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モン雑ファミリー集まれ!2/23912


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23524: Green-eyed monster [×]
2014-01-26 21:33:20

ブライトクロス
第八話 星の姿

昼休みに出会った二人の新一年生、ナキネとルナリア。
ルナリアは能力者であったが、あっさり疑問を解消出来たし、人畜無害と判断したので深入りは必要ないな。
ナキネはあの兄貴の事で色々と心配だが、その件については介入を拒んでいるようだ。
アヴィスも気にしていたが、自力で解決するというナキネには手出しが出来ず、本当に困った時の相談相手という位置に納まった。
あと大ダメージを受けたガラージもなんとか復活した。

C棟二階休憩室
六時間目の授業はアヴィス待望の兵役訓練だ。
「二年生に上がってから初めての訓練ですね
今回は五人チームでのシミュレーション戦です」
先生の説明を聞きながら、アヴィスがアルメリィに話しかける。
「直接の決闘が理想だけれど、今回は仕方がないわね
私の華々しい活躍を楽しみにしていなさい」
「わかった、すぐに戦闘終わらせて、余った時間でアヴィスのところを見学する」
「私のチームより早くクリアする気?
だったらその前に終わらせてやるわよ」
「それだとお前の活躍見れねーだろ」
「じゃあ私がアヴィスと同じチームになれば…」

俺のチームはアヴィス、ガラージ、クーン、メア。
一応ランダム選出のはずだが、偏ったもんだな。その一方…
「………」
「…仲間作るチャンスよ、頑張ってねアルメリィ」
「…そんなに緊張しなくても平気だよ、きっと」
「…生暖かい目で見てくれると思うぜ、多分な」
ある程度打ち解けてる俺達が一人もいなくて心細いだろうが、上手く乗りきってくれアルメリィ。

「じゃ、よろしくな」
「みんな、仲良くやろうぜ!」
いつも通りの俺とガラージ。
「………よろしく頼む」
クーン、コイツは無口キャラかな?
「がんばりまーす!」
元気の良いメアさん。
「私と同じチームになれて良かったわね
期待してくれていいわよ」
で、自信満々のアヴィス。
「う…うん…」
昼休みの件でメアさんも引いているようだな。

「今回の内容は基本である地表迎撃戦です
十分の休憩を挟み、二十分の戦闘を二セット
説明は以上、皆さんのマガジンのロックを解除しました
それでは各チーム、訓練室へ入室してください」
迎撃戦か、制限時間全部使うから、どのみちアルメリィはアヴィスの活躍を見られないな。

訓練室一
「この光景はいつ見ても息が詰まりそうだぜ…」
設計は普通の教室と同じだが、この部屋には何も置かれていない。
それだけなら殺風景で済むことなのだが。
「ブキミだよね~、この部屋…」
「すぐにフィールドになる…とは言ってもねぇ…」
この空間を禍々しく見せるものがある。
床、壁、ドア、窓、天井に至るまで全てを無数の魔法陣が覆い尽くしているのだ。
それも異なる魔法陣が幾重にも重ね書きされ、それぞれを判別する事も困難な状態になっている。

『スペース・エンラージ』
部屋を構成する六面全ての魔法陣のいくつかが光を放ち、その姿が浮かび上がる。
すると部屋全体が急激に巨大化していく。
俺達を取り残して、空間そのものが引き伸ばされているのだ。
十数秒で光が消え、広大な拡張空間が完成した。
「まるで自分が小人になったみたいよね
気分はまさに『不思議の国のアヴィス』だわ」
「は?」
「んん?」
「………」
「え?」

『フィールド・クリエイト』
先程とは別の魔法陣が作動し、景色が書き換えられていく。
星々が煌めく、暗黒の空。
地平線の遥かまで、せいぜい砂と岩と起伏だけの世界。
俺達が『上層天地』と呼ぶ、白の星の本当の姿だ。
「フィールド形成後から入れれば、あんなおぞましい部屋見なくて済むのになあ」
「……これほど精巧な魔法空間に連れて行くのだから、途中段階をスキップする事は不可能なのだろう」
「冷静沈着って感じだね~、クーンく…えと、クーンさん?」
「……『クーン君』と呼びたければ別に構わない
……好きなように呼んでくれ」
「好きなようにって言われるとなんつーか、どうせなら『クール』って呼びたくなるよ」
「…クール、か…それでもいい
…名前が変わっても、本質は変わらない…俺は俺だ」
「完璧だわ、クールで決定ね」
「まったく、得な名前してるぜ」

「ところでよ、ここからじゃ見えねーけど、この裏側の半球なら青の星が見えるんだよな」
「ちっちゃい頃から、母さんや父さんや先生達にも、ずぅーっとキレイな星だって教えられてきたけど、直接実物見た事無いよね~」
「見た人の話じゃ本当に感動する位綺麗らしいよ」
「……見る事が出来なくても……俺は、光栄だ」
「え、どういうこと?」
「……俺達金の民が遥か太古から護り続けてきた星が、そんなに美しいのなら……先祖達は偉大だ
……その一員として青の星を護る役目を与えられている事を……俺は誇りに思う」
「そうね、クールの言う通りだわ
私達が本当の戦いをする事が無いとしても、必死に訓練に取り組む事は青の星のために変わりない
青の星のために努力する事自体、ご先祖様たちへの礼儀でもあるのよね」
「二人とも深いなぁ…
私、そんなふうに考えたこと無かったよ」
「俺もだ、二人の話聞いたらいっそうやる気出てきたぜ!」

「………いや、そういう事じゃなくてだな」
すっかり話の流れをもっていきやがって。
「それも良い話だったけどさ、俺が言いたいのは守護者だけじゃ終わりたくねぇよなって事だ
青の星へ、いつか行ってみたいだろ?
自分の足であちこち歩き回って、自分の目で色んなものを見たり…とかさ」
「金の民はあくまでも守護者よ…って言いたいところだけど、実は私も同じ事思ってたわ
どうせ同じ気持ちなんだから、もしも行く時は一緒に行きたいわね、キュリオ♪」
「アヴィスと一緒かよ…」
「ん?何か言った?よく聞こえなかったけど」
「いや、べつにィ~」
「よし、じゃあ俺も行くぞ!」
「私も~!」
「……俺も、行きたい」
「じゃあ皆でいつかきっと青の星へ行くわよーッ!」
つっても行けるあては無いんだけどな。
まっ、今はこの気持ちを分かってくれる奴がいるだけでも充分だぜ。
「………そろそろ、始まるぞ」
星々の煌めきの中に、いっそう強い輝きが見えた。
あれが、青の星の敵…ミーティアの光。

第八話 星の姿 終
次回 動地の剣

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