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中学生・高校生チャット
自分のトピックを作る
23263:
Green-eyed monster [×]
2014-01-13 00:42:57
ブライトクロス
第四話 押し付けがましい救い主
朝七時 賢者の館
「おはようキュリオ、ちゃんと来たわね」
「ふあ~あ…おはよ
館が通学路からあんまり外れてたら来なかったよ
てか七時集合って早すぎだろ、眠いぜ」
「時間には余裕を持つの、五分前行動って奴よ」
「俺とお前の間で『五分』の認識がこれほど違ってるとは思わなかった」
賢者の海、五階
「おはようアルメリィ、ちゃんと起きてたわね」
「別に貴女を待ってた訳じゃないけど
それに、そもそも寝る必要って無いし」
「どう考えてもあるだろ、ありまくる
ちゃんと寝ろ
俺はむしろ足りてない、アヴィスが予定繰り上げさせたせいで」
「アルメリィ、制服は?」
「どっかいった」
「まぁ、不登校だもんな」
「そう、その事はあとでいいわ、お弁当は?」
「用意してない」
「行く気ないもんな」
「予想して貴女の分も用意してあるわ、朝ご飯は?」
「食べてないし用意もない」
「それも予想して持ってきたわ」
「俺も食べてないんだがな、アヴィスが予定繰り上げさせたせいでぇ~」
「それも予想して貴方の分も」
「よし、お前を嫁に貰ってやってもいいぜ
………なんだ、その本気で嫌そうな顔は
冗談で言ったけど、そんな反応されたらちょっと傷つくじゃねーか」
「そもそも私、食事って必要無いんだけれど」
「いやどう考えてもあるだろ、ありまくり過ぎる
ちゃんと食えッ!」
「アンタどんだけ非常識な生活してんのよ、身体大丈夫ゥ?」
アヴィスがアルメリィの身体を撫で回す。
「ああっ、なんて嫌らしい手つき…」
「何これ!?アンタ痩せすぎ!骨よ、骨!
あっ…ボーンよ、ボォオーン!」
「わざわざ言い直す必要はあったのか?」
「語感が良いじゃない、ボーン!力強い感じで」
「アルメリィに力強さなぞ微塵も無い訳だが?」
「まっ、とにもかくにも皆で朝食にしましょ
炊いた白米と焼いた魚と焼いた卵と味噌のスープ」
「ほう、これは和食だな(何故か)
いただきま~す、ぱくっ」
「別に要らないのだけれど、うるさく言われそうだから私も大人しく摂取しておくわ、ぱくっ」
「………ん!」
「………むむ!」
「この焼いた卵ッ!…アヴィス貴様ァ~~ッ!」
「ふふっ、美味しいでしょ
当然よね、なにせこの私が直々に…」
「これは一体どこの総菜屋で買ったんだァーーー!?」
「………」
「教えろッ、今度買い占める!」
「そうねぇ~、たしかぁ~、晴れの海の方だったかしらぁ~?」
「マジかよ…そこは遠すぎるぜ…」
「ごちそうさま
久々に食事するのは良かったわ、感謝する」
「貴女にも少しはそういう心が残ってて嬉しいわ
さて、卒業した姉さんの制服持って来たから、ひとまずこれに着替えなさい」
「えぇ~…着替えないし、行かないし…」
「強引にでも着替えさせるし、連れてくし」
「ちょっ!やだ!脱がさないで!」
「俺の事は構うなッ!そのままやるんだアヴィス!
自分の使命をまっすぐに全うしろォオオオッ!!」
「起きなさいクズ
登校するわよ」
「ん…ああ…何故だろ、顔がすごく痛むんだが…
あとなんか…重大なものを見逃した気がする…
あっ、 意外と制服似合うなアルメリィ」
「行きましょうか」
「ああ、そーだな」
「今日からは余分に頑張らないとね」
「しょうがないから少しは手伝ってやるよ」
「良い心がけよ、流石は我がしもべ」
「誰がしもべだ、ふざけんな」
「行ってらっしゃい、二人共気をつけて」
「いてきま~」
「はーいママ、行ってきまーす!
………じゃなくてッ、アンタも行くのよ!」
アルメリィの手を引っ張るアヴィス。
「あぁ~ん、離してよぉ~」
「軽い!軽いわよボーン!楽ぅに引っ張れるわぁ~
食事を軽視した結果よ、反省なさい、アハハハ♪」
地上
「疲れた……だいたい私、スクールなんて行く気なかったのに、こんなとこまで連れ出して…」
「この期に及んでまだそんな事言ってんのか、潔くねえな…てか、疲れんのはえぇよ」
「どうせボーンは口だけよ、言ってるだけで抵抗してないもの」
ハッとしたように顔を背けるボー…アルメリィ。
「ゴチャゴチャ言ってても、ほんとは戻りたい気持ちがあるんでしょ?」
「貴女に私の何がわかるの…」
「別に?そこはスクールに通いながら追い追い…」
「私なんかがね!あそこに行ったって誰が喜ぶっていうのよッ!?
誰も得なんかしやしないんだからほっといてッ!」
そういう展開やめてくれ、俺が気まずい。
「誰が得するってぇ…?私に決まってんでしょッ!
『私が』アンタを必要を必要だと判断したの!
アンタは私の大事な目標なの!
そこに『アンタの』意志も都合も関ッ係無い!
アンタは私のためにスクールへ来ればいいのよッ!」
「………!」
「なんか文句ある?」
バカなのか、文句しかねーだろ、常識で考えろ。
「………貴女、今の私を完全否定してくれたわね
確か貴女の目的は真人間の私を倒す事…
私がそんな風になると、本気で思っているの?」
「本気で思ってるし、私がそうさせるのよ」
「………そこまで言うのなら、やれるだけやってみるわ、変われるように」
オイオイ…アヴィスは地雷踏んで、逆ギレして、暴論振りかざしただけだ。
よく考えると別にそんな良い話じゃないんだぜ?
なのにな~んでこのアルメリィは感化されてんだ?
ついてけねぇ…俺だけ置いてきぼりだぜ。
「それで良いのよ、ボーン…いえ、アルメリィ・オリアート」
道中
「ハァッ、ハァッ…き、休憩…」
「またかい、体力無さすぎるだろ、流石に」
「フゥフゥ…海の中じゃ…肉体の負担…軽いから…」
「そうは言っても生活は海の上だろ」
「フゥー…フゥー…いや…ずっと、潜ってる…」
「なにぃ!?」
「アルメリィはむしろあそこが生活の中心なんでしょ」
「でも、あの海は精神に影響するって…」
「個人差があるんでしょ、多分私も結構平気
細かい事でビビって、情けないしもべだわ」
「ああ、そうだった…
コイツら最初からまともな神経してねえんだったな」
「それにしても、まだ時間はあるとはいえ、正直じれったいわ」
「フフフ…いいのよ、見限ってくれても…」
自虐的な笑みを浮かべるアルメリィ。
「バッカねえ、私は決めた事を途中放棄するような女じゃないんだから
出番よキュリオ、おぶってやんなさい」
「やだね
真人間にさせるなら自力でなんとかさせるべきだろ」
「なるほど、それもそうね
お前の視点もたまには役に立つじゃない」
「俺はこのままゆぅっくり登校していいぜ
遅刻しそうになったら置いてくけどな」
「私も今はゆっくりで構わないけど、移動が全部このペースじゃ絶対どこかで困るから、何か手段を考えないと」
「そうだな、時間のある時に体力つけさせるとして
すぐに出来て、なおかつ自力の移動手段が必要だな
でもそんなのあるかぁ~?」
「う~ん………
そうだわ、素直に長所を活かせばいいじゃない!
アルメリィ、貴女翔べるでしょ」
「何言ってんだ?風靴も無いのに」
「やったこともない…」
「出来るわよ、私に勝てる貴女ならね」
第四話 押し付けがましい救い主 終
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