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―Φ― エインヘリャルの痛哭 ―Φ―[ ダークファンタジー / キャラロスト有り ]/91


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79: ヒース [×]
2022-03-30 10:23:22



>77

 先生が窓の方へ視線をやるのにつられて、わたしも格子から覗くその爽やかな景色をそっと見た。空の色、木の葉の揺らぎ。飛び込んできた情報がきちんと脳内で処理されていることを自覚して、今のわたしはちゃんと冷静だ、とひとりでに安堵する。これは勢いなんかじゃない。ましてや自棄でも決してない。
 そして一つ、意を決したように息を吐く。わたしは極めて冷静に、目の前の恩師へと向き直った。

「はい。戻ったら仕事を辞めて……彼を探しに出ようと思います」

 一区切りついてほしそうだった話題を掘り返す。わたしにとって何より重要なことだった。先生、本当にごめんなさい。でももう決めてしまいました──。謝ったところで意思は変わらないから、謝罪は心の中だけでした。奥歯を噛みしめる。先生の責任は一つもない、全てわたしが選んだことだ。だからこれはわたしの道。

「わたし、もう後悔したくないんです。あの人を想いながら、あの人に添おうとしなかったことを」

 返事を待たずに言葉を重ねた。わたしの浮かれた視線の先で、日々を過ごしていたあの人を思う。彼はいつも同じものを見ているような気がしていた。一体何を見ていたのか、幼いわたしは気付けなかったし……今後知れたとしても、きっと同調はできないけれど。

「けれど、まだ間に合うと思うんです。わたしの手で何かを変えられるはずだと、過信しているわけじゃありません。でも、彼の目にも! ……違うものが見えることくらいなら、きっとあると思うんです……」

 先生。彼のことを教えてくださって、ありがとうございます。涙が溢れてしまいそうだったから、声に出すことはしなかった。その代わり深く頭を下げて……しばらくの後に顔を上げる。恩師の目には、教え子に対する深い慈悲が宿って見えた。わたしは恩知らずで、命知らずなのかも知れない。そう思いながら、また図々しくも口を開いた。

「お願いします。先生が知っている範囲で構いません。先生が知っている彼の全てを、どうかわたしに教えてください」



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