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431:
tenma [×]
ID:6aed18bc1 2020-09-17 00:57:24
>>430
――それにしても、潜入を見破られるのが早いな……
その言葉にハッとした表情で顔を上げる。要塞前で一芝居打った時に感じた、ねぶるような懐疑の視線。落ち着いた今だからこそ断言できるが、あの視線の主は間違いなくラヴィだ。
仮に人の本質を見抜く力があるのだとすれば、彼女が身を削ってまで慕い守ろうとする王女マチルダは、一体どれだけ徳のある人物なのだろうか……想像もつかない。
「私が善戦及び生還出来たのは、まあ事前に用意しておいた策の効力もありますが……やはりステラ様の采配のおかげです。あれが無ければダウファール河に骨を埋めることになっていたでしょう」
確かに有事のためにと編み出した"六天撃"は非常に役立ってくれた。しかし万全の状態で二度も撃てたのは、白聖騎士団の襲撃によって数の不利が緩和されたからに他ならない。大人に褒められたことで不遜になりかけた自分を戒めるかの如く、努めていつも通りの淡白な表情と言動を心がける。
「ステラ様にして欲しいことなら……あります。私を――」
話は"大人のやり取り"に移った。普通ならここで見返りとして金品や帝国内での地位を要求し、ついでに休暇を取って羽を伸ばすのだろう。しかしゼクシアが用意していた答えは、そういった普遍的なものと一線を画していた。
「私をステラ様の私兵にしてくださいませんか。帝国からの支給で生活には苦労しておりません故、労働の対価などは求めません。ただ……お傍に置いてくださるだけでいいのです」
いやにスラスラと出てくるゼクシアの言葉。まるでこの任務を請け負った時から考え、準備していたかのようである。
傭兵がエリートコースを歩む軍人の私兵になるということは、先日のような雑用や今回のような秘密の任務は勿論、主の身に危険が迫った時の用心棒まで何もかも望むままに引き受けるということだ。
危険な任務を遂行した褒美に更なる労働を、それも無償で要求するという異常極まりない提案だが……生憎ゼクシアは本気である。
ステラにその気は無かったのだろうが、彼女の言動でゼクシアは完全に懐柔されてしまっていた。軍人として心酔し、姉や母親のような存在として早くも依存しかけているのだ。
言い終えるとゼクシアはほんの僅かに頬を赤らめ、期待に胸躍らせて返答を待つ。
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