。

「ったく・・・おまえは犬か!」

と、かなりあきれてるようだった。

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