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―Φ― エインヘリャルの痛哭 ―Φ―[ ダークファンタジー / キャラロスト有り ]/91


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23: ???&???→ナジャ [×]
ID:09beb1e04 2022-03-06 20:21:50



>ロヴァル


【 エピソード・ロヴァル / Ⅰ.深碧のタリスマン / ユーダリル山脈付近のとある小屋 】


「……それは確かなのか?」

腕を組んで壁に背を預けながら、黒い布で口元を隠す暗殺者然とした風貌の女は猜疑的な目を相手に向けた。

「僕の魔法で隅々まで調査した結果さ。間違いないよ」

ボロボロの木製机の上にお利口に座る黒猫は、前足の一つで顔周りを毛繕いしながら自信たっぷりに返した。
それは声帯を震わせ届く肉声ではなく、どうやら直接女の頭へ響いているようだった。

「……。お前たちにメリットがあるという事は解った。だが我らが戦力を投入しリスクを冒してまでそれを破壊する見返りは?」

少しの沈黙の後、肉食獣特有の鋭い目を煌々とさせながら女は問う。
軽装の裾から伸びる斑模様の白い尻尾が相手を見定めるようにゆらゆらと揺れている。

「単純。あれさえ壊せば労せずともいずれ確実に谷を落とせるのさ。」

造作もないことのように言い張る黒猫の言葉に女は思わず鼻で笑った。

「兵糧攻めか。気長な話だな」

肩を竦める女。
黒猫は目一杯に身体を伸ばして肉球を開閉した後、女の方へ上半身を向き直り猫の目を不敵に細めて

「そうでもないよ?”狩人”はそれほど多くない。中でも驚異になりそうなのはたった7人――いや、一人殺したから今は6人か。しかも奴らは弱者を守りながら戦う。そして山脈の番人を掃除すれば…」
「レシエンタに繋がる侵攻ルートをひとつ増やせる」
「御名答」

楽しげな黒猫の即答、一呼吸分の間を挟んでから女の溜息。
それは苛立ちでも憂いでもなく決意の現れ。

「いつやる?」
「近々。まあ合図は出すからさ、いつでも戦れるように準備してて」
「…了解」


Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ


【 イチイの谷 / 墓地 】


いくつもの墓石が並び立つ墓地を吹き抜けた風が、女の赤毛をそよそよと遊ばせた。
風の精のいたずらに付き合うにしては暗い表情をして、ひとつの墓標を指先でそっとなぞり

「スタン……。」

今日は彼の誕生日で、生きていれば34歳になる筈だった。
その大切な名前を呼ぶだけで、普段は笑顔の裏に隠して押し殺していた悲しみが奔流になって押し寄せ、脳から視神経を犯し自意識とは関係なく一筋の涙が頬を伝い、

「…っ、アメリは、元気よ。」

ぐし、と手の甲で涙を拭って、努めて明るく発声しようとして酷使された喉は情けなくも震えた声を音に乗せ。

「お隣のおばあちゃんはいつも手作りのお菓子をくれるし、酒場のマスターだって仕入れた食材を二人分取り置きしてくれるし、ロヴァルだって――――」



( / いよいよ本編のスタートです。冒頭の文章はプロローグですので、スポーン地点はナジャと同じイチイの谷・墓地でお願い致します。今日がかつての戦友・スタンの誕生日だったということを覚えていて、墓参りにやってきたところ先にお参りしているナジャを見つけて…という体で絡みをお願い出来ますでしょうか。もし差し支えなければ、ナジャのセリフは冒頭から聴こえていたということにして頂けますと助かります。以上、今後とも宜しくお願い致します。)




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