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魔女と王子様/33


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自分のトピックを作る
■: ハナミズキ [×]
2014-08-06 15:25:24 

あらすじ 

ある国に、双子の兄弟が生まれました。
双子の兄の方に、強大な魔力があることがわかり、母親のお腹の中にいる時に、伝説の魔女と言われる魔女が、時期がくるまでその力を封印すると言いました。

封印している間、その王子の命を守るために、伝説の魔女が手元に置き育てる事になりました。

王の座を狙う不埒な臣下の魔の手から逃れるために、魔女と王子は奮闘します。


1: ハナミズキ [×]
2014-08-06 15:37:21

この世界では、魔族と人間が共存している。
魔族といってもピンからキリまでおり、微力な魔力しか持たないもの、強大な魔力を持つ者、さまざまだ。

世界には大きく分けると10の国がある。
その国の中でも、また、幾つ物小さな国が存在をするが、それらの国々を統括するのが、その大陸の王さまである。

この地球で言うところの、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、アメリカ大陸などがそれにあたる。それぞれの大陸に、それぞれの小さな幾つもの国があるように、この世界でも10に分かれた大陸があるのだ。
その頂点に立つのが、もっとも魔力が優れた魔王であった。

しかし、一つだけ例外の国が存在していた。
その国の魔王は、魔力を全く持たない人間だったのだ。

2: ハナミズキ [×]
2014-08-06 15:49:11

元々その大陸は、魔力の強い魔王が支配をしていたが、その王に跡継ぎである王子が生まれなかったため、一番魔力の強い王女が新しい魔王となった。
その王女が結婚相手に選んだのが人間だったのだ。
魔族と人間の間に産まれた子共は、魔力を全く持たない子が産まれてくる事が多い。

女王のお腹に子共が宿った頃、1人の魔女が現れた。
その魔女は、伝説の魔女と呼ばれ、古の遠い昔からその地に住んでおり、この地を作った創設者だとも言われている。

しかし、古の昔から、その姿を見た者は本の一握りしかいないという。
なぜならその魔女は、人前に出る事を嫌い、ひっそりと村の外れで人間として暮らしていたからだ。


3: ハナミズキ [×]
2014-08-06 16:08:34

では、なぜその伝説の魔女が急に現れたのかと言うと、女王のお腹に宿った子共の魔力があまりにも強大だったため、生をなし、自我が芽生え、その魔力を自分でコントロールできる器に成長するまで、その力を封印しに来たのだ。

封印をしないでおくと、少しの感情でその魔力が暴走し、小さな国なら丸ごと一つ破壊してしまうほどの力を秘めていたからだった。
そんな事にはならないように、その子が生まれてくる前に封印をした。
そして、その子が産まれたら、自分に預けるようにとも言った。

女王は初め、可愛い我が子を手放せるわけがないと断った。
しかし魔女は

「お前にはもう1人王子がいるではないか。
「もう1人ですか?」

おかしな事を言う魔女だと思った。
女王には、いまお腹にいる子が初めての子だからだ。

「・・・あぁ。お前は二人の王子を産むのだ。
 そのうちの1人を私に預けなさい」

女王はなくなく承諾をする。
そして魔女はこうも言った。

「王子に会いたくば、いつでも愛に来るが良い。
 時が来ればお前たちの元に戻そう。
 それでいいな」
「それは本当でございますか?」
「ああ、約束しよう」

その約束どおり、魔力を持ったままの第二王子ダニエルを、女王と王の元に残し、強大な魔力を封印された第一王子ブライアンは、伝説の魔女サラの元に行く事になった。

4: ハナミズキ [×]
2014-08-06 16:21:46

その年の夏、産後の無理が祟ったため、女王が崩御した。
王の座は、その国の王の子共にしか受け継がれる事ができなかったため、まだ赤子の王子が王の座につく事が不可能だった。
そのため、王子が一人前の男となる成人の儀まで、その中継ぎを夫である何の魔力も持たないただの人間が王の座につく事になった。

ただの人間が収める大陸は、野心の塊のやからがよく王の命を狙いにやってくる。
しかしこの王の背後には、あの伝説の魔女サラがついていた。
養い子の父親である王の事を密かに守っていたのだ。
養い子である第一王子ブライアンが、本来の魔力を手にし、この大陸を収める魔王となるその日まで。





―――-  つづく  ――――

5: ハナミズキ [×]
2014-08-07 19:50:32

「サラー!腹痛の薬草ってこれでいいのかー?」
「そうよ、ちゃんと覚えてたのね、偉いわよブライアン」

人間の振りをしているサラは、普段薬草を摘みそれを調合して街に行って売っていた。
そのため、足りなくなった薬草を摘みに、家の裏山に取りに行っていたのだ。
サラに褒められ満足そうなブライアンと、素直で賢く育ってくれた養い子の頭を、愛おしそうに撫でるサラの姿がそこにあった。

あれからブライアンを養い子として育ててから、7年の歳月が流れていたのだった。

サラとブライアンは、親子というより姉弟のように見える。
サラは、いにしえの昔からこの大陸に住んではいるものの、見た目は18歳くらいの少女にしか見えない。
髪の色は大地のような栗色で長く、瞳の色は空と海を合わせたようなブルーだ。
聡明な顔つきで、とても美しい少女だった。

魔力が強ければ強いほど、ある一定の年齢になると、魔族は年を取るのが極端に遅くなるのだ。
その為サラの身体は、18歳の時のままその老化を止めてしまったのだ。

ブライアンは今のところ順調に成長しており、知識の吸収力がもの凄く早い。
魔力が封じられているので、人間と同じように働き、同じように考える。
魔力で何でも解決するのではなく、知っている限りの知識を利用して解決できる道を探し出す。
そういう環境に置かれていたのだ。

6: ハナミズキ [×]
2014-08-07 20:20:40

一方第二王子であるダニエルは、臣下の魔法教授の下、魔法術を学び、その力を少しずつ開花させていった。
しかし、臣下の中にはよからぬ企みをする者もいて、魔力のない王様に変わり、自分が王の実権を握ろうと考えている者がいた。

その男は亡くなった前女王の叔父であり、この大陸の摂政でもあるミズモラ大臣だ。
彼はこともあろうか、自分の出戻り姫である娘を、王の後妻へと薦めてきた。
出戻り姫ヘレナには、今年10歳になる息子カートがいる。
魔力もダニエルよりは少しだけ強い。
自分の娘を後妻に押し込め、ゆくゆくは魔力の大きさをたてにして、カートを王にし、その実権を自分が握るつもりだ。

魔力のない王に仕えていた大臣や臣下達は、いつ隣国の大陸から攻められるか分からない不安から、その提案を飲む事にした。

王様も臣下の気持ちを汲み取り、その年の秋に結婚をした。
しかし、甘やかされるだけ甘やかされて育ったカートは、かなり我がままで尊大な性格に育っていた。
正当な王位継承者であるダニエルに対し、嫌味を言ったり、気に食わない事があれば、すぐ魔力で攻撃を仕掛けてくる。
継母であるヘレナも我が子を可愛がり、先妻の子であるダニエルをないがしろにしていた。

王様は実務が忙しく、その事実を知らなかったのである。

7: ハナミズキ [×]
2014-08-07 20:43:10

自然と動物に愛され、養い親でもあるサラにも愛されて育ったブライアンは、今日も元気にサラと一緒に街で薬草を売っていた。
客が途切れ暇になると、近所の子供たちと一緒に遊び、悪戯をしては大人たちに叱られていた。

サラの元に薬草を買いに来た客が

「最近王様がご結婚されたみたいだけど、新しいお后様が王子様をいじめてるらしいって話
 あなた何か聞いてない?」
「いえ。なにも。
 その話誰から聞いたんですか?」
「あら、もっぱら有名な話よ?
 みんな知ってるんじゃないかしら」

サラは、そんな噂がこんな城下町にまで広がっている事に対し、怪訝な表情を表した。
これは近いうち城に様子を見に行かなければならないと。

ブライアンを引き取ってから、城の様子はリアルタイムで直ぐ分かるように魔法をかけてある。
だからそのような事は、噂を聞く前から分かってはいた。
城内で留まっているうちは、見てみぬ振りをしようと決めていたが、外にまで漏れてしまっているとは・・・。

ブライアンの事を知っているのは、王様と第二王子ダニエルだけ。
王様とダニエルは、ブライアンに会うため、時々城を抜け出し会いに来てくれていた。
そして、サラの元に居る理由も知っていた。

しかし最近の王様は実務が忙しいため、なかなか合いには来れないらしい。
サラはブライアンを連れて会いに行く決心をしたのだった。




――――  つづく  ――――

8: ハナミズキ [×]
2014-08-09 12:03:39

人前(魔族の前)にはあまり姿を見せたくないサラだったが、いたしかたない。
夜になるのを待ち、王様とダニエル王子にコンタクトを取った。
王と王子の目の前に、天井からヒラヒラと一枚の紙が舞い降りてきた。
それを手に取り読み終えると、紙は跡形もなく消えうせた。

連絡を貰った王子は、人払いをされて1人執務室で待っている王の下へ訪れた。
二人が揃ったのを見計らったかのように、サラとブライアンが現れた。

サラは執務室全体に結界を張り、中の様子や物音が外に漏れないように魔法をかける。

サラの話を聞き、王様は初めてその実情を知るのだった。
王とサラが話している時は、二人の王子は大人しく、仲良く遊んでいる。
ダニエルが今までに覚えた魔法を使って見せたり、ブライアンはサラから教えて貰った知識をダニエルに教えたりと、本当に仲の良い兄弟だった。

しばらく王様と話していたサラが突然ダニエルを呼び

「ダニエル、あなたにわたしの加護を授けるわ。いらっしゃい」

側に寄って来たダニエルに膝をついて抱き寄せ、額にキスを施した。

「これであなたに何が起こっても、私が瞬時に助ける事ができるわ。
 ブライアンがこの城に戻るまで、あなたが守るのよ?できる?」
「はい!できます、サラ様!」

元気良く返事をするダニエルだった。

9: ハナミズキ [×]
2014-08-09 12:13:18

魔法の勉強をする時、カートはダニエルが魔法を使えないように妨害してきたり、本を隠したりと、さまざまな嫌がらせをしてきた。
剣術の練習の時も、魔法を掛け邪魔をし、自分が有利になるように嫌がらせをしていた。
そのおかげで城内では、正当な後継者のダニエルよりも、ヘレナの連れ子のカートの方が優秀だと評判になっていった。



それから10年後、カートの祖父であるミイズモラ大臣の悪巧みに、うまく言いくるまされていたカートは、自分こそは大陸の王にふさわしいと思い込み、そして甘やかされて育った結果、自分には強大な魔力があると錯覚し、祖父ミズモラと友に大陸拡大の野望を抱くようになる。


そしてその計画は、実行されようとしていた。

10: ハナミズキ [×]
2014-08-09 12:53:35

ミズモラは、魔力が使えない王様に、隣国の動きがどうも怪しい、兵を動員して戦争を仕掛ける準備をしているらしいと耳打ちした。
后の父親でもあり、この国の摂政でもあるミズモラを信用していたので、ミズモラの進言どおりに魔族で固めた軍隊を作り、隣国へと出発した。

そんな計画をサラが知らないはずもなく、この大陸から兵たちを出さぬように、国境付近の森に迷いの術をかけた。

一月ほど森の中をさまよい続け、兵糧が底をついた頃に城に戻るようにしむけた。
そんな事が数回続くと、何かがおかしいと感じ始めたミズモラだったが、カートのほうは一向に気づく気配はない。

数回の失敗でミズモラのイライラは隠せなくなってきていた。
早く実権を握りたいのに、ことごとく失敗するからだ。
隣国を我が領地にする事で、孫カートの実力をみなに認めさせ、時期国王に就かせようと目論んでいた野望がなかなか果たせぬため、業を煮やしたミズモラは、王子ダニエルを亡き者にしようと計画を変更した。

初めは事故に見せかけ、魔力の暴発で亡き者にしようとしたが、見えない何かに守られ、ことごとく防御される。
次に思いついたのは毒殺だ。
食事の中にたっぷりの毒を混入する。
サラのおかげで、生死の境をさまよいはしたものの、一命を取り留めたダニエルだった。

しかし、その後遺症でダニエルの魔力が消えてしまったのだ。
消えてしまったと言っても一時的なもので、だからと言っていつ戻るのかわからないといった、不確定な消え方だった。

11: 匿名さん [×]
2014-08-09 13:15:40

ダニエル危うし

12: ハナミズキ [×]
2014-08-09 16:16:06

ダニエルの魔力が消えさり、喜び勇んだカートとミズモラ。
跡継ぎにはカートをと王様に進言してきた。
王様はいずれ戻る魔力だからと言い、それを拒んだ。
ミズモラはなおも

「魔力のない王様と王子様が居るこの大陸に、いつ隣国が攻めてきてもおかしくない状態ですぞ。
 そんな危険を、いつまでこの国の民に見ていろとおっしゃるんですか!
 迅速に、強大な魔力のあるものが次の魔王となってもらわなければ、我々も、この国も、
 安心できませんぞ」

王は顔色を変えることなく

「では、次の王は誰が良いと思うかな」

ミズモラは勝ち誇ったような顔で

「恐れおおくながら、その資質たる在る者は、カート様がよろしいかと思われますが」

にやりと不敵な笑みを浮かべながら言った。

「そうか、そちはカートが良いと申すか」
「御意」
「だが私は、次の王は既に決めておるのだ」
「その方は一体どなたでございますか」
「我が息子、第一王子のブライアンだ」

満面の笑みを浮かべながら言った。

「第一王子はダニエル様ではなかったのですか?」
「ダニエルは第二王子だ。
 ブライアンは生まれる前から魔力が強大すぎて、その力はいまは封印しておるのだ。
 そして、ある人と共に暮らしておる」

「封印されておいででは、魔力が使えないのではないですかな。
 そのようが場合、国にもしもの事が起きればいかがするおつもりか!」

「案ずるな、ブライアンと共に居るお方は、その力もさることながら、知的聡明で信頼できる
 お方だ。
 もしもの時などない」

「ならば、そのブライアン王子様とその方を、この城に呼び寄せてはいかがですか」

ミズモラは、魔力が使えない王子と、そこそこ魔力が使えるその者を自分の側に呼び込み、まとめて亡き者にしようと考えていた。





――――  つづく  ――――

13: 匿名さん [×]
2014-08-09 16:18:42

ミズモラめ

14: 名無しさん [×]
2014-08-10 00:37:18

う?

15: ハナミズキ [×]
2014-08-10 15:33:57

その頃サラとブライアンは夕食を食べていた。

「サラ、このシチューうまいな」
「うまいじゃなくて、美味しいでしょ?」
「いいだろ・・・そんな細かい事」

「チエッ・・」と言いながら、二人は楽しく会話をしながら食べていた。

食事が終わり、後片付けも終わると、サラはお風呂に入りに行った。
服を脱ぎ、シャワーを浴びながら身体を洗おうとした時、石鹸が無い事に気づく。
脱衣所のドアを開け

「ブライア~ン、石鹸ちょうだ~い」

居間に居るブライアンに聞こえるような大きな声で叫んだ。
ブライアンは言われたとおりに持っていったが、一糸まとわぬサラの姿を目にして、思わず顔が引きつる。
石鹸を渡しながら

「おまえなぁ・・・・俺だって一応男なんだぞ?
 恥じらいってものがないのかよ・・・・ハァ・・・」

そう言うとすぐさまサラから目を逸らし、後ろを向いた。

「何言ってるのよ。
 ついこの間まで一緒にお風呂に入っていたくせに」
「ついこの間じゃねぇよ!10年も前だ!10年!!」

そう、ブライアンは今年で17歳になっていた。

「10年なんて昨日と一緒じゃない・・・」
「・・・サラには昨日みたいに短くても、俺たちに取ったら結構過去の事なのよ・・・。
 たのむよ・・・」


数万年、数千万年生きてきたサラにとっての10年は、まさに昨日の出来事だ。
しかし、普通の人間や魔族にとれば、それなりに長い年月なのだ。
間隔のずれである。

16: ハナミズキ [×]
2014-08-10 15:55:00

そしてブライアンも、サラの見た目年齢に近づいてきていた。
それでもサラは未だに、ブライアンを子共扱いをする事があり、先ほどのように平気であられもない姿で現れる。

カミナリが苦手なサラは、夜中にカミナリが鳴り出すと、ブライアンのベッドに潜り込み一緒に寝るなど、年頃の少年になったブライアンには少々戸惑いを隠せない。

いつ頃からだろうか、ブライアンがサラを1人の異性として気になるようになったのは。
初めのうちは優しいお姉さんとしか見ていなかったのが、5年経ち、10年経ち、15年が過ぎても歳を取らず、全く見た目が変わらないサラを不思議に思っていた。

父である王様も、サラには敬語を使って話していたので、いったいサラは何者なんだろうと思う時もあったが、いつも一緒に居るサラは優しく、聡明で世の中のすべてを知っている、尊敬に値する人物だった。

そんなサラに憧れ、崇拝もしていたが、いつもは何者にも屈せず、何者にも臆せずしっかりとした人物なのに、カミナリだけは苦手で、カミナリが鳴り出すと、他の誰でもないブライアンだけにしがみついてくる。
そんなサラを愛おしく思い、この人を守らねばと思うようになっていった。

だが、いつ頃からこの感情が芽生えたのかは定かではない。

17: 匿名さん [×]
2014-08-10 15:57:24

サラとブライアン大丈夫か?

18: ハナミズキ [×]
2014-08-10 16:25:33

翌朝、城からの使いが王様の手紙を持ってやってきた。
城の内情は手が取るように解っているサラは、その手紙にさっと目を通した後、ブライアンと共に城に向かった。

城門をくぐると、みながブライアンの事をジロジロと見てくる。
それもそのはずだ。
この城にいるダニエル王子と同じ顔なのだから。

サラサラと風になびく錦糸のような金の色に輝く髪、凛々しい眉毛、切れ長でグリーンの瞳に鼻筋も高く、キスをされたらとろけてしまいそうな艶やかな唇。
違うところといえば雰囲気だけだろうか。

ダニエルは物静かな優等生タイプで、ブライアンは、サラに鍛えられたせいか、少し野性味のあふれる硬派なイメージだ。
この二人が並ぶと圧巻だ。

特に女官たちは遠くからブライアンの姿を見ただけで、キャーキャーと言って騒いでいた。
それだけ存在が目立つのだ。

王様の手紙に寄れば、時期は早いが城に戻ってきて欲しいとのことだった。

サラは城に戻る条件として、ブライアンの身の安全のために同じ部屋で寝起きする事を提言した。
いままでそのような前例がなかったものの、伝説の魔女がそう言うならと納得をさせた。

しかし、いくら同じ部屋だからと言っても、同じベッドで寝るわけではない。
部屋の中に、一つの扉で繋がっている、もう一つの方の部屋を使うと言う事だ。
当然この部屋全体には、サラの魔法により完璧な防護壁が施されており、この部屋に入れるのはサラとブライアンのみとなっている。

他の者が無断で入ろうとしたものなら、防護壁の餌食になり、その場に気を失って倒れるほどの電流が身体を貫通し、倒れる仕掛けになっている。
魔法で破壊しようとしても、放った魔法の魔力がそのまま自分に帰ってきてしまい、これまた大怪我を追うということになる。

ブライアンがどこに行くにも、その傍らにはいつも必ずサラが付いており、ミズモラの暗殺計画がなかなか実行される事は出来なかった。

ミズモラは、その隙を作るために、旅の楽団を呼び寄せる事を考えていた。





――――  つづく  ―――――

19: 匿名さん [×]
2014-08-10 16:36:17

ブライアンはカッコいいのか

20: ハナミズキ [×]
2014-08-10 16:43:30

やっぱりそこは王道で行きたいですね。
ブスなヒロインや不細工なナイトはちょっと・・・^^;

どんな人物を想像してました?



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